✒ 皆が羨む億万長者だぉ★ 4
◎ 「 パーティー 」と「 パーティ 」で悩んでいます。
どっちを使って書くべきか……。
マオ
「 アンシェリー、オリバから離れろ。
オリバの腕を胸の谷間に入れんな!
誤解されるだろ!
他にも冒険者は居るんだ。
オリバじゃなくても良いだろ! 」
アンシェリー・オリィビル
「 女が──男にされる “ 酷い事 ” って言ったら、鈍いオリバーにも察しは付くでしょう?
魔法使いの私に──こんな服を着させるリーダー達なのよ?
私…………パーティ内で回されるわ…… 」
オリバー・デグンス
「 回される……。
アンシェリーのパーティは皆…………踊り好きなのか? 」
アンシェリー・オリィビル
「 …………違うわよっ!!
“ 回される ” って言うのは──、男達に盥回しにされる──って事でぇ…… 」
オリバー・デグンス
「 へぇ……あんな大きな盥を回せるなんて凄いな! 」
アンシェリー・オリィビル
「 オリバー…………アンタって昔からそういう奴だったわよね…… 」
マオ
「 オリバ……。
オリバ、あのな…… “ 盥回し ” って言うのは例えでだな── 」
オレは親切にオリバーへ “ 盥回し ” の意味を教えてやった。
別に教える必要なんて無いんだけど、アンシェリーがオリバーにドン引きしてるからな……。
それにハーレムを目指してるオリバーが “ 盥回し ” を知らないってのは変な話だし……。
オリバー・デグンス
「 えぇっ?!
盥回しって盥を回す芸の事じゃ…………そんな……なんて羨ま──じゃなくて、許せない犯罪行為じゃないですか!! 」
マオ
「 まぁ、1人の美少女を寄って集って盥回して楽しむのは、男にとっちゃロマンみたいなもんだからな。
“ 羨ましい ” って気持ちは否定しなくて良いんじゃないかな?
実際にしなければ問題ないわけだし 」
オリバー・デグンス
「 えっ、そうなんですか? 」
マオ
「 どんな犯罪だって、現実に実行しなけりゃセーフなんだよ。
頭の中で犯罪を犯したって、誰にも捕まえられやしないんだからな。
“ 現実に実行しない ” って事が大事なんだ 」
オリバー・デグンス
「 …………マオ師匠からそんな言葉を聞く事になるなんて意外です 」
マオ
「 そうかな?
ははは…… 」
実際に犯罪を犯しまくってるから説得力なんて全然ないけどな……。
アンシェリー・オリィビル
「 ねぇ、オリバー。
私がされる “ 酷い事 ” が分かったでしょ?
だから、お願い!
私を助けると思って──、一緒に森へ来て? 」
マオ
「 あのさ、森に行けばアンシェリーの安全は守られるかも知れないけど、オリバは確実に危険にさらされるよな?
それが分かり切ってるのに行くわけないだろ。
いい加減、オリバから離れろ! 」
アンシェリー・オリィビル
「 嫌よぉ!!
オリバーが良いの!
オリバーじゃないと駄目なの!!
オリバーを連れて戻らないと私は── 」
アンシェリーは両目に涙を溜めて、上目遣いに潤ませた瞳でオリバーを見詰めながら必死に訴えている。
幾らなんでも、あざと過ぎやしないか?
オリバーは意外にも御人好しで人が良いから、オレが歯止めになってやらないと、フラフラ付いて行ってしまいそうで心配だ。
兎に角だ、今はアンシェリーの胸の谷間にホールドされているオリバーの腕を救出しないとだ!
でも、一体どうやって救出したら良いんだ…。
?
「 何をそんなに騒いでます? 」
柔らかく心地良い胸の谷間の誘惑に負けそうなオリバーを何とかしようと考えていたオレの背後から聞き慣れた声が聞こえて来た!
マオ
「 セロ!
今まで何してたんだよ!
随分と遅かったじゃないか 」
セロフィート
「 ミグリさんの冒険者ランクと冒険者レベルを上げる為に★を集めてました 」
マオ
「 ミグリに過保護過ぎやしないか? 」
セロフィート
「 保護者として当然の事をしていただけです。
それより──何事です? 」
マオ
「 セロ──、何とかしてくれよ!
オレじゃあ、どうにも出来なくて…… 」
セロフィート
「 はあ?
オリバさんは嬉しそうな顔をしてますけど? 」
マオ
「 アンシェリーをオリバから引き剥がしたいんだ! 」
セロフィート
「 彼女がアンシェリーさんです? 」
マオ
「 そうだよ!
オリバの腕を胸の谷間に埋めさせてる子が、アンシェリーだよ!
オリバの知り合いなんだってさ 」
セロフィート
「 マオ、ミグリさんをお願いします 」
マオ
「 任せろ!
オリバを頼むよ 」
セロフィート
「 はいはい 」
困ったような笑顔をオレに向けながら、オレの頭を然り気無く撫でたセロは、オリバーとアンシェリーの元へ歩いた。
セロフィート
「 アンシェリーさん、初めまして。
ワタシは〈 S・G 〉のリーダーをしているセロフィート・シンミンです。
オリバさんは〈 S・G 〉の庇護下に居ます。
それを知っての狼藉です? 」
マオ
「 狼藉は言い過ぎじゃないかな? 」
セロフィート
「 オリバさんを離してください。
“ 嫌だ ” と言うなら武力行使も厭いません。
覚悟してください 」
オリバー・デグンス
「 ヒイっ!!
セロフィート師匠~~!!
直ぐに離れますぅ~~!! 」
オリバーはセロを見るや否や、自らアンシェリーの胸の谷間から抜け出ると逃げ出した。
セロの「 武力行使も厭いません 」が効いたのかな?
効果抜群の言葉だな。
セロフィート
「 オリバさん、“ 親しき中にも礼儀あり ” という諺があります。
唯でさえ人目の多い公衆の面前です。
どの様な状況下でも己の行動を律し、清廉潔白であるよう振る舞いに気を付けてくだい。
夢のハーレムが遠退きますよ 」
オリバー・デグンス
「 はい……。
以後、気を付けます…… 」
セロフィート
「 アンシェリーさん、〈 S・G 〉の庇護下に居るオリバさんを誘惑しないでください。
マオとワタシは弟子であるオリバさんを守る義務があります。
オリバさんに不敬を働くなら、リーダーであるワタシが自らの手でアンシェリーさんを排除しなければいけません。
ワタシにその様な酷い事をさせないでください 」
マオ
「 セロぉ…… 」
オリバー・デグンス
「 セロフィート師匠ぉ~~ 」
アンシェリー・オリィビル
「 あ……すみません…でした……(////)
私は唯……オリバーに依頼を受けてほしくて……。
お願いを…していただけなんです…(////)」
うわぁ……明らかにオリバーに対する態度と違うなぁ。
顔を赤らめて、身体をモジモジさせてるよ…。
う~~~ん……何で股間の辺りを帽子で隠してるのかは分からないけど…………もしかして、男とか??
でも、だったら……あの胸は??
マオ
「{ オリバ、アンシェリーって、実は男なのか?? }」
オリバー・デグンス
「{ えぇっ?!
嫌だな、マオ師匠~~。
見れば分かるじゃないですか。
アンシェリーは正真正銘、女子ですよ }」
マオ
「{ そ、そっか……。
だよな??
あの胸は本物なんだな? }」
オリバー・デグンス
「{ マオ師匠も胸が気になってたんですね!
ですよねぇ~~。
巨乳ってぇ、めっちゃ柔らかいですもんねぇ~~♥️
良い匂いもしますしぃ♥️♥️ }」
マオ
「{ 詰め物なのか疑ってただけだよ!
アンシェリーを見てみろよ!
セロを前にしてモジモジしてるじゃないか }」
オリバー・デグンス
「{ あはっ、可愛いですよねぇ♥️
アンシェリーは清楚系の子かと思ってたんですけど、誘惑系も良いですよね~~ }」
マオ
「{ 其処じゃなくてだな──、帽子で股間の辺りを隠してるじゃないか。
だからさ、実はオレ達と同じモノが付いてたりするのかと思ってさ…… }」
オリバー・デグンス
「{ あぁ~~……そっちですから……。
確かに言われて見れば、そう見えなくもないですよね?
でも、アンシェリーは女子ですから、息子は付いてませんよ }」
マオ
「{ そうなのか?
じゃあ、何であんなに紛らわしい動きをしてるんだよ? }」
オリバー・デグンス
「{ 僕が知るわけないですよ。
アンシェリーと合ったのは本当に3ヵ月ぶりなんですから…。
それに幼馴染みでもないですし… }」
マオ
「{ そうなのか? }」
オリバー・デグンス
「{ アンシェリーとは【 見習い冒険者の集い 】って出会いの場で会って仲良くなっただけで、詳しくは知らないんです }」
マオ
「{ へぇ……。
そんな出会いの場が有るんだ?
知らなかったな……。
セロとオレが見習い冒険者だった時は無かったと思うけどな~~ }」
オリバー・デグンス
「{ 僕が見習い冒険者になる少し前に立ち上がった会みたいですよ。
『 見習い冒険者達をサポートしてくれる会が新しく出来たから参加しないか? 』って声を掛けられた口なので── }」
マオ
「{ そっか…… }」
何て事をオリバーと小声で話していると、アンシェリーが大きな声を出して何かを叫んでいる事に気付いた。
一体全体どうしたって言うんだろう??




