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ー9話さくら
香澄お母さんの二周忌が終わった。
咲子は、産まれたばかりの「さくら」を抱いて、診療室に入った。
「お父さん。お墓にさくらと行ってきます。」
商店街や瀬川社長の尽力で、三上のカルフォルニアの墓が移設された。咲姫新乃丞桜の隣に、香澄お母さんの墓が有り、その隣に移設された。
「もう。患者さんキャンセルで来ないから。僕も行くよ。お墓も見たいし」
「良かったね~さくら。お父さんも行くって。おばあちゃんとおじいちゃんに会いに行こ」
咲子はさくらの手を持って言う。
公園に夕陽が沈み始めている。
咲子が歌い始めた。
点滅してる看板の酒屋さん
おしゃべりな主婦たち
ゆっくり散歩をするおじいちゃんと犬
伸びた影が微笑む
少しづつわかってくるんだ
大人になって なれなくて
いつまでもそばにいてほしい
変わらぬ心で
柔らかな風が吹いている
夕焼けの街を
変わるもの 変わらないもの
この胸に抱いて
この先に何が起こっても ずっと
いつまでもそばにいてほしい
変わらぬ心で
柔らかな風が吹いている
夕焼けの街を
夕焼けの街を




