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27話「久しぶりのアクトとリョーコ!!」

 なんとあっちの世界で馴染みのアクトとリョーコが来てくれたのは嬉しかった!

 だが、問題は水の王国の王女マメードまで押しかけてきた事だ!!


「なんでここが分かったんだよ!!」

「見くびってもらっては困りますわ! 『標的探知(ターゲットサーチ)』で位置を把握する事など造作もございませんわ!」


 あー、そっか! それでか!! まんまと対象にされてたワケか!

 このスキルが使える辺り、相当の実力者ってトコか……。


「……あの騎士さん来てるぞ」

「いいえ! あのバカタレンなんか来……「バカタレンが何だ?」


 なんと例の水の王国一と自負するウォタレンが怪訝そうな顔で玄関に踏み込んでくる。既に片手に剣が引き抜かれている。殺意がもろ出てる。

 マメードは「げげっ!」と土足でオレの後ろへ回る。おい!

 オレは「は、離れろよ! オレは関係ねぇ!」としがみついたマメードを引き剥がそうとするも「ヤダヤダ~!」と離れてくれない。


「きさま……!」


 ウォタレンが玄関を通って土足で床に踏み入れた所で、アクトとリョーコが既に斧と刀を交差させて阻んでいた。その刃の反射光が首元で煌く。


「あァ……お嬢ちゃん追いかけて土足で踏み込むたァ……騎士らしかねぇなァ?」

「まず話聞かせてもらいましょーか?」

「……この“水勇の蒼騎士ウォタレン”に刃を向けるなど不敬に値する!」


「ここはナッセと私の家! 容赦(ようしゃ)しないわ」


 なんとオレの後ろで恐ろしい剣幕のヤマミが半具現化の『偶像化(アイドラ)』を包んで睨んできていた。

 そんな緊迫した一触即発の最中、オレは「あ、あの……落ち着いてくれよ」と口を出すが、誰も反応しない。ますます気まずい。

 つか暴れられたら、せっかくの家が壊れるっつーに……!


「そこのガキ斬られてもいいのか? 真っ先に狙うぞ?」


 オレを冷淡に見やり不敵に笑む。

 恐らく乱戦になれば、真っ先にオレを斬るつもりなのだろう。人質だ。

 しかしアクトとリョーコはプッと吹き出してしまう。


「マジかァ? 騎士さん見る目ねーなァ」

「よりにもよってこん中で一番強いヤツを斬るって?? 逆に地べた()(つくば)るわよ!」


 けんのんに笑いながら斧と刀を引っ込めていく。ヤマミも「愚かね……」と偶像化(アイドラ)を収めていく。

 ウォタレンは訝しげな顔でオレを見て「こんなのが?」と眉を潜める。


 どうやらオレは一番弱そうに見えるらしいな。


「大魔王を倒してるしなァ……」

「三大奥義二つ会得してるしね!」

「ナッセは私が一番よく知っている」


 アクト、リョーコ、ヤマミは揃ってマジ顔だ。騎士は「戯言(ざれごと)を……」と剣を鞘に収めるとマメードへ手を差し出す。


「マメード様こんな汚らしい所にいてはいけません! さぁ帰りましょう」

「イヤでございますわ」


 べーと舌を出している。それもオレの後ろから。

 ウォタレンは「ぬ……!」と歯軋り。一筋の汗が頬を伝う。オレを睨んでくる。


「いや帰れよ……」


 オレがジト目で呟くもマメードはブンブン首を振る。ったく!




 結局、マメード様を居間に案内してリョーコとアクトと一緒にテーブルで囲む事になった。騎士はその外の壁で腕を組んだまま待機している。

 下賎な家に入り込むなどプライドが許さないらしい。

 マメードが言うには高貴な貴族の生まれで、腕を磨いて王国一の勇者になったらしい。以来は王女マメードを(した)い守る専属騎士となっている。

 なぜ単独で来たかというと、オレたちなど一人でどうにでもできるとタカを(くく)ってたらしい。



 ヤマミがトレイから茶をテーブルに並べていく。


「リョーコさぁ、斧女子(オノガール)アイドルどうしたんだよ!」

「大丈夫! あたしをコピーできる『血脈の覚醒者(ブラッド・アウェイク)』いるから! んで今度の夢はこの異世界でも斧女子を広めるの!!」


 えへんと大きな胸を張ってくる。相変わらずだな。


「そっちは体は治ったのか?」

「お陰様でなァ……、すっかりピンピンでさァ……。ただあのバーサンにカンカン怒られんの勘弁だァ」


 リエーラ婆さん、ちゃんと治してくれたんだな。

 後遺症も何もかもキレイさっぱり治ってて新品同様らしい。一体どんな薬か分からないけど効き目はバツグンだったようだ。


「リエーラ婆さんと一緒じゃないの?」

「あァ……もう少し大阪堪能(たんのう)するってたからなァ……」


 そーいや「たこ焼きうめぇ」ってたもんな。


「それに!!」

「俺たちァ……オメェと一緒に異世界行こうって」

「約束してるっしょ!!」

「あァ……」


 息が合ったリョーコとアクト。それを聞いてなんだか安心してくる。

 ヤマミと二人きりじゃなんだか寂しかったしなぁ……。


「そりゃそうか……。リョーコはアイドル活動だったから諦めてたけども」

「諦めんなよなー! 言ってくれれば行ってたよー! はくじょーものー!」

「すまねぇ……勝手に決めつけてたな」

「全くよー!」


 マメードは「あ、あの……」としどろもどろ。いやお前部外者だろ。


 アクトは「教皇の事……聞かせていいかァ?」と聞いてきて、オレは頷く。ヤマミと一緒に異世界で起きた事を全て話した。

 ティオス先輩と出会った事、魔族との戦い、そして勇者と魔王の盛り上がる決戦、果てに教皇による天変地異が如くの襲撃などなど語った。

 教皇は倒せたんだが道連れと発動された『聖絶』により世界の危機が迫った時に『星塔(スタワー)』がそれらを吸い込んで封印。


「あの四魔将はおろか教皇まで倒してるなんて……! まさかそんな事が……」

「マリシャス教はともかく、魔王軍はまだ健在だけどな」

「……わたくし国際会議には同席していませんので父上から聞いただけでして……」


 マメードはなんか驚いている。そんな細かい事は聞いてなかったみたいだ。多分、各国の王様たちもそんな感じ?


「して今度は『聖絶』を浄化する為に儀式やるみてぇだ」


「私もその儀式に参加する所存(しょぞん)である!」

「うわあッ!!」


 なんとウォタレンがマジ顔で窓から覗かせてきてビックリした。

 傍から見るとストーカーみたいだなぞ。


「……オレは蚊帳の外だろうぜ。まぁ異世界の問題だしな」


 オレは肩を竦ませて両手を少し挙げる。

 それにさ、今日はアクトとリョーコが来てくれたしな。


「儀式は各国で勝手にやってもらうとして、オレたちはこの異世界回ろうと思う!」

「そうかァ……」

「もう少しライトミア王国回りたいけど、その後でいい? 来たばっかりだし」

「それもそうか!」


 最後にヤマミがオレの側に座り込んできて、マメードを押しのける。姫さん「むむ……」と不機嫌そうだ。

 ヤマミは意に介さずオレの腕に組み付いて頭を寄りかからせてくる。

 べったり付き合ってる風だ。


「それでいいわ。どうせSランク冒険者だもの。クエスト受けられない国にいてもしょうがないわ」



 すると、突然ドドーンとなにか大きな音が鳴った!!

 オレは「うわわっ!?」とヤマミと共に飛び上がった。窓から空一面に大きな花火が煌びやかに広がっていくのが見えた。


「花火である!」

「分かってるよ!! ってか覗くんな!」


 ウォタレンが窓からマジ顔でキリッとしている。


 慌てて外へ出ると、空一面に花火がいくつも咲き乱れ続けていた。

 やはりというか、周りに人々がザワザワどよめいていた。

 もちろんライトミア王国にいる勇者たちもティオスも誰もがただならぬ様子に緊迫している。


 ホテルの屋上で各国の王様達も「ついに始まるのか……!」と息を呑む。


 もちろん、この空一面の花火はライトミア王国に限らず、各国にも目の当たりにできるほど大規模のものだ。

 花火が収まった後、例の二人の魔女が投影されてきた。塔の魔女!?


《さぁさぁ! 今から『ロープスレイ大祓祭』を開きまーす!!》

《うふっ》


 アクトとリョーコは「あれが例の……?」と見上げている。

 オレは自分とヤミザキの他にいた三人目の『鍵祈手(キーホルダー)』の願いによって『星塔(スタワー)』をこの世に組み込んで塔の魔女になったらしいのと、青い髪がサラカート、赤い髪がエムネと説明した。

 どっちが『鍵祈手(キーホルダー)』かは分からんけど……。


《さーて! 封印している『聖絶』をダンジョンコアにしまーす!》


 二人の魔女はそれぞれ反対側の片手を振りかざし、星塔(スタワー)の頂上から赤黒い塊が上空へ飛び上がった。おどろおどろしい暗雲が渦巻きながら広がっていって真紅の稲光が迸る。

 誰もが息を飲む。濃密度の邪悪な災厄が凝縮されているのだ。


《『聖絶』のエネルギーを『深淵の魔境(ディープダンジョン)』の(コア)に創造する……》


 その塊は七つに分割されて、光沢を帯びる赤黒い宝玉に変わった。

 あ、あれは……『賢者の秘法(アルス・マグナ)』と似てるっ!?


《行っちゃえ──────────っ!!》


 二人の魔女が手を振り下ろすと、七つの宝玉は勢いよく世界各地へ飛び散った。

あとがき雑談w


サラカート「んふーふっ! おっもしろいの始まるよーっ!」

エムネ「高難易度になったみたいだよ……。うふっ」

サラカート「どんなモンスターか『深淵の魔境(ディープダンジョン)』を潜ってからのお楽しみ!」


魔王ジャオガ「それやられると、我々魔族の立場がないんだが……?」



 次話『初っ端からコレかよ!? 高難易度すぎる!』

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