↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女体化したら最強(凶)!?  作者: イリュウザ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/167

第50話 現状確認(3)

本作品は、カクヨムにて同名で先行公開しています。


カクヨムでは週2回(月木朝7時)に先行連載中です!先を読みたい方はこちら

https://kakuyomu.jp/users/Iryuza01

 全員から注目された三上さんは、軽くため息をついた後

「分かった。

 説明する。

 神城が行った技法は、私が開発した魔力回路転写術という。

 方法は至って簡単で、魔力回路を自身の魔力塊《マナ・コア》に転写して魔力の流れを追尾再生《トレース》する事で、定着させるだけだ。

 実働させたのは、魔力回路と流れをよりハッキリと視認させるためだ」

 と言った。


「原理は、至って単純なのにどうして普及していないんだ?」

 と伊坂さんが疑問を呈すると

「それは上級能力鑑定を持っていないと出来ないからだ」

 さも当然と言わんばかりの返答だった。


「ちょっと待って下さい。

 優ちゃんは、鑑定系の能力持っていませんよ」

 と若桜さんが声を上げると、三上さんは

「今は、能力鑑定A1が発露済みだ」

 となんでもない事の様に言った。


 驚いている戸神さんが

「なんですかそれ。

 こんなに簡単に能力《アビリティ》が発露するなんて聞いたことありません」

 と言うと三上さんは

「それは当然だな。

 これは神城だから出来る裏技だからな」

 と返す。


 全員の視線が私に集中する

「え?私だけ?」

 と驚きの声を上げると、若桜さんが

「優ちゃんだけって、どういう事ですか?」

 と言う。


「多くの研究者が研究しているが、能力《アビリティ》の発現条件はよく分かっていない。

 一般的には、遺伝形質や環境形質によって決まるとされている。

 私としては環境形質を推している。

 生まれてから、能力発露までの環境の影響で形質のされた魔力塊《マナ・コア》の状態によって能力《アビリティ》が発露すると考えている。


 だから、能力者は母親の能力《アビリティ》と同系統が多い事への説明も出来るし、後天的に発露する能力が先天的発露する能力よりも低くなりやすい事の説明も出来る。


 すなわち、能力者が能力《アビリティ》を獲得した時点で魔力塊《マナ・コア》の魔力形質は完成に近い状態だ。


 一方、神城の場合、これまで魔力塊《マナ・コア》が封印されていた関係で、魔力塊《マナ・コア》の形質形成がまだ出来ていない。


 いわば《《無垢》》な魔力塊《マナ・コア》だ。


 なので、正しい手順で能力《アビリティ》の発露を誘導しただけだ」

 と三上さんが説明した。


 伊坂さんが、少し考えてから

「発現条件は不明だが、発露手順は既に解明済みということですか?」

 と言うと、三上さんは

「その通りだ。

 私を含め、国内の上級能力鑑定持ちで実験した結果判明している。

 だたし、この事は公表していない」

 と言うと、伊坂さんは

「なら、今の神城さんに有用な能力《アビリティ》を覚えさせる事が重要ですね」

 と答えた。


 三上さんが、ニヤリと笑い

「理解が早くて助かる。

 この方法で自由に能力《アビリティ》を習得可能期間は、あと2週間位だと予想している。

 後程、有用な能力《アビリティ》を有した者の一覧を渡すので、早急に招集して欲しい」

 と依頼する。


「分かりました。

 善処しましょう。

 ところで、この方法で習得した能力《アビリティ》のランクはどうなるのですか?」

 と伊坂さんが言うと

「基本的にF1だな。

 あとは、本人の適性と努力次第ってところだ」

 と返す。


 太和さんは、ちょっとがっかりした感じで

「即戦力としては期待できないのか」

 と言うと、三上さんは

「何事もそんなに都合の良い事にはならんよ。

 私としては、神城が複数の能力《アビリティ》を習得する事で、今後の困難な状況を回避する手段になれば幸いだ」

 と言う。


「基本的に発露直後はF1なのに、神城さんの能力鑑定はなぜA1が発露しているんだ?」

 と伊坂さんが疑問を呈すると

「それは、私が誘導して上級能力鑑定の魔力回路を書き込んだからだよ」

 と三上さんが答えた。


「どういう事だ?」

 と伊坂さんが言うと

「能力《アビリティ》の分類上同種となっているが、能力鑑定と上級能力鑑定は全く別物だからさ。

 それに、上級能力鑑定は成長方法が判明していない。

 その為、発露直後からA1判定のまま誰も成長させることが出来ていない。


 それに、神城が様々な能力《アビリティ》を魔力回路転写術で習得する事で、上級能力鑑定が成長するかもしれない。

 他にも習得した能力《アビリティ》を成長させれば、能力《アビリティ》の適正訓練方法が分かるかも知れないし、適正訓練方法が見つかれば、能力《アビリティ》の発現条件も見えてくるかも知れない。

 我々にも神城にもメリットの有る事だ」

 と三上さんが説明した。


 ジト目をした若桜さんが

「本当は、優ちゃんに試したらどうなるか見たかっただけでしょ」

 と言うと、悪びれた様子も無く

「当然それも有る。

 それに失敗しても失うものは何もないから、成功すれば儲けもので行《おこな》っただけだ。


 それはそうと、神城の状態はどうだ?」

 そう言うと、私の方を向き直り覗き込む

「よし、定着したな。

 この状態を覚えておいてくれ。

 魔力は、もう全快しているな。

 放出系の検証は後回しにして、破壊砲《ブラスターキャノン》を用いて大量魔力消費の状態確認を行いたいのだが良いか?」

 と言うと

「私は構いませんよ」

 と戸神さんが答え、若桜さんが

「現状なら、20分もあれば全快出来るので問題は無いと思います」

 と答える。


「なら、次は破壊砲《ブラスターキャノン》を撃ってくれ。

 限界まで撃ちまくってくれ」

 と言うと、水嶋さんが

「なら、こちらの的《まと》を使ってください」

 と的を指差しながら言われた。


 水嶋さんが指さした的は、2重結界の中に板状の的《まと》が設置されていた。

 その的《まと》を狙うように破壊砲《ブラスターキャノン》が設置されている。


「この的《まと》には、破壊砲《ブラスターキャノン》の破壊光線を分散反射する特殊コーティングが施してありますので、破損する心配なしに撃ちまくれます。

 反射した破壊光線は、周辺の結界で吸収されるので安全性になんの問題もありません」

 と水嶋さんが説明する。


「優ちゃん。

 想定では22発は撃てるはずだから遠慮なく撃ちまくって」

 と若桜さんから指示がきた。


「分かりました。

 撃ってみますね」

 と答え、破壊砲《ブラスターキャノン》の前に移動する。


 破壊砲《ブラスターキャノン》の最後尾のグリップを握り、魔力を手から破壊砲《ブラスターキャノン》へ送ると、瞬時に満タンになったので引金《トリガー》を引くと破壊光線が的《まと》に当たり、周囲に反射された光線が飛び散る。

 引金《トリガー》を離し、充填、引金《トリガー》を引くをひたすら繰り返す。

 横では、スタッフの人が射撃数を数えて10発撃つ毎に教えてくれる。


 16発撃って、魔力残量が3割を切ったところで、

「魔力の減りが急激に鈍化した」

 と若桜さんが報告を上げる。


「これは、顕著だな。

 魔力回復の能力《アビリティ》が成長している様だ」

 と三上さんが嬉しそうな声を上げる。


 20発撃ったところで、

「魔力の減りと生成量が均衡した」

 と若桜さんが報告を上げる。


 30発撃ったところで

「魔力が回復してきてる」

 と若桜さんが報告を上げる。


 40発撃ったところで、指が疲れてきた。

「完全に生成量が消費量を上回っているわね」

 と若桜さんが報告を上げると水嶋さんが

「なら、もう一丁準備しましょう」

 周りに居たスタッフが慌てて走っていく。


 60発撃ったところで、二丁目の破壊砲《ブラスターキャノン》が運びこまれた。

 今撃っている破壊砲《ブラスターキャノン》の直ぐ横に設置された。

 この破壊砲《ブラスターキャノン》は、合体分離機構が無い様なので旧型なのだろう。

 左右の腕を左右に広げる様にして旧型のグリップと引金《トリガー》に手を掛ける。

 80発目から、二丁撃ちを始める。

 再び魔力量が減り始める。


 100発+20発で、魔力量が底を着いたかと思ったが、まだ撃ててる。

 誰も何も言わない。


 120発+40発、撃ってもまだ魔力量が底に着かない。

 もう、手が痛いから辞めたい。


 160発+80発、魔力が回復している感じがする。


 200発+120発で、ようやく終了することになった。

 もう、両手・両腕が痛いよ。

 終わりを宣言されて、そのまま引金《トリガー》を引いたまま脱力してしまった。


「優ちゃん、おつか… なにそれー」

 近寄ってきた若桜さんが破壊砲《ブラスターキャノン》の銃口を指差している。


 慌てて指さしている方を見ると、銃口に破壊光線が球体を作り鎮座している。

 しかもどんどん大きくなっていく。


 想定外のことにそのまま固まっていると、2つの球体は一つに融合して急速に大きくなっていく。


 呆然とその状況に見入っていると、霜月さんが私の身体を抱きかかえ破壊砲《ブラスターキャノン》から引き剥がした。

 すると、破壊光線の球体は的《まと》に向かって撃ち出され、高速で的《まと》に当たって大爆発を起こした。

 的《まと》を粉砕し、2重結界を吹き飛ばし実験場に爆風を撒き散らした。


 霜月さんは、私を抱きかかえた状態で床に伏せて爆風をやり過ごしていた。

 爆発直前に私の側に居た若桜さんを慌てて探すと、直ぐ側で伊坂さんに抱きかかえられて同じ様に爆風をやり過ごしていた。


 他の人達は、同じ様に床に伏せて爆風をやり過ごしたようだ。


 起き上がった霜月さんは

「怪我は無いか?」

 と言うので

「えーと。大丈夫です」

 と答えた。


「全員、現状確認。要救護者の確認をせよ」

 伊坂さんが大声で指示を出している。


 それから大慌てで状況確認すると命に別状は無いが、重症者が数名と軽中傷がそこそこ居る。

 それとかなりの数の測定器具が破損したらしい。


 水嶋さんが私の所にやって来て

「いやー、最後のは凄かったね。

 破壊砲《ブラスターキャノン》があんな事になるなんて思わなったよ」

 と笑いながら言う。


「ごめんなさい」

 と謝る。

 私の不注意で事故を起こした事を後悔していた。


「何で謝ってるの?

 職員に怪我人が出た事かな?

 こういう事故に対する自衛手段を持った研究員しか参加させていない。

 怪我をした方が間抜けなんだよ。

 怪我した連中は、労災で強制休養を与えるし、もう一度自衛訓練を受けさせるから問題ない。


 それとも周りの機材を壊してしまった事かな?

 ここは、こういう事故も起きる事が前提で実験を行う場所だよ。

 不測事態で壊れただけだから気にする必要はない。


 むしろ神城さんのお陰で、破壊砲《ブラスターキャノン》の新しい可能性がわかったんだ。

 こんな喜ばしい事はないよ。


 それに見なよ。

 怪我した連中まで嬉々として今回の現象に夢中だ」

 と言って、周りを見渡す。


 頭から血を流している者、腕が折れている者、足を引きずっている者達が、嬉々としながら壊れた機材を集めて残っているデータを抽出している。

 若桜さんの言っていた人間性を捨てた研究者というのを目の当たりにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。