ラスカ
バラスが言った。
「ラスカですよ。」
ラスカなんだよそれ。
似たようなやつで有名なやつがあったよう
な。
あれはかわいいが。
俺は言った。
「あのーラスカって知らないんだけど。」
サラスが言った。
「ここにはあのあのラスカがいるのよ。」
なんか嫌そうだな。
ラスカいるんですね。
あのラスカが。
そうなんですね。
バラスが言った。
「そうです。あれは光物が好きで持って行
くんですよ。」
光物好きなんですね。
持って行くですね。
嬉しそうですね。
サラスが言った。
遠い目をしながら。
「あれはもう戻ってこないわね。」
戻ってこない。
戻ってこないんですね。
戻ってーこーいーよー。
と言っても戻ってこない。
そういう事ですか。
これはこれは授業料か。
やれやれ。
ヘビーだぜ。
ってことはない。
コイン一枚だし。
そして考えた。
ラスカラスカラスカラスカラスカラスカあ
れまてよ。
ラスカこれってカラスなのか。
続けて言えば。
そう聞こえる。
この世界ではあの世界をもじったやつが多
いからな。
俺は言った。
「どんな姿をしてるんだ。」
サラスは言った。
「そうね。」
サラスは考えてる。
バラスは言った。
「はいはーい。」
バラスが何か言いたそうだ。
俺は言った。
「バラス何かあるの?」
バラスは言った。
「じゃ私のイメージを見せますね。」
俺は言った。
「えできるのかそんな事が。」
バラスは言った。
「できますよ。常識ですよ。」
常識なんだ。
そうなんですか。
そうなんですね。
知らないけど。
俺は言った。
「じゃあやってやって。」
バラスは言った。
「わかりました。」
何するんだろう。
バラスは言った。
「では。」
「ピト。」
そうやっておでことおでこをくっけた。
入ってくる。
イメージが。
これがラスカ。
ラスカラスカラスカカラス。
まったく違うじゃないか。
なんだよこれ。
勝手に勘違いしていたよ。
どうもすいませんね。
どちらかと言うと鳥と虫を合わせたような
やつだ。
あの世界ではありえない存在だ。
これは知らない。
俺は言った。
「なんでこれがラスカなんだ。まったくわ
からない。」
まさかカーカー鳴くとか。
アホーって鳴くとか。
バラスは言った。
「実はですね。」
俺は言った。
「やっぱり最初はカラスと間違えられのか
。そして鳴くらしい。カーとかアホとかオ
マエって。」
声は聞いてないが。
カー。アホまでわかるけど。
オマエって誰か教えたのか。
正体がわからず名前が定着してしまった。
速いから捕まえらなかったのか。
俺は言った。
「まさか今でも。」
バラスは言った。
「正体知ってる人は少ないと思いますよ。
えへへ。」
なんで笑うんだろう。
もしかして貴重な情報だった。
これは。
俺は言った。
「バラスは物知りだね。」
バラスは言った。
「そんなそんな事もありますかね。えへへ
。」
だが思ったのはまずい。
世の中はバランスだ。
これはサラスの機嫌が悪くなるのでは見た
ら。
サラスが反応した。
なんて言うんだろうどきどきした。
早く言ってよ。
サラスは言った。
「私はこういうのダメだから。きもいのと
か。きもいのとか。きもいのとか。きもい
のとか。きもいのとか。きもいのとかー。」
最後は叫びだった。
あなたの気持ちはよくわかりました。
サラスさんたしかにあれはきもい。
きもいが飛んでるって感じだ。
きもいけどこれはかなり嫌ってる。
これは異常だ。
バラスは言った。
「えーかわいいじゃないですか?」
あこっちも異常だ。
違う意味で異常。
失礼な事を考えてしまった。
バラスさんそうなんですね。
どっかのアニメの主人公みたい。
虫が好きとか。
そういう人だったんですね。
まあ得て不得手か。
その方が助かるけど。
サラスはこの件は関係したくないみたいだ。
虫は苦手。
という事でミルミルさんの件は保留にした。
そうした方がいいような気がした。
まあこれでいいかな。
俺は言った。
「とりあえずミルミルさんのやつ今回は保
留にするよ。たぶんそれがいいような気が
するから。」
「アホカーオマエ。」
俺は言った。
「え誰だよ。人の事アホって言うのは。」
そういえば人じゃないけど。
周りを見たが誰もいない。
どうなってるんだ。
バラスは言った。
「ラスカですよ。」
俺は言った。
「えー。」
人かと思った。
俺は言った。
「あんな声で鳴くんだ。」
知らなかった。
どうみてもおっさんの声だ。
「アホカーオマエ。」
なんか怒られてるみたいだ。
そうだもったいないけど。
俺はコインを持って思い切り投げた。
すると。
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマ。」
「アホカーオ。」
「アホカー。」
「アホ。」
「ア。」
「ア。」
「ア。」
「ア。」
どんどん遠ざかって行った。
どうやら飛ぶのと鳴くのは両立できないみ
たいだ。
やれやれ一安心だ。
何故か投げる事はできる。
ただ軽い物だけそれに風の力を使って投げ
た。
あれに追いつくのか。
まあ関係ないか。
だが。
しばらくすると。
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
どうやらこの辺に巣がいっぱいあるみたい
だ。
コインを損した気分だ。
「アホカーオマエ。」
ああわかりましたよ。
そうですよ。
わかりましたよ。
敗者は去るのみ。
急いで家に向かおうとした。
しかし何か違和感が。
何だこれは。
よく聞いてみると。
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「オマエアホカー。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
「アホカーオマエ。」
いる一匹だけ違うやつが。
虫だが一匹オオカミなのか。
頑張れよ。
心の中でエールを送った。
すると。
ちょっと待て。
そんな感じがした。
心に感じた。
すると。
鳴き方が変わった。
「アホアホ。」「アホアホ。」
「アホアホ。」「アホ。」
「アホアホオマエ。」
「アホアホ。」「アホアホ。」
「アホアホ。」「アホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「オマエアホアホ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエ。」「アホ。」
「アホアホ。」「オマエ。」
「アホオマエ。」
「アホカーアホカー。」
「オマエアホアホ。」
「アホカーアホカー。」
「オマエアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホアホカー。」
「オマエ。」
「アホカー。」「アホカー。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「オマエアホアホ。」
「アホオマエ。」
なんかすごい物を聞いてしまった。
でも終わったさあ帰ろう。
何バッタの一番そんな感じがした。
何だろう。
「オマエアホカー。」
「アホアホオマエ。」
「アホアホオマエ。」
「アホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホオマエ。」
「アホ。」「アホ。」「アホカー。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
「オマエアホカー。」
もういこうと思ったが。
何75意味がわからないぞ。
75匹いるのか。
それも横一列に並んでるのか。
麺が好きなんだそれ。
「オマエ。」「アホカー。」
「アホカー。」「オマエ。」
「オマエ。」「オマエ。」
「オマエアホカー。」
「オマエ。」「アホカー。」
「アホカー。」「オマエ。」
「オマエ。」「アホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホアホオマエ。」
「オマエアホアホ。」
「アホカーオマエ。」
もう終わりだろう。
いい物聞かせてもらった。
ウグイスもホーホケキョだけじゃないからな。
ケキョケキョケキョケキョケキョケキョ。
鳴くし。
家についた。
色々あったが。
もう安心と思ったら。
「アホカーオマエ。」
ついてきてしまった。
どうやってかわからないが。
たぶん最初のやつだ。
餌付け食べ物じゃないが。
そんな感じだろか。
結果コイン2枚だからな。
ラスカが仲間になった。
バラスは言った。
「わーい。」
サラスは言った。
「ひー。ありえない。ありえない。ありえない。」
ラスカは言った。
「アホカーオマエ。」
俺はラスカに向かって言った。
「おまえこれでいいのか。」
ラスカは言った。
「アホカーオマエ。」
いいみたいだ。
そう思う事にした。
深く考えても浅く考えてもこれはわからな
い。
いるだけだし。
しかも声しか聞こえないし。




