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なろうラジオ大賞投稿作

魔法学院高等学校 通信制 助手コース

作者: こだれ

「それでは皆の者、我の詠唱(えいしょう)に続きなさい。【魔素(まそ)よ 熱く燃え この指に灯さん】」

『【魔素よ 熱く燃え この指に灯さん】』


 黒ずくめのローブ姿の学生達が、指にライター程度の炎を灯している。ま、魔法を初めて見た。これが学校の授業として学べるとは……



 息子と来た、高校の見学会。貰ったパンフレットには[ 魔法学院高等学校 通信制 ]とある。

 この学院は、送られてくるプリントで高校卒業の資格を取りつつ、異世界の学問も学べるという、地球の通信制高校と同じ仕組みだ。

 異世界学問の選択肢はかなりの数があり、魔法学の助手コースなんかは、卒業までに低位程度の魔法詠唱と魔法陣が書ける様になるそうだ。おお、凄い。



『当学院では地球の皆様にも、我らの世界の学問を学ぶことにより、突然の異世界転移にも対応できる人材を育てており、それは卒業生の活躍が実績として表れている所であります』



 パンフレットを見ると、卒業生の実績が大きな文字で書かれている。

 この人も、あの人も、ラノベで見た事がある主人公だ! ニートで始まり、異世界転移でチートを自在に扱い無双する。このパターンに違和感を感じていたが、なるほど! ニートの時に通信制で予め学んでいたのか!



『はあぁ!! 雷剣(かみなりけん)!』

『まだまだ! 踏み込みが甘い!』



 異世界の広い青空の下、若人(わこうど)達の声が響く。まるでゲームやアニメの登場人物の様な技術の学問に、彼らは真摯(しんし)に汗を流していた。そこに、場所や年齢なんてあまり関係ない、そんな気がした。




「という感じの学校があってさ」

「へえ」


 見学会を見てきた感想をウキウキで伝えると、かみさんの肩透かしで気の抜けた返事。


「で、大人でも入れるみたいで入学案内もらってきちゃった。あとコレ、見学のお土産の『魔法の杖』!見てよ、炎出せるんだ!」

「……ほーん」


 見学会で盛り上がってしまい、実は子供等より率先して魔法体験をしてきてしまった。あとはかみさんを説得できるか、だが。



「会社辞めるとか言わないよね」


 料理の手を止め、振り返ったかみさんの周りを黒い(もや)が覆う。あれ奥様ちょっと怖いですわよ。


「私、専門学校の時に『暗黒剣士』の資格取ったんだよね~。『暗黒スラッシュ』でカボチャの様にズバン!と切るのと、『黒炎竜(こくえんりゅう)』の召喚でパリッと焼き目付くのと。アンタどっちがいい?」


 刹那(せつな)、ギン!と睨む暗黒剣士かみさん。

 


 俺の遅れてきた中二病は、『邪眼(じゃがん)』を受け灰になった魔法の杖の様に、儚く崩れていった……

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― 新着の感想 ―
[良い点] ファンタジーなお話なのに、結局は怪しい儲け話を聞いてきた夫というシチュエーションになっていて笑ってしまいました(笑)
[良い点] 魔法学院高等学校、は、は、入りたい……!!! 私の中に巣食う永遠の中二病心が、暗黒騎士コースに行きたいよー! 黒炎竜を召喚したいよー! とじたばたしております。 こんな発想するとか天才…
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