第4話
僕、千秋無一の朝は早い、学校の登校時間は7時30には家を出るがその2時間前の5時30には起きるようにしている、それは夏休み中でも変わらないことだ。
「やっぱ朝の散歩が1日のスタートに限るよなぁ〜!」
そう、5時30に起きたらまず散歩をする。
「ふぅ、気持ちよかったぁ。もう6時か、これからは頭を使う作業をする」
「そろそろ7時、今日この後10時からバイトか、それまでは家にいるか」
「ふわぁ〜おはようございます〜」
「おぉ!びっくりした、おはよう」
「朝早いんですねぇ〜」
「まあね、でも君もやす、」
「やす、何ですか?」
「いや、な…何でもなないよ、あはは、それよりまず朝ごはん食べよう」
「はい、分かりました」
(なんか怪しいな〜)
ふぅ〜危ない危ない、危うく同じ学校に通ってるのがバレるところだった〜うちの学校は他と比べて3日程長いから休みって言ったら完全にアウトだったな、朝から妙に変な汗をかいたよ
「いただきます!」
「どうぞ召し上がれ〜」
今日の朝ごはんは僕はコーンフレークで彼女はパンと適当に冷凍食品のおかずを食べている。
「ご飯中すいません、お願いがあるんですけど」
「僕で聞けることならどうぞ」
「私にご飯を作らせてくれませんか!?」
「いやいや、だめでしょ、流石に悪いよ、だって一様僕は客として迎えてる気持ちですし、」
「いえいえ、お世話になってる立場、してもらいっぱなしじゃ申し訳ないです!」
「とにかくだめです」
「お願いします!」
「いや、どんなにお願いされても了承しないよ!?」
「それでもです」
その後渋々オッケーを出してしまった、僕は結構打たれ弱いのかも知れない、しかも天川さんめちゃ頑固やな、ちょっとびっくりしたよ、それにお願いごと、思ったより小さいことだったな。
「じゃあ僕はこの後バイトがあるから出かけちゃうけど、この後はどうする?」
「私もバイトがあるので、大体5時くらいには帰って来ます、ご飯作って待ってますね!!」
「わ、わかった僕は大体7時くらいに帰ってくるからまた後で」
なんか、今めちゃ可愛かったな、ご飯作って待ってるって、専業主婦でもあるまいしって何考えてんだ、切り替え切り替え!
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
♢♢♢
「真美さんこんにちは〜」
いつもバイトに来たら最初に真美さんに挨拶しに行くのが恒例になっている。
「どうしたどうした、少年、いつもよりお疲れじゃないかぁ〜」
「まあ、いろいろあって」
流石に天川さんのことは言えるわけないしな。
「ま、今は言いたくなくても、もしいつか、相談相手が欲しくなったらいつでも私に言いたまえ、が〜はっはっは!」
「真美さんには何でも見透かされてるなぁ〜」
真美さんはとても不思議な人だ、いつもおちゃらけた雰囲気が出てるけど、僕の考えてることはいつもスケスケだし、何を考えてるか予想もできない、でも僕の中で今1番信頼できる人物であることは変わらない。
「じゃあそろそろ上がりな、少年、もう人手も足りそうだし、なんとなく今は休んだ方がいいと思うしさ!」
「決め顔でウィンクしてもらっても」
「なんだい、少年はいつも冷たいよねぇ〜」
♢♢♢
「あった、これこれぇ〜!」
今日はバイトが早く終わったから、ちょっと図書館に寄っている。
「この本何回読んでも飽きないんだよなぁ〜!」
「あの、すいません、青い宝石と彼岸荘っていう小説がどこにあるか分かりますか?」
「あ〜それならちょっと待っててください」
「これですよね?」
「そうです!これです!」
「でもなんで僕が知ってると思ったんですか?」
「だって今あなたが手に持っている本と同じ作者が書いていますから」
「そうだったんですか、その本気になってはいたんですけど、まだ見れていなかったので知らなかったです」
「仕方ないですよ、あまりこっちはそっちの本に比べて知名度低いですから」
「でもあなたの持ってる赤の花もあまり知ってる人がいなくて、その本とても良いですよね!」
「はい、特に主人公が推理する時の過程で普通なら絶対気づかないような細かいことも考えてるのが良いんですよね!」
「分かります!」
それから僕たちは気づかないうちに随分と長い時間話したけど、不思議と短く感じた、
「じゃあ、私はそろそろ行くので、その前にお名前を伺ってもよろしいですか?」
「千秋無一と申します」
「私は、菅野下蒼です、一様連絡先も交換しましょ、同士としてもう少しまた話したいので」
「分かりました!また話しましょ!」
「ではさようなら!」
「さようなら!」
良い子だったな、ていうか今までで初なのではないだろうか、真美さん以外で連絡先交換したの、ちょっと嬉しいな。てちょっと待って、今の時間は、6時30分、って30分!?思ったより時間やばいな、これ7時に間に合うか!?