✒ 野郎同士でショッピング 1
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 宿泊室
マオ
「 ふ──ふざけんなぁ~~~~っ!! 」
オレは怒りに任せて声を張り上げて思いっ切り叫んだ!!
マオ
「 オレの苦労を何だと思ってんだよ!!
オレがっ、どんな気持ちで井戸の中から這い上がって来たと思ってんだぁぁぁ~~~~!! 」
?
「 はい?
マオ、どうしました? 」
マオ
「 ………………へ?? 」
?
「 そんなに大きな声を出して──、朝から元気ですね 」
マオ
「 …………セロ?? 」
セロフィート
「 はい。
マオだけのセロフィートです。
御早う、マオ 」
マオ
「 お、おぅ…………御早う……。
えぇと……此処は?? 」
セロフィート
「 宿泊室です。
今日はオリバさんを連れて、オリバさんの名義で登録した各ギルドを回った後、買い物をする予定です。
覚えてます? 」
マオ
「 ………………あぁ……ああ…………そう言えば……そんな事を言ってたっけ?? 」
セロフィート
「 朝食の時間まで未だ3時間あります。
もう少し寝てます? 」
マオ
「 …………いや、起きるよ。
はぁ…………何か……どっと疲れた気がする…… 」
セロフィート
「 涎を垂らしながら寝ていたのに疲れました? 」
マオ
「 うぇっ?!
涎ぇ~~~~ 」
セロフィート
「 ふふふ(////)
寝ている間に拭いときました。
ベッドも綺麗にしてます 」
マオ
「 はぁ~~~~脅かすなよぉ~~もぅ~~~ 」
セロフィート
「 脅かしてません。
朝風呂に入ります? 」
マオ
「 …………止めとく……。
今は温泉にも浸かりたくない気分なんだ…… 」
セロフィート
「 そうです?
着替えは用意してます 」
マオ
「 うん……。
有り難な、セロ…… 」
寝間着を脱いで、セロが用意してくれた衣服を着る。
オレは寝間着を着ていた。
…………やっぱり、あれは夢だったんだな……。
クソッ、最後の最後で嫌な思いをしたなぁ!!
オレを井戸の中へ落としやがった奴は何処の誰だったんだろうな!!
いや、もう忘れよう。
あれは夢だったんだからさ!
マオ
「 ココアまみれの夢なんか2度と見るか! 」
セロフィート
「 はい?
ココアにまみれる程、ココアが飲みたいです? 」
マオ
「 言ってねぇよ 」
──*──*──* ── ギルド街
宿屋の1階にある食堂でオリバーと合流をして、朝食を終えたら、宿屋を出て《 ギルド街 》を目指した。
《 宿屋街 》を出て《 ギルド街 》に着いたら、セロが独断でオリバー名義でギルド登録をした各ギルドへ立ち寄った。
来月 ~ 1年分の登録料を現金でオリバーに支払わせた。
ギルドの人達、目を丸くして驚いてたな。
1年分を現金で一括払いする奴なんて居ないもんなぁ。
〈 S・G 〉だって1年分を現金で支払ったりしない。
まぁ、セロとオレは旅人だからな~~。
各ギルドに登録料を支払い終わったら、次は《 商店街 》へ向かった。
──*──*──*── 商店街
──*──*──*── キャンプ用品店
《 商店街 》では野営キャンプに必要となる道具を買い揃える。
専門の店へ行って、野営キャンプに必要な道具をセロとオレがオリバーの為に選ぶ。
勿論、オリバーにも野営キャンプに “ 何で必要なのか ” や “ 何の為に使うのか ” って事を1つ1つ説明しながらだ。
野営キャンプの道具を買い揃えるには、ある程度の知識が備わっていないといけない。
実はオレも野営キャンプに関しての知識は、セロから教わったんだよな~~。
セロは前のセロフィート──センダイさんから作り替えられてからオレと出会う迄の2000年間を1人で “ なんちゃって吟遊詩人 ” として放浪旅をしていた。
世間知らずで疎くて常識に抜けてる部分が多々あるセロだけど、セロは人間じゃないから人間社会の一般常識を知らずに抜けてるのは仕方無い事かも知らない。
セロ自身も人間の一般常識を知る気なんて更々なかったみただしな!
そんなセロだけど、野営キャンプに関する知識は豊富だったから、勉強させてもらった。
こうやって道具屋に入って、セロと買い物をするのは楽しい。
こういう些細な時間って大事だよなぁ~~って思うんだ。
オリバーも熱心に説明を聞いてくれているし、学ぶ姿勢がある。
セロフィート
「 これだけ揃えば良いでしょう。
足りない物は実際にフィールドで野営をすれば分かります 」
マオ
「 そうだな。
支払いはオリバがするんだろ?
オリバ、足りそうか? 」
オリバー・デグンス
「 えぇと……何とか支払えそうです 」
マオ
「 良かったな!
セロに借金しなくて済んで! 」
オリバー・デグンス
「 は、はい!
自分で支払えるって嬉しいです! 」
レジで清算を済ませたオリバーは、魔法の袋の中へキャンプ用品を入れると、魔法の袋を魔法の鞄の中へ入れた。
マオ
「 えぇと次はブーツだったよな 」
セロフィート
「 市販のブーツではなく、オリバさんの足に合ったオーダーメイドのブーツを作ります。
行きましょう 」
オリバー・デグンス
「 オーダーメイドのブーツですか?!
高そうですね… 」
マオ
「 オーダーメイドだからな~~。
自分の足に合ったブーツの方が良いのは間違いないよ! 」
キャンプ用品を販売している専門店を出たら、オーダーメイドでブーツを作ってくれる靴屋へ向かった。
──*──*──*── 靴屋
靴屋でオリバーの足のサイズを測ってもらう。
16歳だから成長する度に手直しをする必要が出て来るだろう。
手直し代が掛かるし、面倒ではある。
成長期が終る迄は市販物で十分だと思うんだけど──、態々オリバーにオーダーメイドのブーツを作らせるんだから、セロなりに考えがあるのかも知れない。
古代魔法を使えば、ブーツのサイズを変える為に靴屋に金を使う必要はないんだけど、セロはオリバーのブーツに古代魔法を使ったりはしないだろう。
セロフィート
「 オーナー、靴底を見せてください 」
靴屋のオーナー
「 畏まりました。
お待ちくださいませ 」
靴屋のオーナーは店員さんに靴底を持って来るように指示を出している。
マオ
「 セロ、靴底を見てどうするんだ? 」
セロフィート
「 靴底は何種類もあります。
その中から用途に合わせた靴底を探します 」
マオ
「 へぇ?
何か……面倒だな~~ 」
セロフィート
「 靴底を決めるのは大事な作業です。
マオにも用途に合わせた靴底の見分け方を教えましょう。
オリバさんと一緒に聞いてください 」
マオ
「 分かったよ 」
暫くすると店員さんが両手で箱を抱えて持って来た。
どうやら箱の中には色んな種類の靴底が入っているみたいだ。
凄い量の靴底だ。
この中から用途に合った靴底を探さないといけないなんて大変じゃないかよ。
セロには悪いけど、滅入るなぁ~~~~。




