「元勇者のおっさんは40年ぶりに世界を救う」
今から40年ほど前の話である。
世界征服を目論む魔王が現れた。
その強大な力と軍勢によって一国、また一国と魔王の手に落ちていく中、
一人の少年が立ち上がった。
少年は集めた仲間とパーティを組み、魔王軍を倒す旅に出た。
修行と実戦で力をつけ、武具やアイテムを集め、ついに魔王の下へたどり着く。
死闘の末彼らは魔王を封印し、世界は救われ、平和が戻った。
それから40年間、世界は平穏な日々が続いた・・・。
ある日、そんな日々は終わりを告げる。
封印が破られ、かつて世界を恐怖と混乱に陥れた魔王が復活。
魔王軍の突然の襲来に各国の騎士団はなすすべなくやられてしまった。
平和な時代に育った世代の意識と力では魔王軍に対抗できなかったのだ。
騎士団も全く敵わない、魔王に対抗するすべはない、もうだめだ・・・
世界が絶望に沈む中、一人の男が立ち上がった。
彼こそかつて世界を救った元勇者、現おっさんである。
「あの頃のような体力、魔法力はない。
使える技も少なくなった。
パーティを組んでいた仲間ももういない。」
「だが俺には知恵と経験がある。
そして何より大切な勇気はあの頃のまま変わらねえ!」
かくして元勇者のおっさんは再び世界を救う旅に出た。
「まずは情報収集からだ。
・・・前と違って酒場に馴染むようになったか。」