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50話「久しぶりにマイシと激戦!!」

 あの夜、ヤマミが「魔境行きましょ!」と言ってくれたのが頭に残っている。



 意気(いき)衝天(しょうてん)太陽の剣(サンライトセイバー)を振るって、マイシの聖剣と激しく交差!


 ガキィン!!


 その余波でグワンッと周囲に荒れ狂い、地盤が一気に捲れ上がって吹き飛んでいく。

 まさかマイシも聖剣を手にしているとは思わなかった。

 オレも杖になった聖剣を媒介(ばいかい)太陽の剣(サンライトセイバー)を振るっているけど、まるでこれまでとは違う。聖剣が力を貸してくれるかのように強度が段違いだ。


 かたや竜王、かたや妖精王、共に最高の形態で聖剣を振るう。

 激しく剣戟を重ね続け、空であちこち飛び回って激突の連鎖を繰り返していく。


 マイシの聖剣は竜族によって作られたものらしいが、自身の出力したフォースを高精度で見事に刀身に納めている。

 空振りだけでも、離れているはずの地面に亀裂が走り振動と共に衝撃波が噴出して破片を巻き上げていく。凄まじい破壊力だ。振るってるだけで地図を書き換えかねない。


「フォール!!」


 負けじと真上にかざした剣を思いっきり振って、上空から流星のような鋭い軌跡がマイシを襲う。しかし炸裂剣(バーストソード)を振るって起こす爆裂で相殺された。

 爆風が広がっている最中で、煙幕から抜け出したマイシと剣を重ね合った。


「へっ! 無駄な動きなくなって惜しいし!」

「そりゃあ残念だったな!」


 別に体に『形態(フォルム)』させてなくても、剣自体に光魔法(レヴ系)を込めれば似た感じができる。


 激しい剣戟の末にマイシに打ち下ろされて地面に叩きつけられる寸前、宙返りして着地すると同時に飛び上がって「ライズー!!」と剣を振り上げた。

 マイシも炸裂剣(バーストソード)を振り下ろして迎え撃つが、ビリビリと威力に押されて「グッ!」と仰け反った。


 従来(じゅうらい)通り直接撃つのもできるけど、その場合は威力割増になる。



「火竜王のッ、炸裂焔嵐剣バースト・フレイムストームッッ!!」

流星進撃(メテオラン)────ッ!!」


 互い気力漲ったまま、全身全霊の連撃を繰り出し合う!

 一撃一撃惜しみなく全力を込めた一太刀が激突し合って、天変地異が如く破壊の余波が周囲を徹底的に蹂躙し尽くしていく。


「おおおおおおおお!!!」

「かあああああああ!!!」


 天の川横切る夜景を背景に無数の流星を繰り出すオレの連撃と、炸裂剣(バーストソード)による爆裂の嵐を巻き起こすマイシの連撃が怒涛(どとう)の勢いで激突し合う。

 なおも容赦のない破壊が()き散らされ、凶悪な灼熱が全てを貪っていく。




「二年前、こうして双方激突してたのだな」

「ああ。滅多な事ではなかった。あの時はチキューへ帰られたが、今回は逃すまいとマイシを連れて帰った」

「マイシか……。ナッセには丁度いいライバルがいたのだな」

「うむ。マイシも活き活きとしている」


 魔界でも仮想対戦(バーチャルサバイバル)システムがあって、それでナッセとマイシが仮想世界で死闘をしている。

 それを光竜王バルディマスと魔王ジャオガが並んで大きなモニターを介して眺めていた。

 側で四魔将とヤマミたちが静かに観戦していた。


「それはそうと、共同の戦線は難しいか?」

「そうしたいのは山々だがな……、ヘルズプレートに二つある『深淵の魔境(ディープダンジョン)』も厄介だ」


 魔王ジャオガに聞かれ、光竜王バルディマスは渋い顔を見せる。


 上層地殻ヘヴンプレートにはライトミア王国付近の一つを含めた二つ。ここの魔界に一つ。竜族が住まう最下地殻ヘルズプレートに二つ。そして中層地殻ガイアプレートに二つ。合計で七つ……。

 ナッセたちが攻略(クリア)したので残りは六つという事になる。


 魔王ジャオガとしては盟友の光竜王たちと共同で魔界の『深淵の魔境(ディープダンジョン)』を攻略(クリア)しようと思っていた。

 魔界と同様、光竜王以外にも他の竜王が統治する国はヘルズプレートにいくつか存在している。


「ナッセが教養を(おさ)めた後に帰還を望んだ場合、攻略(クリア)が難しくなる」

悠長(ゆうちょう)に事を(のぞ)めれば良かったのだがな……」


 ヤマミは観戦しながらも、彼らの話を聞き入っていた。


 どういうワケか『深淵の魔境(ディープダンジョン)』の難易度は時間経過と共に上昇傾向にあるらしい。ただでさえ超難易度なのに、更に難易度が増すのは地獄のようだ。

 上昇はとてつもなく緩やかなものだが、数年放っておけば誰も攻略(クリア)できなくなるだろう。

 ────これはかつて起きた『大祓祭』には見られなかった事象(じしょう)だ。


「同時攻略でやるしかないという事か」

「ああ」

「魔界内でも“戦祭”は休止状態だ。それぞれ戦力を集めて共同で攻略(クリア)しようと躍起(やっき)になっているが結果は(かんば)しくない」

「こちらも似たような状況だ」



 そうと知らず、オレは全身全霊でマイシへ銀河の剣(ギャラクシィセイバー)を振るう。


「ギャラクシィ・シャインスパァ────クッ!!」

「火竜王のォ!! 炸裂凰翼(バースト・ウィング)最終剣(・ファイナル)────ッッ!!」


 同じくマイシも巨大な両翼のフォースを左右に広げ、気合いのままに聖剣を突き出しながら向かってくる。互い激突し、全てを眩い発光に覆い尽くしていく。

 轟音と共に地面の岩盤の破片が黒いシルエットで巻き上げられていった。



 そんな超絶破壊力にホノヒェラも「敵にしたくないわね……」と引き気味だ。

 ソネラスもアマリビグも、ベルセムの不運に同情した。

 たまたま人族に紛れていた妖精王の怒りを買って勢いのままに倒された挙句(あげく)、チキューの人間に異世界転生させられてしまったのだから……。




 ────その数時間後。


(ゆう)意義(いぎ)な時間を過ごせた。ではまた会おう……!」

「うむ。またな」


 光竜王たち竜族は魔王たちと別れを惜しむように挨拶を交わすと、マイシと一緒に空へ飛び立って帰っていった……。

 見送った後、しばししてからオレは意を決する。


「ジャオガさん! オレも魔境攻略に協力しようと思う」

「それはありがたいが……」


 魔王ジャオガはヤマミへ見やると、彼女は頷いてきた。

 クックさんはヤマミと手を繋ぎながら、眠たそうにアクビする。ふぁあ……。


「それにベルセムやっちまったしなぁ……」

「あれは不可抗力だ。我らはもう割り切っている。それでもか?」

「ああ! どうも放っておけない事情だろ?」


 しばし魔王は沈黙し「分かった。それならば決行は一ヶ月後に行う」と(きびす)を返して魔王城へ戻っていいく。


 なぜ、そんな期間を置くかは自分は分かっていた。

 まだ知らない事が多い。人族としての教養はともかく、多種族絡む教養は全然だ。それに魔王側もほかの魔王勢力と話を交わす必要もあった。

 多少犠牲はあったが、魔界の『深淵の魔境(ディープダンジョン)』で得られた情報も有益だからだ。



「なぁ、ソネラスさん」

「何かな?」


 城へ戻ろうとするソネラスを呼び止めた。


「人族と協力は考えていない?」

「私情を抜きにしても有益ではない。あくまで対立関係でなければならん。人族が増えすぎても世界の為にならないし、下手に仲良くなる事で別の(いさか)いが起きるのも好ましくない」

「やっぱかぁ……」


 昔からずっと食って食われる関係を続けていた。

 魔族が敵性勢力だからこそ人族同士で戦争を起こさないで済むし、増えすぎて環境破壊する事もなくなる。()しくもそれでバランスは整っていた模様。

 それは人族にとっても損ではない。


「お前たちの元いた世界が悪い例なのは知っての通りだろう?」

「ああ……」


「そんな事考えてたなんて余計なお世話だよ」


 今度はホノヒェラが呆れながら割って入ってきた。


「その優しさ貴重……。故に広い視野必要……。世界“完璧”ならない」

「アマリビグさん」

「気持ち受け取る……。感謝する。ありがとう」


 確かに“完璧”はない。みんな仲良しこよしできるものでもない。

 無理にするとどっか(ひずみ)が生じてバランスが崩れかねい。その責任は重大なものとなる。ってオレ小難しい事考えるようになったなー。


 とは言え魔王さんが言ってたように間引きはするが『種族を絶滅させる目的で闘争はしない』ってたから、線引きはある。それを人族は知らない。

 人族がそれを知れば、激昂するのは想像に難くない。


 まるで“家畜”みたいだって、な。


 とは言え、人族もニワトリやウシなど家畜を当たり前のように生殺与奪(せいさつよだつ)している。野良犬や猫など増えすぎないように不妊手術したりする。あくまで種族間の認識の違いでしかない……。

 そもそも同族、自分本位で動くのも生物本来のサガだしな。


「うーん、難しいなぁ……」

「それは分かるわ」


 ヤマミがオレの肩にポンと手を置く。


「そろそろ寝る時間じゃないの? 戻るよ」


 ホノヒェラさんに(うなが)されて、四魔将と一緒に魔王城へと戻っていく……。




 ────後日!


 ヤマミと一緒に魔王城の図書館へ通ったり、城下町で散策したり、魔王と四魔将と話したり、そうやって少しずつ色んなものを培っていった。

 クックさんも年相応の学習を受けて頑張っているしな。

 魔王や四魔将とも挨拶(あいさつ)したり会話したり対戦したりして、最初は怖がっていたのに馴れ馴れしくなってるくらいだ。

 今や、クックさんは四魔将の(いや)しになっていた。デレデレである。


 ジャオガさんまで「おお! クックさんはいつも元気だな」と撫でてくる始末。



 こうして遊んで、勉強して、話して、読書して、運動して、修行して、営みして、寝て、そのサイクルで魔界でもいつものように毎日を過ごしていった。


 ライトミア王国とはまた違う楽しさを満喫(まんきつ)できてるぞ! さすが異世界!



 そしてベクトルは違うが、普通に善悪を認識して秩序(ちつじょ)ある生活をするのは人族の社会と変わりないのが実感できた。

 もちろん悪い魔族がいて、魔界や表世界の秩序を乱してくるのも必然。

 盗賊かぶれの魔族や、野良のゴブリンやオークなどの退治も魔族ギルドでしょっちゅうクエストである。

 もちろん人族の退治も……。


「お前らも魔族か!? そいつぁいいぜ!!」

「へっへっへ! 前から若いのをムチャクチャにしてやりたかったんだ」

「魔族になら何をしたって許されるもんなぁ~! ひひっ!」


 人族の盗賊団が魔界へ侵略する事など頻繁(ひんぱん)にあるのだから、人族も魔族も変わらねぇ。

 ホント気が滅入(めい)る……。


「バカな事やってねぇで帰れ!」


 まさか人族に呆れるとは思わなかった。

あとがき雑談w


 竜族の国(設定固まってないので、出番が来たらヨロ)


バルディマス「上機嫌そうだな」

マイシ「フン! 鈍ってるどころか、更に強くなってたからなし」

竜族(この為に討議行った感が否めないwwwww)


マイシ「こっちも『深淵の魔境(ディープダンジョン)』行くぞし! もっと強くならないと越えられないし!」

バルディマス「待て、大事な用事がある。付き合え」

マイシ「何だし?」


バルディマス「噂のたこやき、美味しいらしいが調理が上手くいかぬ」

マイシ「は!? そんな事かし!?」

バルディマス「そんな事とはなんだ!? チキューのたこやきの味は絶品と聞く。一刻も早く再現度高めねば!」

マイシ「貸せ!! あたしが作るし!」


竜族(意外と料理できるんすねwwww)



 次話『勇者たちも動き出す! ナッセ救出作戦!』

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