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✒ 森の中はデンジャラス 1


──*──*──*── 森の中


マオ

「 …………なぁ、セロ… 」


セロフィート

「 どうしました? 」


マオ

ヒルってさぁ、こんなにデカかったか?? 」


セロフィート

「 一般的なヒルは小さいです 」


マオ

「 だよな?

  なんで、スリッパ並みにデカいんだ? 」


セロフィート

「 さて──、でしょうね? 」


オリバー・デグンス

「 あのぉ──っ!!

  ゆうちょうに見てないで剥がしてくれませんかぁ!! 」


マオ

「 落ち着け、オリバ。

  ヒルは無理矢理剥がすと皮膚も一緒に千切れるんだぞ。

  たしか……牙が釣り針みたいに皮膚に引っ掛かって取れにくくするんだっけ?

  牙が折れて体内に残る事も有るとか無いとか??

  ──セロ、ヒルってさ、どうやって剥がすんだっけ? 」


セロフィート

「 塩を掛ける,食塩水を掛ける,火であぶる──でしたか?

  それをすると簡単に剥がせます。

  傷の応急手当をする必要も有ります 」


マオ

「 塩を掛けるのか?

  ナメクジ退治に似てるな 」


セロフィート

「 試してみましょう 」


マオ

「 そうだな 」


 ──と言うわけで、セロとオレはオリバーの身体からだに張り付いているヒルに塩を掛けたり、作った塩水を掛けたり、火であぶってみたりして、ヒルを引き剥がそうとした。

 だけど、ヒルはピクリともしないし、一向に剥がれない。


マオ

「 ……………………。

  セロ…このヒル、全然剥がれないぞ… 」


セロフィート

「 普通のヒルとは違うのかも知れませんね 」


マオ

「 セロ、ほかヒルを剥がす方法はないかな? 」


セロフィート

ほかの方法です?

  煙で──でしょうか。

  なんの煙かは知りませんけど 」


マオ

「 知らないのかよ! 」


セロフィート

「 マオも知らないでしょうに 」


オリバー・デグンス

「 あのぉ~~!!

  早くなんとかしてくださいぃ~~~~!! 」


セロフィート

「 はいはい。

  オリバさん、暫く目をつむっていてください 」


オリバー・デグンス

「 目を──ですかぁ? 」


セロフィート

「 そうです。

  ワタシが合図をするまで目を開けてはいけません。

  いです? 」


オリバー・デグンス

「 は、はい……。

  分かりましたぁ~~ 」


 スリッパ並みに大きなヒルに張り付かれているオリバーは、今にも泣きそうな表情でセロから言われたとおり、素直に両目を閉じる。

 身体からだをプルプル,ガクガクと震わせている様子を見ると限界らしい。

 セロはオリバーに張り付いているデカいヒルを〈 (原質)(みなもと) 〉に変換した。

 全てのヒルが〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されたのを確認したセロは、オリバーに合図を出した。


セロフィート

「 もうヒルは付いてません。

  安心してください 」


オリバー・デグンス

「 セロフィート師匠ぉ~~~~!

  がとう御座いますぅ~~~~!! 」


 オリバーはセロの腰に抱き付いて泣きわめいている。

 よっぽどヒルこたえたんだろうな……。


セロフィート

「 オリバさん、傷はテスさんに魔法マジックで治してもらってください 」


オリバー・デグンス

「 はい!

  そうしますぅ~~ 」


 オリバーは魔法マジックの鞄(バッグ)の中からテス(無属性スライム)を出すとヒルに噛まれた傷を治してもらっている。

 オリバーの気持ちは分からなくもない。

 ヒルナメクジだったら──って考えるとゾッとする。

 オレはナメクジだいきらいだからだ。

 さっきのヒルみたいにナメクジが木の上から降ってたら、正気を失って発狂しちゃうかも知れないからな!!


オリバー・デグンス

「 ~~~~もう、いやですぅ!!

  森から出たいですぅ!! 」


 オリバーはテス(無属性スライム)を抱きしめながら泣きそうな表情で弱音をき出し始めた。


マオ

なに言ってんだよ。

  これからキャンプ地を作って、テントを張るってのに…… 」


オリバー・デグンス

ヒルが上から落ちてる森の中で野営なんてしたくないですよぉ~~~~!! 」


マオ

()ねるなよ… 」


セロフィート

「 動物やけものに関しては特に異常は見られませんね。

  異常が有るのは虫類ですか… 」


マオ

「 虫だけじゃないだろ?

  ヒルは虫じゃないしな。

  それにカエルもデカかったよ 」


オリバー・デグンス

アリも知ってるのより大きかったですよ!!

  もぅ──、なんなんですかぁ、この森ぃ~~!

  からおかしな森に変わってしまったんですかぁ~~~~ 」


マオ

「 こりゃあ、森の中を散策して調べた方がいかもな。

  最優先は依頼の達成だけど、ある程度の生態調査をしてギルドに報告した方がいかもな? 」


セロフィート

「 ギルドに恩が売れますね。

  森の生態調査依頼はギルドから出るでしょうし、まえもって調査をしときましょう 」


マオ

「 じゃあ、キャンプ地を作る為に周辺を片付けて綺麗にしないとな!

  一応、柵でも作っとくか? 」


セロフィート

「 そうですね。

  ワタシは怪物モンスターけの魔法マジック道具アイテムを設置します。

  オリバさんは柵を作ってください 」


オリバー・デグンス

「 柵……ですか? 」


マオ

「 必要な材料と道具はセロが出してくれるから、頼むな!

  オレは周辺を整地したらテントを張るからさ 」


オリバー・デグンス

「 …………分かりました…… 」


 オレは愛剣を振りながら、不要な草や枝を切ったり、邪魔な石を退けたりして地面を整地していく。

 ほんは柵なんて要らないんだけど、オリバーがるからな。

 整地を済ませてテントを張り終わったら、今夜の夕食ディナーを作らないとだ。

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