⭕ ミグリ、冒険者デビュー 1
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── サテサンザの町
──*──*──*── ギルド街
──*──*──*── 冒険者ギルド
森に関する依頼を達成したから、森を出て≪ 町 ≫へ戻って来た。
冒険者ギルドに入ったら、受け付けカウンターの上に依頼書の束を提出する。
因みに依頼書を提出したり、達成した証拠の戦利品を受け付けカウンターの上に出すのは、依頼を受けたオリバーだ。
セロとオレは1歩下がって、オリバーの様子を見守っている。
ミグリはセロとオレの間に立っている。
冒険者ギルドが物珍しいのか、初めての場所に怖じ気付いているのか、セロの足に抱き付いた状態でキョロキョロと冒険者ギルドの中を見回している。
全身緑色の肌なんて物珍しいから、ミグリはフード付きコートを着させていて、フードを被らせている。
セロフィート,マオ,ミグリが後ろで控えている中、オリバーは受付嬢から依頼書の報酬を受け取っていた。
続いてオリバーは冒険者ギルドの課題を達成した報酬も受け取る。
冒険者ランクと冒険者レベルを上げる為に必要な★も沢山貰えた。
それでも★100迄は未々足りない。
オリバー・デグンス
「 セロフィート師匠,マオ師匠──、終わりました 」
マオ
「 次は森の生態調査をした報告だな 」
セロフィート
「 マオ、ミグリさんをお願いします。
オリバさんは帳簿を付けてください 」
オリバー・デグンス
「 はい! 」
オリバーは設置されているテーブルの上に帳簿,ペン,レシートを置くと椅子に腰を下ろして座った。
マオ
「 ミグリ、立ちっぱなしは疲れるだろ?
椅子に座ると良いよ 」
ミグリ
「 ……はい……マオ樣… 」
ミグリはオリバーが座っている姿を真似て椅子に腰を下ろして座る。
オリバーが懸命に帳簿を書いているのを興味深そうに見ている。
ミグリをマオへ任せたセロフィートは、壁に貼られている依頼書を確認する。
森に関係する依頼書があれば、手当たり次第に剥がす。
依頼書を剥がし終えたセロフィートは、受け付けカウンターの上に剥がした依頼書を提出する。
受付嬢の前に提出された依頼書の中には、森の生態調査を依頼する内容の依頼書も混ざっていた。
セロフィートは魔法の袋を出すと、依頼を達成した証拠となる戦利品を提出し、森の生態調査をした事も報告をした。
セロフィートが受付嬢へ報告した内容は、森の中でマオに話した内容と同じだ。
先ずは、“ 森の最新部に怪物が巣食っていた ” という事。
次に、“ 怪物が吐いていた魔素ブレスが生態系へ悪影響を及ぼしていた ” という事。
最後に、“ 怪物を倒す事は出来ても、魔素を消す事は出来ず、森の生態系が元通りとなるには数十年を要する ” という事。
この3点を報告し、更には “ 地磁気,磁場の悪影響を受けないよう、冒険者達には可能な限り、森の奥へ入り過ぎないように ” との注意も促した。
セロフィートは更に、森の最深部で魔素ブレスを吐き、森の地磁気,磁場を狂わせた現況でもある怪物──暗黒龍の死骸を入れた魔法の袋を受け付けカウンターの上に置いた。
セロフィート
「 奇蹟的に倒す事が出来た怪物は、マオとワタシも初めて見る怪物でした。
全身真っ黒な鱗で覆われていて、真っ黒な翼を左右に生やした蛇のように長い体の龍です。
マオとワタシは “ 暗黒龍 ” と名付けました 」
受付嬢
「 貴重な情報を有り難う御座います!
やはり〈 S・G 〉さんは凄いですね!
森の件はギルドマスターへ報告させていただきます! 」
セロフィート
「 お願いします。
──冒険者登録をしてほしい子が居ます。
冒険者登録、お願い出来ますか? 」
受付嬢
「 お受け致します。
此方の書類に必要事項を記入してください 」
セロフィートは出された書類に必要事項をサラサラと美文字で記入する。
ミグリの事を書いているのだ。
受付嬢
「 ──両性種…ですか?
初めて聞く種族ですね 」
セロフィート
「 森の中で保護しました。
何処からか迷い込んだのかも知れません 」
受付嬢
「 〈 S・G 〉さんと一緒に行動されるなら安心ですね!
此方でパーティ編成をさせて頂きます。
──〈 S・G 〉のパーティメンバーを追加させて頂きました。
此方がミグリさんのマイバイ証になります。
セロフィートさん,マオさんと同様に各ギルドの登録もさせて頂きました。
ミグリさんの登録料も〈 S・G 〉さんのマイバイ証から支払われるようにさせて頂きました 」
セロフィート
「 有り難う御座います 」
受付嬢
「 いえ、冒険者が増えてくれて有り難いんです。
大勢の冒険者が森へ入ったきり戻って来なくて……冒険者不足になっているんです 」
セロフィート
「 そうでした。
森の中で冒険者達が身に付けていたであろう装備品を見付けました。
──此方の魔法の袋に入れてあります。
確認してください。
身元を証明するマイバイ証が入っていれば良いのですが…… 」
受付嬢
「 えぇっ?!
そうなんですか!
森の中に装備品が……。
有り難う御座います!!
ギルドマスターと共に装備品と身元確認をさせて頂きます! 」
セロフィート
「 魔素ブレスの悪影響で、虫類が巨大化していました。
巨大な蜘蛛の群れを見付けたので、恐らくは──── 」
受付嬢
「 ………………森の中へ入った冒険者達と照らし合わせてみます。
魔法の袋は御借りして宜しいですか? 」
セロフィート
「 どうぞ、構いません 」
受け付けカウンターで用事を済ませたセロフィートは、マオ,オリバー,ミグリの居る場所へ歩いた。
セロフィート
「 冒険者ギルドでの用事は済みました。
防具屋へ行きましょう 」
マオ
「 防具屋?
何か買うのか? 」
セロフィート
「 ミグリさんの装備を整えます。
丸腰は良くないです。
ある程度、身を守れる防具を装備してもらわなければ連れて歩けません 」
マオ
「 確かにな…。
オリバが使ってた防具じゃ駄目なのか? 」
セロフィート
「 ミグリさんは剣士ではないですから合いません。
ミグリさんに合った防具を買います。
収入も入りましたし、オリバさんの防具も新調して更に防御力を上げましょう 」
オリバー・デグンス
「 えぇ……もう出費するんですか… 」
セロフィート
「 オリバさん、命を重視してください。
防具に適した素材を手に入れたら、ケチらず防具の防御力を上げる為にも新調をしてください。
必ずです 」
オリバー・デグンス
「 はい…… 」
マオ
「 ハーレムに近付く為に必要な投資だと思えば良いだろ?
命あってこその夢だぞ! 」
オリバー・デグンス
「 ですよね…… 」
オリバーは両肩を落として落ち込んでいる。
どうやら手に入った報酬金に手を付けたくないみたいだな。
小まめに帳簿を付けてる成果かな?
◎ 変更しました。
冒険者LV ─→ 冒険者レベル




