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愛しい人は、女神さま

作者: かわたる

この時代小説は、現代ファンタジー小説「PURIFICATION」の作中作であり「PURIFICATION」の主人公である新人女優の大神結子が手にする映画台本の内容を短編小説にしたものです。よって本編と連動しているセリフ等もございますので、両方の小説を読み進めていただくことにより作品の世界観をより深くご堪能いただけるかと存じます。それでは、どうぞお楽しみください!

             (1)三種の神器


今から数百年前、この国がまだ日本と呼ばれる国ではなかった時代に神々により選ばれし者が生まれた。その玉のように美しい乳飲児は「くまなき月の渡るに似る」と詠まれた橋のほとりで老夫婦に拾われ育てられた。


その子はやがて容姿端麗ようしたんれいな美少女となる。見る者の心を魅了するその美しさは表面的なものだけではなく、清らかな気を全身から放出する真の美しさを内面から持ち備えていた・・・神々の声が聴こえ、姿が見える美少女の名は渡月とげつ・・・女神が憑依した伝説の姫である。


戦乱の時代・・・


漆黒の闇夜を駆ける無数の足音・・・男たちの熱い想いを鎮めさせるかの如く冷たい風が吹き荒れる中、激しい勢いで草原を駆ける不穏な足音が止まり、複数の男たちの深くて荒い呼吸音だけが静かに響く・・・黒雲に覆われていた夜空の月が顔を覗かせると月明かりに照らされる男たちの息が薄らと色づき、それぞれが互いの顔を眺めて頷いた。


彼らはその場で待ち合わせをしていたひとりの男から風呂敷に包まれた木箱らしきものを受け取った。風呂敷包みを持参したものは敵側に潜伏し、諜報活動していたものであり、男たちは木箱を受け取りその場から逃走する。


男たちは相手方から奪い取った「もの」を手に京の都へと戻り歓喜した。



約3年前・・・鎌倉幕府滅亡後、後醍醐天皇は天皇が自ら政治を行う天皇親政によって朝廷の政治を復権しようとした。しかしながら、武士層を中心とする不満を招き、混沌こんとんとした政治は足音を立てながら動乱へと突き進む。同年、政治の混乱と財政難の中、約660年間の永きに亘り続いていた「斎王」の制度が廃絶された。


斎王は天皇に代わって天照大御神を祀る「伊勢の神宮」に仕えるため、天皇の代が替わるごとに未婚の皇女の中から「卜定ぼくじょう」と呼ばれる占いの儀式により選出されて来た。


歴代の斎王が仕えた「伊勢の神宮」は、約2千年前に伊勢の地に鎮座したと言われている。第十代崇神天皇の御代みしろ、天照大御神を皇居外の地にお祀りすることを決め、皇女・豊鍬入姫命とよいりすきひめのみことは大和の笠縫邑かさぬいのむら神籬ひもろぎを立て、天照大御神をお祀りした。


その後、第十一代垂仁天皇の皇女・倭姫命やまとひめのみことは、豊鍬入姫命に継いで、天照大御神を永遠にお祀りすることができる安寧の地を求め、大和国を出発し、伊賀、近江、美濃などの国々を巡幸して伊勢国に入り、天照大御神の命に従い五十鈴川の川上に御宮を建設した。


そして、伊勢の神宮は御神体として三種の神器のひとつである「八咫鏡」をお祀りするのである。


神代の時代に起源を発する「三種の神器」の名称は「八咫鏡やたのかがみ」「八坂瓊勾玉やさかにのまがたま」「草薙剣くさなぎのつるぎ 別名:天叢雲剣あめのむらくものつるぎ」であり、天孫降臨の際に瓊瓊杵尊ににぎのみことが天照大御神から授けられたという鏡・玉・剣のことである。また、天皇が皇位の御璽みしるしとして代々伝えた3種の宝物である。


争いのない平和な時代からは程遠く、権力者による欲に満ちた覇権争いは絶えるどころか激しさを増し、新政も僅か3年後に河内源氏の有力者であった足利尊氏が離反したことにより、政権は崩壊した・・・



京の都に戻り歓喜する者たちの中に威風堂々とした姿の男がいた。足利尊氏である。尊氏の傍らには足利直義あしかがただよしら重臣が控えている。


風呂敷を受け取り華美な装飾の施された木箱を開けて中身を確認すると、尊氏は高笑いした。尊氏は直義に耳打ちして家臣たちを残し、その場を離れた。少数の精鋭たちを従え、早馬を走らせる尊氏。


「あれは偽物だ!」


南朝から奪った三種の神器が偽物であることを尊氏は見抜き、相手に騙されたことに気づいたのである。


怒り心頭の尊氏は、計略を施した南朝の敵兵を捕らえるために木箱を受け取った場所へ自ら早馬に騎乗して出向いたのだ。


逸る気持ちを馬に伝えながら、人馬一体となり荒野を駆ける尊氏の部隊を待ち構えるかのように南朝方が迎え撃つ。


互いに少数ではあるものの激しい戦闘を繰り広げる両陣営。


「あれは、敵将、足利尊氏ではないか!」


相手が尊氏だと気づいた南朝の家臣たちは、我先に尊氏の首を捕ろうと奮闘する。


「兄上、ここは我らにお任せください」


直義がそう伝えると尊氏はひとり山道を駈けて行った。


暫く激走した尊氏は、追っ手の追撃を退けて安全を確認した後に手綱を弛め、月明かりの射す山道でひとり馬の足を止めた。


尊氏の心とは裏腹に静寂な時が過ぎる・・・


「待て!逃がさぬぞ!」


尊氏が駈けて来た山道とは違う野から聞こえて来る微かな声。何事かと警戒する尊氏の前に突然、見目麗みめうるわしい美少女が現れた!


突然の出来事に虚をつかれただけではない・・・尊氏を凝視する可憐な美少女の眼差しは、月夜に煌めいている野花をも超越した華やかさと慎ましやかさを兼ね備えたものであるが故に、尊氏はその場で身動きが出来ずに静かに息を呑んだのである。


「その佇まい、清らなること、物にも似ず」


無意識に言葉を発した尊氏は、姫が追手に狙われている現場に遭遇した。瞬時に状況を把握した尊氏は、優美で淑やかな濁りのない姫に手を差し伸べる。


「そこに居たか!捕らえろ!」


追手の男たちが姫と尊氏の目前に現れ進路を塞ぐ。男たちは姫を捕縛しようとするが尊氏が助太刀して交戦する。尊氏が剣を交える相手は奇しくも南朝方の家臣たちであった。


姫を逃がすために奮闘する尊氏は身を呈して姫を匿い、敵と戦闘するものの女子連れでは流石に形成が悪い。何とか敵を追い払いはしたのだが尊氏は姫を庇った際に負傷した。


「危ないところを助けていただき、ありがとうございます。お怪我の具合は、いかがでございますか?」


姫が尊氏に優しく声をかける。


其方そなたは大丈夫か?怪我は無いか?」


姫の身を案じ、逆に声をかける尊氏。


「私は大丈夫でございます」


「そうか、それなら・・・良かった・・・」


そう言い残すと尊氏はその場で気を失った。それと同時に静寂した闇の向こうから大地を蹴って近づいてくる馬の足音が聞こえて来る。


追手から身を呈して守ってくれた勇猛な男・・・見知らぬ武将の名を聞くこともないまま身を隠すために仕方なくその場をひとり離れる姫は、暗闇の中に消えて行った。


その場に馬で駆けつけたのは直義ら北朝の重臣たちであった。彼らは直ぐさま尊氏を担いで都に戻り、他のもの達に悟られる事なく負傷した尊氏の身を看病した。


幸いなことに傷は浅く、大事には至らなかった。安堵はしたが南朝への怒りが収まる事の無い尊氏の懐に玲瓏れいろうな珠がある。その澄んだ何とも清らかな珠をひとり見つめる尊氏。姫を助けるために敵兵と交戦した時に姫の手から離れた珠が尊氏の懐に入ったのだ。


「これは、まさか、月の珠・・・」


その夜、静かに眠りについた尊氏は、見目麗しい姫の姿を夢の中で追うのであった・・・




             (2)渡月姫と月の珠


武家中心の北朝と公家中心の南朝は、この後、約60年に亘り対立を続けるのである。


事の発端は後嵯峨上皇の時代である1259年に遡る。この時代の天皇家は約80年間、ふたつの派閥に別れて権力の座を争っていた。後嵯峨天皇の第七皇子である恒仁親王つねひとしんのうは亀山天皇となり、兄の後深草天皇は上皇となった。


その後、天皇の跡継ぎ問題に鎌倉幕府が大きな力を持つようになり、後深草天皇の系統を持明院統、亀山天皇の系統を大覚寺統と言い、ふたつの系統から天皇が代わる度に位に就き、事あるごとに対立していた。


南朝の後醍醐天皇は大覚寺統、北朝の光明天皇は持明院統の帝として元は兄弟の出でありながら互いに正統を争うことになったのである。



吉野朝廷内


姫は逃走した道中で追手の別兵たちに包囲されてしまい、抵抗するも虚しく捕縛されて南朝側に連れ去られていた。


南朝の家臣たちに連れ去られた姫は、ひとり隔離された部屋で眠りについていた。そこへ現れたのは南朝の重臣・北畠親房である。


「お戻りになられましたか、我々は姫を手放す訳には参りません・・・」


親房は姫の持つ「珠」を探すが見当たらない。


「どういうことだ、月の珠がない・・・」


事の状況を思案しながら、親房は華頭窓かとうまどから夜空に浮かぶ下弦の月を眺めた。



月の珠とは、神代の時代から賜った「三種の神器」の真の力を解放することができる伝説の清らかな珠・・・その珠の力を用いて「三種の神器」の力を解放すれば立ち所に天下を統治して乱世を鎮めることができるという伝説の珠である。


「三種の神器」を手にしても歴代の天皇は、真の力を解放できていない。それを解放できるのが「月の珠」であり、その珠は見目麗しい美少女のもとに突如として現れる代物であると・・・いつの頃からか語り継がれて来たのである。



室町幕府(京の都)


「あの麗しい姫が渡月であったか・・・」


尊氏は自身が手にしているものこそ「月の珠」であることを知ったと同時に、あの夜、偶然にも出逢った姫が渡月姫であったことを理解した。



11か月前・・・


奥州の地


「足利の軍勢は余が撃退する!」


親房の息子で公家の猛将である北畠顕家である。


北畠親房は息子の顕家に「月の珠」を手中にしたと伝えていた。その知らせを聞いた顕家は喜悦きえつの情で顔を輝かせ、身が震えるほどの感動が胸に押し寄せることを感じていた。


敬虔けいけんの念が深い顕家は「月の珠」を手に入れた朗報を喜ばしく想うことは言うまでもない。顕家にとって身が震えるほどの心の抑揚を齎すものの正体は、只ひとつ「月の珠」の持ち主である。


親房が「月の珠」を手中にしたということは、同時に「渡月姫」の身を確保したということを意味するのだ。


5年前に遡る・・・幼少期からたぐまれな才覚を発揮していた顕家は、15歳にも満たない若さで後醍醐天皇の行幸ぎょうこうの際にもお供し、ある場所で優雅な舞を披露する。その優美な立ち振る舞いの中に勇壮ゆうそうさを秘めた顕家の舞は、その場にいたものすべてを魅了した。


舞を終えた顕家はひとり宴の席から離れ木陰で少し寛いでいた。その時、顕家はひとりの幼い美少女の姿に目が釘付けになる。周囲を一瞬の内に清らかな気で包む美少女は、まるで澄んだ珠のような透明感と神秘的な雰囲気を身に纏っていた。


「あっ、あの・・・」


緊張のあまり声にならない声で懸命に話しかけようとする顕家であるが、言葉を語りかけることすらできない。そんな顕家を見つめて愛らしい表情で微笑む美少女。


幼少の頃から、その卓越した頭脳と爽やかな容姿で周囲のものたちを魅了してきた顕家にとって初めての体験であった。


天稟に恵まれた美しさ、その神々しさに畏怖の念を抱いた顕家は清らかな美少女に声をかけることも出来ないまま、その場に立ち竦み、美少女の背中を目で追いながら清廉せいれんなる恋心を抱いたのであった。


顕家は、それから数年後に心奪われた美少女の名が渡月であることを知った・・・その渡月に再会できる。顕家は渡月姫を慕うあまり破竹の勢いで京へと行軍を進めた。それはまるで神風の如く、凄まじい速さであった・・・



厳しい寒さの中、顕家軍は怒濤の勢いで鎌倉に攻め込み、尊氏の嫡男である足利義詮あしかがよしあきららの軍勢を破り鎌倉を占領した。その後、遠江とおとうみを経て、近江に進軍。琵琶湖を渡り、新田義貞・楠木正成と合流して軍議を開き、後醍醐天皇にも謁見した。


顕家軍は奥州を出陣してから僅か半月後には園城寺を攻め、足利方の軍勢を破ると更に進撃して義貞・正成とともに尊氏を破り、尊氏を京から退去させることに成功した。


尊氏が率いる北朝の軍勢をことごとく撃退する顕家は、大将軍の号を賜わり「鎮守府大将軍」となった。そして、父と再会した顕家は親房から「月の珠」が何者かの手に渡ってしまったことを聞かされる。


「父上、姫は、渡月姫は何処いずこに?」


顕家は尊氏を追討するための出陣が迫る中、親房に渡月姫が幽閉されている場所を聞き、逸る気持ちを押さえきれずに渡月の下へと駆け出した。


高ぶる感情と募る想いを抑制することのできない顕家は、渡月姫がいる部屋の前で立ち止まり双眸を閉じて静かにひと呼吸した。


「失礼する」


そう声をかけ、目線を下げて入室する顕家。


本来であれば声をかけて入室する必要など無い・・・ましてや顕家は鎮守府大将軍である。そんな顕家であっても無意識にそうさせてしまう渡月の存在感・・・顕家にとってはこれでも威厳のある振る舞いをしたつもりであった。


顕家の声に耳を傾け振り返る渡月姫。愛らしい眼差しは5年の時を経て更に輝きを増し、美麗な容姿はまるで天女のようであり、清らかな気に包まれた部屋の中は完全に別世界の雰囲気を漂わせていた。


渡月姫の清らかな美貌に心奪われる顕家・・・


「私は、鎮守府大将軍、北畠顕家である」


「渡月でございます」


互いの目を見つめ合うふたり。


実直な顕家の佇まいに笑みを浮かべる渡月。


「ど、どうしたのじゃ?何か、おかしなことでも・・・」


「以前に、どこかでお会いしましたか?」


眉目秀麗びもくしゅうれいな顕家は、幼少の頃より自身が出逢った女子おなごの姿や名を記憶していないことはあっても、まさか自身が女子からこのような問いを聞かされるとは想いもしなかったのである。


「いや、その・・・」


顕家は5年前に一度だけ渡月を見かけたことがあったと伝えた。渡月は顕家に親房の家臣たちに追われた時に見知らぬ武将の手により救われたことを話したうえで、顕家から親房に自身を解放するように頼んでほしいと懇願した。


この数年、何度も夢にまで見た愛しい女神のような渡月。その麗しい姫と父親との間で苦悩することになる顕家・・・


「相分かり申した」


愛しい渡月姫にそう告げた顕家は、またの再会を約束してその場を去った。


その後、顕家は新田義貞とともに足利尊氏・直義を追討するために京の都から出撃した。凍てつく寒さと荒れる吹雪が追撃の勢いを妨げるにも関わらず、顕家軍は再度の入京を試みる尊氏の軍と交戦する。


後退を余儀なくされた尊氏。


「京の都は必ず奪い返す!」


そう言い残して、摂津国から九州へと落ち延びた。


尊氏軍を撤退させた顕家は誇らしげな光を放ちながら京の都に凱旋した。奥州から駆けつけた顕家らの活躍により京の都を奪還した南朝方は歓喜に震え、栄華えいがを極めたかに見えた・・・




             (3)恋慕の情と御神託


北畠親房は、月の珠があるだけでは「三種の神器」の真の力を得ることはできないことを知っていた。


「三種の神器」と「月の珠」の配列に謎があるのか、将又はたまた、何か細工をしなければいけないのか、それとも何か別の要因があるのか・・・その答えを知り得るのは渡月姫だけなのである。


北畠親房は、丁重に協力を要請しても首を縦に振らない渡月姫に手段を選ばず恫喝する。


「貴殿のような穢れたものでは、ご神器の力を体感して使いこなすことはできません」


「言わせておけば・・・」


渡月姫は苛立ちを隠せない親房に対して、女神からの想いを痛烈に言い放つ。


「心願成就するには、素直で清らかな心、穢れのない体、そして、静かに手を合わせ、本気で神様に祈ることです」


親房は肺腑はいふみ入る渡月姫の言葉を深く受け止め、神々に仕える斎王制度の再開が必要であることを強く再認した。


「余と一緒に来るのじゃ!」


清らかで柔らかな渡月の白く透明な手を鷲掴みにして、その場から連れ去ろうとする親房に抵抗する渡月姫。そこへ戦から凱旋した顕家が鉢合わせした。


「その手をお離しください、父上!」


「そなたは黙っておれ!」


顕家を睨みつける親房。


「顕家様!」


渡月の声を聞いた顕家は、渡月を見つめながら自身の言葉に耳を傾けようとしない親房の手を掴み、渡月姫から父親を引き離した。


渡月姫と親房の間に割り込んだ顕家は親房に哀願的な眼差しを送り、その場に立ち尽くす。


顕家の願いを受け入れることもなく、親房は顕家の頬を平手打ちする。顕家は静かに渡月の手を優しく取ると親房に睨みを利かせ、その場から渡月姫を連れ出した。


「おのれ、顕家・・・」



渡月の手を握り締め、自らの屋敷へ歩みを進める顕家。忠義に篤い顕家は、父親と愛しい渡月姫との狭間で更に苦悩する。


「大丈夫であったか?怪我はないか?」


顕家は渡月に優しく声をかけた。


「怪我はございません。先程はありがとうございました」


顕家を見つめながら感謝の意を伝える渡月。


「そなたの身は余が守ってみせる、だから何処にも行くな、良いな?」


「顕家様・・・」



渡月姫をかくまった顕家は、渡月姫と夫婦になることを認めて貰えるように公家としての矜持きょうじをすべて捨て、頭を下げて父親である親房に哀願した。


京の都を奪還した後醍醐天皇と北畠親房は、戦況を確認しながら今後の対策について協議していた。親房は顕家からの申し入れに対して聞く耳を持たず、渡月姫の力を有効活用する事を考え、後醍醐天皇にその事を伝えたうえで顕家を奥州に帰るよう命を下し、渡月姫を顕家から奪還する。


忠誠心が強い律儀な顕家は、帝からの命に逆らう事はできない。甘んじて命を受け入れる事しかできなかった。


動乱の世を一刻も早く平定することを願う顕家は、愛しい渡月を忘れる事は出来ない中で、ひとり奥州への帰路に就くという苦渋の決断をした。


京を離れる前にせめて一刻、いや一目だけでも・・・恋慕の情が怒濤のように押し寄せて来た顕家は、募る想いを胸に渡月の下へ駆け出した。


親房の名により厳重に警護された屋敷に隔離されている渡月姫に会いたい顕家は、静寂な闇夜をひとり屋敷に忍び寄る。


庭苑で夜空を見上げながらひとり佇む渡月姫に木陰から静かに声をかけた。声の主が顕家だと知った渡月姫が辺りを見渡しながら顕家に近づくと月の光がふたりのシルエットを池の水面に浮かび上がらせた。


「帝の命により、未明に京を発ち奥州へ向かいます」


「顕家様・・・」


「余と・・・余と共に奥州へ行けぬか・・・」


渡月を慕う顕家は真剣な眼差しで渡月にそう伝えた。渡月姫は顕家の想いを有難く受け止めながらも女神の想いを顕家に語る。


「人を正しく進化させるためには平和で清らかな世にしなければなりません。そして、まずはこの乱世を鎮め、戦のない平和な世にする必要がございます。」


渡月姫の言葉を聞いた顕家は、反駁はんばくするどころか、正鵠せいこくを射た指摘に同感するばかりである。


「余はどうすればよいのだ?」


「お命を大切になさってください。」


「そなたは何をするのだ?」


「斎王は途絶えましたが、私は本物の斎王として神々の御心を万民に伝える役割を果たします」


これまで未婚の皇女が継承して来た斎王の役割を渡月が担うと言うことは、詰まる所、奥州へは同行しないことだけではなく、婚姻はおろか異性との付き合いを断つ事を意味するのだ。


しかしながら、顕家の表情は明るく爽やかな微笑みを浮かべていた。何故なら渡月の言葉を聞いた顕家は、国家の大計をも超えたいにしえからのご神託を賜ったような感覚が全身に伝わって来たからである。


顕家は個人的な自らの願望に拘泥こうでいして、未来の子々孫々を崇拝しない選択は過ちであることを感じた。そして、渡月姫の存在が顕家に先祖崇拝と子孫崇拝の大切さを理解させた・・・


春の訪れを前に顕家は再び奥州へ戻るために京の都を出陣した。奥州までの道中においても敵陣を蹴散らし、桜の花が舞い散るころには奥州へ帰還した。


奥州に帰還した顕家は、奥州の安定に孤軍奮闘する中において渡月姫のことを想い慕わぬ日は一日たりとてなかった。



九州の地


陣営の再建と増強を図っていた尊氏の下へ早馬と共に朗報が舞い込んで来た。


「そうか、北畠顕家が京を出陣したか!」


「顕家軍は奥州へ帰還するとのことでございます」


「顕家の居ない軍勢など取るに足らん・・・皆の者、よいか、この千載一遇せんざいいちぐうの機会を逃してはならぬ!出陣の準備じゃ!」


尊氏は家臣たちに命を下し、京の都を奪還するべく出陣した。九州を発ち鞆の浦を経て船隊と合流したうえで、海路を東進する尊氏の軍勢は京へ向けて獅子奮迅ししふんじんの戦いを繰り広げながら勢いを増して突き進む。


湊川で楠木正成を自害に追い込み、新田義貞は残兵と共に京へ帰還した。後醍醐天皇らは三種の神器を持参して比叡山へと逃げた。


京の都を奪還した足利尊氏は後醍醐天皇との和解を図り、持明院統の光明天皇を擁立した。そして、建武式目を制定して京都に室町幕府を開いたのである。


後醍醐天皇は京の都を脱出して奈良の吉野へ逃れて南朝を開き、北朝に渡した神器は贋物がんぶつであり光明天皇の皇位は正統ではなく、自己の皇位の正当性を主張したのである。


しかしながら、事の本質を見抜いた尊氏にとっては「三種の神器」が贋物かどうかは二の次なのである。



室町幕府(京の都)


「あの麗しい姫が渡月であったか・・・」


この尊氏の言葉が物語るように南朝方が渡月姫を追い回していたと言うことは、「月の珠」が無ければ「三種の神器」の真の力を解放することは出来ないと認めていることを意味する。


そして、その重要な「月の珠」は自らの懐にあるのだ。更に言える事は、渡月姫が南朝方に協力的ではないことであり、その事実も露呈しているのである。


妻子のある尊氏ではあるが、清らかな気を身に纏うみやびやかな渡月姫への想いが日増しに強くなることを感じていた。それは決して野心的な側面からの想いではなく、胸の痛みを伴う純粋な恋心であった。




             (4)伝説の斎王


数日後・・・


夜更けになり冷たい小雨が降り始めた頃、尊氏が南朝に幽閉されている渡月姫を解放するために夜襲を仕掛けた。


「月の珠は余の手中にあり!」


尊氏は声高らかにときの声を上げた。その姿を見た南朝軍は「月の珠」を奪還しようと必死に交戦する。



吉野の朝廷に侵入する数名の影・・・その中には尊氏の姿があった。尊氏は渡月姫と再会するために先手を打ち計略を施していたのである。影武者に鬨の声を上げさせ、自ら渡月姫の居る吉野の地へ歩みを進めていたのだ。


「こちらでござます」


雨が激しさを増して来る中、静かに頷く尊氏は内通者の案内により姫が幽閉されている屋敷に忍び入る。



その頃、南朝の重臣たちは渡月姫を尊氏に渡すことだけはさせまいと策を講じていた。協力的ではない渡月姫への対応を論じていたのである。


顕家の許嫁いいなずけとすることで生娘ではないように穢れさせるのか、この場でかんするか、いっその事、暗殺するか・・・神々しい女神を髣髴ほうふつとさせる姫を巡って、その美貌に魅了された男たちの魔の手が渡月に迫る。


南朝の家臣たちに腕を掴まれ、屋敷の庭園に投げ捨てられた渡月姫。


「いやぁ〜!」


天を仰ぎ、雨に打たれながらひとり泣き叫ぶ、渡月姫。


次の瞬間、南朝の家臣たちが次々とその場に倒れた。慌て怯える南朝の家臣たちを尊氏の家臣たちが次々に斬殺する。尊氏は渡月姫の下へ駆け寄り、手を差し伸べた。


「怪我は無いか?」


姫の身を案じ、声をかける尊氏。


「私は大丈夫でございます」


「そうか、それなら良かった」


互いに相手を見つめながら、尊氏と渡月姫は初めて出逢った瞬間ときと同じ言葉を交わす。


尊氏は家臣たちと共に渡月姫を救い出し、吉野から京へ向けての山道を静かに前進する。予め待機させていた騎馬隊の軍勢とも合流して渡月姫の身を労りながら更に京へ歩みを進めた。


渡月姫は京入りする道中で尊氏に対して斎王になることを告げた。先祖崇拝と子孫崇拝の大切さを説く渡月姫に対して、尊氏もまた渡月姫からのご神託を重く受け止める。


尊氏は動乱を収めるため、そして、渡月姫を誰にも渡さないために斎王の役目を渡月姫に託し、自らも協力することを約束した。前進する軍馬の蹄音とともに尊氏らが京の都へ無事帰還した時には、雨は雪へと姿を変えていた。



南朝・吉野朝廷


「どうであった?」


「我が陣営を抜け出したようです。辺り一帯を隈なく探したのですが・・・」


「今なんと申した!陣営を抜け出しただと?貴様、そのような報告で済むとでも想っているのか!」


親房は渡月姫を逃がしてしまった家臣たちに対して怒り心頭である。あまりの衝撃に乱心した親房は家臣を殴り倒すが、それを見兼ねた重臣たちに取り押さえられた。



奥州・霊山の地


激しい吹雪の中、早馬が到着する。尊氏が「月の珠」を手中にしていることを伝令により告げられた顕家は、渡月姫の言葉を想い返す・・・


「勇猛なある御方が私をお助けくださいました・・・あなた様もあの御方のように正しい選択をなさってください」


渡月姫を助けた武将が尊氏であることを知った顕家は、荒ぶる吹雪のような複雑な感情を必死に鎮め、親房からの援軍要請に答えるように出陣することを決めた。



寒さ厳しい冬の夜・・・時を同じくして、足利尊氏と北畠顕家は京と奥州の離れた地で雪を解かすかの如く、先祖敬仰の心が燃え上がっていた。


足利氏は下野国が生んだ氏族である。清和源氏の一族の河内源氏の流れを汲み、

足利氏2代当主である義兼が鎌倉幕府を開いた源頼朝と従兄弟のような関係でもあったことから、鎌倉幕府の有力なご家人の中でも源氏将軍家の一門としての地位にあった。


下野国と鎌倉の地を行き来する時代から鎌倉を拠点とする時代へと移行し、8代当主となったのが尊氏である。尊氏は京の都より鎌倉の地、そして、先祖が眠りに就いている下野国の地へ想いを寄せた。


他方、北畠氏は山城国を出身とする村上源氏中院家庶流の名門公家である。北畠家の祖であり公卿の地位にあった雅家は御所の北側に位置する洛北の地に邸宅を構え、北畠と称した。


子の師親は親房の祖父にあたるだけではなく、後醍醐天皇の皇子である護良親王の祖父にあたる。孫の師重の時代を含め、北畠家は代々大覚寺統への忠誠が篤く、師重も後宇多院の側近として仕えた。


その師重の子が源氏長者であり後醍醐天皇の側近である親房で、その嫡男が北畠顕家である。顕家は極寒の奥州の地から京の都と先祖の霊に意識を向けると深い郷愁に駆られた。


渡月姫を通じてのご神託・・・先祖敬仰の念と子孫崇拝を重んじる尊氏と顕家。両雄は郷愁を感じ、足利家と北畠家、それぞれの先祖が過ごした地に想いを馳せる・・・



この夜、広大な列島の2つの地で不思議な現象が起きた・・・


「そこにおられるのは、どなたですか?」


下野国の鑁阿寺と樺崎寺で尊氏の姿が目撃された・・・


目撃した者によると、佇む姿はもの静かで声をかけたが返事がなく、暫くすると何処へとも無く漆黒の闇夜へ消えて行ったとのことである。


もうひとつは、京の都である。各地で顕家の姿が目撃されたのだが、暫くすると夜霧の中へ消えて行き痕跡がまるでなかったとのことである。


幻影か、或いは生霊か・・・ふたりの強い想いがそのような現象を生み出したのか・・・それぞれの地に両雄が本当に現れたのか・・・真実は闇の中である。



可怜うまし国(伊勢国)


渡月姫は四方に門のある館の中にいた。その館は渡月姫により結界が張られ、空間の穢れを祓い清められた場所になっている。


静謐せいひつで神秘的な雰囲気が漂っている空間は、神々と渡月姫だけが立ち入ることを許された清らかな神域と化していた。


誰もいない、何もない、ただ其処には祭壇だけがある広い部屋にひとり静かに坐っている渡月姫は、淡い灯火を受けながら広大な空間に意識を広げている。


通常であれば卜定の儀式で斎王を選定したうえで、宮中に定められた初斎院に入り、翌年の秋に野宮ののみやに移動する。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬


其処で約1年の潔斎けっさいを経て祭事に臨むのであるが、降臨した女神が憑依している渡月には、その様な「ひと」を中心とした戯事は不要なのである。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬


「私、巫女になります!」


渡月は神々と対話して正式に斎王になることを決意した。


渡月にとって斎王の役割を果たすと言う事は、神々からの許可を得たと言うよりは、神々からの願いを受け止めたと言うことが正確なところである。


そんな渡月姫にとっては神前に立つ以前に払拭しなければいけない個人的な汚れた想いなどある訳がない。


目の前にある現実を受け入れ、自らが立場上も巫女となることによって世の中を正しく変革するために身を捧げ、神々に奉仕する人生を選択したのである。


渡月は世に決して現れることもなく、知られることもない斎王になった。そして、神々を通じて尊氏と顕家、双方の心に世のことわりと神々の想い伝え、戦のない平穏な世を築き上げる志を強固なものにさせたのだ。



8か月後・・・


奥州の地を一先ず安定化させた顕家は、義良親王を奉じて霊山城を出陣し、上洛するために炎天の険しい山道を再び南下した。


顕家の軍は利根川や安保原で北朝方の軍勢を破り、その年の冬には鎌倉に攻め入り陥落させた。年が明けると勢いに乗じて顕家軍は鎌倉を出発し、尾張から美濃国へ進撃するものの尊氏の命により北朝の軍勢が京へ進撃させぬよう迎え撃つ。


苛烈な戦いは更に激しさを増し、顕家は上洛を諦めて半島を南下して伊勢に後退した。休息する事もなく伊勢国でも激戦は続くため、顕家は義良親王を密かに吉野へ送り自らは凄惨な戦場を駆け巡ったのであった。


顕家を上洛させずに伊勢国へ歩みを進めさせたのは、伊勢の神宮へ奉仕するため、その地に身を置く渡月姫に少しでも近づきたい顕家の想いがそうさせたのか・・・



「私を想い、呼びましたね」


顕家が渡月姫を想い、上洛することなく伊勢に退いたことを感じた渡月姫。


顕家は劣勢になる南朝の行く末を察していたかの如く、あの世へ旅立つ最後の願いとして心の中で渡月の名を呼んだのだ。


渡月姫は顕家の気を感じ、誰にも悟られる事なく顕家の陣営に姿を見せた。周囲の空間が渡月姫の全身から発せられた清らかな気で一変する。澄んだ空気、玲瓏な風の音、汚穢に塗れた男たちの戦場とは真逆の空間である。


「そなたか、本当にそなたなのか・・・」


顕家は渡月姫と再会できた驚きと感動のあまり全身を震わせた。そして、その場に平伏し、歓喜の涙を流した。


「成仏させますので、ご安心なさい」


「有難き幸せに存じます」


凡人であれば死の訪れを感じる中で最愛の人に出逢えたならば、手を握りしめ抱きしめたくなるものであるが、清らかな神々に畏怖の念を抱く顕家は、血に染まった穢れた自身の肉体を渡月姫に近づけようとはしなかった。


平伏して渡月姫に近づかないその姿勢こそが顕家の好意の現れであり、愛の証なのである。


北畠顕家は死を前にして、後醍醐天皇への諫奏文を認めた。その上奏文は7か条から成るものであり、泰平の世を願い政治の欠陥を批判したうえで、不正を改め正道に帰すための解決策を記したものである。


渡月姫、いや女神を愛した自身の一生に悔いの無い顕家は、晴れ晴れとした表情で最期の時を迎えたのであった。二十歳を過ぎたばかりの青年の重圧と凄惨な時代の情報が時に刻まれる・・・


尊氏と顕家は同じ女子に心を惹かれ、互いに身内との確執に葛藤し、地位名声は得たものの人としての質の違いに苦労し続けた生涯を過ごしたのである。


ふたりの本質を見抜き、熱き想いを深く理解してくれた人物こそが渡月姫であった。


そして、乱世を駆け抜けた両雄が互いに郷愁を感じ、先祖が過ごした地に想いを馳せながら波瀾に満ちた生涯を閉じた。


ふたりの英雄が愛しい姫を追い、見目麗しい姫は清らかな女神を愛しく想う中・・・南北朝時代の歴史の裏には、三種の神器と月の珠、そして、清らかな姫の争奪戦があったのである。


渡月姫、月の珠・・・伝説だったのか、将又、真実であったのか・・・


渡月、尊氏、顕家の魂の声が聞こえてくる。


「想いは続き、願いは叶う・・・」

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[良い点] 古の時代に想いを馳せる✨一人の姫を二人の若き武将が想いを寄せ各々の人生を時代と供に駆け抜けて行く、何故か哀しくもある物語です。心の描写が細かく書かれていて、想像をかきたてられます。 [気に…
[良い点] 僕はさまざまな沢山の小説を読んでいますが、この作品は非常に完成度が高いです。 作品の主人公が作品の中で手にしている台本を時代小説として書くというのは大変素晴らしいアイディアだし、そう簡単に…
[一言] 作中作を短編小説にされるとは、センスの良さに驚かされます。こちらも楽しみに読ませて頂きます。
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