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哲学陰キャぼっちの光陰ヒロイン記  作者: ナトリム
第一章 優しさとは
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第9話

 「出るの遅いよ〜」


 「ごめん、天川さん、それにしても今日はどうしたの?」


 「いや、今日もしっかりご飯食べてない赤崎くんのために料理のお裾分けに来ました!」


 「…ぷぷ…」


 得意気に言う天川さんに僕は少しおかしくなって笑いが溢れ出した。

 

 「何で笑ってるのかな〜?」


 「いや、ごめん、よくわからないけど面白くて…ぷふ…」


 「まあとりあえず、これ!!」


 「いいよ、受け取れないよ」


 「何で?」


 「受け取る理由がないから」


 「じゃあ助けてくれたお礼ということで」


 「僕何もしてないけど…」


 「またしらばっくれるの??赤崎くんしれっとうちのお父さんに会った時お金も渡してるでしょ、それも治療費の半分以上」


 「あーあー知らない知らない〜僕じゃないです〜あとそのお礼だとしたなら対価少ないでしょ」


 「ごめんこのくらいしか思いつかなくて、それとも、体が目当て〜?えっちぃなぁ〜」


 揶揄うように彼女は言う、それもとても楽しそうに


 「ごめんけど、そういうことには興味ないですから」


 「え!?凄い!!笑ってからの切り返しが急すぎでしょ」


 「ていうか会ったばかりと全然話し方とか色々違くない?」


 「なんか、いつも色んな人にさ、取り繕ってるから全部曝け出した君には素のままでいたい、ずっと隠しっぱなしだと辛いしね…」


 どこか、儚げそうで、美しくもあり、何より辛そうだった、だからかな?こんな言葉をかけたのは


 「まえゴミ箱になってって言ったけどそれくらいならなってあげるよ、このくらいの普通の会話ならできると思うし」


 「何急に!?でもありがとう」


 彼女の方は少し朱色で染まっていた、え、何で?そんな照れるようなことを言っただろうか?それからは少し気まずくて無言の時間が数分間流れた。


 「じゃ、じゃあこれからもよろしくね私の心のゴミ箱くん」


 「いや、せめてゴミ箱っていう名前変えなよ」


 「じゃあ何が良いの考えてきて〜また料理私に行く予定だから〜」


 そう言って去っていく、だが僕はまだ知らないのだ、彼女の隠し事は終わっていないことに、そしてその問題から色んなことを考えることになることに…


 ♢♢♢

 

 「完全にやらかした…」


 説明しよう!何故今僕が後悔しているかを!!それは簡単な話!昨日天川さんが来た時にストーキングした理由を聞くのを忘れていたからだ!!(心の声)


「また来た時に聞くか」 


 「どうしたんですか?千秋君」


 「ああちょっとないろいろあって」


 「ふむふむ、いろいろあったんですか〜」


 「ってびっくりさせるなよ菅野下!!っていうか何でここにいる、通学路じゃないだろ」


 「一緒に学校行こうかなと思いまして、家から千秋君の家との距離を計算してギリギリ学校に着く時間を考えたらこの時間に家を出ると思ったので」


 「そこまでして僕と行きたいか?」


 「ええ、もちろんです!君しか友達いないので!」


 「どうして友達作らないんだ?普通の格好して学校に行けばすぐ友達できると思うが」


 「家の事情と、単に学校でワイワイしてる人たちあまり好きじゃないので」


 「なるほど…」


 好きじゃない理由を聞こうと思ったが、何となく聞かない方が良さそうな気がしたので聞かなかった


 「じゃ、今日も学校頑張りましょう!!」


 「頑張りたいと思えないがな…」


 ♢♢♢

 

 学校に着くと、静かだった、ただその一言しか出てこない、いつもはもっとうるさいはずだ、まあこの方が個人的には良いんだが、この違和感の正体はいつものカーストトップ組が誰一人いないからだろう、珍しいな、何かあったのだろうか。


 そこで僕のスマホが鳴る、夕陽からの通知だ。


 【無っちゃん、ちょっと屋上来てくれ、頼む】


 「悪い菅野下、野暮用できたからちょっと席外すな」


 「うん…」


 ♢♢♢


 「夕陽、学校で僕を君から呼ぶってことは、何か大事なことだろうな?」


 「ああ、お前が目立ちたくないのは重々承知している、だが、今僕の高校生活が関わっていると言っても過言じゃないんだ!!」


 「わかった、話してみろ」


 「まず、最初に教室入った時変じゃなかったか?」


 「確かに変だった、お前らがいないからな」


 「そうだ、それにはちゃんと理由がある、今朝天川さんと他の女子達が喧嘩したんだ、今から大体の状況を話す。」


 「その前に確認したい、メインの喧嘩した女子っていうのは水原さんと内田さんで合ってるか?」


 「ああ、無っちゃんには敵わないな〜」


 「まず、あの二人が前からずっと何か隠してる天川さんにずっと不信感を持ってたんだ、でも昨日、我慢の限界が来たらしく、秘密を隠してる人とは仲良くなれないからと絶交したんだ」


 あの時の会話もそういうことだったのか


 「それから、ただ関わらないだけじゃなく、他の女子達も味方につけ、いじめをするようになっていった、まあまだその時までは暴力的ないじめはなかった」


 いじめ、嫌な単語だ、あの時のことを思い出す。


 「だが今日ついに水原さんが何も気にしない天川さんにムカついて手を出してしまった、それで焦ったいじめをしている女子達は教室から逃亡、天川さんは、まだ天川さんの味方陣営の女子達が保健室に連れていった、まあこんな感じだ」


 なるほどな、だがいじめをしている理由は他にも見あたる。


 それは水原達が何でもできてカーストトップの天川が前々から気に入らなかったんだろう。


 水原たちは前々からカーストトップになりたいたような発言をしていた。


 それに気づかないこいつもまだまだだな。


 これだから僕は人間が嫌いだ、人のためって言ってる人間だって結局は自分のことのために行動しているからな。


 「状況はわかった、できることはやる」


 「頼む、無っちゃん」


 さてこれからどうしたものか


 


 


 

 





 

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