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107話「異世界で結婚式だぞーっ!!」

 宇宙をも震撼させた『大祓祭』が終わってから半年後、結婚式が挙げられた。


 奥行きにステンドグラス一面。天井には煌びやかなシャンデリア。左の窓から陽光が差し込んでいる。並ぶ長テーブルには大勢の人々が拍手をしていた。パチパチ……。

 ここは光のライトミア王国で結構大きな教会。

 オレは黒いマントで包み、その横で純白のヴェールをかぶりウェディングドレスを着たヤマミがいる。


 ゆっくりと緊張しながらも一歩一歩祭壇の方へ進んでいく。

 その間も音楽が流れている。


 ヤマミとドキドキしながら、ついに祭壇へ登る。教壇を前に神父が優しそうにニッコリ。


「えー本日これより、神の名においてジョウジ・ナッセとユウカ・ヤマミの結婚式を執り行います。それでは神よ、誓いの言葉を聞き届けるべき降臨をなさってくださいませ」


 すると上から眩く神聖なる光が帯を下ろして、マシュ様が降りてきたぞ。

 大きな犬でモフモフで透けている。

 ってか幻獣界の妖精王マシュ様じゃないですかい!


《汝、ナッセはヤマミを妻とし……、健やかなる時も病める時も、その身を共にする事を誓いますか?》

「はい! 誓います」


《汝、ヤマミはナッセを夫とし……、健やかなる時も病める時も。その身を共にする事を誓いますか?》

「一蓮托生と誓っておりますので、絶対に離婚とか有り得ません!」


 かなり執念深い言葉だぞ。ひええ。

 まぁ、色々あったもんな。最初出会った頃は魔法少女に変身してるの見られて恥ずかしいって逃げられたのが懐かしいぞ。

 なんだかんだ一緒に吸血鬼退治とか意気投合してたしな。

 あとその途中でヤマミとすれ違ったりして取り返しのつかない事があったりしたけど、何とかなって良かった。

 それに父ヤミザキとの確執(かくしつ)で厳しい戦いが続いたぞ。しかも最終的に父が大魔王なったもんだから死ぬかと思った。

 それでもオレは頑張って大魔王を打ち倒して、刻印の呪縛からヤマミを解放した。


 そのおかげで離れられない縁になっちまった。



《よろしい。では双方とも指輪の交換をしてください》


 オレはヤマミの左手薬指に、ヤマミからはオレの左手薬指に、互いに指輪をつけていく。

 歓声と拍手が湧き上がった。


《それでは二人が夫婦となる事に証を見せてください。さぁ誓いの口づけを……》


 オレはヤマミと唇をそっと重ねた。

 スッと離れると頬をピンクに染めているのが美しく見えた。ドキドキする。

 軽めなのでも、みんなの前だとものすげぇ恥ずかしい。なんだかそういう初々しさが懐かしい。


 ドッと歓声が湧き上がって「うおおおおおおお!!」と大音響。


「おお! 神よ! ここにまた新しい夫婦が生まれました!」

《末永く仲良くやってくださいね。よしなに》


 微笑みあって、腕を組んで教会を出ようと歩みだした……。

 しっとり和やかな心情でヤマミの温もりを感じて、目の前の明るく輝く扉の向こうへと一歩一歩進んでいく。



 異世界の国で初めて世話になった騎士。ティオス先輩。


「先を越されたが、オレも直に彼女見つけてやるぜ!!」

「ティオス先輩……」


 気軽な性格で世話を焼いてくれた先輩。悪魔の教皇で仲間を殺されて怒ってたけど、今はみんな生き返ったしな。

 そんでも振られたからって晩にヤケ酒すんのも勘弁なー。



 勇者セロス。そして魔道士モリッカ。戦士ファリア。賢者メーミ。


「お前らなら上手くやっていけるだろうよ。応援はしてる」

「やっぱ結婚しちゃいましたね~! 羨ましいですー! あっはははー!」

「ま、頑張れな」

「妖精王さま~、お似合いで羨ましいでございます~」


 魔王魔族とケリをつけるべきフィニッシュを放つ勇者。最初こそ魔族に一方的な憎悪を抱いてたけど、色々真実知って、父やラルゴに(たしな)められたりして、考えを変えてくれた。

 そして願いを叶えてしまったっけな。



 なんと魔王ジャオガ、四魔将のホノヒェラ、ソネラス、アマリビグ、そして人間となったベルセムもいたぞ。


「おめでとう! こんな余にも招待してくれて感激だぞ」

「相変わらず仲良しってのは、今になって分かるわ。女のキモチ」

「うむ! 男ってのはいいものだな。彼女欲しい」

「……おめでとう。ナッセヤマ幸せに」

「人間も悪くないと俺は感動している」


 人族と未だ壁があるものの、徐々に打ち解けて来ているらしい。

 代わりに魔界オンラインは獄界オンラインへ名を改めて、そのログインユーザーは悪魔族として、地上界を脅かす存在となった。

 まぁ、これも人族が繁栄し過ぎて星を破壊してしまわないように設定されたものなんだよな。

 これは一部の人たちしか知らない。

 勇者セロスでさえ、人族が増えすぎて逆に不幸になる事を知ってしまってからは黙認するしかなかったぞ。


 長い時間がいるけど魔界とも普通に交流できるようになるだろう。



 今は放浪する冒険者“水勇の蒼騎士”ウォタレン。


「おめでとう。まぁ、こんな私だが、それでも心の底から祝福する」

「ウォタレンさん……」


 彼は申し訳なさそうに笑みを見せた。もう謙虚(けんきょ)だ。

 これまで傲慢な王と一緒に独裁を行ってきて、あまつさえ第三王女マメードにも不貞を働こうとしてたから、本来なら投獄される身だった。しかし!


「もし水のブルークア王国へ訪れたなら、女王として心より歓迎いたしますわ」


 王位を受け継いだマメード女王様の寛大(かんだい)な恩赦により、ウォタレンは国の追放で済んだ。いつしか許されるといいな。

 そして、もう一つ……。


 傲慢なサギハン元国王は生き返った後に『継承刻印(インヘリタンス)』と『六柱蒼(ブルーシックス)蒼天槍(ブルテンソー)』を剥奪(はくだつ)され、それらは女王マメードに継がれた。

 最後まで「国王様を投獄する事など無礼だぞ!」「小娘風情が! ただではおかさんぞ!」と喚きながら厳重な監獄へ連行された。犯した罪がどれも重いから死ぬまで重労働かも……。

 おかげで不信が続いていた国に平和が訪れて歓喜に湧いているそう。


 あ、そうそう。悪者関連で、同じく生き返った悪魔の教皇キラリストはラルゴの言った通り力を失っていて、ただの人間になってた。今は罪を償うべき土木建築の人にこき使われているそう。

 ナウォキ、テンチュ、ボホモも一緒に作業しているんじゃないかな?

 今まで嫌われる事してっから、針のむしろかもしんねーけど頑張れ。



 あ、ベテラン冒険者のオズラッチとヨーレンだ! 懐かしい!


「おめでとう。まぁ、なんというか隠さないで欲しかったっていうか」

「本当それだわ」


 まぁ正直に言っても信じてくれねーと思うけど、実演しながら説明すればよかったかな?

 今は新しい弟子二人に冒険のイロハを教えているらしいな。



 リョーコが明るく手を振り、アクトもニッと笑ってくれる。


「いつかは結婚すると思ってたけど、やっぱこうなっちゃったかー!」

「あァ……、相棒として祝ってやるぜ」


 最初に出会った頃、リョーコは魅力的で本当は付き合いたかったなーって思ってたぞ。

 いつの間にかヤマミが入り込んできてしまったけどさ……。

 それからアクトは相棒として長く戦ってた時期あったけど、今はヤマミに向いててゴメンね。でも妙にアクトとリョーコが仲良いから実は()いているぞー。

 でも一緒に冒険するって事は決定事項だし、これからもよろしく。



 マイシはニッと不敵に笑む。


「へっ! まだ決着つけてないから、いつかは勝負しろし!」

「ああ、今度こそ勝つ!」

「フン!」


 腕を組んだまま人差し指と中指を揃って立ててくれた。

 最初はおっかないなーって思ってたけど、実は悪くない人だと知った。それに切磋琢磨と思いっきりやりあえるのマイシぐらいのもんだ。

 引き分けのまんまが今も気になってるから、いつかは勝負してぇぞ。



 げっ! やっぱりタッドも来てた! 招待状送ってねぇのに!


「それひど! マイシと全然反応が違うっすよおおおお!!!」


 魔族になろうとしてたけど、セロスの願いでおじゃんになった。しかも仮想対戦(バーチャルサバイバル)大会で無敗として独走してたのに、リョーコやアクトによってその伝説も終わりを告げた。

 でもなぜかオレにご執心である。いい加減にして欲しいぞー。



 塔の魔女サラカートとエムネ。


「おめでとー! ()いちゃうけど、ずっと仲良かったもんねー」

「ご幸せにね……。うふっ」


 最初は意地悪な魔女でとても強くて、でも素直になれない魔女。そして落ち着いている相方とバランスが取れている仲良しな二人。

 気の遠くなる年月ずっとマロハーとパヤッチと会いたいなって一日千秋(いちじつせんしゅう)思ってる。

 オレはそれを叶えようと旅の目的に加えた。


 それから密かに修行付けてもらってる。

 マロハーが研鑽(けんさん)し最適化してきたシャイニングロードを教えてもらって負担が数倍軽くなったぞ。



 師匠クッキーと漆黒の魔女アリエルとヤミロ?


「おめでとうね! 涙腺やっばー! 我が弟子の結婚いいわー!」

「あらぁ~おめでとうねぇ~! 今度また遊びにいらっしゃぁ~い」

「お二人共、ご幸せにな。ククク……」


 師匠クッキーの出会いから始まった長き冒険。

 厳しい修行で辛い事ばっかりが多かったけど、オレが想像を絶する障害へ立ち向かえるように師匠も頑張ってくれた。

 おかげで今のオレがいる。

 感謝してもしきれない、世界で一番尊敬する師匠だぞ! ありがとな!


 漆黒の魔女は(ワル)っぽいけど、節度のある言動が多く影で助けられた。

 ヤマミの妖精王としての母でもある。今回はマリシャスを人間に変えてくれてサンキューな。



 リエーラ婆さん、クックさん、そして()マリシャスのウイル。


「ふん、何かしでかす事は分かってたよぉ」

「あ! リエーラ婆さん!」


 ふてぶてしいが微笑んでくれている。ずっと大阪で堪能してたから、マリシャスまでの顛末(てんまつ)を話したらビックリしてたぞ。

 ヤマミと一緒に育児のうんぬんを教えてもらえるからありがたい。

 今回は先祖であるアリエルにも会えて満足したようだしな。


「結婚しても、一緒だっぞー!」

「ああ!」「ええ」


 クックさんはハキハキ元気に手を振ってくる。

 秘術『タイムマジック・インテグレーション』も彼女の要望で“誓約”を付けた。オレ、ヤマミ、クックさんが揃って承諾(しょうだく)して、一緒に効力を適用する事で発動ってなったから使いにくくなってきたぞ。

 同じ、もしくは似た効力の時空間魔法は()()で使えないよう誓約もさせられた。

 つー事で、置いてけぼりする事も巻き込む事もできないぞ。


 ()マリシャスは「ケッ!」と相変わらずクソガキぶりだぞ。


 表向きでは『悪さしていた不良孤児を養子として引き取った』という事にしている。

 なので『城路(ジョウジ)ウイル』って名前に改めたぞ。

 真相は一部の人しか知らない。

 悪戦苦闘しながらも、なんとか一人称を『俺』にして、他の子どもをバカにしたりイジめたりしないよう(しつけ)したりして、少しずつ軟化してくれたけども……。


下賎(げせん)な人間どもがバカみてぇに騒ぎやがって……」


 こんな晴れ場で邪険に不貞(ふて)(くさ)れるのは困るぞ。


「ねぇ、ウ・イ・ル!」

「は、はいい!! お、おめでとうございますー!」


 不気味にニッコリするヤマミの一声で、ウイルはビビって拍手し始めたぞ。

 厳しい(しつけ)賜物(たまもの)か、さすがの元ラスボスもカーチャン(ヤマミ)には頭が上がらないようだ。


「すまねぇな。後で遊んでやっから」

「約束守れよトーチャン!」

「ああ!」


 ()ねながらも、なんだかんだで懐いて来てるみてーだ。

 ヤマミには甘いって言われてるから、逃げ場がオレになっているんだろうか?


 晴れ晴れとした心境で教会を出て、眩しい太陽の光を一身に浴びた。



「念願の異世界で結婚しちゃったぞー!! いえー!!」

「ふふっ!」


 巻き起こった祝福の花吹雪がオレたちの笑顔を映えさせた。

 みんなに祝われて見送られながら帰っていきました。


 ゴール? いや、ここからがオレたちのスタートだー!

あとがき雑談w


 ~ローファンタジー編&小話編キャラ~


ヤミザキ「魔導レコード送られてきたが、映像ではなく生で見たかった……!(泣)」

コクア「ああああああああ!!!(悶絶)」

マミエ「姉コロス!!(憤怒)」

ダクライ「せめて対戦を!」

二代目総統ダグナ「気持ちは分かるが、職務から離れるワケにはいかなかろう」


フクダリウス「ふふっ! ようやく所帯持ちになりおったか」

ノーヴェン「こっちはもう四人の(ワイフ)を持ってマース!」

エレナ「なんでなのよおおおおおおおおッ!!!(慟哭)」

コハク「フッ! 相変わらずですね」キリッ!


カレン「なんで勝手に結婚してんだーァ!!(激怒)」

チササ「どっから知ったんだべか……(汗)」

オオガ「ぬおおおおおお!!! リア充爆発四散しろ!!(大嫉妬)」



 次話『来年は次章開幕だぞー!!』

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