第7話
ついに今日が来てしまった、僕みたいな陰キャの最も学校に行きたくないランキング1位、夏休み明けの初日登校だ!!マジで憂鬱すぎる。
そんなこと言いながらももう学校についてるんですけどねーって何一人漫才やってんだ僕は、今日は午前で終わるし本当に速攻で帰る!
鐘の音が鳴り、全員が着席する。
「え〜と、皆さん夏休みはどうでしたか?」
「はいはい!海とかプール行けて楽しかったでぇす!」
こう言うところで普通に感想言える人たちって普通に凄いな!
「先生は、仕事仕事仕事〜!!で休めなかったです、チクショー!!」
「はい、まあそんなところで今日は転校生がいるので紹介しま〜す」
教室中がざわつき始めた、転校生に関しては、皆んな知らされてなかったからいろんなとこで、どんな子かの予想や、びっくりする声で溢れている
「はい、じゃあ入ってきていいよ〜」
「失礼します、菅野下蒼と言います、これからよろしくお願いします。」
その瞬間、クラスはいきなり2分割した、美女が来ると信じ込んでいた男子は興味をなくし、女子たちは大いに盛り上がった、だが僕だけの反応は違った、菅野下蒼、最近図書館で会っていて知っていたはずなのに、名乗るまで気づかなかった、それは彼女の容姿があの時と異なりすぎるからだ、あの時は天川さんと同じくらいとてつもなく容姿が整っていて、美女と呼ばれていても忖度ないのに、今の容姿は、地味目の女子って感じだ、声とかは一緒なのに容姿が異なるだけで、脳がバグりだしたかのようにその違和感に混乱していた
「えっと、じゃあ千秋の隣が空いてるからそこに座ってください」
ちょっと先生、何言ってんだ、転校生が隣の席なんて、普通なら目立つイベントだろうが!!
「よろしく、千秋くん」
なぜだか、とてつもなく楽しそうに笑いながら声をかけてくる彼女に、とてつもなく揶揄われた、そんな気持ちになった。
♢♢♢
それから事は進み、今日はもう下校の時間になったのだが、僕はまだ学校にいる、それは、今、転校生、菅野下蒼と一緒に校内散策をしているからだ。経緯は少し前に遡る。
♦︎♦︎♦︎
(えーと、今日はここまでなんだが、千秋、菅野下さんのために校内案内してやれ)
まじですか!?なんで僕??
(お前は席が近いからな)
いや先生心読まないでもらってもいいですか?
(ま、そういうわけだ、あとは頼んだぞ千秋)
♦︎♦︎♦︎
まあこんな事がありまして、今は、校内を案内してる最中です、はい。
「えっと、じゃあ菅野下さんはどこの場所行きたいとかあります?」
「う〜ん、じゃあまずは」
そうやってるうちに時間はあっという間に経ち、最後の場所まで来ていた。
「じゃあ、最後は図書館ですね」
「そうですね」
「ここが図書館です」
「いい雰囲気の図書館ですね!!」
その感動してる姿をみて、まるではしゃぐ子供だなと思ったのは隠しておこう。
「千秋くん、青い宝石と彼岸荘ってどこにあるかわかりますか?」
「その本って!?」
「そうです、私たちが最初に出会ったきっかけの本です」
「やっぱり同一人物だったんだ」
「逆になんで違うと思ったんですか?酷いです」
頬をぷく〜と膨らませる姿を見て本当に子供みたいで可愛い子だな、と思ってしまった
「だってあの時と容姿が違いすぎて、なんで容姿をこんなに変えてるんですか?」
「逆になんで変えてると思います?」
「それは…」
「秘密です」
「え、」
「秘密って言ったんです」
「それは聞こえてたけど、なんで秘密なんですか?」
「だって、秘密の方が萌えません?」
「たしかに、萌える展開ではありますけど」
「じゃあ、千秋君は私の秘密を解明できたら勝ち、二学期が終わるまでに解明できなかったら私の勝ちって事で」
「それは僕参加する意味ありますかね?」
「もし解明できたら、美女の秘密を唯一知ってる存在になれるんですよ〜」
とても不思議な瞳で呟くその言葉はとても魅力的に聞こえた、でももう美女の秘密を知るっていうの間に合ってるんですが。
「ま、そう言う訳ですので」
「わ、わかったとりあえず頑張りますよ」
「じゃあもう周れたし帰りますか!」
♢♢♢
「じゃあ、この辺で」
「何言ってるんですか、まだここ校門ですよ!」
「それが?」
「途中まで一緒に帰りましょう!」
「でも僕の家すぐ近くかもよ?」
「それはないですね、だってすぐ近くなら普通あの図書館には行きません、あの図書館よりここら辺の図書館の方が大きいですから」
「つまり?」
「あの近くに住んでいると言うことになりますね」
「なんでもお見通しなんですね」
「それはどうでしょうか」
♢♢♢
それから最近読んでいる本などの話をしたらすぐに時間が経っていた。
「では私はここで」
「うん、また明日」
「そういえば、敬語使わなくていいですよ」
「わかった、じゃあそうする、もし意識して使ってるならそっちも敬語じゃなくていいよ」
「いえ、私は敬語のままで」
「では、さようなら」
「また明日〜」
菅野下蒼、とても不思議な人だ、子供みたいな時もあれば、魔女みたいに、何考えてるかわからない時もある、でも菅野下さんと関わるのは少し危険だ、もし美女姿で学校に来たなら、カーストトップないってもなんら不思議じゃないし、その状態で、僕に話しかけようものなら…考えるだけで恐ろしい、とりあえず今日は帰って、アニメを見よう、バイトもないしね〜
そのとき、無一はまだ気づいていなかった、後ろからの視線を…




