番外編、教会探し
完結しましたが、番外編も書きたいと思い再び投稿始めました。
よろしくお願い致します。
「結婚式をしませんか?」
そう言ってきたのはアルトの方だった。
咲は目を見開き、アルトに問いかけた。
「……突然、どうしてそんな事を?」
「……咲と教会で、正式な誓いを立てたいのです……それに、純白のドレスで着飾った貴方を見たい……」
その言葉に咲は頬を染めた。
はっきり言って、咲はこの世界で誰かと一緒になる気は無かった。
だが、アルトという伴侶が出来た今、結婚式というものに憧れていなかった訳ではなかった。
アルトは請うように咲を見つめる。
咲は頬を染めたまま、小さな声で呟いた。
「……貴方が望むのなら……それに私も、貴方に自分の花嫁衣装の姿を見てもらいたい。」
誰しもが、望む事では無いだろうか。
最愛の人に見てもらいたいと。
その言葉にアルトは微笑むと咲の頬にキスをした。
「ありがとうございます……私の愛しい人。」
アルトと咲は、結婚式の教会探しの為に畏れ多くもトゥレスの女王と会話をしていた。
今やトゥレスの女王は、二人にとって友人と言っても過言では無かった。
勿論、オレルもだ。
ところで、咲とアルトは遠い所にいる女王と、どの様にして会話しているのか。
ずばり、魔道具を使っているのである。
今、会話をする為に使っている魔道具は、水晶玉を使って離れている人とでも会話出来るという、元の世界で言うところの『電話』のようなものだった。
『教会のう……』
『何処か良い所はありませんか?』
アルトは掌サイズの紫色の水晶を見つめる。
『そうじゃな、トゥレス王国の南のルヴァントにある教会はどうじゃ?とても美しい教会じゃし、今そなたらがいる所から近かろうて、良いと思うぞ。』
トゥレスの女王は本当に良くしてくれる。
咲とアルトは本当に女王の事を尊敬していた。
美しく、力強い女性で人格者。
それでいて人望もある。
こんな女性になりたいと咲は常々思っていた。
『女王のおすすめならきっと素晴らしい教会なのでしょう。本当にありがとうございます、女王。』
『気にするでないぞ、アルト。妾の国の者が色々とそなたらに迷惑を掛けたしの……それに妾は個人的にそなたらが好きじゃ……友人を超えて、親友に近しい存在と思うておる。アルト……姫を幸せにするのじゃぞ……』
その言葉に、咲もアルトも微笑んだ。
友人以上の存在、そう言われて嬉しくない筈が無い。
やはり女王は素晴らしい人だ。
『女王も是非、結婚式にお出でください。』
『ふむ、そうするかの。オレルもそなたら二人に会いたがっておるしな。お忍びで行くとするかの。ではアルト、また何かあれば相談するが良いぞ。』
そうして、アルトと女王の会話は終わった。
女王がアルトと咲が城を出る時に、お詫びとして白金貨百枚をくれたので、お金には困っていない。
それ故に、盛大な式が出来る。
「アルト、いつかこの恩を女王に返そうね。」
「勿論です、咲。」
トゥレスの女王がいなければ、今のこの幸せな生活はないのだ。
咲はアルトを抱きしめると、この幸せな日々がいつまでも続くといいと願った。
結婚式編です。
楽しんでくれると嬉しいです。




