66話「朗報!! 三つ目の魔境クリア!!」
──下層地殻ヘルズプレート、日輪のファイファドラ竜国付近の深淵の魔境!
第一階層は木の根っこが地面、壁、天井にビッシリ数多と張り付く地下空洞!
主に地中に潜む昆虫の幼虫っぽいモンスターが多数! モグラっぽい大型も!
【セミーバ】巨大なセミの幼虫。群れて狩りをする。
【カブトワーム】ツノが突き出ている太い幼虫。
【クワガーム】ハサミのツノで挟む太い幼虫。
【ミミール】ミミズっぽい。毒液注意。
【モグゴラゴ】大型のモグラ。巨大な爪で城壁すら斬り裂く。
平均威力値二〇〇〇〇。
第二階層はジャングルのように根っこが縦横無尽に乱れる地下空洞!
起伏の激しい地面と根っこが障害となる事もある。クモやワームなど厄介なのが多い!
【クモアーミー】群れるクモ。粘着性のある糸を素早く吐く。
【人食いワーム】地中を自在に移動。大きなミミズで牙を剥き出しの口で丸呑み。
【規制キノコ】寄生されると次々とスキルを封じられていく。除去が難しい。
【フライダケ】クラゲみたいに空中を漂うキノコ。眠らされるぞ。
平均威力値五〇〇〇〇。
第三階層は迷路のような樹洞。上へ上へと登っていく階層!
カリカリと木の中から虫の齧る音がするので不快。
【ウッドワーム】木の中に潜む幼虫モンスター。壁を突き破って襲ってくる。
【ホワイトアント】木を食い散らかす白いアリのモンスター。数が多い。
【キラーカミキリ】巨大な黒い昆虫。強力なアゴは恐ろしい威力。スパスパ!
【ミズッポワーム】青い幼虫モンスター。壁を突き破って水弾を乱射!
平均威力値九五〇〇〇。
第四階層は混濁する青黒い空で、枝分かれしている木の幹で複雑な迷路になっている。葉っぱが多くて視界が悪い。
空に面した葉っぱの上にいると、モンスターに狙われやすいので注意。
【クイックバード】葉っぱの隙間を縫うように飛ぶ青い鳥。都市壊滅級。
【ギガモンキー】巨人のような大猿。図体の割に音速で動き回る。
【デスマンティス】巨大なカマキリ。素早い大型。硬いし強いし光線も吐く。
【ブラッドビー】真紅の巨大スズメバチ。獰猛でしっつこい。集団で襲いかかる。
平均威力値一五〇〇〇〇。
……そんな厳しい階層をくぐり抜けて頂上へ達したマイシと竜族はラスボスと対峙する事になった。
「シャギャアアアアアアアアアアアアッ!!!」
大きな翼を広げて巨大な大蛇は咆哮を発して大気を震わしてくる。翼が羽ばたけば凄まじい烈風が吹き荒れて木々の葉っぱがバサバサ揺れて、吹雪のように流されていく。
マイシは「かあっ!」と全身から竜を象るフォースを噴き上げて、威圧感を撒き散らしながら不敵に笑う。
「ぶっ潰すしッ!!」
【大厄災の翼竜王】(飛空族)
威力値:870000
尖ったようなクチバシ。大蛇の長い身に恐竜のような翼。三つ目でギョロギョロ獲物を捉える。クチバシで突くように突進してトンネルに抉るほどの恐ろしい貫通力を見せる。口から光線を放って都市すらも消し飛ばす。これ単体でいくつかの国を滅ぼしてしまうほどの翼竜。魔王級。
「かああああああッ!!」
「「「ガアアアアアアアアア────ッッ!!!」」」
士気高揚とマイシは他の竜族と一緒に激戦を繰り広げて、第四階層中に甚大に破壊を撒き散らしていた。それは三日三晩に渡る長期戦にもなるほどだ。
その間に数百体もの多くの竜族が犠牲になり、それでも果敢と猛攻を繰り返して翼竜王を少しずつ追い詰めていく! しかし怒りに満ちている!
「シャギャアアアアアアッ!!」
血塗れで傷だらけでボロボロの衣服だが、好戦的な顔のマイシは聖剣を振るって炸裂剣の爆風が轟音を響かせて殴り飛ばす!
そして巨大な火炎竜の両翼を象るフォースを纏ったまま、超音速で突進!
「火竜王のォ────、炸裂凰翼最終剣────ッッ!!」
マイシの鋭い眼光が翼竜王を射抜き、その胴体を剣の突きで大きな穴に抉る!!
ドガアアアァァァァアンッ!!
通り過ぎたマイシの後ろで翼竜王は爆破四散して、ダンジョンコアが粉微塵に!
それを見て、竜族たちは勝利の喜びで咆哮の大音響を上げた!!
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」」」
感無量とマイシは聖剣を掲げて刀身に反射光を煌めかせて「見たかナッセ!! こっちも粉砕したし!」と不敵に笑う!
──────ファイファドラ竜国付近の『深淵の魔境』クリア!!
その知らせが闇のダークロス王国にも届いていた。
魔界の魔境をクリアしてから三日後の事、今も冷めやらぬ様子で王国中は賑わっている最中である。
オレたちはジャオガさんに届いた“征閃の光竜王”バルディマスからの親書でマイシたちの魔境クリアを知る事ができた。
もちろんジャオガさんからの親書で、あっちにもオレたちの魔境クリアも伝わっているはずだ。
「これで残り四つだ!!」
「うん!」
こんな嬉しい朗報はない。さすがマイシ、絶対クリアすると思ってたぞ!
クックさんはアマリビグに肩車してもらってはしゃいでいる。
ホノヒェラは「とんでもない仲間いたもんだねぇ」と、ソネラスも「全くだ! チキューは侮れんな」と両者ともに感嘆を漏らす。
この調子で魔境をクリアしていくのが喜ばしい事なのだが……。
「ナッセ、ヤマミ、クックさんを呼んだのはこれを知らせる為ではない」
王座でジャオガさんは親書をしまい、視線をこちらに移す。
思わず緊張して生唾を飲み込む。
「……帰還を考えているなら、そのままライトミア王国へ戻るな!」
「えっ? なぜ??」
「勇者セロスどもには説明しづらいだろう?」
「ああ、大丈夫さ! 魔界から逃げてきたって言いやいい!」
「……王国にはウソを見抜く血脈の覚醒者がいると、言ってなかったか?」
思わず「あ……!」と口に手を向けて驚く。
もし尋問されたら魔族と仲良くしてた事がバレちまう! やっべー!
「まず実績を作れ! 勇者や人族どもが文句言えないようにな!」
「ど、どうすればいいんだ?」
「……それでだ、お前らには幻獣界へ行ってもらう!」
話によると、幻獣界は誰も容易に入る事が叶わない聖域……。
幻獣族、竜族、御獣族が住まう世界。更に言えば竜族や御獣族の生まれ故郷でもある。
魔界とは違うベクトルで人族が立ち入れられない神聖な場所らしいな。
オレたち妖精王なら顔パスだけで入れるっぽい。
「こんな事もあろうかと親書は出しておいた! 必ず力になってくれるはずだ」
そう言われ、息を呑む。
────その数日後、ジャオガさんを筆頭にオレたちは魔界の駅で魔列車に乗り込んでいく。
「四魔将! 留守は任したぞ!」
「承知!」「いってきなさ!」「うむ! またな!」
徐々に流れ始める風景、四魔将は快い笑顔で手を振ってくれる。オレも「またなー!」と窓を開けて手を振る。
遠のいていく四魔将、駅で心を締め付けるような寂しさがこみ上げてくる。
赤い月の空、王国の点在する明かりを名残惜しそうに眺め続けていた。
「ううむ! しかし余も何故……」
どうやら幻獣界からジャオガさんも同行せよと返信が来てたようで、今回の訪問は珍しいケースのようだ。
本来ならジャオガさんは案内役のみで、オレ、ヤマミ、クックさんの三人だけで幻獣界へ行く予定だったんだが……。
不穏が募る。言いようのない不安がこみ上げてくる。
やっちまったから叱られるかもという不安ではない。もっと別の──────!
あとがき雑談w
サラカート「んふーふ! 秘宝のおさらいいっくよー!」
エムネ「タッドは理解してなかったようだからね……」
【無断の首飾り】
漆黒に染まった剣の形をした首飾り。
所有者にとって不利益になる“無限の概念”を断ち切り、再発が不可能になるよう塗り潰す。
効果を発揮する場合は半透明になって発光する。
サラカート「例えばねー『相手をループの世界に閉じ込める』幻術をかけてきたとする」
エムネ「すると自動で発動して、強制的に幻術の効果を切ってしまう……。無効にするでも、封じるでも、弾くでもないのがミソだね……」
サラカート「で、二度と同じ術がその所有者にかからなくなるのよねー」
エムネ「切る対象が“概念”なので、魔法やスキル以外にも通るのがミソだね……」
サラカート「なんでナッセに発動したか、読者さんはお分かりでしょーw」
次話『ついに幻獣界へ……!? 未知の領域!!?』




