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推しの愛しの幻想曲  作者: 雪斗
26/54

天啓

新たなキャラクター登場です。

「セキ様!お待ち下さい!」


そう言って一人の少年が、フードをかぶった女性の元に駆けて行った。

少年には犬耳と尻尾が付いていた。


セキ様と呼ばれた人物は少年を流し見た。


「何じゃ……オレル。妾に何か用か?」

「何か用かじゃ無いですよ!もうすぐ人間の国との戦いが始まるっていうのに、何呑気に浜辺なんて歩いているんですか!」


セキはその言葉を無視して変わらず、浜辺を歩き出した。


「もー!女王様がいないと色々と回らないんですよ!どうか城にお戻りを!」


オレルという少年は必死にセキに呼びかける。

セキは再びオレルを流し見た。


「それは無理な話じゃ……妾は天啓を受けた。浜辺に行けと天に示されたのじゃ。」


その言葉にオレルは目を丸くした。


「天啓を受けられたのですか!一体何年ぶりのことでしょう!」


オレルは鼻息を荒くし興奮しているが、セキは涼しげだ。


「だいたい、妾なんぞいなくても戦いには何の支障もなかろうて。今人間の国、レイスティアは王位の簒奪によって混乱しておる。反乱も起きておるようだしの。」


その言葉にオレルはむむっと唸った。


「確かに……」


セキはふっと微笑んだ。


「妾は有能な臣下をもって幸せじゃの。オレルお主も一緒に浜辺を歩くか?」


オレルは逡巡したのち頷いた。


「お供いたします。我らが女王。」
















静寂の中、波の音だけが辺りに響く。


「どうして、天は浜辺に行けなんて示されたのでしょう。」

「わからぬ……」


セキとオレルはもうずっと浜辺を歩いていたが、何も見つける事は出来なかった。


だが、ふとセキは海を少し入った所にきらりと光るものを見つけた。

どうやらオレルも見つけたらしい。


「何かありますね!行きましょう、セキ様!」


セキとオレルはバシャバシャと海の中へ入っていった。










「これは一体……」


オレルはそう呟くと、呆然と目の前に広がる不可思議な光景を見つめていた。

目の前は海のはずなのに、横たわっている人間の部分を綺麗に海水が避けていた。

つまり上から見ると、途中から突然海水がなくなって、綺麗な四角形が出来上がっているのだ。


それはとてもこの世の光景とは思えなかった。


そして光る物の正体は、人間が付けている首輪の様な物に付けられた宝石が太陽の光に反射していたものだった。


セキはその宝石を見て、目を見開いた。


「その宝石は女神の涙から作られておる。オレルや。その人間の首から、それをとってくれ。」


オレルは人間の首からその首輪の様な物を取るとセキに渡した。

セキは宝石の部分に目を近づけた。


「どうしたのですか、セキ様。何をしているのですか?」


オレルはその光景を不思議そうに見ていた。

セキは何かを悟ったかの様に横たわる人間を見た。


「オレルやその人間は生きておる。助けるのじゃ……それが妾が天啓を受けた意味じゃ。」

「はい、分かりました!」


オレルは元気よく返事をすると小さな体でひょいと人間を持ち上げた。

セキは哀しげに目を伏せた。


「人間は罪深いことをするの……」


今、物語が終息へと動き始める


セキ様の口調が好きです。

次回も読んでくれると嬉しいです。

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