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謎の朝

作者: 52
掲載日:2026/02/13

あー、きっつ。

最近、酒を飲むと次の日が本当にきつい。……いや、そこじゃない。

新宿西口公園のベンチに、横たわっている。


昨日の夜を思い出す。

太陽企画の山田さんと打ち合わせをして、金曜だから、という理由でそのまま歌舞伎町へ。

居酒屋で一杯やって、いい感じに酔いが回ったところで、山田さんが言い出した。


「キャバクラ行こうよ!キャバクラ」


と言い出したので

まあ、会社の金だしな。そんな軽い気持ちで、1時間ほど。


そのあと「もう一件」という流れになり、西口の思い出横丁へ。


……そこから先が、あやふやだ。

確か、山田さんをタクシーに乗せて見送った記憶はなんとなくある。でも、なぜ自分は新宿西口公園にいる?

酔っぱらいが歩くには、ちょっと距離がある。


いや、待てよ。

学生の頃、新宿西口でバイトをしていた。終わりに飲みに行き、金がなくて終電を逃すと、ここに来てベンチで寝たことが何度かあった。



……とはいえ、いい歳した酔っぱらいが「懐かしいから行ってみよう」なんて思うだろうか。

金曜の夜でタクシーが捕まらず、なんとなくここまで歩いてきた、そのあたりが現実的か。


もう貧乏でもないんだから、満喫でもビジホでも泊まればいいのに。

――酔っぱらいに、そんな判断は無理だ。


謎だ。まあ、謎は謎だから、謎ってことで。


公園入口近くの自販機で、缶コーヒーを買う。

気温はちょうどいい。暑くもなく、寒くもない。二日酔いさえなければ、最高なのだが。

飲みすぎた。

山田さんは年も近く、趣味も似ている。クライアントではあるが、友達に近い距離感で付き合えている。

だから、たまに繰り出すと、つい、しっかり飲んでしまう。


さて、帰るか。

ここからだと……西新宿五丁目か、都庁前か。

気候もいいし、西新宿五丁目駅まで歩くことにする。

バイトしていた頃は、まだ大江戸線がなかった。選択肢としては新宿か代々木か。

便利になったものだ。



駅に向かって、ダラダラ歩いていると、熊野神社が見えてきた。

一晩お世話になったようなものだし、ご挨拶でもしていくか。


正面ではなく、脇の門から入る。

右手に小さな池があり、そこに橋がかかり、小さな赤い祠があった。

前は、気にも留めなかった。でも、今は、なぜか気になる。


――なんだろう、あれ。


スマホで調べる。

「十二社弁財天」らしい。

じゃあ、こっちも。

小さな祠の前には、鉄製の賽銭箱。弁天様は、水と芸術の神様だ。

「賽銭を入れるとき、いい音がするといい」そんな話を聞いたことがある。本当かどうかは、これも謎。

鉄なら、いい音がするだろうか。そんなことを考えながら、賽銭を入れる。

……いい音というより、ドラム缶を叩いたような鈍い音だった。w


本殿にも挨拶をして、鳥居をくぐる。

なんだか、気分が少し良くなった。

せっかくだし、参宮橋あたりまで、歩いてみようか。



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