✒ 嗚呼っ…借金地獄
マオ
「 セロ──、何勝手な事をしてるんだよ!!
登録料はタダじゃないんだぞ!!
一体幾らオリバに支払わせるつもりだよ!!
安定した稼ぎも得られてない状態で複数のギルドに登録させるなんて── 」
セロフィート
「 必要な事です。
様々なサービスを受けれますし、登録して損はないです 」
マオ
「 いや、分かるよ!
お得なサービスを受けられるんだから、登録しないよりは、した方が良いって事はな!
だけど、登録料金が── 」
セロフィート
「 登録料の心配は不要です。
〈 S・G 〉の弟子としてオリバさん名義で登録しました。
登録料の半分は〈 S・G 〉持ちになります。
オリバさんが支払う各ギルドへ登録料金は半額で済みます。
お得でしょう?
マイバイ証から自動引き落とし出来るようにもしました。
一々ギルドへ足を運んで支払う必要がないようにしてます。
冒険者ギルドから出される報酬は手渡しでなくマイバイ証へ入れてもらうようにもしました。
マイバイ証の紛失,破損に気を付けてください 」
マオ
「 1人で勝手に決めてんなよ!
大事な事なんだから相談するべきだろ!
報告,連絡,相談──報連相って1番大事な事じゃないかよ! 」
セロフィート
「 はぁ?
知った事ですか。
師匠のする事です。
弟子は口出ししないでください 」
マオ
「 セロぉ~~~~!! 」
セロフィート
「 ワタシへの借金は増えますけど、無理に取り立てたりはしません。
安心してください 」
オリバー・デグンス
「 …………セロフィート師匠への借金って幾らぐらいに増えてるんですかぁ~~~~ 」
セロフィート
「 知らない方が頑張れます 」
オリバー・デグンス
「 教えてくれないんですかぁ~~!! 」
セロフィート
「 フィールドへ向かいます。
今日中にロブグルー,コブリン,コポルト,ラビボッチ,キマウモンキの退治依頼を達成させます 」
オリバー・デグンス
「 えぇっ!?
1日で5件の依頼を片付けるんですか?!
スパルタぁ~~~ 」
マオ
「 5種類の怪物の生息地はバラバラだな。
転移するしかないけど? 」
セロフィート
「 勿論、転移します。
先ずは1番遠いキマウモンキの生息地へ向かいます。
退治依頼は50体です。
ワタシが詩歌で呼び寄せます。
ひたすら倒してください 」
マオ
「 いきなり鬼畜プレイかよ…。
まぁ、それぐらいはしないと今日中には終われないか… 」
そんな訳で≪ 町 ≫を出てからフィールドに入って直ぐに、セロの古代魔法でキマウモンキの生息地へ転移した。
──*──*──*── キマウモンキの生息地
キマウモンキは猿系の怪物で、目付きが悪くて、人間に悪戯をして困らせては楽しむ質の悪い怪物だ。
猿より素早くて、近くにある物を投げて来る厄介な怪物でもある。
腕力が高いから投げる力が強くて、当たると怪我するだけじゃ済まない場合もある。
気を付けないと骨にヒビが入ったり、骨折したりする危なさと隣り合わせだ。
マオ
「 オリバ──、キマウモンキが投げる物には気を付けろ!
直ぐに反応出来るようにリズムを取りながら剣を振るんだ 」
オリバー・デグンス
「 ──分かりました!
やってみます! 」
セロフィート
「 詩歌を歌います。
剣を構えて準備してください 」
オリバー・デグンス
「 はい!! 」
セロが詩歌を歌うと、フィールドにキマウモンキが出現した。
オリバーは剣を構えたまま軽やかなステップを刻みながら、目の前に現れたキマウモンキへ剣を振り下ろす。
リズムを取りながら剣を振るうオリバーを前に、キマウモンキ達は戸惑っているようだ。
オリバーは順調にキマウモンキを倒せている。
どうやらオレが助けに入る必要は無さそうだな。
オリバーは間違いなく成長している。
弟子の成長は師匠冥利に尽きるのかも知れない。
詩歌の効果が切れる迄、1時間ずっとキマウモンキを倒し続ける事が出来たオリバーに対して、オレは拍手をしていた。
セロフィート
「 オリバさん、頑張れましたね。
73体も倒せましたよ。
冒険者ギルドの課題も1つクリア出来ましたね 」
オリバー・デグンス
「 本当ですか?!
やったぁ!!
キマウモンキを73体も倒せたなんて、嘘みたいです!!
信じられないです! 」
マオ
「 コブリン1体を40分も掛けて倒した同一人物とは思えない成長ぶりじゃないか!
無傷で23体オーバーで倒せるなんて凄いぞ、オリバ!
夢のハーレムに近付けたな! 」
オリバー・デグンス
「 はい!!
自分がこんなに出来るなんて予想外です!! 」
セロフィート
「 ドロップアイテムとキマウモンキの死骸は回収しました。
次はロブグルーの生息地へ向かいます 」
オリバー・デグンス
「 師匠達、ロブグルーって、どんな怪物なんですか? 」
マオ
「 水辺に生息してるザリガニ系の怪物だよ。
左右のハサミの大きさが違うんだ。
大きいハサミを振り回して攻撃して来るし、小さいハサミからは猛毒を飛ばして来るんだ。
動きは遅いけど群れで襲って来るし、攻撃力も高いよ。
ハサミパンチに気を付けないといけないし、猛毒を受けないように注意しろよ 」
オリバー・デグンス
「 猛毒を飛ばして来るって厄介な怪物ですね…。
上手く倒せるかな…… 」
セロフィート
「 盾で猛毒を防げます。
体内に入らなければ大丈夫です。
後でテスさんに、浄化魔法とエアリを唱えてもらってください 」
セロが古代魔法を発動させて、ロブグルーの生息地へ転移した。




