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23話「悪魔の教皇と決戦だ!!」

 勇者も魔王も四魔将すらもねじ伏せた教皇は邪悪な笑みで満ちていた。

 あの後、五人の強そうな王国騎士が飛びかかってたようだけど一瞬で沈んだ。いずれもスゲー攻撃してたけど歯が立たなかったぞ……。

 あちこち五人の騎士が横たわっていて鎧の破片が散乱。流れる煙幕。


 まさかライトミア五輝騎士(シャインファイブ)…………?? いやまさかね…………?

 まだ全員辛うじて生きているな。普通の騎士だったら死んでるぞ。


「はははははは!! さぁ罪深き咎人(とがにん)どもよ恐れおののけ! そして我が神の勢力の崇高さと偉業を(あが)めよ!!」



 ティオスは信じられぬ残酷な現実を前に、走馬灯(そうまとう)が脳裏を駆け巡っていた。


 王国騎士団として、同僚たちと日々職務や特訓に明け暮れて、夜では酒場でよくバカ騒ぎしていた。

 そしてライトミア王国を明るく平和なものとして守り続けようと誓い合った仲。

 みんな気さくで楽しい奴らだった……。


「……ウオシャ! マグナ! あ、アリーシャ……! ガゼル……ッ!!」


 ティオスは足元に転がっている動かぬ騎士たちに愕然としていた。

 四肢が欠けたもの、頭が吹き飛んだもの、肉片になってるもの、血塗れになっているもの、変わらぬ日々でこれからも続くと思っていた人たちの…………死!


「大丈夫か! ティオスさんッ!!」

「くっ! 被害を確認しろ!」「は、はい!!」

「まさか五輝騎士(シャインファイブ)まで瞬殺されるとか悪夢だッ!!」

治療班(ヒーラー)はまだか!?」


 騎士たちは慌ただしく動いていた。ティオスとも馴染みの騎士は「テ、ティオスさん……」とどう(なぐさ)めればいいか分からず立ち尽くす。

 するとティオスはギッと怒りを滲ませるように手に翼を象る剣を顕現化させた。


「あの野郎ォォォォ────────ッッ!!!」


 激怒してティオスは凄まじいエーテルを噴き上げ、疾風のようにあっという間に空にいる教皇キラリストへ飛びかかろうとする。

 置いてかれた騎士は「あ、ちょっ……」と言い出すが遅すぎた。


「なんだこのゴミは?」


 教皇は無造作に軽く手で払ってティオスを地面へ叩きつけた。バゴッ!

 大の字でめり込んだティオスは「がはっ!」と吐血し微動だにできない。足の骨が折れたのか変な風に曲がっている。


「くそぉ……!」

「フン! (けが)らわしいゴミが安易にふれるんじゃあない! 我はこれからこの世界を平和な世にすべき、罪深き愚か者どもを永劫の地獄へ突き落とし無限の転生で償わせねばならん!! 偉大なる平和神マリシャス様の下でな!」

「お前なんかただの殺人鬼だ!! お前こそ地獄に落ちちまえッ!」


 激昂したティオスに吠えられ、教皇は怒りに顔を歪ませた。


「口が過ぎるぞォ! 我は崇高な裁判者だッ!」

「ふざけんな! 血も涙もない殺人鬼が裁判者を(かた)るなよ!!」


 教皇はギリッと歯軋りして、アンクを向けて「じゃあ死ね!」と言い捨てる。


「先輩ッ!!!」「行くわよ!!」


 オレは思わずボウッとフォースを噴き上げて花吹雪が舞う。そしてヤマミと共に音速(マッハ)を超えた瞬足で教皇まで飛び上がった。

 気付いた教皇は「む! 邪魔するか!」と顔を向け、長アンクを赤く輝かせた。

 オレは「おおおおおッ!!」と太陽の剣(サンライトセイバー)を振り下ろして、かざされた長アンクと激突!

 上空で余波の衝撃波が爆ぜて烈風を巻き起こす。そのまま鍔迫り合いで「ぐうう!!」「おおお!!」と火花を散らす。


 ヤマミが浮かせた『衛星(サテライト)』の黒い火炎球を分割(ディバイド)しながら散弾をばらまく。

 オレは跳ねるように飛び退く。教皇に黒き火炎弾が浴びせられ爆炎が続々と巻き起こっていく。


「今の内ッ!!」


 すかさず急下降。ティオスを抱えると瞬間移動のようにフッと遥か後方の王国側へ飛び、丁寧に床に寝かす。その辺の騎士に「先輩を頼む!」と言い残して再び教皇へすっ飛ぶ。余韻(よいん)として粉塵が舞う。その辺の騎士はポカンとする。



 ヤマミは「やああああ!!」と吠えながら、召喚した黒い小人を数十体踊らせながら周回させる。

 それは大地へダイブすると黒い線となって、複数屈折しながら教皇へ縦横無尽と走っていく。

 しかし教皇は超高速で軽やかに宙返りとかしながら飛び跳ねて、それを追いかけるように次々と黒炎が続々噴き上げていく。

 それでもヤマミは両腕を踊らして黒い小人を召喚しダイブさせ続ける。


「ち! しっつこい悪魔めッ!」


 (しび)れを切らした教皇はアンクをかざして赤黒い光弾を高速連射。大地に降り注いで黒炎と相殺していって、やがてはヤマミを弾幕で覆う。爆発の連鎖が積み重なっていく。

 狡猾(こうかつ)に笑む教皇。


「サンライト・スパァ──クッ!!」


 その隙だらけな教皇へオレが太陽の剣(サンライトセイバー)による必殺技を繰り出す。すかさず長アンクがかざされるが、それをへし折って胴体に渾身の一撃を叩き込む。

「な、なに!? ぐ、がはぁッ!!!」

 教皇は吐血し顔を歪ませて、衣服の破片を飛び散らせながら上空へ舞う。


「こォのクソ下等生物がァ────ッ!!」


 教皇は両手にアンクを生み出し赤く輝かせて、怒り任せにこちらへ急降下で突っ込んでくる。


 しかし時空間移動であらわれたヤマミが「手を!」と手を差し出してくる。

 オレはヤマミと手を合わせ光を灯らせる。互い離れるように左右へ飛び退く。教皇の一撃が大地を穿ち轟音と共に砕けた岩盤を高々と散乱させていく。

 その壮絶な衝撃で王国にも振動が及んだ。


「おおおおおおッ!!!」


 オレとヤマミで教皇へ飛びかかり、縦横無尽と激突を繰り返してあちこちで火花を散らしていく。

 太陽の剣(サンライトセイバー)、全身から生やせる光の刃、柔軟な体術でオレは剣戟を重ね、ヤマミも軽やかな体術で刃を生やした杖で幾重の軌跡を描く。

 教皇は「クッ!」と苦い顔で二人の猛攻を捌ききっていく。


 しばらく大地を震わす激戦が繰り広げられるが、ややオレたちが押されている。

 教皇の怒涛の攻めにオレもヤマミも傷つきながら、必死に渡り合おうと粘る。


「まだ逆らうかッ! この下賎な悪魔どもがァ────ッ!!」


 長アンクでオレをバキッと殴り飛ばすが、今度はヤマミの黒炎弾が飛んでくる。教皇は長アンクでそれを弾く。

 その間にオレは大地を数度跳ねて体勢を整え、教皇へ太陽の剣(サンライトセイバー)を振るいながら飛びかかる。

 激しく得物が交差して足元の大地がスゴッと捲れ上がる。


「悪魔はそっちだっつうの!!」

「ぬっ!! まだ……ッその(けが)らわしい口をををッ!!」


 オレかヤマミが離れれば『衛星(サテライト)』による超高速の散弾をばらまいて爆発の連鎖を浴びせていく。

 接戦と遠距離攻撃、それぞれ交互に繰り出して耐えぬ攻撃を続けた。

 教皇は何度もオレとヤマミに猛攻に競り勝つも、粘られて憤っていく。


「このォ──ッ!! しっつこいヤツらめぇぇぇえッ!!」


 オレは「おおおあッ!!」と渾身の剣戟で教皇の頬を強打し、ぐにゃりと歪ませた。

 すっ飛ぶ教皇は「ぐがああ!!」と、阻む岩山をガンガンガン貫きながら大地へ激突して火山噴火のような大規模の煙幕を噴き上げた。

 オレとヤマミは両手を挙げて、花吹雪が収束していって超特大の白黒混ざった火炎球が輝きを増していく。


「くらえー!! WB(シロクロ)ホノバーンッ!!」


 ヤマミと一緒に腕を振り下ろして、白黒混じりの特大火炎球がすっ飛ぶ。

 大きな地響きと共に天空へ昇らんとする勢いで灼熱の白黒混じりの爆炎が明々と噴き上げていった。遅れて高熱を伴う烈風が吹き荒ぶ。



「クソォ────────ッ!!!」


 なんと大規模の爆炎を押しのけて、赤き巨人がぬうっと両拳を振り上げて現れてきた。ツノなどトゲトゲしたものが生えて、怒りの形相の顔が象られていく。両目が赤く輝く。

 まるで山のように超巨大な魔神だ。


 こいつが教皇の『偶像化(アイドラ)』かッ!! 禍々(まがまが)しい!!


「で、デカっ!!」「こっちも行くわよッ!!」「おう!」


 オレも大地に手を触れて広大な召喚魔法陣を展開し、地球の表面を模様(もよう)とした巨大な猫が抜け出てくる。地響きを立てながら「ニャオオオオオオオ!!」と咆哮(ほうこう)を上げる。

 そしてその背中の上でオレとヤマミを包んで、なんとオレを模した『偶像化(アイドラ)』が顕現化され、サンライトイエローの長マフラーとギザギザの裾の長い黒マント、背中には白光の妖精の翼が四対、本来持つ水晶杖の代わりに巨大な太陽の剣(サンライトセイバー)が握られていた。


 まるで星獣に乗った漆黒と純白混じりの妖精剣士という風貌だ!

 

「これがオレの星獣と!!」「私の偶像化(アイドラ)で!!」

「「ぶちのめ────すッ!!」」


 偶像化(アイドラ)の中でオレとヤマミが拳を突き出し、星獣は《承知した!! 行くぞ!!》と大地を蹴って巨大魔神へ飛びかかる。


「そんなものでェェェェエッ!!」


 赤き巨大魔神は大きな拳を振るう。星獣は額で受け止め、その衝撃で足元の大地が広範囲で剥がれ、弾け飛ぶ。

 偶像化(アイドラ)太陽の剣(サンライトセイバー)で肩から斬り込む。斜めに輝く亀裂を走らせ、それでも巨大魔神は憤怒の形相で星獣のアゴを蹴り上げた。

 そして巨大拳による超高速乱打を繰り出すが、星獣は体勢を整えオレがヤマミの偶像化(アイドラ)を操って太陽の剣(サンライトセイバー)で幾重の軌跡を描いて弾ききっていく。その攻防の応酬で周囲に余波が荒れ狂って大地が破壊し尽くされていく。

 間合いを離れて星獣は宙返りして、ドンと大地を割って滑りながら着地。地響きが広がる。



「な、なんてレベルの戦いだ!!」

「これが……妖精王か! しかし光と闇が……協力??」

 

 揺れ続ける大地。勇者は唖然と、魔王は怪訝な顔で行方を見守る。

 王国側の騎士や冒険者たちも魔族の大軍も呆然と、人智を超えた大規模な戦いを眺めるしかなかった。

 側の騎士に介護されるティオスは疲れた顔でナッセたちの戦いをぼんやり見ていた。



 教皇こと巨大魔神はこちらへ指差し、赤い眼と口を開く。


「妖精王ォォ!! まさか星獣を手懐けてるとはな!! さしずめ悪魔の下僕といったところか!」

「ちがーう!! 友達だ!!」


 オレは腕を組んで言い返した。星獣はニッと笑う。


《そうだ……! ナッセとはダチだ!! 笑い合える仲のな!》


 教皇こと巨大魔神は「そんな甘ったれた関係などォォ愚かの極みィィ!!」と侮蔑を吐き、ドスドスと巨大な足でこちらへ走ってくる。

 オレとヤマミは手を繋ぎ、花吹雪を伴うフォースを噴き上げた。


「見せてやるぜッ!! オレたちの(きずな)をなッ!」

「ええ! 思う存分ッ!!」

あとがき雑談w


セロス「なんかオレたちの決戦が前座に見えるんだが……?」

ジャオガ「気に入らんが同感だ……。クソ!」

ティオス「リア充だからな! オレたちまだ童貞だってのに!!」

魔王「お前らと一緒にするな! 我々魔族には生殖器官ないぞ……」


セロス「いや、オレはもう捨てたよ。彼女9999人いるしw」


魔王&ティオス「何ィ!!? ハーレムだとォ!?」


 英雄、色を好む……?w



 次話『オレたちの絆(ラブラブ)を思い知らせてやる!!』

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