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43話「久しぶりの元世界! 再びのモリッカ!」

「観光してェから少々時間もらうぜ……。二日や三日ぐれェ……我慢してくれァ……」

「ああ! ちょうどいい用事ができた。何日でもいいから、ゆっくりしててくれ」

「あァ……そうだったなァ……」


 ……ってな事でアクトとリョーコと別れて、オレたちは辺境(へんきょう)の村リボナへ戻っていた。

 最初にたどり着いた異世界の村で、マイシと初めて戦った場所でもある。この村付近(ふきん)の『洞窟(ダンジョン)』じゃないと元いた世界へ戻れないからだ。

 なんで元の世界へ帰るかって?


「勇者さんにモリッカを会わせる約束してんだよな」

「ええ……」


 村を出てヤマミとクックさんと一緒に緩やかな段差のある広い草原の獣道をゆっくり歩いていた。

 すると草原段差上の突き出てる小さな岩山にポッカリ空いている『洞窟(ダンジョン)』が見えた。


「さて!」


 普通に歩いていけば数日はかかっちまう。


 足元に(あわ)く光る花畑を広げ、背中から花弁を浮かせて羽のように展開、銀髪ロングに伸ばしてたゆたわせる。

 全身からフォースを荒々(あらあら)しく噴き上げて花吹雪が舞う。

 ヤマミも黒い妖精王に変貌していて、禍々しい花畑と漆黒の翼を広げていた。


 妖精王(これ)で突っ切る方が速い。



「ねぇねぇ、あたしもなっていーい?」


 なんとクックさんが目をキラキラさせてソワソワしている。


「うーん。でも誰にでもなれるワケじゃないんだよなぁ。妖精王(これ)

「リエーラ婆さんもそうだったけど、子孫代々妖精王になれないって話じゃなかった?」


 そこまで見栄を張るほどに、一人で留守するのイヤなんかな。

 仕方ないなぁ……。抱えて飛んでやるか。


「よーし! 見ててよー! んッ!」


 するとクックさんの足元から淡く光る花畑がポコポコ咲き乱れていき、背中から小さい花弁が一対浮き、水色の髪が色抜けたように薄く変化しツインテールがブワッと舞う。そして全身からボウッと立ち昇るフォース。


「ええっ??」

「嘘……!?」


 あっさり妖精王になれた事に驚かされた。ポカーン!


「……オレ、なんかリョーコが倒れた時に怒りで覚醒したから、カンタンに変身できるもんじゃなかったけどな?」

「そうなのー?」

「ああ」


 しかし間違いなくオレたちと同じ妖精王だ。

 恐らく『深淵の魔境(ディープダンジョン)』で度重(たびかさ)なる激戦で大幅なレベルアップをしたからなんだろうか?

 八万に威力値が跳ね上がってたし、変身もできるなら即戦力だな。

 ちなみにティオス先輩の威力値は九万そこそこ。五輝騎士(シャイン・ファイブ)クラスだぞ。


「よーし! 一緒に行くっか!」

「うん、いっくぞー!!」

「……うん」



 ビュオーン!!


 オレたちは三人揃ってフォースの尾を引きながら、洞窟(ダンジョン)内を所狭(ところせま)しと超高速で飛んでいった。

 飛び去った後を振動と共に飛沫(しぶき)が追いかけるように巻き上がっていく。正しいルートへ沿ってビュンビュンあちこち曲がったりしてあっという間に数日分の距離を通り抜けていった。

 モンスターも現れてたけど、通り過ぎるだけでバッコーン!


 出入り口を抜け出ると故郷である世界のエンカウント空間に降り立つ。変身を解いて、ある程度歩けばシューンと黒い点へ収縮して通常空間へ戻っていった。

 そして賑わう馴染みの風景があらわになった。


「うわーお!! いっせかい! いっせかーい!!」


 クックさんは目をキラキラさせて両腕を振り上げながらはしゃぐ。


 そうか、クックさんにしてみれば異世界だもんな。見た事もない町並みに見えている事だろう。

 平らに舗装(ほそう)されたアスファルト道路。機械文明が残る電柱が等間隔で並び電線が繋がれている。建物もヨーロッパ風ではなくキチンとした綺麗な形状で、ビルなどのように高く(そび)えるものが並んでいる。

 そして行き交う人々の服装は独特のものに見えるだろう。



 上機嫌にアイスをペロペロするクックさん。るんるんしてる。

 異世界(あっち)にもアイスはないワケじゃないが、お互いに別々の文化なので食材も違う。だからここならではの食材を使ったアイスも新鮮な味だ。

 オレたちにとって異世界の食料の味が新鮮なのと同じように、クックさんもまた同じ感覚なのだろう。


 ヤマミは時折、携帯でなんか話してる。

 オレも携帯でメッセージとか送ってるけど、まだ反応がない。



「これがチキュー本場のカレー!?」


 とあるカレー店でクックさんは目をキラキラさせてカレーを前に感激している。

 美味しそうにスプーンで口に入れて頬張っている。パクパクと止まらない。


「モリッカ来るわ」

「ああ、メッセージ来た」


 しかし驚いたのだが、マイシやスミレたち馴染みの何人かはここにはいなかった。

 オレたちと同じく異世界へ旅立ったらしい。ライトミア王国で全然会わなかったから、もしかしすっと別の国へ行ってるかもしんない……。


「えと、フクダリウスは家族がいるからここに残ってるんだな」

「ええ。後は……」


 ノーヴェンとミコトとコマエモンは仮想対戦(バーチャルサバイバル)施設の従業員になった。クスモさんは念願の小動物カフェを開店。夕夏(ユウカ)家の王子たちはダグナ新総統を中心に活動していて、ヤマミの妹マミエはメキメキと頭角を表してリーダーシップを取れるようになってきた。


 異世界に行ってるのはアクトとリョーコ。そしてエレナ、コハク、マイシ。そしてなんと夕夏(ユウカ)家のブラクロがスミレと一緒に行ったらしい。



「やぁやぁ! お久しぶりですね~!」


 飄々(ひょうひょう)と明るい笑顔でモリッカがカレー店に入ってきて手を振ってくる。

 オレたち異世界の服装に「懐かしいですねぇ」と口走っていたので、聞いてみたら最近思い出したとの事。

 勇者セロスたちの事を懐かしむように話してくれた。

 昇天魔法(ラストヘヴン)でこっちに異世界転生し、更に現地でも色々失って人格が変わってしまったが、それでも勇者セロスと一緒にライトミア王国で育ってきて魔王討伐に旅立った記憶と経験はちゃーんと根付いていた。


「あ、そうそう。友達紹介しますねー」


 ん? と怪訝にしてると、モリッカが合図すると一人カレー店に入ってきた。それを見てオレたちは「ああっ!!」と驚き返ったぞ!

 身なりこそ人間だが、顔立ちは魔王軍の四魔将“残虐なる蟲王”ベルセムだった。

 冷徹そうなツリ目で威圧も滅ぼした当時と変わらない。


残夢(ザンム)ベルセムですー! 怖い顔してるけど気が合うんですよー」

「……どうも。ベルって呼んでくれるといい」


 ポカンとしているオレとヤマミに構わず、モリッカの側に座っていくベルセム。


 こちらをじっと睨んでるような気がしたが、殺気は全くない。

 復讐(ふくしゅう)しに来たかと戦々恐々してたけど気質は至って穏やかだ。初めて会った時の悪魔のようなドス黒い気質は全くない。

 ありゃ単に怖い目付きなだけか。


「お前に殺されて、こっちに異世界転生した。今ならお前がこだわっている意味が分かった。魔族時代では分からなかった事を知って、怒るのも無理ないなと思った。あの時はすまない……」


 なんと神妙に頭を下げてくれた。


 転生してから人間の両親から愛情を注がれたり、学校で友達と遊んだり、好きな人を気にしたり、厨二病発症して黒歴史できちゃったりと、人生を謳歌(おうか)してきてたみたい。

 エレナの時と同じように、始めっからここで長年育ってきた因果に組み替えられていた。

 で、最近モリッカと会って意気(いき)投合(とうごう)したらしい。


 ベルセムとモリッカ、かつては魔族と勇者たちに関係で争っていた仲。

 それが友達感覚で仲良しこよしだというのだからビックリだ。それにベルは数々の漫画やアニメ、ゲームにはまって今やオタクとなっていた。

 ジャンパーの下に萌えキャラのシャツ着てるんですもん。しかも『けいおと』のキャラ……。



 その後もゲーセン行ったりして、ベルがゲーム上手かったのには驚かされた。

 格闘ゲームでラスボスまでワンコインでクリアしたのは驚いたぞ。オレなんて一人か二人で撃沈する下手っぴなんだけどな。

 魔族時代から反射神経が凄まじく高いようだ。



 そんなこんなで久しぶりの元いた世界を楽しく過ごせた。

 クックさんは新しいものに目をキラキラさせてて興奮しっぱなしで、ホテルに泊まる頃は背負うほど疲れて寝ていた。

 二日目の朝にモリッカとベルと再会して、海遊館や動物園など回っていってクックさんを楽しませた。

 こんな気持ちが弾むくらい楽しいのは久しぶりだ。



「俺もいずれ異世界(そっち)へ行く」


 夕方に差し掛かる頃、モリッカと一緒に異世界へ行こうとする時にベルがそんな事を言い出してきた。


 しかし今は一緒には行けない。

 まずは親兄弟に報告して旅の準備を整えるなど時間が必要だった。だが、また会おうなとフランクに約束を交わせた。

 まさかの因縁(いんねん)の敵と友達になるとは思わなかったけど、なんだか嬉しいな。


 魔族としての死を越えて────、人間としての生を受けたベルセム。



「じゃあ、ベルまたなー!」

「またな。だが気を付けてな!」

「ああ、ありがとな!」


 バイバイと手を振り合って、オレたちは妖精王に変身、モリッカはデンガ系の『形態(フォルム)』を纏い、ベルを後にして『洞窟(ダンジョン)』へ向かった。

 超高速で一気に駆け抜けて、辺境の村リボナで宿泊した後に光のライトミア王国へ着いた時は四日目になっていた。


 その時はまだ驚くべき事が起きるとは思わなかったぞ……。

あとがき雑談w


 ライトミア王国、その夜……。

 なんとカラフルな店で色っぽい悪魔風の女性がウフーンアハーンw

 時異世界にも、いかがわしい店が開かれているのだ。


アクト「ぬおおおお!! 俺ァ行くぜ!!」


リョーコ「だっらしな……!(ジト目)」

アクト「へへ! 昼に本屋でBL(ボーイズラブ)(異世界ver)を買い込んでるの知ってるァ!」

リョーコ「うぐ! 余計な事に鋭いわね……」


 アクトは女淫魔(サキュバス)が専門とする夜の店へ突入!!


女淫魔(サキュバス)「こう挟んでパフパフ! パフパフ!」

アクト「うがああああ────────ッ!!」


 精力搾り取られ、鼻血ドバドバ大流血!! 大興奮ドバドバ大流血!!



セロス「よし! メーミいないな?」

ファリア「ああ! 大丈夫だぜっ!!」

セロス「行くかっ!! 愛しの女淫魔(サキュバス)ちゃんへ!!」

ファリア「おうよっ!!」


女淫魔(サキュバス)「パフパフ! パフパフ!」

セロス&ファリア「ウヒョォォォォォ!!!!」


 精力搾り取られ、鼻血ドバドバ大流血!! 大興奮ドバドバ大流血!!


メーミ「このBL(ボーイズラブ)はいいわね~!(目ギンギン!)」



 次話『ある男がナッセの元に!? 闇の誘い……!』

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