✒ 森の中はデンジャラス 5
マオ
「 セロ、オリバは何処に居るんだ? 」
セロフィート
「 マオとワタシのテントの中に居ます。
敷布団と掛布団は外に出しました。
処分しなければいけませんね…。
彼等──7名に弁償してもらいましょう 」
マオ
「 そうだな。
──それにしても随分と静かだな。
セロとオレの会話が聞こえてるなら、文句ぐらい言って来る筈だろ? 」
セロフィート
「 沈黙魔法を掛けて声を出なくしてます 」
マオ
「 そうなんだな。
今から穴に入れるのか? 」
セロフィート
「 彼等の事は〈 器人形 〉に任せます。
マオにミグリさんを紹介します 」
マオ
「 ミグリさん?
緑色の肌をした子供……だよな? 」
セロフィート
「 いえ、成人してます 」
マオ
「 えっ??
成人してる??
でもさ、オレより幼いじゃんか… 」
セロフィート
「 両性種は10歳で成人します 」
マオ
「 両性種ぅ?
両性種って何だ?
初めて聞くんだけど? 」
セロフィート
「 両性種は滅多に人前に姿を現さない稀少な種族です。
亜人種でも両性種の存在を知る者は極僅かです 」
マオ
「 そんな稀少な両性種が何で此処に居るんだ?
──って言うか、何であの下品な奴等が両性種を連れてたんだよ? 」
セロフィート
「 詳しい事情は、ミグリさんから聞きましょう。
彼等から保護したミグリさんをパーティに入れます 」
マオ
「 パーティに入れる??
えっ、パーティ??
どゆこと? 」
セロフィート
「 両性種は稀少な種族です。
ミグリさんの安全を守る為に〈 S・G 〉の庇護下に置き、生活面をサポートします。
マオとワタシがミグリさんの保護者になります 」
マオ
「 保護者って……。
ミグリは成人してるんだろ?
保護者になるって事はさ、ミグリを “ 子供扱いする ” って事だろ? 」
セロフィート
「 マオとワタシはミグリさんより年配者です。
年配者が若輩者を正しく導かなくてどうします 」
マオ
「 …………そだな… 」
セロフィート
「 ミグリさんにも生きる術を身に付けてもらう必要があります 」
マオ
「 冒険者にでも育てるつもりか? 」
セロフィート
「 さて──、それは追々決めましょう。
これから宜しくお願いしますね、ミグリさん 」
マオ
「 宜しくな、ミグリ!
オレの事は “ マオ ” で良いからな 」
ミグリ
「 はい……。
宜しく…です。
セロフィート様……マオ様… 」
マオ
「 可愛い声だな。
未だ声変わりしてないんだ? 」
セロフィート
「 両性種は性別が決まった時に声変わりします 」
マオ
「 性別が決まった時?
そうなんだ?
どういう時に性別が決まるんだ? 」
セロフィート
「 生活環境で決まります。
本人にも雄になるか雌になるか分かりません 」
マオ
「 へぇ、そうなんだ? 」
セロフィート
「 成人して直ぐ性別が決まる事はないです。
早くて20歳,遅くて30代です。
ミグリさんは成人して間もないですし、最低でも10年は両性のままです。
性別が決まる迄、誰かがミグリさんを守る必要があります 」
マオ
「 そうなんだ…。
ミグリの性別が決まる迄は誰かがミグリを守らないといけないんだな。
──その “ 誰か ” が、セロとオレなんだな! 」
セロフィート
「 オリバさんにもミグリさんを紹介します。
ミグリさん、付いて来てきください 」
ミグリ
「 は、はい… 」
男とも女とも言えない容姿をしている緑色の肌をした両性種のミグリ。
稀少な種族のミグリは一体何処から連れて来られたんだろう……。
ミグリを保護するのは別に構わない。
だけど……ミグリは故郷に帰りたいとは思わないのかな?
ミグリの故郷は何処に在るんだろう……。
セロはミグリを促してテントの中へ入った。
オレもセロとミグリの後に続いてテントに入る。
──と、その前にチラッとキャンプ地の周りを見渡したけど、あの7名の姿は既になかった。
〈 器人形 〉が森の中へ連れて行ったんだろう。
──*──*──*── セロフィート,マオのテント
オリバー・デグンス
「 し…師匠ぉ~~~~!! 」
マオ
「 オリバ……。
セロとオレが留守にしてる間に散々な目に遭ったみたいだな 」
オリバー・デグンス
「 グスッ…………本当ですよぉ~~~~!!
テスだけは “ 守らなくちゃ ” って思って、咄嗟に魔法の鞄の中に入れたんです。
──テスは無事ですぅ~~~ 」
セロフィート
「 オリバさん、賢明な判断でした。
テスさんも最後まで良く耐えれましたね。
偉かったですよ 」
セロがテスを撫でて褒めると、テスは嬉しそうにぷるぷると体を揺らした。
可愛い~~~♥️
癒されるぅ~~~♥️
マオ
「 オリバ、彼奴等はオリバの何なんだ?
彼奴等、自分達は『 オリバの親友だ 』とかふざけた事をほざいてたぞ!
まさか──、本当に “ 親友ですぅ ” なんて言わないよなぁ? 」
オリバー・デグンス
「 し…親友?!
とんでもないですよ!!
彼奴等とは微塵も親友なんかじゃないですよぉ!!
親友面される謂われも覚えも欠片も無いです!! 」
マオ
「 そっか。
それを聞けて安心したよ。
もしも、オリバが奴等を “ 親友だ ” なんてほざいたら──── 」
オリバー・デグンス
「 な…何ですか ……。
僕……どうなっていたんですかぁ?! 」
マオ
「 親友じゃないんだろ?
なら、問題ないよ!
知らなくても良いんだ 」
オリバー・デグンス
「 ………………はい… 」
オリバー・デグンスはマオの笑顔を見て、背筋がヒュッと凍った気がした。
◎ 全身緑色の両性種のミグルのモデルは、ナメ●ク星人ではないです。
ミグルのモデルは、「 ネバーエンディングストーリー:原作 」のアトレイユです。
原作を読んだ事は無いですが、原作のアトレイユは全身緑色の少年だか青年らしいので(?)、中性的なアトレイユ(10歳)を全身緑色にした感じだと思っていただきたいです。
全身緑色ですけど、声変わりしていない可愛い容姿の子供だと思ってもらえたら幸いです。
ミグルの髪色は金髪ではなく、薄紫色です。




