感じなかったのか
サブタイトルを変更します。
パオーン「はい」
モーパンダ「で」
で、なんだろう。
パオーン「でとは」
モーパンダ「なんだ、それだけか、それしか感じなかったのか」
これは、お前の目は、節穴かって聞こえた。
だが、思わず言ってしまった。
パオーン「え」
モーパンダ「そうか、ならいい」
パオーン「待ってください」
モーパンダ「なんだ、まだ何かあるのか」
パオーン「もしかして、蹴り足の変化ですか」
モーパンダ「ほう、言ってくれないか」
パオーン「一発目と二発目が、足の甲だったことですね」
思った事を、言った。
蹴りが三発ただ、これは、普通に蹴りが三発じゃない。
完全に戻さずに、少し戻してからの三発、振り子のような蹴りだ。
だから速い。
しかも、二発までは、足の甲、三発目は、足先だ。
これは、最後しかわからなければ、足先としかわからない。
モーパンダ「ほう、ではそれで最後か」
パオーン「いえ、軸足での前進移動ですね」
蹴ってる、その間に、軸足も、指先だけで全身してる。
蹴りが振動して、伸びてくる感じだ。
これらは、よほど、特殊な蹴り技の訓練をしてないとできない。
モーパンダ「合格だ」
合格なんだろう。
パオーン「どういう事ですか」
モーパンダ「私はおまえが気にいったって事だ」
モーパンダさんが笑ってる。
パオーン「という事は、もしかして」
モーパンダ「ああ」
パオーン「それって」
モーパンダ「ああ、そうだ、私と」
パオーン「私と」
まさか、これは、まさか、あれなのか。
モーパンダ「戦ってくれ」
パオーン「えーーーーーーーーーーーー」
そんな事と思ったよ。
魔王になって、いい事なんて、ない、ない、ない、ない、ない。
今はパオーンだけど。
エステカ族は、格闘民族だ。
格闘をこよなく愛する人達だ。
特に女性は、格闘が好きだ。
しかも、エステカ族は、圧倒的に女性が強い。
モーパンダ「ああ、驚くのは、わかるが、落ち着いてくれ」
パオーン「はい」
モーパンダ「私自身が戦たい、まあ、これは本音だが、正確には、格闘大会に出て欲しいのだ」
パオーン「格闘大会ですか」
モーパンダ「そうだ、私は、それのスカウトもしている」
話によると、エステカ族は、エステカ族同士以外が戦う事を禁じられてる。
ただ年に4回だけ格闘大会が開かれ、それに選ばれれば、エステカ族以外も、大会に出られるらしい。
但し、戦うのは女性達とだ。
男性より圧倒的に強い女性達の戦いだけが、参加が許される。
ちなみに賭け事にもなっており、参加者は自分に賭ける事もできる。
ちなみに、賭けは、優勝とかでなく、何人抜けるかもできる。
まあ、時々は、何分持つって事も賭けになるらしいが。
ただ、男でも、弱すぎるのは出してもらえない。
モーパンダさんは、その審査員でもあるらしい。
大会に出すのにふさわしいか。
又大会に出てもらいたい相手を探すのも仕事らしい。
ちなみに、安全の為に、手や足に、怪我をしないように、柔らかい物をつけるが、それでも、当たれば痛いらしい。
自分の場合は、一人でも抜ければ、金も入ってくるみたいだ。
だが、言う事は決まっていた。
パオーン「すいません、出られません」
モーパンダ「何故だ」
正直に言う事にした。
パオーン「目で見えても、攻撃を、受けも、さけもできませんから、すいませんどじでのろまなカメなんです」
モーパンダ「カメ」
パオーン「はい」
しまった、こっちでは、違う生き物だったのかな。
外した。
モーパンダ「ならしかたないな」
モーパンダさんの顔を見た、あきらめが早い。
外したか。
聞きたいけど、聞けない、カメがどんな動物か。
まさか、変なやつじゃないよな。
想像した。
私、カメよ、よろしくね。
違う、違う、おまえは、カメじゃない、俺の知ってるカメじゃない、なんなんだおまえは。
恐ろしいものを、想像してしまった。
モーパンダ「そういえば、商売で、村に審査を受けに行くんだな」
パオーン「はい」
モーパンダ「なら、エステカ族の話を、してやろう、村でのタブーもあるからな、絶対に言ってはいけない事だ」
エステカ族の話、それはすさまじい話だった。




