第23話
*ガチャリ*
「ふぅ~ただいま~」
「…」
「いっぱい食べたねあやちゃん」
「うん」
まあいろいろあってこの後天川さんに会いに行かなきゃいけないんだけど…
♦♦♦
「じゃあ食べ終わったら外で待っててね、シフト20時に終わるから」
「ごめんそれは無理だ、あやちゃん今日から一週間諸事情でさ家で預かることになっちゃっててあやちゃんまだ家の場所も分からないと思うし、それに中学2年生の女子をこんな夜道に一人で帰らせるわけにもいかないしね!」
「お兄ちゃん…」
「あっあっあっ預かる!?」
「千秋君いま一人暮らしだよね!?従妹とはいえダメでしょ!?」
「そうかな?」
「そうでしょうか?」
「もしなにかあったら…」
「従妹でもしもはありえませんよ!」
「そうだよ、あやちゃんの言う通りありえないよ」
「まあそれもそうだよね…」
☆☆☆
(なにこの気持ち、なんでか胸がむかむかする…)
☆☆☆
「じゃああやちゃんを送ったら会いに行くよ、それでいいよね?」
「うん…」
「…」
♦♦♦
「じゃあ僕天川さんのとこ行ってくるから何かあったら連絡してね」
「わかった…」
「行ってきます」
「…」
♢♢♢
今までで食べ終った店からいったん帰って友達迎えに行くなんてことなかったな、ていうかあるほうがおかしいか?今は19時58分ぎり間に合ったか。それにしても店の近くにこんないい眺めの公園があるなんて。
「おまたせ千秋君、待った?」
「いやっていうかまだギリギリシフトの時間じゃないの?」
「店長に事情話したら許してくれた!てへ」
いやてへっじゃないよ!ていうか店長さん何してるんですか!?
「まあそんなことはどうでもいいの、じゃっ説明して?」
「はい…」
だから最近圧強くないですか、天川さん、怖いですって。
「まあ簡単に説明すると…」
♢♢♢
「なるほどね~じゃあ君は私に嘘をついてったってことになるね」
「そういうことになりますね…」
いやそんなにっこりしてるけど怖すぎますって。
「万死に値するね」
「万死!?」
「君の罪は二つ、一つ目は私に嘘をついたこと、もう一つはあんなにクラスで関わりたくないって言っておいて菅野下さんとはあんなに学校でなかよさそうにして不公平なこと」
*コツ、コツ…*
彼女の砂利を踏む足音が静まり返った夜の公園の中に響き渡る。
その音は規則的なリズムを刻み、僕の心を緊張感で包んでいく。
僕の心音が早くなっていくのが感じられる。その気迫に僕も後ずさるしかなかった。
なんでいきなりそんなに近づいてくるんですか天川さん?
*コツ*
なんでこんな時に後ろに木があるんだよ!?
一メートルも満たない距離にまで接近した彼女がまるで獲物を捕まえたようなまなざしで見つめながらさらに近づいてくる。
もう体の隅から隅まで動かせそうにない、まるで金縛りにでもあっているようだ。その感覚が怖くて僕は目をつむった。
*ぴしっ*
「え?…」
急な出来事に僕の脳内CPUはついていけず完全に思考が一時停止する
「これで許してあげる…」
デコピンを食らった僕のおでこが赤くなり少しずつ痛みを覚える。
「何か言ってよ…」
「顔赤くなってるよ」
「第一声でそれ言う?」
「なんか思考が働かなくて」
「顔赤くさせたの君のせいじゃん…」
「何か言いった?」
「何でもない!!もう帰るよ!!」
「ちょっと待ってよ~」
今日はそれ以降思考が働かないままその時に取り残されるような感覚のまま帰路を歩いていった。
☆☆☆
「なんであんなことしたの!?私のバカ!でも千秋君の顔近くで見れてよかったな~って違う!!」




