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4

今回意識したい

・盛り上げ


3のあらすじ

死ぬ→過去に戻る→剣好きの脳筋に??

4


 べっ、別に私は、剣好きの脳筋なんかじゃっないんだからねっ。


 過去に戻ってから日々を重ねるうちに、私は私の中の何かが確実に変わっていくことに気づき始めている。


 前世では、男装令嬢になった、当主にならなければいけない、マジ辛い状態だったんだ。


 これは茶化しているように見えるけど、逆に言えば、今世では良い感じに肩の力を抜いて生活できている。


 結局、私の特性として、圧迫されて何かを「やらなきゃ」と本気を出す時よりも、「別にできなくても最悪もう一度死ぬだけ」と割り切って目の前のことに取り組む方がパフォーマンスが高いようだ。


 具体的な目下の課題は「剣」で強くなることだ。強くなっていればこの武の国ではどうとでもなるからだ。


 私は決して脳筋なんかではないのだ。ちゃんと考えているのだ。


「フィル様って何というか脳筋ですよね」


ちがあああああう」


 拝啓、前世の私。最近、側付きメイドのメアリーが馴れ馴れしいです。


「いや違いますね、良い意味で野生児ですよね、良い意味で」


「……(死んだ魚の目をして虚空を見つめる私)」


 まぁ常に緊張しているということが無くなったからか、今世では割と屋敷の使用人たちとも距離が近くなっている気がする。


 メアリーはその筆頭と言ってもよいだろう。


 使用人たちの中で、特に私に近しく、私の実際の性別も知っている。


 キリっとして背が高く、むしろ私より剣士っぽい。まぁ、武の国で由緒あるユークリッド侯爵家で、次期当主の側付きなのだから、メイドであっても何か強そうだけど。足音全然しないし。



☆彡



 そんなわけで、今日も今日とて私は鍛錬をする。


 最初の内は、真剣を勝手に持ち出して素振りをしていたが、最近ではなぜか取り出せないようになっていたので、仕方なく木刀を使っている。


 まずは正眼の構えから。


 やや浮かした左足に重心をかけながら、右足を前にずらし、遠い山を見つめるがごとくぼんやり前の景色全体を見つめる。


 木刀は、右手で前、左手でお尻の方を持ち、左手の小指に力を入れて支える。


 その姿勢を矯正し終えたら、ゆっくりと振りかぶって振り下ろす。


 一つ一つの筋肉の動き、肩と肘と手首を折りたたんで引き延ばす一連の動作がスムーズになるように意識する。


 動きが安定してきたら、形が崩れないぎりぎりの速さで素振る。


「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」


 無心をベースに、若干の高揚感と、程よい緊張感を保って本気で木刀を振るう。


 私はメアリーが言うように脳筋なのかもしれない。


 だって、こうして鍛錬をしている時だけに「本当に生きている」という実感が湧くのだから。自分を欺かずに、真の意味で冷静になれるのだから。





ワールドアナウンス:パッシブスキル【剣の神髄】を習得しました。


 

 ん??


ワールドアナウンス:パッシブスキル【正眼の構え】を習得しました。

ワールドアナウンス:アクティブスキル【振り下ろし 1/∞】を習得しました。

ワールドアナウンス:アクティブスキル【瞬剣 1/∞】を習得しました。



 ん???


 鍛錬を続けていたある日のことだった。突然、空から声が聞こえた。


 ぱっしぶすきる? あくてぃぶ? 剣のしんずい?


 幻聴だろうか。剣という単語以外よく聞き取れないな。体がすごい軽くなった気がするし、まぁ良しとするか。


 長閑な侯爵家邸で発生したこの出来事は、後に多数の歴史学者によって次のように論じられている――


 後に最強と称される「武の国の英雄フィル」が生まれた瞬間である、と。




-



パッシブスキル【剣の神髄】:

剣に関わるあらゆるスキルの習得が容易になる。また、これによって習得したスキルの熟練度も大幅に上昇しやすくなる。


パッシブスキル【正眼の構え】:

正眼の構えが崩されにくくなる。


アクティブスキル【振り下ろし 1/∞】:

振り下ろす速度上昇、威力上昇。振り下ろし後の硬直時間を短縮。


アクティブスキル【瞬剣 1/∞】:

四方へ瞬間的に移動する。移動後は硬直を挟まず、他のアクティブスキルを使用できる。


※1/∞は、1が現在の熟練度、∞が潜在的に到達可能な熟練度の最大値を表しています。

初、ポイント評価ありがとうございます。

期待せず生暖かく見守っていただけると幸いです。

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