【9話】 VS.魔龍のロウズ
お久し振りです!
2022年も宜しくお願いします!
(なんか正月どころか1月も半分終わってるんですがそれは………)
俺はライデン、ホノカ、ユキナと目配せしする。
三人とも準備万端といった良い表情を浮かべていた。
「よし、行くぞ!!」
俺は三枚目のワイドプロテクションを自ら破壊した。ついでに、動きやすいように剣も消しておく。
「クハハッ!!人間の展開した結界にしては頑丈だった。だが、底が見えたなぁ?」
ロウズは俺が結界を砕いた事に大変喜んでいる。
先程までブチギレながら結界殴ってたろ。罵詈雑言まで散々言ってた癖に。
「(なんだこいつ)」
「クハハハハ!!!さぁて、ナイトブレイク!!」
高笑いするロウズは右手に今までとは全く違うオーラを纏わせると、邪悪な翼を羽ばたかせ一直線に俺に向かってくる。
「(やはりリクト狙い…)させるか!三連斬!」
ロウズの攻撃を素早く察知したライデンは高速斬撃を放った。
ライデンの剣とロウズの拳とが激突する。
「雑魚が、小賢しい!!」
ロウズは咄嗟に左手でライデンの剣を握ると、勢いそのままライデンを瓦礫の山に向かって投げた。
「ぐっ、わあぁ!?」
「「「ライデン!!!」」」
弾き飛ばされたライデンは瓦礫の山に叩きつけられる。
俺とホノカ、ユキナは声を揃えて叫んだ。
「大、丈夫だ。僕に構うな、行けリクト!」
地味に親指を立てているライデン。俺だって皆に無茶しているというのは分かる。
だからこそ、いち早く救助対象を救出して戦線復帰しなければいけない。
「ごめんライデン。頼んだぞ!すぐ戻るから!!」
ライデンの言葉を受け、俺はロウズの相手を三人に任せた。
俺は"攻撃者Ω"の身体強化を発動させ、瓦礫の山と化した村を駆け回る。
「あ"?貴様、何処へ行くつもりだ・・・」
俺の後を追おうとしたロウズ。
だが、その前にフレイムランスと構えたホノカと、アイスハンマーを構えたユキナが立ちはだかった。
「ッチ。なんだ貴様ら。貴様らも無様に散った者共と同じ目に合いたいのか?」
「リクトの邪魔はさせないわ!」
「ロウズ、リベンジマッチよ!!」
「ほぅ・・・」
憤怒と殺意の眼差しを受け、ロウズは嬉々とした表情を浮かべた。
◇
村の中心でライデン、ホノカ、ユキナvsロウズという構図が出来上がった頃。
俺は自動解析を使いながら瓦礫の上を走り回っていた。
しかし、3分もしないで問題が発生。
「(ヤバイ、足裏が痛過ぎる!)」
だが、足場が常に不安定。かつ、鋭い突起物が転がっているので足の裏が痛くなってきた。
当たり前だ。今の俺の姿は上から下まで全て部屋着。
ゲームとかによくある装備アイテムを着用してる訳ではないのだ。
我ながらなんてアホな事をしているのだ。
「(あーあ、こりゃ靴も足も駄目になりそうだ・・・っ!?反応が出た!?)」
突然、オートアナライズが反応を検知し通知音を鳴らす。
解析結果によると、どうやらこの周囲に二人いるようだ。
「(何処だ?何処にいる?)」
"創造の手"の『有機物、無機物の生成、管理、消去』のうちの消去を利用し、俺は丁寧に瓦礫を取り除く。
暫くすると、道着のような服の一部と白色のパーカーが見えてきた。
「あ、見つけtーー」
ようやく見つけた。安堵の声を出そうとした瞬間、その声は喉の途中でつっかえた。
「うっ!?」
生まれて初めて人が生き埋めにされている姿を見て、俺は一瞬吐き気を催した。
しかし、気持ち悪くなる暇なんて無い。急いで救出しよう!
「急げ急げ……!っと!よし、とりあえず瓦礫から出せた」
瓦礫から出てきたのは、道着姿の茶髪の青年と、白パーカーを着た紫髪の女の子だった。
「この二人が、ユキナの言ってた友達か?しかし、どんだけ酷いことされたんだ。意識は失ってそうだが、呼吸は?脈は?・・・・・はぁ、息はしてる!(一応やっておこう。頼むぞ自動解析!)」
かなり細いが、息をしているのは確認できた。
しかし。一応、念のために解析をかけておく。
(※大丈夫、変な所まで見ませんから)
5秒も経たないうちに、解析完了の通知音が鳴った。
「(来たっ!・・・何だって?怪我は酷いけど命に別状はなし?)はぁ、、良かった……!」
二人の安否が解ったので、先ずはボロボロの身体を回復させよう。
「ゲームとかだとフル・ヒールでも良さそうだけど、ここは現実。一気に回復させると、それこそ二人の体に負担がかかりそうだよな?ユキナの時同様、今回も頼むぞ……!ヒーリングエリア!」
俺はヒーリングエリアを仕様した。
その後すぐにライトウォールにて目の前の二人を保護した。
さて、一気に二人も見つけれて良かったところではあるが、まだ一人、この村の村長が残っている。
「っ、、、っ・・・・・」
「んぐ、ぅぅぅ、、、はぁ・・・・・」
二人は最初こそ苦しそうにしていたが、次第に容態は安定してきた。
「っっ、ん?ここは、どこだ?」
「ぅ、うん?あ、れ?ユキ、ナは?」
やった、目を覚ました!!
俺はほっと一息つき、胸を撫で下ろした。
「気がついた?」
「誰だ!」
俺の声に反応した青年は即座に意識を覚醒させると、ガバッと起き上がった。
「っ!!? 痛っ!!」
「!?ちょちょちょ、無理しないで!!」
俺は大慌てで青年を宥めた。
「あれ、ヒビキ。もしかして、ここは天国?そっか。うちら死んだんだ・・・」
どうやら少女は死んだと勘違いしているらしい。
どこか悔しそうで、どこか切ない。まるで全てを諦めたかのような表情に俺の心はぎゅっと握られたように痛くなった。
「・・・なぁルナ。死んでも痛みって感じるんだな」
「だね。ちょっと驚いたわ」
突然何を言い出す!
まさか、目の前にいるのに俺の姿がわからないのか!?
「いや、二人とも生きてるよ」
「「は!!??」」
いや、そんなに驚かんでも(デジャブ)。
仰天されたので、俺はざっくりとだが二人に事の経緯を話した。
「という訳で二人を見つけたんだ」
「成程、あんたに助けられたのか。俺はヒビキだ。リクト、ありがとな」
「うちはルナだよ。助けてくれてありがとう」
二人はペコリと頭を下げた。
「ど、どういたしまして」
「リクトの話だと、あの化け物はまだ村にいるんだな?」
「あぁ。ライデンとホノカ、ユキナの三人が足止めしているよ」
「何だと!?」
ヒビキは目を見開いた。
「ちょっと待て。それは本当か?」
「うん。三人が足止めしてくれてる間に俺は君達を救出し、後は四人でアイツを撃退するって作戦でーー」
「ヤバイよリクト!」
ルナは俺の話を遮った。
「ダメ!アイツの事嘗め過ぎだよ!!」
「あぁ!アイツは、化け物だ。リクト、この結界を解いてくれ!今すぐ三人の元へ急ぐんだ!!」
二人は大慌てである。
俺は言われるがままライトウォールを解いた。
するとその瞬間、耳がひき契れる程の酷い爆音が聞こえた。
「っ、マズイ!」
「急ごう!!」
「(なんだろう、この嫌な胸騒ぎのデジャブ感は・・・)っっ、行こう!」
村長さん、申し訳ない!
俺は心で何度もこの村の村長に誤りながら、ヒビキとルナと爆心地へ向かった。
「ククク、クハハッ、クハハハハ!少々遅かったな、人間!」
爆心地と思われる場所に到着すると、禍々しいオーラと共にロウズは飛び上がった。
得意気な顔のロウズの真下に広がっていた光景。
それは、ライデン、ホノカ、ユキナが息絶え絶えのボロボロの状態で倒れている光景だった。
「ライデン!!ホノカ!!ユキナ!!」
俺は無我夢中に駆け出す。
一秒でも早く、三人を助けないと!!
「待てリクト!」
「危ないよ!!」
ヒビキとルナは必死に俺を静止させる為叫ぶが、最早そんな声は俺の耳まで届かなかった。
「おおっと?クックック、貴様の煩わしい回復を許す程我は甘くねぇんだよ!!アクアブレイク!!」
「っっ!??」
ヒビキとルナを探し始めた時から武器無しで行動していたツケ。まさかソレがここで回ってくるとは・・・
右脇腹を殴られた。
「ぐあぁぁぁぁ!?」
まぁ。正直な所、"守護者Ω"の防御補正のお陰で致命傷にならずに済んだ。
相当な奇跡ではあるが。
「ほぅ、見た目以上に硬いな」
「ぐっ、、、お、お前が、みんなを?」
「そうだと言ったら?」
ゴミを見るような目で嘲笑うロウズ。
前々から抑えていた内なる怒りが、遂に限界値を越えた。
「・・・ヒビキ、ルナ。ライデン達をお願い」
「落ち着け!一人で何する気だ」
「・・・ぃ、・・ない、・さない、許さない!許さない!!!」
「止まってリクト!」
周囲の声が届かないくらい、俺は冷静でいられなかった。
「クソっ、ルナ。ひとまず俺達はライデン達を安全な所へ連れて行くぞ」
「・・・うん」
冷静でいられないとはいえ、むやみやたらに攻撃して倒せる相手でないと解っている。
俺は即座に"創造の手"で剣を再生成する。
身体強化はそのままに、ロウズへ突っ込む。
「(胸の高鳴りが止まらない!これ程までの高揚感・・・!)クハッ、クハハッ!待っていたぞ!!貴様との戦いを!」
「この、野郎っ!シャイニング、スラッシュ!!」
初撃のシャイニングスラッシュは左手のモヤがかかった拳とぶつかり合った。
「ぬぅっ!(何、我と互角か…!ならば)」
「させねぇよ!!」
剣を掴んでのぶん投げ攻撃は既に見ている。
なので、回避は"easy"だ。
「ヒストリークラッーーー!?(んな!?剣が消えた!?)」
「同じ手に二回も引っ掛かるバカが何処にいるんだ、よっ!!」
奴が魔力を吸収する時は決まって右手を使う。
ならば、その特徴を利用してやる!
「シャインバースト!!」
俺はロウズの右足目掛けて光のバースト魔法を放った。
それは見事に命中し、ロウズはバランスを崩した。
「んなァ!?」
「(全部が全部ゲームや漫画とかの見様見真似だけど、"創造の手"達のお陰で何でも出来ちゃう、かもね)おらっ、もっかい食らえ!!!」
すかさず剣を生成し直してシャイニングスラッシュ放つ。
「ガッ!?グウゥゥ!!!」
どんなもんだ!
ロウズの両翼に直撃させてやったぜ!
「やったか?」
「っっっ、痛ってぇなあぁぁぁァァァァァァ!!!!!」
態勢を崩したと思いきや、ロウズは咆哮を上げ、ドス黒く禍々しいオーラを放った。
そのオーラを全身で浴びた俺は一気に冷静になり、気付けば体が恐怖で震えていた。
「ハハハ、魔龍覇気の味はどうだ?」
「くっ、、そ、、」
「貴様の一撃はかなり堪えたぞ?だが、もうその勢いも無くなったようだ、なぁ!!!」
ロウズのスキルの能力、超怪力の影響だろうか。
俺は頭を鷲掴みにされ強く握られる(辛うじて無事なのは"守護者Ω"のお陰)。
「精々もがき、苦しむがよい!ヒストリークラッシュ!!!」
「っがあぁぁぁぁ!!」
俺は全身が地面に打ち付けられた。
その後で、ロウズは俺を広いあげ、思い切りぶん投げる。
「お返しだ。死ねぇぇぇぇ!!!!」
俺の体はヒビキとルナ達のいる真横を通過し、更にその後ろにあった瓦礫の山に衝突した。
「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
骨折れたんとちゃうか?ってぐらい全身が痛い。
でもギリッギリで無事なのは"守護者Ω"のお陰だ。逆にあれか?
どんなに食らっても死なないと考えたら相当な地獄だ。
いや、死んでも意味合いは地獄だから、逃げ場なんて、どこにも無い、、、
「ほぉ、まだくたばらないか」
ロウズは瓦礫にめり込む俺をまじまじと見ると、ニヘラ、と不敵な笑みを浮かべた。
「こいつら、邪魔だな。リバース・シャドウ!!」
「ぐっ!?」
「ヴっ!?」
此方に向かって歩くロウズは、徐に左手を上げたと思えばヒビキとルナにモヤ攻撃を当てた。
「ヒビキ、ル、ナ(クソ、オートヒーラーが、間に、合わない・・・!)ゲフッ」
17歳の夏、初めての吐血。
まさか異世界に来て、しかもその当日にこんなに血を吐き出すとは。
「その無駄な生命力を称え、貴様にも我が奥義を見せてやろう」
ロウズはクハハッと嗤うと、右手を掲げ、大気の魔力を吸い始めた。
「(・・・今度こそ、今度こそ俺は死ぬのか?ライデン、ホノカ、ユキナ、ヒビキ、ルナ、、、。みんな、守、れなくて、、、ごめん)」
「死ね!究極破滅吸収ーーー
時間がゆっくりと鈍感していく。
俺の17年弱の生きてきた出来事や思い出がまるで映像のようにフラッシュバックする。
あぁ、これが走馬灯ってやつか・・・
たった17年。されど17年。本当、色々あったな。
幼馴染みの勇気や健斗と馬鹿みたいにはしゃいだり、学校で沢山笑って、走って、泣いて、また笑って。
色んな事を思い出したが、最後には後悔だけが溢れ出てくる。
やりきれない思いに耐えられず、俺はまた血を吐いた。
お父さん、お母さん、優梨。貴方達を置いて、俺はあの世へ旅立ちそうです。本当に、ごめんなさいなさい。
そして、ごめん兄ちゃん。俺、約束、守れなかったよ、、、、、
次回、10話 逆転勝利
・・・・・ん?
兄ちゃん!!?
この話も11/28から始まった修正という名の魔改造を終えた後です。
設定ミスやら抜け落ち、誤字脱字等々、取れて良いカンジになったと思います。
・・・はい。
---次回に続く---