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95話「一縷の望みへ、一丸と戦う勇者たち!!」

 ラルゴ、セロス、ウォタレン、ププラト、バベナス、マグアら勇者は一丸(いちがん)となって、王城の巨神像(キングダム・ゴーレム)大厄災の不死鳥カタストロフィー・フェニックスデマイズと互角に渡り合っていた!


 不死鳥(デマイズ)の放った灼熱の巨大火炎壁を、巨神像は切り裂いて爆散!!


 ドオオオオンッ!!


 その余波で天空が稲光で迸り、下の雲海も大津波で荒れ狂っていく!

 天地さえも揺るがすほどに両者の激戦は激しさを増していた!


 更にオルキガ王など他の搭乗者が操る複数の羽毛が自由自在に飛び交って、それぞれ異なる攻撃や防御を繰り出して加勢していた!

 それには不死鳥(デマイズ)さえも苦悶(くもん)を上げざるを得なかった!


「はあああああああああッ!!」


 ラルゴは槍の聖剣を振るい、それと同じように巨神像も振るう!

 不死鳥(デマイズ)の胴元から巨大な手が生え出して長く伸びた爪で応戦!! 周囲に衝撃波が荒れ狂って、煽られた雲海が波紋状に高々と起伏の激しい波を遥か遠くにまで広げていった!


 縦横無尽に大空を飛び回りながら双方は激しく激突を繰り返していく!


 あちこちで激突の連鎖が繰り広げられ、世界は度々震撼する!


 一撃一撃が浮遊島を消し飛ばすほどの大規模的な威力!


 バァンッ!!


 長い時間の果てに衝突による大爆発を起こし、巻き起こった爆風で双方は流されていく!

 そして互いに空中で体勢を整え、身構える!


《今度はこれでどうかなッ!!》


 不死鳥(デマイズ)は六本の灼熱の腕で飛びかかり、巨神像へ猛攻を浴びせてくる!

 灼熱の爪が幾重の軌跡を描きながら、引き裂かんと吹き荒れる!


 ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!


「ふうッ!! ……おおおおおッ!!」


 ラルゴは歳を感じさせぬ覇気で、聖剣である槍で巧みに(さば)いていって不死鳥(デマイズ)の猛攻を(しの)ぎきっていた。

 執拗(しつよう)に引っ掻いてくる灼熱の爪を、槍一本でいなし、弾き、打ち下ろし、徹底的に(さば)きまくっていく!

 周囲の遠くの浮遊大陸がその余波でドガンドガン粉砕されていく!

 セロスも苦い顔で「ラルゴさん! 頑張れーッ!」と手に汗を握る!


「もちろんだッ!! これ以上通させはせんッ!!」


 彼は敵が自分より何倍も強いと想定して戦っている。後悔したあの日から、徹底としてそれを教訓としていた。

 自分が強いと(うぬ)()(おご)る若き(あやま)ち。過信と慢心。それ故、失敗もする。


 それが取り返しのつかないものだとすれば、尚更(なおさら)心に深い傷を負う。

 ラルゴにとってレクサスという男はかけがえのない親友であり相棒だった。それを自分の過ちで失い、後悔しない日はなかった。だからこれまで必死に戦い続けてきた。

 昨日の事のようにレクサスが脳裏に浮かぶ。その度に覇気が(みなぎ)ってくるのだ。


「それ故に負けられぬッ!!」


 ラルゴの怒号とも言える咆哮!

 ことごとく猛攻に打ち勝ち、不死鳥(デマイズ)をも怯ませていく!

 ついに鋭い一閃が不死鳥(デマイズ)の肩翼を切り裂き、返す穂先で胴元を斬り上げた! 血飛沫が舞う!

《ぬが……ッ!》



「ギガスマッシュ・ブローッ!!」


 極太の棒状の塊を纏った槍を突き出し、不死鳥(デマイズ)を殴り凄まじい衝撃波を吹き散らした!!


 ドゴオオオオオォォォンッ!!!


 まるで巨神像よりも更に巨大な棒で殴ったかのような強烈な一撃だ!!

 さしもの不死鳥(デマイズ)も《ぐあああああああッ!!!》と絶叫しながら高速で吹っ飛んでいく! が、宙返りして体勢を整える!


 クーレロとマブポルトが操作する二つの羽毛が、数百もの巨大な氷塊を連射して放ち不死鳥(デマイズ)を勢いのままに押し流していく!

 切り替わったウォタレンの「水貫穿(スイカンセン)」が真っ直ぐ不死鳥(デマイズ)の鳥頭を貫き、爆ぜさせた!

《ぎは!》

 苦痛にもがくように、頭を失った首が左右に揺れる!


「バベナス!! ププラト!! マグア!!」

「うむ!」

「おお!!」

「はい!」


 巨神像は二刀流の曲刀である聖剣キュルミュルで四方八方から瞬足で斬り刻み、木で拵えた聖剣ティエルーシャモで無数の光り輝く糸を放射して絡みつくように斬り刻み、斧の形をした聖剣インファルナで豪快に斬り裂く!!

 そんな必殺技連発が次々炸裂し、雲海が吹き飛ぶほど余波が荒れ狂う!


《ぎぐあああああ!!!》


 両翼と鳥頭を失い、胴元に深い傷を受けて血飛沫が舞う!


「セロスッ!! チャンスだッ!!」「息子よ! 行けッ!!」

「おお……ッ!!」


 天高く飛び上がった巨神像は翼を模した(つば)が特徴の聖剣エクスセイバーを掲げて、周囲の暗雲から莫大(ばくだい)な雷を収束させていく!

 稲光を散らすほど激しく迸る聖剣で不死鳥(デマイズ)へ飛翔す────────!!


 セロスを後押しするように、ラルゴ、ププラト、バベナス、マグア、ウォタレンが「おおおおおおおおおおお!!!」と裂帛の気合で叫び上げる!!

 この繰り出す必殺技は勇者全員が一丸になったにも等しい一撃ッ!!


「行っけえええぇぇえ────ッ!!」

「ヘヴン・フィニ────ッシュッッ!!!」


 不死鳥(デマイズ)を通り過ぎながら、全身全霊の一閃を見舞う!!

 解き放たれた凄まじい雷が四方八方へと放電され、轟音と共に星ごと震わせる!! 神々の怒りが炸裂したかのような轟雷が星の表面を迸っていった!


《な……、なに……!? こんなの……ありえな…………ッ!》


 見事、上下に両断された不死鳥(デマイズ)は稲光を散らしながら、胸元の唖然とした表情を見せた。

 しかも凄まじい衝撃により、体が引き裂かれようとしている。


 信じられない! 認められない! 受け入れられない!!


 絶句する不死鳥(デマイズ)は散り散りとなっていく体から閃光が溢れ────、爆散!


 ドゴアアアアアアンッ!!



 後方で大爆発の余韻(よいん)が広がっている最中、セロスと勇者たちはハァハァ息を切らしながら「勝った」と確信した。

 セロスは拳を天に向かって突き上げた!

 バベナス、ウォタレン、マグア、ププラトは次第に笑顔を作っていく。


「やったあああああああああああああ!!!!」


 セロスへ飛びかかっていく四人の勇者に、セロスは疲れた顔で口元を(ほころ)ばす。


 ────しかしラルゴだけはメイン操縦魔法陣を背に、槍を構えていた。

 ズズズズズズ……! 不穏な気配だけは(くすぶ)っている……。


「遊びはここまでにしておけ!」


《……む? 気付いていたか?》

「当たり前だ!」


 どこからか聴こえてくる不死鳥(デマイズ)の声に、ラルゴは冷静に答える。


「────────なッ!!?」


 セロスたちは絶句した。

 とっくにラルゴは不死鳥(デマイズ)の芝居など見抜いていた。オルキガ王も苦い顔をする。

 大精霊ドリアと月の魔女リルラーナは薄々(うすうす)気付いていたか、汗を垂らす。


《勇者ラルゴ! やはり、うぬは我にとって脅威となる存在……! 遊びはここまでだ!》


 なんと爆発の余韻(よいん)が巻き戻しされるかのようにシュワシュワ収束していって、不死鳥(デマイズ)に元通りになってしまう。

 両翼の燃え盛る灼熱が息吹く。

 そして胴元の表情は不敵な笑いに歪んでいく。


「文字通り“不死鳥”だな!」

「な、なんだってぇぇぇえええッ!!」


 不死鳥(デマイズ)が万全な状態に復活したのだ! 誰もが驚きを隠せない!


「な、なぜだッ!? なぜ復活できるんだよッ!!」


 セロスは悔しくてたまらず吐き出す。

 ププラトは「あ~どう倒すんだよ~」と顔を曇らす。バべナスは歯軋り。

 マグナは地団駄。


「恐らく、ウォタレンの言っていた“災厄水晶”が原因だ」


 ラルゴの言葉にオルキガ王たち全員は「なにっ!?」と注視して驚く。


 星を蝕むようにニョキニョキ加速度的に生え続ける災厄水晶は、絶えずエネルギーを貪り続ける。そのエネルギーを不死鳥(デマイズ)供給(きょうきゅう)する事でほぼ無限に等しい力を得ている。

 だから何度致命傷を負わせても、何度でも復元して甦れる。

 ────ラルゴはそう推測(すいそく)を語った。


《そこまで見抜くとはな……! さすが他の勇者とはワケが違うわ! 確かにその理屈通り余は何度でも甦れる!》


 不死鳥(デマイズ)は狂気に笑い、灼熱の両翼を滾らせて火の粉を散らしていく。

 マグアは「そんなのどうしようもないだろッ!」と吐き出すが、セロスは「いや! ある!」と確信の一言を放つ。

「そ、それはなんなんだ!?」

「実は……」

 ボソボソコソコソで作戦会議────。



「ここからが真の戦いだ!! 長い戦いになる!! 気張れッ!!」

「「「「はいっ!!」」」


 絶望する間もなく、ラルゴの一喝(いっかつ)で勇者たちは気を引き締めた!

 その意志に反映して巨神像は雲海に飛沫を立てるほどに飛翔し、不死鳥(デマイズ)と激しく斬り結ぶ!!


 ズドオオォォッ!!


 それからというものの三日三晩続く死闘を繰り広げて、不死鳥(デマイズ)を何度も何度も何度も何度も仕留めては蘇られ、なおも気力が(おとろ)える事なくラルゴたちは必死に戦い抜いていった────!!


 絶対に不死鳥(デマイズ)は倒せないという絶望にも(あらが)った勇者たちは、最後まで死力を尽くして“時間稼ぎ”を敢行(かんこう)していた!


 (わず)かな一縷(いちる)の望みへ(たく)す為に!!


 勇者たちは最後まで全身全霊で駆け上がり続ける!!


 例え途方もない絶望が未来を黒く塗り潰してこようとも、絶対諦めない!!


 それこそが勇者たる矜持(きょうじ)信念(しんねん)を懸けた彼らの生き様だッ!!!



 ────しかし、生身の人間に限界はいつか訪れる!


 ドアアアンッ!!


 滾る大爆発が巨神像を覆う!! 燃え上がった灼熱が食らいつく!

 その衝撃で振動し、搭乗者全員は「うわああああああ!!」と絶叫!!


《もはやこれで終幕ッ!! 人類の希望よッ、(はかな)く散れッ!!》


 片腕を失い、両翼も所々欠けていて、至る所に傷が数多と付く王城の巨神像(キングダム・ゴーレム)へ、不死鳥(デマイズ)は嘲笑うように上空へ舞っていく!

 ラルゴたちも今や満身創痍(まんしんそうい)疲労困憊(ひろうこんぱい)、……しかし眼光だけは前以上に輝いていた!

「く……!」

 上空から不死鳥(デマイズ)は太陽かと思うほどの超高熱プラズマ極大球を吐き出し、それはボロボロの巨神像を呑み込む!!


 ズゴアアアアアアアアアアアアンッ!!


 遥か宇宙まで燃え上がるほどの極太の火柱を噴き上げていく!!

 絶えぬ灼熱の業火が骨の髄はおろか魂まで燃やし尽くし、跡形もなく消し去らんとする!!

 勇者たちはたまらず「ぐああああああああ!!!」と(あぶ)られていく!

 なおも灼熱の火柱は渦を巻きながら上空へと立ち上り続ける!!


《これで王城の巨神像(キングダム・ゴーレム)撃沈(げきちん)だッ!! ふははははははッ!!!》


 灼熱で轟々(ごうごう)燃え盛る眩い光景に、感無量と哄笑(こうしょう)する不死鳥(デマイズ)

あとがき雑談w


アクト「俺たちじゃ、インフレしすぎた戦いにはついていけねぇなァ」

リョーコ「ホントにね! せっかくあたしもパワーアップしたのに!」

クックさん「むー!(ぷんぷん)」


ジャオガ「」(クリムゾン化した意味は?)



 次話『勇者たち全滅ッ……!? もはや希望は潰えたのかッ!?』

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