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12話「ナッセ、ヤマミ、クックさんチームだ!」

 劇薬には、いい思い出がないぞ……。

 たった二錠だけで、あのアホ新聞野郎とは段違いの強さに上がっちまった。


 傍若無人なテンチュは「くだらん」の一言で衝撃っぽいので弾いてくる上に、自身を覆う巨大で極端な爆乳女の『偶像化(アイドラ)』も厄介だ。

 乱暴者のボホモはフレイルの鉄球を自在に操って打撃の嵐で畳み掛けるタイプ。


 ズン、と立ち塞がる邪教徒の二人に、オレとヤマミは息を切らしながら焦燥している。



「あ────も────ッ!! 仲間ハズレすんな────ッ!!」


 激怒になったクックさんが両拳を振り上げて、飛び上がった。

 しかしテンチュは見向きみせず「知らん!」と無視。ボホモも同じく見向きもしない。

 クックさんはフルフルと顔を真っ赤にして、怒りのボルテージが限界に達したぞ。


 しかしオレはクックさんと視線を合わせ「……最後キメてくれよ! だから待ってくれ」と微かな響音(きょうおん)通信で伝えた。

 コクリと頷いて応えてくれた。よし!



「最後の忠告だ。魔女の末裔はどこにいる? 素直に言えば見逃してもいいよ」

「ちゅふふふふ!! 信者にして見逃すって意味だぜ」


 しかしオレは皮肉(ひにく)るように笑んで「くだらん!」と言い捨てた。

 するとテンチュは唇を震わせて顔を真っ赤にして激昂していく。まさか自分が逆に言われるとは思ってなかったのだろう。


「中立に接してやったのに、それも分からんバカは惨たらしく殺してやるッ!」


 巨大な爆乳女が振るう曲刀に、オレは太陽の剣(サンライトセイバー)で受けるもガキンと吹っ飛ばされる。そのまま崖に激突して「ぐあ……!」と激痛に呻く。

 追い討ちと爆乳女は曲刀で乱雑に斬り刻みまくって、飛沫を飛ばしながら崖を削っていく勢いだ。


 ズガガン、ガガン、ガッガッ、ズガガッ、ズガン!


 それでもオレは崖を背に必死に太陽の剣(サンライトセイバー)や念力組手で凌いでいく。

 隙を見計らって、咄嗟に横へ滞空手裏剣を足場にで駆け抜けて脱する。空振りした爆乳女の曲刀は崖を真っ二つのように裂いて破片を飛ばす。

 しかし怒り狂ったテンチュはこちらへ即座に振り向き、爆乳女でズカズカ詰めてくる。


「僕は、僕はァ! 善悪を超えた中立でみなさんを平和に導くのだ! 貴様にはそのような崇高な目的などあるものか!」


 なりふり構わず曲刀を乱暴に振り回してきて、木々を斬り散らして葉っぱや枝を飛ばしていく。

 それでもオレは必死に太陽の剣(サンライトセイバー)でその剣戟を弾ききっていく。

 ガン、と真っ向から振り下ろしてきたデカい曲刀を受けると、ずらすように太陽の剣(サンライトセイバー)を傾けて受け流す。それは地面を穿ち飛沫を上げる。ドッ!


「確かにオレのは立派な目的じゃねー! この世界を冒険してワクワクしたいだけだっ!!」

「実に幼稚でくだらん! 自己中心だな! 悔い改めよ!!」

「くだらん! 自己中心はおまえの方だろっ!」


 再びそれを口にして、テンチュは更に怒りのボルテージを上げていく。



 飛んでくる鉄球をヤマミは「(シールド)!!」と三日月が記された半透明の丸い盾を具現化させ、それを受ける。すると鉄球は跳ね返ってボホモは見開く。咄嗟によけたがザシュっと肩を(かす)って血飛沫を上げる。

「ぐ!!」

 即座にヤマミは「デンガ!!」と向けた掌から落雷を放つ。

 ボホモはまともに受けてバリバリバチチチチと感電迸る。


「このアマ────ッ!!」


 激昂したボホモは鉄球を竜巻のように振り回し続け、辺りの木々を薙ぎ散らしながらヤマミへ襲いかかる。

 対してヤマミは氷魔法(ヒェラ)の『衛星(サテライト)』を分割(ディバイド)して弾幕を張る。

 なんと鉄球やチェーン部分がビキキッと凍りついて鈍重に、ボホモ見開く。更にヤマミは連射を続けてドンドン氷漬けしていく。それに必死に抗って氷を跳ね除けていくボホモ。


「ナッセ────ッ!!」



 オレはそれを耳にして、笑む。

 わざわざ作戦を伝えなくても、真意は伝わって来る。


「ヤマミ、今行く────ッ!!」

「逃げるだけの臆病者がァァァァァ!!!」


 未だ激昂しているテンチュを誘うようにオレは捌きながら、後退するように木と空中を飛び回っていく。

 追いかける爆乳女もろともテンチュを開けた場所に誘い出し、オレは踏みつけて飛び越える事でボホモへ突っ込ませる。テンチュとボホモが重なる瞬間、ヤマミは地面から漆黒の氷で足元から凍結して地面に繋ぐ。


「ぐっ!?」「ぶももっ!?」


 ダイヤモンド級に硬い氷の呪縛にテンチュとボホモは絶句。

 慌てて焦って火魔法を放つが効かない。


「クックさん、ぶっぱなせ────ッ!!」


 待機してたクックさんは腕を交差させて、周囲から光子をかき集めていた。

 そしてカッと見開いて怒りを解き放つ!


「弾け散れー!! 大爆裂ホノ・エクスプロージョンッ!!」


 クックさんが交差していた腕を大の字に広げると、膨大な量の火炎球の嵐が怒涛と放たれた。大地を震わせ、周囲を飛沫で吹き荒れ、二人の邪教徒を眩い灼熱で呑み込む。

「くだらん! くだらん! くだらん! くだらん! くだらなぁぁぁあッ!?」

 圧倒的な物量を相手に、テンチュの技など無力だった。


「うああああああああ……!!!!」


 ゴゴオォォォオォンッ!!!


 空を赤く染めるほどに大爆発が高々と巻き起こされ、凶悪な高温が爆心地を蹂躙(じゅうりん)した。

 激しく吹き荒れる熱風に、オレもヤマミも腕で顔を庇う。しばし余震で地面が震え続ける。



「あースッキリしたぞー!」

「さすが師匠と同じ血を引いてるだけあって凄いな」


 肌ツヤツヤになったクックさんが満足そうな笑顔を浮かべて背伸び。オレはふうっと息をつく。

 しかしヤマミは未だ炎上している爆心地から視線を外さない。


「なんであたしの大爆裂魔法が分かったのー?」

「ん? ああ、なんか不満そうだなって傍目から見てたからなー」

「へへー! 見てくれたんだー!! ありがとねー!!」

「あはは……」


 なつっこくクックさんが首に抱きついてきて、安堵(あんど)した。



「…………まだよ!」


 警戒してたヤマミの一声で、オレはハッとする。クックさんはパチクリ。

 なんと炎上している爆心地から人影がユラリと現れる!?


「まさか……ガキにそのような大技が!! ……合体する奥の手を使わなければ確実に死んでいた」


 なんと四メートルの巨躯に、四本足、四本腕、そして顔が二つ並ぶ。そんな異形を包むように爆乳女も六本の腕に六つの爆乳にツノを生やして般若の顔に変貌(へんぼう)

 そんな禍々しい風貌に戦慄さえ感じさせた。


 だが先ほどの大爆裂で戦闘力はほぼ()がれている!


 オレは緩やかな笑みを浮かべて、一人だけで歩む。

 ヤマミとクックさんは後ろで見送っている。そして、オレは周囲から光子を螺旋状にかき集めていく。収束されるそれは圧縮され続けて、濃密度の宝玉へと成り代わる。

 ボコン、足元が陥没。オレは太陽の剣(サンライトセイバー)を、螺旋状に模した剣に一方だけ長く伸びた刀身が聳える超巨大な銀河の剣(ギャラクシィセイバー)へと変えた。


「なんだそれはッ!? くだらん、くだらん、くだらなぁーいッ!!!」


 それでも超高速で爆乳女と共にオレへと飛びかかる合体邪教徒へ、オレはカッと見開いた。


「受けろーッ!! ギャラクシィ・シャインスパークッ!!!」


 そう叫び、超巨大な銀河の剣(ギャラクシィセイバー)を振るって薙ぎ払った!

 土砂の飛沫を噴き上げ、衝撃波が荒れ狂い、大地を震わせるほどの一撃で舞い上がった爆乳女は木っ端微塵に砕かれて破片を散らす。破片と共に、テンチュとボホモは元の二人に分裂して、ボロボロに衣服を裂かれ上空へ吹っ飛ばされていった。

「ぎいあああッ!!」

「ぼほほばぁ!!!」

 宙を舞ったまま血塗れに全身からあふれ、吐血を吐く。



「うわあーおー!! 今のなになにー??」


 目を輝かせるクックさんに、ヤマミは「三大奥義が一つ『賢者の秘法(アルス・マグナ)』」と冷静につぶやいた。


 他の『無限なる回転インフィニティ・スピン』『超越到達の領域トランセンデンス・ゾーン』と並ぶ奥義。

 魔法を発動する際にかき集める自然霊の力で、更に極限にまでかき集めて超圧縮して即席の“賢者の石”を作る秘術。それによってナッセの『スパーク』という必殺技を極大化させて、格上の敵を完全粉砕するに至った。


 ドシャッと地面に落ちたテンチュとボホモはまだ辛うじて生きていた。

 明らかにオーバーキルな大技だったが、ナッセの特性でギリギリ瀕死にまで留めれる。この状態になったら、全てのスキルや能力が封じられ無力化される。更に副産物として浄化効果があるようだ。


「ぐ……ぐっ!」


 テンチュは激痛に呻き、再び吐血。ボホモは気絶して横たわっている。


「ま、まさか……この正義の使徒が、稚拙(ちせつ)な夢を持った悪に敗れるとは……!」

「オレにとっては大事な夢だ!」

「く、くそ……! 魔女の末裔を従わせさえすれば、我々正義の使徒はパワーアップした聖なる力で……、邪悪な独裁国ライトミアを武力のない平和にできたものを…………!」

「それじゃ侵略されるだろ。魔族とかにさ」

「む、無抵抗で……平和のまま滅ぼされれば、う、美しい国として誇れるだろう……」

「お前らまで巻き込まれるだろ?」


「知らん。ぼ、僕たちには……関係ない……。勝手に滅べ…………」


 全く腹が立つ自己中心な理論だな。するとツカツカとヤマミがやってきて股間をグチャッと踏み潰す。


「ぎえええあ!!」


 続けてボホモの股間も潰す。ビクンと痙攣(けいれん)する。

 オレは思わず顔面蒼白でキュッと内股になって震える。容赦ないなぞ……。



 それを木の影から眺めていたティオスは汗を垂らし唖然。


「な、なんなんだ!? アイツ三大奥義をッ……!?」


 どうしようもなくなってきたら、助太刀しようと思っていたが逆に驚かされてしまった。三大奥義は知っていたが実際に見るのは初めてだからだ。

 そして、更に後ろでリエーラが怪しく目を光らせていた。キラーン!

あとがき雑談w


ナッセ「なぁヤマミ。股間潰し止めてくんねぇ? 見てて痛そう」

ヤマミ「あなたは優しいけど、私は優しくない。悪人には報いを受けさせる」

クックさん「ひょえー!! 二人って対照的なのに仲良しなんだー! エッチもするほどだしねー」


ナッセ「おいバカやめ/////」

ヤマミ「言わないで/////」


ティオス先輩「……俺は何を見せられているんだろう」くっ!



 次話『リエーラ婆さん勝手に出て行っちゃったよ!!』

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