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92話「危機一髪!! 水晶魔法炉、揃うか!?」

「この愚か者めが!! 跡形もなく消し飛べいッ!!」


 悪鬼のような形相でサギハン国王は激怒(げきど)!!

 凄まじいエーテルを纏って周囲を破壊しつくしながら飛びかかってくる国王に対し、ウォタレンは「お手合わせ願います!」と叫び、互い得物を交差!!


 ガギィン! 激突時に衝撃波が爆ぜた!!


 その時、ウォタレンは微かに剣を傾けた!

 すると衝撃波はウォタレンの後方へ流され、遠くの森林が破裂! ドガァッ!


「ぬうううおおおおおおおおおおおおッ!!」


 我を忘れる勢いでサギハン国王は槍を乱雑に振るうも、受け流された斬撃が遥か遠くの地形をあちこち粉砕するのみ!

 何故ならウォタレンは水流のように滑らかに剣筋を振るい、捌いていたからだ!

 王の攻撃はもはや彼に届かない!


 単純な力比べなら、サギハン国王に軍配(ぐんばい)が上がる。

 しかし、ウォタレンは真剣な面持ちで受け流すに集中し切っていた。

 今までの彼なら、己の才能や力を過信したまま押し負けていただろう。だが、(かえり)みて初心に返ったウォタレンは全く違っていた。

 水流が如く敵の威力を受け流す構え。


「それが……『水勇守勢(スイユーシュセイ) 流鱗舞(リューリンブ)』なり!!」


 師匠から叩き込まれた体がそれに応えた! 応えてくれた!

 それにウォタレンは歓喜を覚えていき、そして師匠に限りない感謝の気持ちが溢れた!


 ありがとう……! 師匠…………!



 逆にサギハン国王は焦り、息を切らしていく。

 なぜ王家伝わる偉大な力がたかが一人の勇者に通用しないのか分からず、ただがむしゃらに力任せで叩き潰そうと躍起(やっき)になっている。いつかは崩れて()()せれると思い込み、それに(すが)るしかない。

 それは次第にサギハン自身の体力をイタズラに消耗させるだけだった。


「この……! 無礼者がァァッ!!」


 激情に任せ、槍を突き出して突進してくる!! しかし勢いが鈍っている!

 ウォタレンはカッと鋭い視線を見せ!! 聖剣を引いて構え!! 全身全霊を刀身に凝縮!!

 これまで鍛え上げて洗練された集中力でもって研ぎ澄まされた力を発揮!!


水勇攻勢(スイユーコウセイ) 水貫穿(スイカンセン)!!!」


 突きを放ち、一条の閃光のように放たれた水流が、サギハンの左胸を穿つ!!

「が!!?」

 さながら水のレーザー!! サギハンを貫通し彼方の空へ飛び去った!

 左胸に綺麗な風穴が空き、血眼で呆然するサギハン。


「威力値だけで言うなら国王は約五四万。本来なら私ごとき勝てません。ですが、強さだけではどうにもならないのが“世界”です……」

「き……、きさ…………ま!」


 無念と「ぎ……ギハッ!」と大量の血を吐き、床に沈んでいった……。

 震えながらウォタレンを見上げ、虫の息で何かを(つぶや)くも掠れ掠れ聞こえなくなっていく。震える手を伸ばすが、ほどなくしてバタッと力尽きる。

 ようやくサギハン国王は息絶えた…………。


「……最高権力者である高貴な王族に歯向かって済みませんでした。自分バカタレンなもので」


 丁重に会釈(えしゃく)する。


 その後、ウォタレンは王城にいた人々に事情を手短に説明し、避難の為に引き連れてライトミア王国へ時空間移転していった。

 それが終わった直後に、水のブルークア王国は灼熱で蒸発……。


《……ふむ! 良い! 良いぞ……! 追い込んで網に集まっていく雑魚どもを、どう料理しようか愉しみだ!》


 優雅に灼熱の両翼を羽ばたかせ、光のライトミア王国の方へ飛んでいく。




 そしてウォタレンを筆頭に水の国の騎士兵士魔道士たちが規律(きりつ)よく並び、(ひざまず)いて頭を垂れる。その先にオルキガ王が立っていた。


「ふむ、相分かった。色々あったのだな……」

「はい」


 水のブルークア王国の事情をウォタレンから聞いて「ううむ」と唸る。

 まさかサギハン国王が我が国の乗っ取りを企んでたのには驚かされた。いつもは突っかかるような偉そうな態度ばかりで、イヤミなどを並べ立てていて困っていたものだ。

 その時は単純に傲慢不遜(ごうまんふそん)なだけかと思ったら、それほどの野心と悪意があるとはオルキガ王も想像だにできなかった。


「例え死罪であっても受け入れます! ただ、その前にこれを託したい! 人類の未来の為に!」


 ウォタレンは収納本から青い水晶玉の魔法炉を取り出し、それを両手で王へ差し出した。

 オルキガ王は神妙に黙っていたが、そっと優しくウォタレンの手の方を包んだ。


「そんな事言わず、一緒に闘ってもらえんか?」


 温かく優しい言葉と態度。ウォタレンは感涙極まり、身を震わせる。

 この人の為に身を(ふん)して戦いたい、心の底からそう思えるような器……。これこそ真の王たる所以(ゆえん)だと涙した。

 オルキガ王にポンポンと背中を叩いてもらって(なだ)められて心がほぐれていく。



「大変です!! 例の大災厄がここにッ!!」


 突然、緊張が走るほどの叫び!

 報告によると(わず)か約三十分で光のライトミア王国へたどり着く模様! 騒がしく兵士と魔道士たちがバタバタと動き回っていく。

 ウォタレンも魔法炉を運んで勇者たちと王はとあるフロアへ急いだ!


 王城の中枢部、サンライトイエローに輝きを放つ巨大な水晶球が浮いている動力室。

 その水晶を中心に衛星のように他の魔法炉が周回している。ブルークアの魔法炉をかざすとフヨッと浮いて、他の衛星に加わるかのように周回し始めていった。


 光のライトミア王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 火のルビレッド王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 水のブルークア王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 風のヒュング王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 土のダイガ王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 緑のフォレスト王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス

 氷のアイスバレー王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス


「これで七大王国の魔法炉は揃ったようだが……」

「このままでも充分魔法力は蓄えられたと思うが、どことなく足りないように感じる」

「まさか!? これで全部なのに??」


 すると後方で騒がしい音が聞こえてくる。

 兵士たちの叫びと衝突音。勇者たちは「何事だ!?」と振り向く。

 セロスが剣を引き抜こうとするが、ラルゴは腕をセロスの前に伸ばして制止。


 するとなんと四魔将の三体がドアを蹴破って現れてきた!? ドガッ!


「魔族!? 貴様らッ!!」


 セロスは戦意を昂ぶらせて聖剣を引き抜く。

 が、ラルゴとレクロスは「セロス! 待たんかッ!!」と揃って怒鳴り、さしものセロスも(すく)む。なぜ止めるのか、と戸惑いする。

 バベナス、ウォタレン、ププラト、マグアはピリついているものの静観の構え。

 しかしいざという時の為に得物の柄に手を置いている。


「ケンカ売りに来たんじゃないよ! 邪魔した兵士は殺してない。ただ大人しくさせただけ。少々荒っぽいやり方だったけどね」


 なんと“氷炎の魔女”ホノヒェラが黒く輝く水晶玉を脇に抱えていた。

 後方で“重鎮の深淵卿”アマリビグと“天空の独裁者”ソネラスが佇む。


「……緊急事態! やむを得ない! 今は共闘!」

「済まぬが、今この場は互いの(いさか)いを忘れてくれはしまいか?」


 アマリビグとソネラスはそう言い頭を下げる。

 オルキガ王は「ふむ? して魔族はどんな用事で?」と歩み寄る。勇者たちは身構えたまま警戒している。


「ほい! この闇のダークロス王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニス受け取れー!」


 ホノヒェラが浮かすと、ソレは衛星として加わっていく。

 すると光のライトミア王国の水晶魔法炉クリスタル・ファーニスが輝きの強弱を繰り返しウォンウォン鳴き始めた。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、と振動が王城を包んでいく。


「こういう事だよ! 人族の王さん!」


《これで()()水晶魔法炉クリスタル・ファーニスが揃いました!! 世界最大の危機に対抗すべき切り札を起動可能となりました!!》


 王城がひとりでに放送してきて、誰もが驚く。


「まさか!? これは一体!?」

「全部で八つだと……!?」

「じゃあ……、今まで全部で七つだったんじゃなかった……!?」

「でも、間違いなく最大級の魔法力が充実してる!!」


 ホノヒェラは「ほらね」と片目ウィンク。呆然する一同。

 どうやら魔族の持つ水晶魔法炉クリスタル・ファーニスが加わって初めて真価を発揮するようだ……。


「一体なぜ!? 魔族なんかに……!?」


 さすがにセロスも疑心暗鬼だ。


「元々、人族が恐ろしい力を独占して使われる事を女神様は(うれ)いて、一つだけ魔族側に授かってくれたのだ」


 ソネラスの言葉に、セロスは「女神!? 一体……誰が!?」と恐る恐る聞いてくる。


「とっくにご存知なんだろ?」

「まさか……!!」

「武勇の女神アサペンドラ様、直々から授かった……!」


 アマリビグのネタバレに、勇者たちは驚愕してしまう!


「なにいいいいいいいいいいいいッ!!!?」


 ププラトは口を(すぼ)め「知ってたんなら教えてくれてもいいでしょ」と愚痴(ぐち)る。

 後方の大精霊ドリアと月の魔女リルラーナは「ごめん」とごかまし笑い。


「来たぞ────────────ッ!!」


 監視役の魔道士たちの放送で一同に戦慄が走った!!

 四魔将の三体も一緒に戦慄する!



 なんと猛スピードで大厄災の不死鳥カタストロフィー・フェニックスデマイズが、遥か天空から大きな灼熱の両翼を羽ばたかせて、業火の渦を引き連れながら、光のライトミア王国へ急下降ッ!!


 ズオオオオオオオ……ッ!!


「ヤバいっ!! 最大火力で一気に消滅させる気だ────ッ!!」

「あんたらの勇者の魂波動(ブレイバーフォース)で動かせるはずよ!! 早くしなッ!!」


 ホノヒェラに()かされて、セロスは「ちくしょう! まだ練習も何もないのにかッ!?」と焦る!

 セロスに加え、ラルゴ、バベナス、ウォタレン、ププラト、マグアも「はあっ!!」と勇者の魂波動(ブレイバーフォース)を発動して、凄まじいフォースを噴き上げる!!


「これでいいのかッ!?」


 カッ!! 眩い閃光が溢れた!


 落ちてきた大厄災の不死鳥カタストロフィー・フェニックスが光のライトミア王国を無情にも押し潰し、灼熱の大炎柱が一気に遥か上空へと噴き上げられた!!!


 ドゴアアアアアアアアアアアアアアンッ!!


 眩い超高熱プラズマが全てを覆って焼き尽くし、瞬時に広範囲を蒸発させてしまう! それに留まらず、地表から数百メートルもの地盤さえも散り散りと消し飛ぶ! 凶悪なまでの破壊力だ!

 大陸の大部分が灼熱地獄と化して、所々破片がポロポロ落ちていく……!

あとがき雑談w


 さすがに光のライトミア王国でさえも陥落(かんらく)か────────ッ!!?

 幻獣界に避難した各国の人たちは恐怖に震えた!


マメード姫「やべ────!! もう詰んだわ────!!」

ピョタ「あんさん、もはやキャラ崩壊してっやw」


少年レアックス「」

たぬき獣人マレーシ「」

ヨーレン「」

オズラッチ「見事に言葉失ってるな。まぁアレ見せられたらな……」


第一王子アスール「」

第二王子ミレア「」

雷鼓天(らいこてん)(ぬし)”シュルア「もうダメだぁ……! おしまいだぁあ……!」



 次話『絶望の極み! 惑星ロープスレイの終焉(しゅうえん)……!』

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