⭕ 皆が羨む億万長者だぉ★ 3
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「 マオ師匠ぉ~~、良い依頼書はありましたか? 」
マオ
「 ──オリバか。
帳簿は付けれたのか? 」
オリバー・デグンス
「 もう、バッチリですよ! 」
マオ
「 セロのチェックが入るんだから、適当に書くなよ 」
オリバー・デグンス
「 心得てます!
今回は5回も見直しましたから、自信あります! 」
マオ
「 念入りだな…。
オリバ、隣に居る子は誰だ? 」
オリバー・デグンス
「 あぁ、この子はアンシェリーです。
僕と同じ見習い冒険者だった子で、魔法使いなんですよ 」
アンシェリー
「 初めまして。
アンシェリー・オリィビルです 」
マオ
「 ふぅん?
『 見習い冒険者だった 』って事は──、今は? 」
オリバー・デグンス
「 なんと──、冒険者ランクが上がって、新米冒険者になったそうですよ! 」
マオ
「 ふぅん?
オリバより早く冒険者ランクが上がったのか…。
怪しいな 」
オリバー・デグンス
「 『 怪しい 』って……。
初対面で何ですか、マオ師匠~~ 」
マオ
「 冒険者に弟子入りしたのはオリバが先だろ?
オリバより後に弟子入りしたのに、オリバより先に冒険者ランクが上がるなんて明らかに怪しいだろが!
不正でもしたんじゃないのか? 」
オリバー・デグンス
「 マオ師匠!!
幾ら何でも言い過ぎですよ!
確かに弟子入りしたのは僕が先ですけど、僕は2ヵ月もトレーニングしていたんですよ。
僕がトレーニングに明け暮れてる2ヵ月の間にアンシェリーは頑張って★を集めたんですよ 」
マオ
「 オリバ、それは無理だよ。
良いか──、オリバが集めた★はな、高ランクの怪物を倒し捲ったからだ。
約半年は掛かるだけの★をオリバは手に入れてるわけだ。
だからな、オリバより遅く冒険者に弟子入りした見習い冒険者が、オリバより先に新米冒険者になるのは、普通に有り得ないんだ。
“ 不正 ” っていうズッコしてないと不可能なんだよ! 」
オリバー・デグンス
「 不正って……。
アンシェリーは不正するような子じゃないですよぉ!! 」
マオ
「 オリバ、女を見る目が無いな。
無駄に胸を強調するような服を着てる女の大半は── 」
オリバー・デグンス
「 アンシェリーの事を悪く言わないでくださいよぉ!
折角、再会出来たんですからね 」
マオ
「 ……分かったよ…。
今回はオリバの顔を立ててやる。
アンシェリーだっけ?
悪く言って済まないな。
謝るよ、御免な 」
アンシェリー・オリィビル
「 い、いぇ…… 」
マオ
「 あぁと……オレが謝った事は、セロにだけは言わないでくれよ。
オレが誰かに “ 謝った ” なんて事がセロの耳に入ったりでもしたら──、大変な目に遭うからさ 」
アンシェリー・オリィビル
「 貴方が……ですか? 」
マオ
「 オレじゃないよ。
オレが謝った相手──つまり君の命が “ 危ない ” って言ってんの 」
アンシェリー・オリィビル
「 私の命が危ない?? 」
マオ
「 そっ!
オレのセロは嫉妬深いんだ。
オレは本来、セロにしか謝らない。
そのオレが他の誰かに “ 謝った ” なんて事をセロが知ったら、アンシェリーはセロに存在を消されるよ。
確実にな!
だから、口にチャックだ 」
アンシェリー・オリィビル
「 ………… 」
マオ
「 返事ぃ! 」
アンシェリー・オリィビル
「 は、はい──。
誰にも言いません… 」
マオ
「 なら、良し! 」
オリバー・デグンス
「( 小声で話してないから、セロフィート師匠に丸聞こえだと思うんだけどなぁ……。
黙っとこう…… )
マオ師匠、アンシェリーは依頼を受けてくれる冒険者を探しているんです 」
マオ
「 依頼を受けてくれる冒険者ぁ?
…………因みに、どんな依頼なんだ? 」
アンシェリー・オリィビル
「 あ……えと……この──依頼です 」
アンシェリーは掲示板に貼られている1枚の依頼書を指で差した。
マオ
「 ──この依頼書って…… 」
アンシェリーが指を差して教えてくれた依頼書にはギルド承認のスタンプが押されていない。
さっきオレがスルーした依頼書じゃないかよ!!
マオ
「 ギルド承認のスタンプの無い依頼書はアンシェリーが書いたのか? 」
アンシェリー・オリィビル
「 そう、ですっ!!
オリバーに受けてもらえないかと思って…… 」
オリバー・デグンス
「 弟子の立場の僕が勝手に依頼を受ける事は出来ないですし──、マオ師匠に聞こうと思って…… 」
マオ
「 オレに?
依頼を受けるかどうかを決めるのはオレじゃないよ。
決定権は〈 S・G 〉のリーダー、セロにあるんだ。
オレに聞かれてもな~~ 」
オリバー・デグンス
「 其処を何とか!
アンシェリーの依頼を受けれるようにマオ師匠からセロフィート師匠に話を通してほしいんです! 」
マオ
「 無茶言うなよ。
オリバ、セロから言われてるだろ。
ギルド承認のスタンプの無い依頼書は『 受けたら駄目だ 』ってな!
ギルド承認のスタンプを押されてない依頼は、ギルドマスターが認めてないから、ギルドは関与しない依頼だぞ。
冒険者同士で揉めたりいざこざが起きてもギルドは仲裁に入ってくれないんだ。
冒険者同士の自己責任になる。
流血もんだぞ 」
オリバー・デグンス
「 ……………… 」
マオ
「 依頼を受けるにしてもだ、最低条件は “ ギルド承認のスタンプが付いてる事 ” だからな。
これが出来ない依頼に関しては、どんな事情があろうと受けれないよ。
アンシェリー、先ずはギルド承認のスタンプを押してもらえよ。
偽造は駄目だぞ。
セロの目は騙せないんだからな! 」
アンシェリー・オリィビル
「 ………………それは…… 」
マオ
「 オレの忠告を “ 聞けない ” って事は陸でもない依頼って事か? 」
アンシェリー・オリィビル
「 ──ち、違います!
ちゃんとした依頼です!! 」
マオ
「 後ろめたさのないちゃんとした依頼だって自信があるなら、ギルド承認のスタンプを押して貰える筈だ。
受け付けに提出しろ 」
アンシェリー・オリィビル
「 …………それは……出来ません……。
出来ません…けど、私が保証します!
後ろめたい変な依頼じゃないです!
本当です!
私を信じて依頼を受けてください! 」
オリバー・デグンス
「 アンシェリー…… 」
マオ
「 話にならないな。
初対面の相手を簡単に信じられるかよ。
オリバ、相手にすんなよ。
オリバ!
『 胸、見んな! 』って言ってるだろが! 」
オリバー・デグンス
「 だって──発育が良くて……(////)」
マオ
「 『 だって 』じゃねぇよ。
アンシェリー、悪いけど他を当たってくれよな。
オリバも知り合いだからって、ホイホイ頼みを聞くなよ 」
オリバー・デグンス
「 …………すみません… 」
アンシェリー・オリィビル
「 オリバー、お願い!
私の依頼を受けて!!
誰かを連れて戻らないと、私……私……リーダー達に酷い事を…… 」
オリバー・デグンス
「 アンシェリー……。
──胸を擦り付けないでほしいんだけどなぁ~~~(////)」
マオ
「 鼻の下、伸びてるぞ……。
ハニートラップだって気付けよ…。
あのなぁ、アンシェリー。
男を誘惑するような服を着てりゃあ、酷い事もされるだろ。
冒険者の男は血の気が多くて、お盛んな奴等が多いんだ。
尻尾振って “ 襲ってください ” って言ってるようなもんだぞ。
露出度の少ない慎みのある服を着た方が良いよ 」
アンシェリー・オリィビル
「 これは……リーダーの趣味なんです!
私は新米冒険者で、したっぱですから……、リーダーの命令には逆らえないんです! 」
マオ
「 リーダーの命令ねぇ。
仲間に戦闘に不向きな卑猥な格好させる冒険者のリーダーって、クズだな。
そんなパーティ、さっさと見限って抜けろよ 」
アンシェリー・オリィビル
「 抜けるなんて、出来ません!!
出来るならとっくにに抜けてます!
オリバー、お願い!
私と一緒に森へ行ってくれるだけで良いの……。
そうしたら、私はリーダー達から酷い事をされないで済むの…… 」
オリバー・デグンス
「 …………ひ…酷い事って……どんな…事なんだい? 」
マオ
「 オリバ!
相手にすんなよ。
アンシェリーがリーダー達に何されようが、オレ達には関係無いんだぞ 」
オリバー・デグンス
「 だけど──、マオ師匠~~ 」
こりゃ、オリバーは駄目だな。
オリバーの腕はアンシェリーの豊満な胸の谷間にinしている。
ガッチリとホールドされてるから、色気と色香と意思の弱いオリバーには、胸の谷間の誘惑を簡単に振り払えないだろう。
オレは別に羨ましくなんか──、ないんだからな!!
◎ 訂正しました。
3ヵ月 ─→ 2ヵ月




