表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

5

今回意識したい

・盛り上げ

・段落とスペースの区切り

・他キャラとの掛け合い


4のあらすじ

鍛錬→鍛錬→スキルゲット

5


 私の最近の流行は、忍者のような動きでそこら中を飄々(ひょうひょう)と行き来することだ。


 あれからさらに鍛錬を積んで、アクティブスキル【瞬剣】の熟練度が30/∞まで上がっている。


 このスキルは、移動しても硬直を挟まず、アクティブスキルを使用できるようなのだ。盲点だったのは、 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣、というように「瞬剣自体のコンボも繋げられる」ことだ。


 名付けてこの「瞬剣無限コンボ」を体力がなくなるまで続けるのがたまらなく楽しい。まるで空を飛ぶような浮遊感が癖になる。今ならメアリーのスカートだってめくれるかもしれない。


「くーっはっはははーーーー! さぁかかってこい悪党ども! うーはっははは」




「さぁ、かかってきなよ」

「……どうしてこうなった」


 いけない、つい本音を零してしまった。独り言を言う痛いやつにだけはなるなって、メアリーに言われているのに。メアリーよく「無言でいれば凛々しい」ってほめてくれる。以後、気を付けよう。


 私は今、剣の指南役と対峙している。


 指南役はレオルと言う。私が物心つく頃には既にこの屋敷にいた。前世では私に剣の基礎を教えてくれた人だ。


 そういえば、今世ではまだ剣を学んでいなかった。というよりも、過去に戻ってから私はメアリーとしか話していない気がする。戻った時点で、無性に剣が振るいたくなってそのままだった。


 レオルは外見が相当若い。14歳の私よりもかなり幼く見える。幼男だ。……その、とても、小、小さいのだ。


「よこしまな気配を感じるな」

「気のせいです」


「小さいと言ったら殺す、思っても殺す、息を吸っても殺す」

「ひいぃぃぃ…理不尽」


 前世では向かい合うだけでも足が竦んでいた。苦手意識があったのだ。だけれど何故か今はそうでもない。


「すぅーー」


 落ち着いて息を吸って、指南役を窺う。今の私は既に前世の10年後よりも強い。それは確実だ。あれだけ望んでも1つも習得できなかったスキルだって4つも持っている。


「ふぅーーー」


 ただ、相手はあの指南役だ。だから全力を出そう。


「ウリャアアアアアアアアアアアアアアアキェェエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」


 すべての気合を込めて、私は猛獣のごとく指南役に接近する。


 ……


 がっ…



「そんなものか」

「なっ何故、瞬剣コンボが」


「ん? 今の変な移動スキルのこと? 多分スキルを連続使用してるんだよねそれ」

「確かに目で追えないところはあるし、スキル使用後特有の硬直も見られない」

「…では」

「何故か? 簡単だよ。スキル硬直は無いけど、スキルの切れ目に速度が微妙に落ちてるんだよ」

「そ、そんなぁ」

「突っ込んできて『打ってくれ』と言う野球ボールばりに滑稽な(スキ)だよね」


「うぅ」

「どうした、もう終わりか」

「最近調子に乗っているようだから少しは強くなったと思ったが、この程度とはなっ」


 そう言って指南役はまた去っていった。


 

★ 



 あれは、どういうことだ…。


 俺――レオル――は、剣の指南役である。武の国でも特殊な事情にある「この侯爵家」の指南役が務まるのは俺ぐらいなものだ。


 と言っても、数週間前までは俺である必要性も全く無かった。というのも、当初危惧されていたものとは異なり、次期当主は才能の欠片も無かったからだ。


 当てが外れた。


 正直そう思っていた。14歳にもなってスキルを1つも習得できず、1教えても0.5ぐらいしかできない。


 それがどうだ。さっきの戦いは正直度肝を抜かれた。なんだあのふざけたスキルは。スキル硬直もなくあの速度で移動できる。


 それにきっとまだ熟練度も発展途上なのだろう。


 他にどんなスキルを持っているか知らないが、いや、少なくとも数週間前までは何も持っていなかったから杞憂な可能性は高い。だが――何か得体の知れない不安を感じた、この俺が。


 もし他にも同程度のアクティブスキルがあって上手く組み合わされたら勝てただろうか。


 さっきの試合でフィルのスキルを迎え撃てたのは「真眼」を使ったからだ。これはアクティブスキルで、1日に1度しか使えない。ただその代わり、視界内のいかなるアクティブスキルも無効にできるという強力なものだ。


 気を引き締めていくか。


 屋敷に入っていく彼の後ろでは、いつもより強く風が吹いていた。



☆彡



「ああ”ああ”あ”ーーー、悔しい」



平常運転で独り言を零しながら、私は木刀をぶん回す。



「おりゃおりゃおりゃ、おりゃ」


ひたすらぶん回す。



ワールドアナウンス:アクティブスキル【回転切り 1/∞】を習得しました。



おぉ! 何やらまたスキルを覚えたようだ。しかし……。


 私はちょっと冷静になって考えてみる。


 指南役は言っていた、瞬剣コンボに途切れがあったのが敗因だと。だからまずそこを克服しないといけない。だから今度は遊びではなく、真剣にスキルを発動させる――


瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣


 瞬剣は、その名の通り使うと瞬時に移動できる。ただし移動後に一度地面に降り立って、そこからまた土を蹴って加速する。


 体が一度「静止」状態になっているのだ。途切れをなくすためには、常に「動的な」状態でいる必要がある。どうしたら…。


 まずはスキルを使わずに、状態を再現してみるか。


 走って、止まる。走って、走って、止まる。走って、止まる。止まる、走って、走って、走って、止まると見せかけて走って、止まる、急にまた走る――


 ん?


 走って、止まる。


 走って、止まる時にブレーキする。


 走って、体だけ先に浮かせて、ブレーキはしないけど一瞬止まるように見せる、勢いを殺さず走り抜ける。あ! これだっ!!!! 


 上手くいくかな。今度はスキル有りで。


 瞬剣っ → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 → 瞬剣 瞬剣 瞬剣 瞬剣 瞬剣


「おおおぉぉぉぉぉ! できたぞおおおおおおおおおおおお」



 こうして、私は「瞬剣無限連続(・・)コンボ」ができるようになった。


「くーっはっはははーーーー! さぁかかってこい悪党ども! うーはっははは(本日2度目)」


 スピード感と連続性が高まった浮遊感に夢中になって、すっかり指南役に負けた悔しさを忘れるフィル時期当主――フィリス男装令嬢――であった。



ワールドアナウンス:パッシブスキル【コンティニュアススキル】を習得しました。



† ヒロインスキルの現在


パッシブスキル【剣の神髄】:

剣に関わるあらゆるスキルの習得が容易になる。また、これによって習得したスキルの熟練度も大幅に上昇しやすくなる。


パッシブスキル【正眼の構え】:

正眼の構えが崩されにくくなる。


《NEW!》

パッシブスキル【コンティニュアススキル】:

スキル硬直及びそれ以外のいかなる要因も含め、スキル使用の連続性を高める。全アクティブスキル対象。


アクティブスキル【振り下ろし 20/∞】:

振り下ろす速度上昇、威力上昇。振り下ろし後の硬直時間を短縮。


アクティブスキル【瞬剣 47/∞】:

四方へ瞬間的に移動する。移動後は硬直を挟まず、アクティブスキルを使用できる。(修正前「他のアクティブスキル」を修正後「アクティブスキル」に置き換え)


《NEW!》

アクティブスキル【回転切り 1/∞】:

剣を振り回すだけでそれっぽく見える。


※1/∞は、1が現在の熟練度、∞が潜在的に到達可能な熟練度の最大値を表しています。

不定期としていましたが、少なくとも行き詰るまで毎日投稿できればと考えています。

途切れてしまう時は、仕事等の他事情によるものです。


せっかく見に来てくれている方がいると思ったので

念のため。宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ