✒ ミグリ、冒険者デビュー 2
──*──*──*── 商店街
──*──*──*── 防具屋
防具屋へ着いたら、セロはミグリの為に防具を選ぶ。
オリバーは販売されている新品の防具を見て、両目をキラキラと輝かせている。
興奮してテンションが上がっているみたいだ。
ミグリの事はセロに任せて、オレはオリバーと一緒にオリバーに合いそうな防具を選ぶ事にした。
良さそうな防具を見付けたら、素材を変えてオーダーメイドで作って貰う事も出来る。
素材の持ち込みは大いに大歓迎らしい。
素材を調達するの結構大変な作業だもんな~~。
素材を調達する為に冒険者ギルドに依頼をしたり、護衛を依頼して自ら調達しにいかないと行けない。
素材を調達しに行ったまま音信不通になるケースも多いから、オーダーメイドをする店では安全に素材を調達する為に “ 素材の持ち込み ” を歓迎している。
マオ
「 ──これはどうだ? 」
オリバー・デグンス
「 此方の方が格好いいです 」
マオ
「 あのなぁ……格好良さは横に置いとけ 」
オリバー・デグンス
「 嫌です!
格好良さは外せません!! 」
マオ
「 未だランクGだろが!
忘れるな! 」
オリバー・デグンス
「 嫌ですぅ! 」
オリバーは防御力より見た目を重視して選びたいらしく、一筋縄ではいかなそうだ。
セロ──、オリバーの暴走を何とかしてくれぇ!!
一方のセロフィートはミグリに付きっきりで防具を選んでいる。
両性種は性別が決まっていない場合は、男性モノ,女性モノの装備品をどちらでも装備をする事が出来る珍しい種族でもある。
男性モノの武器,防具を装備し、女性モノの装飾品や履き物を装備する事が出来る。
例えば、男性しか装備の出来ない大剣,立派な鎧を装備し、女性しか装備の出来ないアクセサリーを身に付け、ハイヒールを装備させて戦わせる事も出来る。
女性しか装備の出来ないドレス風の防具を装備させて、男性用の膝宛や肘宛,大剣を装備させる事も出来る。
減量魔法を使わなくとも、装備品の重さを一切気にする事なく装備させる事が可能な珍しい種族なのである。
セロフィート
「 動き易いデザインの防具にしましょう。
防御力は素材で補えます 」
ミグリ
「 はい…(////)」
セロフィートはミグリの防具選びを意外にも楽しんでいるようだ。
ミグリも絶世の美麗人が態々自分の為に防具を選んでくれている事に喜びを感じていた。
セロフィート
「 ──ミグリさん、似合います。
見た目は軽装ですけど、素材を変えて作れば、従来の防御力を超える防具になります 」
ミグリ
「 …………動き易い…です(////)」
セロフィート
「 敢えて防具に見えない防具にする事で、敵対する相手を油断させ、隙を得る事も出来ます。
如何に無害で弱そうに見せられるかがポイントです 」
マオ
「 セロ!
ミグリに変な知識を植え付けるなよ…… 」
セロフィート
「 植え付けてませんし。
ワタシは事実しか言いません。
マオ、オリバさんの防具は決まりました? 」
マオ
「 全然だよ…。
彼奴、防御力よりも格好良さに拘ってて全然決めないんだよなぁ… 」
セロフィート
「 ふふふ…。
はしゃいでますね。
防御力は素材で補えますし、好きなデザインの防具を選ばせてあげましょう 」
マオ
「 分かったよ…。
ところで、ミグリの防具は決まったのか? 」
セロフィート
「 決まりました。
今、着ている防具を元に、生地に変えた素材で作ってもらいます 」
マオ
「 普通の洋服みたいだな。
薄い胸当てと肘宛と膝宛が付いてるぐらいじゃんか。
如何にも防御力が低そうな防具だな 」
セロフィート
「 それが狙いです。
敢えて軽装に見せ、敵の油断を誘います。
戦闘に不馴れな素人に見えるでしょう? 」
マオ
「 そだな~~ 」
セロフィート
「 ミグリさん、オーダーメイドを頼みましょう 」
ミグリ
「 ……はい…(////)」
セロはミグリを促して、レジカウンターへ歩いて行った。




