第2話
よし、リアタイの時間には間に合いそうだな〜大好きなアニメは絶対にリアタイをしたい、それは僕だけだろうか。
気づくとバイト先から出て30分ほど経っていた、今は住んでいる所のすぐ近くの住宅街を歩いているがあまり人通りが少ないから静かな場所が好きな僕に取ったらとても良い場所に住んだなと思う。しかし、今日は違った、絶対にここにいるような人じゃない人がすぐそこの電柱に座り込んでいるというとても奇妙なことが起こっていた。でもあまりにも自然に座り込んでいるからその時はあまり奇妙に感じられなかった、逆に自分らしくもなく話しかけようと思ってしまう、まるで太陽の陰に引き摺り込まれるように。
「あの、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。」
大丈夫だったら普通こんな人通りが少ない道の電柱になんて座り込まないと思うんですけど。
今目の前にいるのは天川瞳、うちの高校で成績1位、女子の中で身体能力テストも一位、さらに性格も良くてとても容姿端麗ときてとても友達も多い、こんな全てが揃った状態の人が、こんな場所にいるのが奇妙で仕方がない。
「こんな所にいたら、危ないですし、すぐに離れることをおすすめします。」
「そんなこと言ったらあなただって。」
「僕はこの辺に住んでいるので。」
「じゃあなんでこんな所に住んでるんですか?」
「ここ人通りが少ないから家賃も安いんですよ、一人暮らしをしてる身にしたら最高の場所でして。」
「そんな歳でもう一人暮らししてるんですか!?凄いですね。」
「とりあえず、もう夜も遅いので帰った方がいいですよ。」
「今帰る所がなくて、」
「友達の家とかに泊めてもらうのはどうですか?」
「それはダメです!」
「すいません、気を悪くさせたのなら謝ります。」
彼女の声はとても緊迫感が伝わってきた、声は震え、少し怒鳴るように、そんな喋り方だった、でも大体帰る所の話題からそんな感じになっていた、何か話しにくい事情でもあるのだろうか?
「すいません、もし良かったらなんですけど、今日1日泊めてもらえませんか?」
「え、えぇぇぇぇ!?そんな見ず知らずの人、それに男性に泊めてもらうなんてよくないですよ!」
正直何考えてるんだこの人はって思った。だって普通泊めてくださいなんで言うか?見ず知らずの他人、しかも男性に、本当にいいのかな?まあ、もう本当に僕しか当てが無さそうだしな、仕方ないよね。
「泊めてもらえればなんでもします!だから、だから!どうか泊めてください!」
とても必死だった、目は少し潤み、声には必死さがとてもよくのっていた。そんな人を、見過ごすわけにもいかず、
「分かりました、でもなんでもはしなくていいです、でも本当にもう大丈夫になって、帰る場所ができたら、帰ってください、1日だけとは言わないので、僕の家を帰る場所にしてはいけないですよ。」
なるべく安心するように言うよう心がけたが大丈夫だろうか、まあ、家に一人来ても全然大丈夫だろうし。
「じゃあこっちです。」
「本当にありがとうございます!」
「いえいえ」