たとえ貴方が『化け物』だとしても私は。
ミラ・クローバーはなに不自由なく優雅な暮らしの中で生きてきた貴族の令嬢だった。そんな彼女だが街での買い物帰り、自分とは全く正反対の存在に出会う。親に捨てられたというアルマを、ミラは家で引き取る事にした。実の姉弟のように仲睦まじく二人は成長していき、ミラが成人する歳の誕生日まで、あと一日となった。そんな時であった。アルマの正体が人間ではなく、魔族だと発覚するのは。同時に彼女は気がつく。アルマに対する自分自身の感情に。
「俺は化け物だ」
「たとえ貴方が『化け物』だとしても……、私は貴方のことが───」
「俺は化け物だ」
「たとえ貴方が『化け物』だとしても……、私は貴方のことが───」