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パオーンじゃないよ魔王だよ  作者: なんだかなぁ
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わかりますと言う男

 男は言った。

 「わかりますとも不安なんですね。」

 え突然すごい事を言ってきた。

 これは予想してなかった。

 たしかにこの人大丈夫と思って不安だが。

 まさか本人から言われるとは。

 わかってるのか。

 だがここでさらに気がつく。

 そうなんですよとは言えない。

 それはとても失礼だからだ。

 あんたの言う事は不安なんだよなんて。

 なんだこれは。

 なんて答えればいいんだ。

 いえともそうとも言えない。

 まさかこれを狙ってなのか。

 それなら恐ろしい。

 どうすれば。

 考えてると。

 男は言った。

 「亀が本当にいるか不安なんですね。」

 パスが来た。

 だがこのパスはどうすれば。

 これはさらに奥が深い。

 そうなんですと言うと。

 亀に興味がすごく有るって事になる。

 たぶんたいてはこれにはまってしまう。

 なぜならさっきの会話では今のは救いの糸

 だ。

 だが糸の先にはとんでもないものがいる。

 さらに相手の術にはまる。

 そうなればキャッチされて逃げられなくな

 る。

 がんじがらめだ。

 そして。

 違うと言うと亀になんか興味が無いって事

 になる。

 どちらを選択するか。

 この人は悪い人じゃなさそうだ。

 あまりきつい言い方もしたくない。

 それが作戦かもしれないが。

 だが肯定するのも。

 本当の亀好きならよかったが。

 またしても困ってしまった。

 それがわかったかのように。

 男は言った。

 「大丈夫ですよ。亀はいますから。」

 ここでパスがかなり楽になる。

 ここまで考えているのか。

 難易度が下がった。

 まさに試されてるみたいだ。

 いるかいないかなら普通の興味の範囲だ。

 これは答えやすい。

 俺は言った。

 「そうなんですか?」

 言ったがその後考えた。

 だがこれは。

 次はどうなるんだ。

 安易に反応してしまった。

 そしてその後までは考えなかった。

 それもさっきまでのストレスのせいか。

 それは追い込まれていたからだ。

 だからあんな返答をしてしまった。

 救われたかったからだ。

 どうなるんだ。

 すると男はあるものを見せた。

 それは絵だ。

 まさかあれを売る気なのか。

 そこには。

 あるものが書かれていた。

 俺は言った。

 「ここれが亀ですか?」

 それは3枚の絵で上から下から斜めからの

 絵だった。

 そこには巨大頭で大きな目。

 背中が甲羅みたいに。

 前足はオールのような。

 だが足が無い。

 これは穴が開いていてそこから水を出して

 進みたいだ。

 そして何か尻尾なのか長いものがある。

 これが亀ならそう思えないわけでもないが。

 後ろ足が無いなら。

 陸には上がってこれるか。

 そこはわからないが。

 前足だけでもいけるのか。

 この絵では口がよくわからない。

 タコやイカのようにも感じる。

 亀なら空気呼吸をするはずだが。

 俺は言った。

 「これはいったい。」

 男は言った。

 「これがこの世界の亀にもっとも近いもの

 です。」

 ひっかかった。

 俺は言った。

 「近いもの亀ではないんですか?」

 だがまたしても安易に反応してしまった。

 かなりストレスがたまってるみたいだ。

 考える余裕が無くなっている。

 俺が安易なのか。

 相手がすごいのか。

 男は言った。

 「わかります。わかりますよ。」

 またなのか。

 何がわかるんだ。

 それに目的は何だ。

 俺はさらに術にはまってしまうのか。

 それとも何が起こるんだ。

 わかりますと言う男何者なんだ。

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