64話「限界突破! ナッセとタッドの闘争コンビ!!」
全てを震撼させるほどの威圧を放つタッド。
ライオンのように首周りにボリューム溢れる白髪にその中心部に黒い筋が走る仰々しい色合い。頭上には稲光散らす光のツノ。肌は黒光りしていて強靭さを醸し出す。
「これが超鬼神タッドっすよぉぉぉぉーっ!!」
吠えると共に荒々しい烈風が周囲に吹き荒れた!
オレがモフモフと言ったせいで激情に荒ぶってるみたいだぞ!
「愚かですねぇ……。このような餓鬼は万死にすら値しない。永久の地獄で下等生物らしく無残にのたうち回るといい!」
にぃ、と凶人王は嘲る。
本当に見下していて息をするようにバカにしてくる。そして偉そう。
タッドは「っすああああ!!!」と裂帛の気合いでフォースを噴き上げて赤黒いスパークを迸らせ、凶人王へと超高速で飛びかかる。
速い、と驚く凶人王の顔を魔剣で殴る! 轟音を響かせて吹っ飛ぶ!
何枚かの宇宙都市をガンガンガン突き抜けていった!!
「魔迅閃ッ!!」
黒閃を分裂させて凶人王へ被弾してドガガガガッと爆発の連鎖が繰り返される。その凄まじい烈風がここにも届く。
あんなにも戦っているんだ! ビビって震えてる場合じゃねぇ! キッ!
ヤマミが後ろからオレの手を握って『連動』してくれる。安堵が沸く。
「ありがと! ヤマミ!」「うん!」
キィンと星屑を散らして『快晴の鈴』を生成し、背後にいるヤマミに「頼んだ!」と放る。ヤマミも「ええ、任せて!」と頷いて偶像化の両手を振り上げて雫を集めていく。なんとクックさんも「手伝うー!」と両手をかざす。
満身創痍ながらもジャオガさんたちもやってきていた。
四魔将も快く笑んで「応援するしかないのが悔しいが、頑張れ!」と励ましてくれて、頷く。
ジャオガさんは「生きて帰ってこい! お前も四魔将だからな!」と拳を突き出してきて、オレも拳を突き出してコツンと重ね合う。
互いにニッと笑う。
「じゃあ行ってくる!! シャイニングロードッ!!」
フォースを噴き上げて、更に光魔法を自身に纏わせて飛び立った!
「なんたる無礼ッ! 崇高なる神の子に手をあげようとはッ!」
濛々と広がる爆風を手で払うだけで霧散させ、凶人王は訝しげな目を向ける。
タッドが魔剣で激しい剣戟を繰り返し、重々しい衝撃波を吹き散らしながら烈風が荒れ狂う。
両腕でそれを捌く凶人王に余裕の色はない。
何度も痛撃を加えたのにも関わらず、猛攻を止まないタッドに苛立っているようだ。
「世界の支配者たる人類に唾を吐きかける愚か者など……」
「サンライト・スラッシュッ!!」
傲慢な言葉を遮るように遠くから放った横薙ぎの剣閃が凶人王の首を穿つ!
「グぎっ!! わ、我が御言葉を遮るとはッ!!」
「うっせー!! 何様だぞッ! 人間を気取ったモンスターの分際でッ!!」
「なッ!? なんだとぉ~!!」
一条の流星となるかのように「おおおおおッ!!」と飛びかかる!
刹那の世界に突入して、僅か数秒間で凶人王と交える!! タッドも負けじと切り結ぶ!!
オレたちを相手に凶人王も苦い顔!!!
「サンライトォ────・スパァ────クッ!!」
「極式・魔迅閃ッ!!」
X字を描く強烈な軌跡が凶人王に炸裂!! さしもの凶人王も見開いて「ギハッ!」と血を吐く!
そのまますっ飛んで宇宙都市に激突して飛沫を上げて煙幕が広がる!
「やったぜ!!」
「ナッセ~、手柄を横取りするつもりっすか!」
「関係ないだろ! つかもう妖精王の力思い知っただろが!」
「はぁ!? 今の超鬼神なら上回るっす!!」
「大体、アレ数秒間しか持たない上に数日も足手まといになるだろ!! 無理すんな引っ込めよ!」
言い争いしながらも凶人王へ飛んでいって気力全開で共に大技を繰り出す!
「それ聞き捨てならないっすね!! 天地崩壊・大魔迅閃ッ!!」
「どうなっても知らねーからなッ!! 流星進撃────ッ!!」
怒涛の連撃で凶人王一人を滅多打ちだ!! 第四階層をも震わせるほどの衝撃音を響かせた!!
百発以上の強撃を喰らい続け全身をボコボコに穿たれ、血飛沫を散らしていく!
凶人王は「が、があ、ぎががああああああ!!」と苦悶の吐血を吹く!
「おおおおおおお!!!」「っすあああああああ!!!!」
オレとタッドの渾身振るう剣が凶人王にトドメの一撃!! が、硬い!!
凶人王は怒りに歪んだ顔を赤くして「キィィイイイアアアアアア!!」と大気震わす奇声を上げながら、瞬時にオレたちを掌底による風圧でドンッと吹き飛ばす!!
そして翼からの光線が乱射されて嵐のような容赦のない爆撃が大爆発を引き起こし第四階層全体を大きく震わす!!
ズドアアアアアアアアアッ!!!
まるで核が何発も撃ち込まれたかのような凶悪な超絶大爆風が明々と数百キロ範囲に広がっていって、凄まじい衝撃波が階層全体に響いていった!
周囲の宇宙都市が巻き添えを食ってモンスターもろとも粉々に吹っ飛んでいく!
魔王ジャオガも「ぬっ!?」と唸り、四魔将も腕で顔を庇う。凄まじい超高熱の烈風に煽られまいと踏ん張る。
ヤマミとクックさんは動揺しまいと集中して、雫をありったけ託された鈴へと集約させていく。
「正義は勝つのだッ!! ハァーッハッハッハッハ!!」
しかし凶悪な超高熱の爆煙から流星のようにオレは銀河の剣を手に飛び出し、タッドも負けじと抜け出し、気合いを吠えて凶人王へ飛びかかる!
傷だらけで服もボロボロだが前以上の気迫でもって剣を振るう!
「しっつこい屑どもがぁぁあ!!! さっさと死ね死ね死ね死ねぇぇぇッ!!!」
激昂した凶人王は口汚く罵倒し、殺意漲る格闘で迎え撃つ!
オレとタッドの剣と幾重も交錯し続け、第四階層を飛び回ってあちこち激突の連鎖を繰り広げていく!
例え、凶人王から何度も強烈な痛打を受け続けて手傷を負おうとも、一気呵成と猛攻を緩めねぇ!! 緩めてやらねぇッ!!
「いい加減負けを認めて、ボクに後を任せるっすよ!!」
「いや!! オレが魔境をクリアする!! せねばならねぇッ!! すっこんでろッ!!」
シャイニングロード状態のオレは、むしろ共闘する超鬼神タッドに負けまいと、競争するように凶人王を攻め立てる!!
軋む体は限界に近づいてんのに、まだまだやれるッ! やれる気がするんだッ!!
絶対負けられねぇ相手だからこそ、どこまでも張り合って戦えるッ!!
だから限界以上に力を引き出せるんだぁぁぁあッ!!
それこそがジャオガさんが教えてくれた『闘争』の真髄だッ!!
「おおおおおおッ!!」「っすあああああ!!!」
限界を超えて燃え上がるオレたちは力を爆発させて、格上なはずの凶人王と互角以上に渡り合っていく!!
タッドもぜいぜい息を切らすも、前のように超鬼神が解けない!
「な……中々やるっすね……! 全力出せば……け、結構強いじゃないっすか……!」
「ったりめーだろォォォォ!! オレは強ぇえんだァァァッ!」
オレは銀河の剣で、凶人王の攻撃をもろとも全てを薙ぎ払うように振るった!!
「ギャラクシィ・シャインスパ────クッ!!」
渾身込めた最強最速の巨大な剣閃が凶人王の腹に炸裂!!
さすがの凶人王も苦痛に顔を歪ませ「ぐぎあああ!!」と吐血!! 破片と血飛沫を四方八方に散らして吹っ飛ぶ!!
激しく息を切らすタッドも気力を振り絞りカッと闘志を燃やす!
「そうこなくっちゃ張り合いないっすよ!! 天地崩壊・極式・魔迅閃ッ!!」
負けじとタッドも渾身の大技を凶人王の顔面に炸裂させ、グシャアと潰す勢いで血飛沫が溢れた!
そのまま宇宙都市へ叩きつけて木っ端微塵にもろとも粉砕した!
四方八方と大規模に破片が飛び散っていく!
「貴様らあああああああああああッ!!!!」
なんと最後の力を振り絞ってドス黒いフォースを四方八方に吹き荒れさせ凶人王はメキメキと筋肉質に膨れ上がって底力でオレたちを叩き潰さんと襲いかかる!
未だ溢れる底知れない邪悪なフォースに、ゾクゾクっと絶望の怖気が支配するが!!
「ナッセェ────ッ!! 受け取ってェ────ッ!!」
なんと背後からヤマミとクックさんが煌びやかに輝く鈴を放ってきた!!
オレは「サンキュー!!」と希望こもる鈴をガシッと受け取り────!!!
凶人王は見開く!! まるでナッセを“鈴を持つ熾天使”のようにも錯覚し得た!
尋常じゃないほどの眩い聖なる力に畏怖を抱く!! ゾクッ!!
「思いっきりやっちゃえ────────!!」
クックさんの声援に後押しされて、限界だった体に活気沸く!!
ジャオガも四魔将も熱気盛んに拳を突き出しながら「行っけぇえええッ!!! ナッセ────ッ!!」と叫び上げる!!
その声援もオレの後ろを後押ししてくれた!!
生き残った魔王たちもこちらに希望を託してくれて、力が増していく気がした!!
魔王魔族の無念と希望を背負って、滾る想いと全ての力を鈴に込め────!
勢いよく流星のように煌びやかな尾を引きながら「おおおおおおおおッ!!!」と闘志あらわに吠えた!
「熾天使を気取るんじゃなぁぁぁい!! このゴミクズがぁぁぁぁぁぁあッ!!」
罵る凶人王が無数の光線を斉射するが、オレの攻撃無効化で全て霧散だ!!
そんなもの効か────────ん!!!
「何ィィィィィッ!!?」
絶句する凶人王めかげて、全身全霊込めて渾身の鈴を振るった!!
「ファンタスティックヘブン! 極楽の鈴────ッ!!」
キィ─────────ンッ!!!
炸裂した眩い音色の輝きが放射状に爆ぜ、光飛礫を舞い踊らせながら光輪が煌びやかに広がっていった!!!
すると上空で渦巻く白き雲が広がり、神々しく温かい光の帯がいくつも降り注いで、上空中心部から放射された光の柱が凶人王を呑み込んだ!
強烈な浄化力によって悪意漲る凶人王の体は焼き尽くされていく!
「くそおおおおおああああああああ──────ッッ!!」
恨みこもる絶叫をあげながら凶人王は刺し違える勢いで飛びかかるが、割り込んだタッドの魔剣が鋭く胸板を貫いた!!
「……これで終わりっすよ! 神の使徒気取りの極悪人!!」
その屈辱な言葉に見開き、そして悔しそうに顔を歪ませ凶人王は「がぎぎ、く……くそぉぉぉ!!」と震える手で差し伸ばしてくるが、恨み虚しく散り散りと分解されていった。その破片は上空へと昇っていってキラキラ煌めいていく。
中から巨大な赤黒いダンジョンコアが剥き出しに! それはバガァンと破裂!!
「やったぞォ────────────ッッ!!!」
「やったっす────────────ッッ!!!」
全身全霊やりきった、と拳を突き出した!
──────これでッ! 魔界の『深淵の魔境』はクリアだぁぁぁあッ!!
あとがき雑談w
サラカート「ナッセがクリアやったぁー!! 直々に授与式やろーっと!!」
エムネ「……そうだといいけどね」
授与式用の亜空間へ現れたのは……!?
タッド「ん? あれ? ひょっとしてクリアしたのボクっすか!?」
サラカート「………………ムスッ」
エムネ「………………だよね」
例え先に致命傷を与えたとしても、最後にトドメを刺した者にクリア認定されるようだ。
サラカート「はい秘宝」ポイー!
タッド「なんで投げやりっすかあああああ!!?」
エムネ「わーおめでとうございます……」パチパチパチパチ!
サラカート「おめでとーすごいねー」パチパチパチパチ!
タッド「すごい棒読みっすあああああああ!!!!」
次話『その後はー?』




