↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しの愛しの幻想曲  作者: 雪斗
46/54

番外編、条件

楽しんでくれると嬉しいです。

目覚めて最初に見たのは知らない天井。

咲は長い睫毛を瞬かせると、ゆっくりと体を起こした。

お腹が少し痛む。


咲は先ほどの出来事を思い出していた。

金髪の獣人の青年によって自分は、鳩尾を殴られ気絶させられたのだ。

見慣れない場所にいるという事は、誘拐されたのか。


そう押し寄せる不安の中で、咲は部屋の中を見回した。


「此処は、一体何処なの?」


最初は知らない部屋にいる事に不安を感じてそわそわしていたのだが、飾られている花の美しさに次第に心癒されていった。


そうして部屋を見回していた咲だったが、ベッドで眠る獣人の少女を見つけて、驚いた。

その少女は綺麗な金髪の美少女だったが、血の気がなく体調が悪そうだった。

……その子も誘拐されたのだろうか?


そう思ってその少女に近づこうとした時、扉の開く音に咲はそちらにハッと顔を向けた。


そこにいたのは、咲を誘拐した金髪の青年。

青年は咲に近づくと頭を下げた。


「ご無礼をお許しください、神に愛された人よ。」


思っていたのと違う、真摯な対応と咲が聖属性魔法使いであるということを青年が知っていることに目を見開く。


青年は優しく微笑んだ。


「僕の名前はメイベル。そこで眠っている少女は僕の妹、レェティエール。どうか、貴方の力を使って妹を助けて欲しいのです。」


その言葉に咲は目を見開いた。


『メイベルの盗賊が来たぞー!』


……メイベル

同名なのかもしれないだけだが、気にかかる。


「貴方、メイベルの盗賊に関わりのある人?」


その言葉に青年はどこまでも優雅に微笑んだまま、衝撃的な事を言った。


「僕が盗賊の頭、メイベルです。」


その言葉に咲は大きく目を見開いた。

……思っていた頭のイメージと違う。

そう思いながらも盗賊に囚われた、その事実に咲は恐怖する。


「怖がらないで下さい。危害を加えるつもりはありませんから。貴方を連れ去ったのは、そこで眠っている僕の妹を治して欲しかったからなんです。」


その言葉を聞いて、咲は妹のレェティエールを見た。

確かに具合が悪そうだ。

……治してあげたい。

だが、盗賊の言いなりになるなんて御免だった。


咲はキッと青年を睨みつけた。


「妹さんを治してもいいわ……だけど、条件がある。」

「……何ですか?」


訝しげに眉を寄せる青年を見つめながら、咲は意を決して話した。


「人々を殺したり、略奪したりするのをやめて!」


その言葉を聞いても、青年は顔色一つ変えず薄く笑うだけだった。


「……ええ、いいですよ。」


その早すぎる返答に、咲は訝しげに眉を顰めた。

今まで人々を襲ってきた凶悪な盗賊団なのに、簡単に咲の出した条件をのんだ。

……口だけなのでは?


そんな咲の疑いを理解したのだろう。

青年は苦笑した。


「そんな顔しないで下さい……約束は守りますよ……もうすぐ、全てが終わりますから……」


その言葉に咲は首を傾げた。


「……どういう事?」

「……妹を治してくれたら、貴方に全てを話しましょう……僕が盗賊団をつくった意味を……人々を襲った理由を……」


そう話す青年の声には何処か悲しい響きがある。

咲はそんな青年を不思議に思いながら見つめていた。



次回も読んでくれると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。