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哲学陰キャぼっちの光陰ヒロイン記  作者: ナトリム
第一章 優しさとは
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第5話

 ちょっとこれ全然7時に間に合いそうにないな、でも今思い出すと自分から19時くらいに帰ると言っただけで、天川さんから時間を指定された訳ではないから大丈夫と信じよう。


 ♢♢♢


 「ただいま〜ってどうして玄関で待ってるの!?ソファーとかで待ってればいいのに」


 「それはですね、今の時間見てから言ってください!」


 これは、結構怒ってそうですな、指定した時間より遅れてるからかな?とりあえず謝っておこう


 「今の時間は、7時35分です、すいませ…」


 「本当に心配したんですから!!」


 「あの、急に抱きつかれても…」


 「すいません、ちょっと無我夢中で…」


 「とりあえずご飯食べましょ」


 「そうですね、食べましょう」


 え、まじでびっくりした、普通いきなり抱きついてこなくない!?そんなに心配だったかな?


 ♢♢♢


今日の夕飯は鯖の味噌煮に、味噌汁だ、湯気がたちのぼり味噌の匂いが鼻腔をくすぐる、美味しそうで思わず涎が流れて来そうだ。


 「とても美味しそうです!!」


 「それはよかったです!」


 「では、いただきます!」


 「召し上がれ〜」


 その時、とても美味しそうな料理が目の前に広がっているというのに、思わずお腹の空腹も忘れるくらいに見惚れていた。


 「どうしたんですか?」


 「いや、なんでもないよ」


 「うわ!?これとても美味しいよ!!」


 「本当ですか、えへへ、それは良かったです」


 ♢♢♢


 「おやすみなさい」


 それにしても天川さんの今の態度は明らかに異常だ、流石にどんなに最初から距離が近くても2日目に抱きついて来たりは普通はしない、

やっぱり今は精神的に乱れていそうだな、でもこのまま解決しないままだと、永遠に彼女が住みついてしまう、どうにかしないとな。


 ♢♢♢


 今日は、バイトがなくて有意義な休日にする予定だったが、ちょっと状況も状況なので、とある人物に会いにきていた。


 「久しぶり、夕陽」


 「久しぶりだな、無っちゃん!」


 今目の前にいるのは、高校デビューで見事クラス内カーストのトップに入った中学からの同級生、橘夕陽、中学の頃いろいろ訳あってあっちからはとても信頼されている。


 「ちょっと今日はさ、夕陽に聞きたいことがあって、」


 「なになに〜?もしかして、好きな女子でもできた?キャー!!青春だねぇ〜」


 「一人で盛り上がるな、まあ女子のことであるのは変わらない、天川さんと遊びに行ったりするか?」


 「たまに男子5人女子5人くらいで遊ぶ時とかにあるな」


 「じゃあ、天川さんの家とかどこにあるかわかるか?」


 「え、何お前、夜這いでもすんの?」


 「そんな冗談言うなよ、僕がそんなことしない事くらいわかるだろ」


 「わりわり、結論から言うと俺は知らない、でも知っている人に心当たりはある」


 「頼む、教えてくれ!」


 「それはだな、」


 「それは?」


 「先生だ!」


 「って当たり前だろ!!」


 「それにお前から出なかったら聞くつもりだったし、まあありがとな相談乗ってくれて」


 「いいってことよ、まあ相談じゃなかったけど」


 ♢♢♢

 

 今の時代はとても便利だ、スマホで先生と連絡が取れる、ただそのままストレートに天川さんの家ってどこですかなんて聞いたら不思議がられるに違いない、だからちょっとだけ天川さんの携帯の写真と筆箱、それに名前の書いてあるノートを撮らせてもらった、それを忘れてたのを届けるフリ作戦だ、まあスマホを忘れてたなんて緊急だし、疑ったとしても教えてくれるだろう、天川さん、勝手に物色してすいませんでした、と願いながら教えてもらった場所に向かった。


 「これは!?」


 そう目の前に広がったのは本当に残酷な真実だった、


 「あ〜その家に何か用かい?」


 「あなたは…」


 「わたしかい?ただのここにいた人のご近所さんだよ」


 「とりあえずうちでお茶でもいかが?」


 「じゃあ、お言葉に甘えて」


 ♢♢♢


 「まず何から話して良いか、」


 話によると、天川さん家族は小学1年くらいの時に、離婚していたらしい、その理由は、お母さんの方が浮気をしていて、その彼氏と遊びまくった時にできた借金を全て天川さんのお父さんになすりつけ、一方的に別れを切り出してきた、それを天川さんのお父さんも呆れて了承したからだ、それ以降お父さんも借金返済と、天川さんのために死ぬ物狂いで働き、今は、重い病気にかかって入院しているそうだ、若かった天川さんは、そのことを知らず、入院した時に初めて知り、フラフラしながらどこかへ歩いて行ったそうだ、当然借金のお金の当てに家もなくなり、今は天川さんが死に物狂いで働いているみたいだ。


 「長いお話ありがとうございました、」


 「いや、あの子のために動いてくれてありがとう、あの子はとても良い子だから、どうか助けてあげてください、お願いします!」


 「分かりました、必ず助けます、なんて無責任なことは言えませんがやれるだけやってみます!」

 

 ♢♢♢


 ようやく家に着く、今日はいろいろあったが、この先どうしようか、


 「お願い、私達にも話してよ!!!」


 「それはだめです!」


 なんだなんだ、いきなり、クラストップの女子と天川さんが揉めてる!?咄嗟に隠れちゃったけど。



 


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