97話「大爆発!! ロープスレイ星の最期!」
驚異の威力値一〇〇八万を有し、更に新型『太陽の剣 S・S』を引っさげて、不死鳥を攻撃したら拍子抜けするほど倒せてしまった。
「気をつけろ────ッ!! ヤツは何度でも蘇るんだ────ッ!!」
「えっ?」
巨神像からセロスの放送が響き渡ってきて、思わず振り返った。
……確かに感じる邪悪な気配は消えていない。
再び気配の方へ向き直ると、バチバチッと火花が爆ぜながら収束していって不死鳥を象っていく。
再びの灼熱の翼を羽ばたかせ、胸元の表情が笑みに歪む。
「そういう事かよ……」
《フフフ、ハハハ、ハァーッハッハッハッハッハッハッハ!!》
大厄災の不死鳥デマイズは狂ったように嗤う!
しかし、本当に何度でも蘇るんだな……。
《愚か! 例え、いくら強かろうとも不死に敵うものか! 既にうぬらは詰んでいるのだッ!!》
なんと巨大な両腕を伸ばし、鋭い爪で襲いかかってくる!!
「果たしてそうかしら?」
その一声でオレの背後から通り過ぎるように、無数のヤマミの小人が漆黒の翼を羽ばたかせて不死鳥へ殺到!
食らい尽くすような獰猛な黒炎が大規模で燃え盛った!
以前より規模も威力も段違いだ! ヤマミも超絶パワーアップしてる!
《ぐああああッ!! だ、だが…‥この程度……ッ!》
振り払おうとする暇も与えず、続けて放たれた小人は黒氷の槍となって不死鳥を四方から串刺しにする! 血飛沫を吹き上げ《ぐはぁ!!》と吐血! そのまま黒炎に轟々と呑まれ果てる!
これまた瞬殺だ!
しばししてまた爆ぜる火花が収束していって不死鳥が三度蘇る。
《くふぅ……! 中々に効くわ……!》
「確かにキリがねーな」
「妖精王殿! 私は勇者ラルゴ! この星は“災厄水晶”に侵食されている。これらがエネルギーを奪って不死鳥の力になっている。なんとかできないものか!?」
今度は渋い声の勇者? そうか他にもいたんだな。
しっかし、あの赤黒い結晶の事かぁ……。
魔境内でも見かけていたアレ。まさか地上界にも侵食していたのか。ああ、魔界でもあったなぞ。そして幻獣界のモニターで見かけてたアレもそうか。
灼熱地獄になっているものの、その地表では加速度的に災厄水晶はニョニョニョニョと増殖し続けていた。
星の全てを吸い尽くすまで増殖し続けるだろう。
きっと、今度は次の惑星や恒星にも伝染るかもしんねぇ……。
「前のが十五秒。さっきのが二十秒……。分かる?」
「ああ! もちろんだぞ!」
冷静なヤマミの一声に察して頷いた。
余裕ぶっている不死鳥へ羽を広げて飛び出す! 衛星がキラキラッと煌めかせ、四方八方から八つ裂き!
《ぐぎああッ!!》
血を吐いて呻く不死鳥へ剣の切っ先を向けて、光子を収束!
「サンライト・ス─パ─ノヴァ────ッ!!」
極太の奔流が下の雲海を割りながら不死鳥を欠片ごと押し流して散り散りに消し飛ばす! そしてその軌跡は宇宙へと飛び出していった!
空へ吹き抜けていく烈風の先を見据えて、オレたちは復活を待つ。
しばししていると火花がバチバチッと収束していって不死鳥を象っていく。目に見えて復元速度が落ちてきている。
「二十七秒……」
ヤマミの呟きに頷く。
よし、だいぶ効いてっぞ! このままやっちまうぞー!
《ふはははははははッ!! 何度やっても無駄骨折るだけだ!! 次はどんなショーを見せてくれるのか?》
「じゃあ、望み通りオレたちのショーを堪能してくれよ!」
《む……!?》
オレたちが焦らないのを、不死鳥は怪訝に顔を顰めているみてーだ。
不死鳥は五体に分裂し、四方から爪を振りかざして襲いかかってくる!!
衛星が自由自在に屈折しながら飛び交い、それぞれ刀剣波を撃って集中砲火!
ヤマミも黒い小人たちを縦横無尽に飛び回って不死鳥を面白いように狙い撃ちしていく!
次々と撃破していって、オレはヤマミと一緒に最後の一体へ飛びかかる!
「スパークX!!」
同時に刀身を振るってX字に軌跡が交差!! 巨体をすら八つ裂き!
《ぐああああ……ッ!!》
ドガアアァァッと大規模に爆散して破片が飛び散った!
こうして何度も瞬殺しては蘇ってくるサイクルを繰り返していく。
それを眺めていたマリシャスは怪訝に眉を顰める。
「あらあらぁ~愚鈍な二人ねぇ~! まぁこうして力尽きた時が……」
「そんな三文芝居止めろ!」
不機嫌そうなマリシャスに、アリエルは言葉を止めた。ピシリ、緊迫する。
「余に汲みしたフリをして一体何が狙いだ?」
「あらぁ? そこまでバレちゃ仕方ないわねぇ~」
「……不死鳥は何故か復元能力が鈍ってきている。その理由が分からんではあるまい」
マリシャスの睨む視線にアリエルは怖気付きもせず、鼻で笑う。
「二人が『連動』し、光属性の妖精王たる浄化能力が共有されているわぁ……。それにより通常攻撃でも僅かに浄化作用を敵に作用している。攻撃を加えるほど不死鳥は衰えていくって事かしらねぇ~」
マリシャスはイスから立ち上がり、アリエルのアゴを下から掴み上げる。
「……余は見抜いているぞ! この肉体に小細工させぬよう目を光らせていたからな! それでも姑息に陥れようと手段を張り巡らせているのは分かっている!」
「でも悪意を感じないでしょお??」
「問題はそれだ! 悪の妖精王と言われる貴様が、なぜ余に悪意を向けぬ?」
「貴方の為に尽くしている、っても信じられないかしらぁ~?」
ギリ、アゴを掴む手に力が入る。しかし払うように離す。
「一体何が望みだ? 『真紅熾天使・五十聖神王』の地位か? それとも……」
「貴方様が健やかに後の人生を歩めるのが望みよぉ~!」
あくまで余裕な物言いを変えぬアリエルに、マリシャスは憤り、全てを超越し絶望のドン底へ陥れるほどの途方もないフォースを四方に放った!
側にいたヤミロも震え上がるほど、圧倒的な威圧!
唸りを上げて全てを震撼させ、畏怖した者に恐怖と死をもたらすほどのおぞましく猛るフォース!!
オオオオオォォオオォオオオオォォオオオオ…………ッ!!
「言葉に気をつけろ! 次はないぞ……」
「はぁ……、短気ねぇ~」
巨大な黒い髑髏を象らせるほどマリシャスのフォースが昂ぶっているにも関わらず、アリエルは呑気そうだ。
そんな不可解な態度にマリシャスは理由は見当たらなかった。
このままロウソクの火を吹いて消すように、ひと捻りで殺せるのだ。
なのに、向けられるのは悪意ではなく慈愛……。
慈しんでくるのが分かる。馬鹿にしておちょくっているのではなく、本当に愛を向けているのだ。
恐怖のあまり無条件の服従をしているのでもない。狡猾に出し抜く為に策略を謀っているでもない。不可解にも読心術をもってしてもアリエルの底が知れなかった。
殺すのなら一瞬だが、それでは彼女の底を知る事は不可能になってしまう。
「……まぁ、大人気なかったか。だが俄然うぬの底を知りたくなってきた」
スウッと凍えるほどのドス黒い威圧がウソのように消えてしまった。
震えていたヤミロはへたり込む。
「どうせ我が神生は永遠だ。それをうぬは証人となるのだ」
「もちっろんそのつもりよぉ~」
アリエルはあっけらかんと笑って、パンと両手を合わせてスリスリした。
「あなたの人生をねぇ…………」
光魔法を込めて「スパーク!!」と剣を振って、遠くの不死鳥を爆散させて四方八方に破片を散らす!!
これで随分パワーが減って復元するのに時間がかかってるはず!
これなら徐々に────……!
《前に言っただろう? 既に詰んでるとな》
どっからか聞こえる不死鳥の声。
その時、眼下の雲海や地表から次々と閃光の帯が溢れ出してくる!
鳴動が大きくなっていって、浮遊大陸が粉々に崩壊していく!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「えっ!? ちょっ……!?」
《うぬら妖精王を一目見て浄化系に卓越しているであろう事は察していた。攻撃するだけでも浄化力が作用して、徐々に余からパワーを奪って復元速度を鈍らせていたのは分かっていた。だが関係ないのだ……》
「お前ッ!!」
《この星は余の血肉となった……。もはやうぬらのショーはこれまで!》
その言葉に絶句するしかなかった…………。
オレもヤマミも、巨神像にいる勇者たちも各国の王もそして仲間も……。
星は脈動を繰り返し収縮していって閃光を零していく。徐々に輝きを増していく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
「攻撃無────!」
《貴様らは詰んでいたのだ! 最初っから……な!》
弾けるような眩い閃光が溢れ、オレもヤマミも巨神像の連中も絶句したまま真っ白な光に塗り潰されるように呑み込まれていく! カッ!!
ついにロープスレイ星は爆ぜた!!
破裂するような甚大な衝撃波でマグマと岩盤の破片を宇宙へと一気に吹き飛ばす!
粉微塵に吹き飛ばすほどの超速スピードの衝撃波と超高熱プラズマによって一切の全てが限りなく分解されていく。
天変地異の範疇さえ超えた大規模の破壊が吹き荒れていった。
広大な漆黒の宇宙で眩い輝きを煌めかす。
後は爆発の余韻が星雲のように、なおも徐々に広がっていく……。
文字通り宇宙の藻屑となってしまったのだ…………。
あとがき雑談w
マシュ「言った通りになっちゃった……」(´・ω・`)
アクト「」
リョーコ「」
ティオス先輩「」
ジャオガ「」
クックさん「もう終わっちゃうの?(´・_・`)」
誰も先が読めない展開! 一体どうなっちゃうんだ…………?
次話『これでもう終わりだ……! 終焉の果ての決着!』




