一木さん
次回作の予告です。
「ヤツらの事を、この私が忘れているわけもなかろう」
「道理です。ところで、やつらの処分はどういたしますか?」
「三十牢獄にでも放り込んでおけ」
「了解しました」
********
変な夢を見た。どんな夢かって?いや、ここでは話さないでおこうか。それより、ここは何処なんだ?今はいつなんだ?周りにはコンクリートやら鉄やらアルミやらが俺を囲んでいる。あれ、なんでそんな物の名前を知ってるんだ?
********
一木が目を覚ましたぞ。ヤツは危険な人物だ。早々に処分せねば。できれば目を覚ます前に処分しようと思ったのだが、ヤツらについて訊いておかなければいけないこともあるし、処分はそれからにするか。まずは、なにを知っているか訊ねるか。
「おい、お前は一木だな。お前は何者なんだ?お前の一族についても話して欲しい」
目の前の一木が口を開いた。
「俺が答える前に、お前が何者なのか教えろ。お前の目的は何だ?」
ここまでは想定内だ。
「目的、か。目的などない。ただお前の一族について知りたいだけだ」
「そうか。お前は、俺が一木だと知っているんだな。それなら話が早い。俺はな、あの有名な悪ガキ、一体の弟だったのだが、何故だかここにいる。なぜかは知らん。どうせお前が連れて来たのだろうと思っている。そして、何故俺がこの近代的な空間へ来れたのかも判らない。当然の事、どうしてこれが近代的だと知っているのかも判らない」
「そんな事は知っている。それよりも、お前らはどのようなことをしたのかが知りたいのだ」
「ああ、いいだろう。話してやる」
********
今から何が始まろうとしているんだ?地獄の底からの笑い声は、何を示しているんだ?俺はこれから、どうなるんだ?
―――全てが謎に包まれた殺人ゲームが、始まる。―――