【81話】 クロガネ炭鉱での戦い2
いや別に、マツケンサンバ2から今回のサブタイトルの着想得た訳じゃないですよ?
リクト「???」
前書き後書き空間の一同『『????』』
読者の皆様『『?????』』
作者「???」
リクト「いや、お前は首横に曲げんなや」
僕「へっへっへー。ごめんなさい」
ライデン「急に『スンッ』ってならないでよ」
ヒビキ「……w」(失笑)
Q.前回の前書きみたいな馬鹿話はないんですか?
A.今回は無い!!
めんどくさいのでナシで。
一同『『めんどくさい言うなー!!』』
僕「言うなナッシー」
一同『『???』』
僕「すんませんでした」
まさか、全員から冷たい視線を向けられるとは思わなんだ♨️
はい。すみませんでした。(この男、多分またやる。その時はすみません。)
「さて、最下層まであと少しだ。ホノカ、ユキナ、それにアリスさん。
君達が暗がり苦手なのは嫌と言う程解るが、ここは炭鉱なんだ。すまないが、顔に出すのは我慢してくれ」
「「「すみません……」」」
ぴったりくっついて恐る恐る歩く三人を見て、やれやれと頬をかくホォリィさん。
「まぁ、暗がりを嫌うのはおいらもよーく解るよぉ?暗いのは精神衛生上良くないもんねぇ~」
「だからってサボらせませんからね?」
にへら~と笑うテンメイさんを睨むキララさん。
それをまぁまぁと宥めるウィズさん。
「グェア、グェアァ!!(訳:食らえ、ホワイトミストぉ!!)」
突然、フレイムタートルの鳴き声が聞こえた。
それと同時に、周囲が白煙に包まれた。
「ひゃあぁ!?」
「え、煙幕!?」
「(やれやれ………)」
「これは……!」
「真っ白だねぇ」
「はっ、はわわわわ!?!?」
「今の声、フレイムタートル!?」
突然視界が奪われ、動揺するホノカとユキナ。そして炭鉱職員達。
おーいライデンさぁん。呆れ顔で二人の事を見ないであげて?
(※リクト、ヒビキ、ルナは視認性向上のお陰で丸見え)
「(っ、バフリセットの煙・・・まだ、誰も能力を引き上げてなくて良かった……)ユキナ、ホノカ、落ち着きなさい。それに皆さんも、そこから動かないで!結晶散舞!!」
「グエッ、グッ、ガッ、グエェェェ!!(訳:あっ、ちょ、痛っ、やめろぉぉぉ!!)」
フユさんは慌てる一同を宥めると、氷の結晶を周囲に振り撒き煙をかき消した。
「あら、一匹相手に過剰だったかしら?」
「「っ!!」」
「ッ、グェア!グッグェアェア!!(訳:っ、許さん!みんな、出てこいやぁ!!)」
フユさんに煽られたフレイムタートルは、大きな大きな奇声を上げた。
すると、スロープの奥から沢山のモンスターが押し寄せてきた。
幸いにも、ヤツの姿はない。嬉しい!!!
「ボッ、ボボウボウボウ!!(訳:おぅ、任せてちょんまげ!!)」
「ボボボーボ!!(訳:暴れるぜーい!!)」
「ギャモギャ、ギャギャギャンモ!(訳:ヘイヘェイ、遊ぼうぜ!)」
「ちょっとフユ!なに挑発してるのよ!!」
「(しまった。いつものクセが出てしまった…!)っ、ごめん!」
モミさんにどやされ、冷や汗を浮かべたフユさん。
その横であちゃーと頭を抱えるスーノさんとユキナ。
ちょいちょい二人とも!そんなリアクションしてる場合じゃないって!!
「ヘドードドッヘド!ヘドドドッ!!(訳:俺が先制攻撃!死息!!)」
群れの中の一匹のヘドドンがくっせぇブレス攻撃を放ってきやがった。
それを見たピノは、いち早くヘドドンのブレスに応戦した。
「ピェっ!?り、リクト、結界お願い!熱風!!」
「はいよ、ワイドプロテクション!」
俺の結界が周囲を囲うのと同時に、ヘドドンのドブのような息とピノの羽ばたきからの熱波がぶつかり合った。
速報。は、鼻が、もげそうです。
「う"っ、わ、我は望む。熱波の渦で我を守り、敵を捕縛せよ。ケホッ、く、臭いのをあっちに流して!フレイムウォール!!」
「けほけほっ!う"、こ、氷よ、集いて渦巻き、我が敵を捕らえよ!けほっ、む、無理!!いけっ、スノウストーム!!」
ラゴンとユキナは噎せながらも何とか魔法の詠唱を完了させ、熱と氷の渦を生成、ピノに加勢した。
何せ、声が裏返る程だからなぁ。後で労ってあげないと・・・
「(おぉ、群れの大半が臭いで気絶した!)モミも追撃いくわよ!おいで、プラントウィップ!」
モミさんは、生やした木の根で弱ったモンスター諸共モンスターの群れをそれそれそれーっと蹴散らした。
「っ、モミの包囲網から抜け出した!?みんな!そっち頼むわよ!」
「ギャ!ギャンモギャンモ!ギャンギャンモ!(訳:脱出!そして余所見はよくないね!ベノムウォール!!)」
「ボーボボウ!!(訳:燃える監獄!!)」
「ボウボボウ!!(訳:火炎体当たり!!)」
モミさんのプラントウィップを掻い潜ったクロヤモリは紫の毒々しい液体を散布し、ミースーAは俺達の足元全体に魔法陣を生成。
ミースーBは燃える身体で突進してきた。
「(自分のミスは責任持って自分で片付けたいけど……)
っ、ごめんなさい!真ん中のミースーはアタシに任せてみんなは他を!………クイック・グランドアイス!!」
フユさんは左手に分厚い本を構えながら右手をグッと前に突きだした。
そうして、二つの魔法陣を生成し、極寒の氷二つ、ミースーAにくれてやった。
「ッボ、ボッ!?(訳:嘘、だろォ!?)」
俺達の足元に魔法陣を生成していたあのミースー。
技が決まるその直前に、フユさんに凍結されちゃった。
「(範囲攻撃じゃなさそうだってのに、なんちゅー威力だよ……)ホノカ、クロヤモリに応戦頼む!ライデンはミースーを向かい撃って!
でもって俺はヒーリングエリア展開だっ」
「任せて!ファイアインパクト!!!」
ホノカの放った三本の矢はクロヤモリの放った毒を消し飛ばした。
「ギャモ。……モギャモ!(訳:ヌッ。……もう一発!)」
「させませんっ、P・ウォール!!」
クロヤモリはもう一度毒を放ったが、ラゴンはその全てを防ぎきった。
「・・・よしっ」
「ナイスっ!」
「ギャギャンモ……(訳:厄介な……)」
「ボウボボボ!!!!(訳:そこ貰った!!!!)」
「!?」
ほんの一瞬瞬きしただけだってのに、ミースーBは俺の目の前まで迫っていた。
(マジか!間に合わねぇ)メタルプrーー」
あの速度でこの距離まで到達してるんだから、"創造の手"で武器を出そうにもとても間に合わない。
やむを得ず、防御バフのメタルプロテクトで乗りきろうとした。(※防御を1.5倍上昇させる)
が・・・
「ッチ、我牙流水斬-時雨-!そらっ、ライデン!!」
「ッボボウボ……。ボ、ボウ!?(訳:っ、痛たたた……。え、浮いてる!?)」
その刹那、ヒビキはとんでもない速度でミースーBを斬り上げた。
そうして、ライデンは宙を舞う燃える炭をーー
「任、せろ!極・一閃!!」
「ボッ!?・・・・・(訳:折れたッ!?・・・・・)」
ぶった斬った。
「ギャッ、ギャギャンモ!(訳:グッ、フレイムダンス!)」
斬られたミースーを横目に、先程毒を消し飛ばされたクロヤモリは、頭上と背中、そして両腕の赤紫の炎を激しく燃やしながら踊った。
そんなしつこいクロヤモリを目に、モミさんは苛立ちの氷結右ストレートを放った。
「しつこいわね!フロストナックル!」
「ギャモッ!?(訳:なんだとッ!?)」
自身の炎で氷を燃やしきれない事に驚いたクロヤモリ。
「かーらーのー、アイスストライク!!」
「グギャッ(訳:グウッ)」
やつが見せたその一瞬の隙に、モミさんの強烈な蹴りが炸裂!!
即興にしては出来すぎな盤面を見て、俺はチャージ中のルナにGoサインを出した。
「よぅし今だルナ!!やっちまえ!」
「おっけーい!!待ってたよ、この瞬間をっ!会心魔弾!!!」
「ギャモ!?(訳:なっ!?)」
「ドッヘ!?(訳:何が!?)」
「グェア!?(訳:起きたんだ!?)」
BAN!!BAN!!BAN!!と轟音を響かせながら放たれた銃弾は、クロヤモリやヘドドン、フレイムタートルら、モンスター共の頭を撃ち抜いた。
「へっへーん!必殺技を使わなくたってうちは強いんだ!!」
と、元気に消滅しゆく死骸にマウントを取るルナ。
「おいおい、何してんだ、、よ、、、? っ!!?」
『『っ!!??』』
瞬間、俺達は全員膝から崩れ落ちた。
視界が歪み、くらくらする。
それに、まるで高熱を出した時のような寒気がする。
更に、なんか、神経痛?のような痛みが全身を襲う………
「があぁっ!?う"ぅ"、なんだ、これ……」
「毒……!?な、何故、毒が回ってるんだ?」
ライデン。いま何て言った!?
「ギャン、ギャンモォ……!(訳:ザマァ、お前らは拙者の毒で死ぬ定めだァ……!)」
「ンピェ、あ、あんた……!」
壊滅させた群れの中から、一匹のクロヤモリが倒れたままほくそ笑んだ。
「ギャッ、ギャギャギャンモ、ギャンギャ(訳:そこの女、お前がかき消した拙者の炎は、かき消した所で効果は消えぬ)」
「ホノカがファイアインパクトで毒をかき消した所で消えない!?」
「う、嘘、、、でしょ!?」
ピノの翻訳を聞いたホノカは、悔しそうにクロヤモリを睨んだ。
「かき消した所で、ということは……。僕のP・ウォールでも、、防ぎ、切れなかったの、、、でしょう、、か」
うぐぐ、と唸りながら辛そうに体勢を維持するラゴンを尻目に、更に不快な笑みを浮かべるクロヤモリ。
「ギャッツ、ギャンギャン、ギャギャンモギャンモ(訳:拙者ら、クロヤモリの生態を、侮ったお前らの負けだ)」
血を吐きながら嗤うクロヤモリ。
毒が回り続け、もぅヒーリングエリアの回復でも間に合わない。最早ここまでなのか。
と、思っていたのか?
「我が願い、聞き届けたまえ。人魔の秩序を乱す穢れた者共に対抗する力を我らに与えたまえ。
・・・・・し、神聖魔法:天の福音……!」
か細い声での詠唱だったが、スーノさん祈りが天に届いた。
まるで俺達の戦いを祝福するかのようなきらびやかな鐘が天井スレスレに出現し、耳が幸せになるような音色を奏でた。
「もしかして、私達の事、毒殺できると思ってました?残念。私の神聖魔法により全員の体力魔力、状態異常すら全回復です。
そちらこそ、私達の事を侮らないでいただきたいです」
スーノさんは徐に立ち上がると、埃をポンポンと払うかのように自身の肩を叩いた。
そうして、真顔で、フユさんに負けず劣らずの冷たい眼差しでクロヤモリを見下ろした。(※フユさんに失礼)
「ギャモモギャ、モギャギャンモ?(訳:体力も魔力も、状態異常さえ全回復だと?)」
「えぇ。ですから、貴方の最期の悪あがきも通用しません。
さよなら、クロヤモリさん。所詮、貴方達は私達の掌の上なのです」
両膝を床につけたスーノさんは、崩れ消えゆくクロヤモリに対し、祈るようにそう言った。
「ギャ、ギャモ……(訳:む、無念……)」
「………はぁ、間に合ってよかった」
クロヤモリらモンスターの殲滅を確認したスーノさんは、立ち上がった。かと思いきや、凄い速度で崩れ落ちた。
「ふふ、流石スーノね」
「タイミングバッチリじゃない!」
「い、いえーい」
炭鉱/山脈に生息するモンスターの中でも、クロヤモリは特に陰湿なモンスターだ。(※73話後書き参照)
クロヤモリの身体の内側から生成される赤紫の炎には、人魔の体内の水分と塩分を余分に奪う性質がある。
普段からそんなゲキブツを全身に纏っているクロヤモリは、それを沢山、至る所に撒き散らしてじわりじわりと獲物を衰弱させてから、補食する。
『デッド・エンド・プリズン』、だったかな?
クロヤモリが何かしらの行動をする度に、死へのカウントが進む恐ろしい技。
しかもアレ、事前に防ぎようがなく、かといって"創造の手"でチマチマ毒を取り除こうにも、取り巻きのモンスターや、毒の主がそれを許さない。
だから、罠にかかった風に見せる必要があったんですねぇ。
解析した時にも注意書きが載っていたし、昨日のCチームの時や、それこそ、ついさっきここまで下りる途中でも確認しあった。
だから、俺達が、アイツに負けるわけが、無いんだなぁこれが(笑)
※ウザ……
「ハッハッハ、どーんなもんだい♪」
「キシャァ!(訳:やぁこんにちは!)」
「ヒュッ」
『『あっ』』
いやあぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!!!!!!
※『ヘドドンの近くにデスパイダーあり』(74話後書きより)
◇
「ハァ、ハァ、ま、まだ心臓がバクバクしてる………」
う"ぅ"っ、キララさんからの視線が突き刺さる・・・
スーノさん、ピノ。そしてユーカさんからの不安そうな視線もむちゃくちゃ痛い。
「あの。いい加減にしてくれませんか?」
「すみません。本当、すみません……」
キララさんの言葉はごもっともである。
ただ、もぅね?豆腐がぐっちゃぐちゃだ……。
「本当に、貴方が私の護衛だなんて、不安で仕方ありません」
「キララちゃん、もぅそれぐらいにしてあげて?リクト君も頑張ってるんだから、ね?」
「そうよ。さっきのゴーレムファイアだってさっと対処してくれたじゃない!
・・・その後すぐデスパイダーと遭遇してベソかきながら絶叫してたけど……」
「ピノ、それフォローじゃない……」
「ンピ?(すっとぼけ)」
スーノさんのフォローは嬉しい。
ただ、その優しさが今は滅茶苦茶辛い。(※めんどくさ……)
「その件に関しては、・・・とても感謝してますが。
ですが、いつまでもその調子では困ります!!
全く、どうしてギルドでチーム分けしたのに、更にそこから分割されなきゃいけないんですか……」
苛々トゲトゲ。ストレスが蓄積し過ぎて独り言がどんどんデカくなっていくキララさん。お陰で俺の胃はキリキリ。
そうです。俺達『桃色グループ』は4分割される運びとなりました。
丁度10分前かなぁ。俺が絶叫して、みんながデスパイダーを締め上げた後の話だ。
ぶぶぶーぶぶぶーと、ホォリィさんのトランシーバーが鳴り、連絡が入った。
その連絡内容だが、『当初の想定よりもモンスターが多いから、もぅ少し効率をあげてくれないか』と炭鉱ギルドのマスター、クローツさんからの依頼だった。
「4分割!?し、正気ですか?ギルマス……」
『すまないね、残念ながらボクは正気だ。優秀なホォリィ達のグループなら、普段の採掘業務と違って設備点検くらいなら一人でも問題ないだろうと考えてね。
それに、君達の護衛に着いた冒険者達は粒揃い。正直な話、ボク目線でも護衛としては過剰戦力クラスだ』
「し、しかし……」
『最下層担当は君達桃グループだけじゃないだろう?
それに、今日はボクの配下十数名もそちらに向かわせている。ノープログレムだ』
「・・・畏まりました」
『ありがとう』
「あちゃあ~聖龍。無茶振りが入っちゃったねぇ」
「あぁ。そういう事だ」
見事にクローツさんに丸めこまれた感があった。
まぁ、それもこれも炭鉱内で沢山のモンスター達が暴れているせいだが。
それの大元もメガ・ゴーレムファイア、いや、レクなんですけどぉ。(怒)
なんて事があり、更にチーム分けをした結果がこのメンバーである。
キララさん(炭鉱職員)と、スーノさん、俺、ピノ、ユーカさん。
ユーカさんは、うん。アレだ。
まだピノを監視するという大義名分があるのだろう。あと、俺のダークセイバーの件。
みんなの所はパッと見問題なさそうだったが、俺は心底不安で仕方なかった。
だって、その時からキララさん。ずーーーっと気が立っているんだもん。苛々トゲトゲ爆破寸前。
で、その不安が見事に的中しましたとさ(涙)
チキショーー!!
キララさん苛々、ピノ&スーノさんハラハラ。ユーカさんもドキドキ。
んで、原因となってもうた俺胃がキリキリ。
このグループになってから、ストレスに効く薬を"創造の手"で出してこっそり飲んだけど、それでもキツイものはキツイ。
ちょいちょい待て待て。さっき言ってた『なるようになれ!』はどうしたって?
うるせぇ!!!
今はねぇ、それどころじゃねぇんだよ………(泣)
「・・・うむぅ、ここら一帯も空調設備がやられていますか。この爪痕、アイアンサウルスの……、ハァ。
修理完了まで、15分程かかりますので、・・・。
その、はい。護衛、よろしく、お願いします……」
この魔物、もう少し素直になってくれてもいいんだけどなぁ。
なーんて事を考えていたら、キッと睨まれた。
「なにか?」
「イエ、ナニモ?」
「そうですか……。ハァ……」
「(泣きそう……)」
怖い……
そして、ポーカーフェイス出来ねぇ俺が憎い……
「それでは、私は作業に入りますので」
あの。俺、泣きそう……
「(帰りたい。もしくは消えたい………)ハ↑ハハーハ↑ー」
「ンピィ……。(これはわたしも同情するわよ)リクト。ドンマイドンマイ」
「大丈夫だよリクト君。上手くいかない日もあるよ、だからね?元気出してっ」
「不安な時こそ前を向くんでしょう?七転八起、めげずに頑張りますよ!木ノ下君!」
あーん、嬉しいよぉ!!
だけど、どうしても言わせてる感が、三人の優しさが突き刺さって………
(※超絶面倒くせぇ……)
「キィィィィィイ!!(訳:血をくれぇぇぇぇぇえ!!)」
「・・・!」
ジャイアントバットが吸血しようと飛来してきた。
俺は"創造の手"でダークセイバーを出すと、徐にヤイバを振るった。
「シャイニングスラッシュ……!」
「キィィ……(訳:何起き………)」
え、適当に光の属性斬を出しただけなんですけど。
弱点属性を当てたとはいえ、ワンパン………!?
いつぶりのワンパンだ?
(※昨日のデスパイダー達以来♨️)
「キィィィィ!!(訳:仲間の仇!!)」
「キュアァアキュイ!(訳:ナイトクローを食らえ!!)」
「アギャ!アギャギャアス!!(訳:猛突進!うおおおおおおお!!)」
ジャイアントバットが消滅したと同時に、通路の奥からジャイアントバット2匹と、アイアンサウルス一体が襲来。
「(右、右、ほいさ)」
さっ、さっ、すっ、とモンスター達の攻撃を回避。
どうやら、仲間の仇打ちらしく、俺がモンスター全員のヘイトを吸ってるみたいだ。
「アギャア、アギャギャス!!(訳:躱された、許さん許さん!!)」
「キュイキュイシィ!!(訳:今度はドレインファングだ!!)」
「キッキキィ!!(訳:もいちどナイトクロー!!)」
「いけぇ、ハイドロスラッシュ」(棒)
てい、やあ、とう、と、再度此方に向かってきたジャイアントバットBの胴体、ジャイアントバットCの爪、アイアンサウルスの顔面を、狙って斬りつけた。
「キィィィィ!!?・・・・・(訳:ドレインファングうぅぅぅぅぅ!!?・・・・・)」
「キ、キュウゥ……(訳:い、一撃でやられるなんて……)」
「ギャッ、キュウゥス……(訳:痛ったぁ、そんなぁ……)」
「(Wow……)」
このダークセイバー、凄い。
ちょっとお値高の切れ味のいいハサミで紙を切ってる時みたいに、スパスパとモンスターを斬れる。
ぶっちゃけ、昨日のメガ・ゴーレムファイア戦の報酬?の経験値では、強くなった感は微塵も感じられなかった。
※レベル高くても努力値振られてない感じ
だが、このダークセイバーのお陰で火力のリーチはかなり伸びた。
ちょっと嬉しいかも。・・・・・♪
「ピェ(出た。さっき、ゴーレムファイアを2パンしたダークセイバーの斬撃……)」
「っ…!凄ぉい、やったねリクト君!」
唖然としてるピノと、ハイタッチを求めるスーノさん。
俺はイエーイとノリノリで返したつもりだったが、スーノさんに引かれた。
「いぇーい(棒)」
「いえーい!っっ……(えーー嘘でしょーー??リクト君、どんどん目のハイライトが消えてくんだけど)」
「ふむふむ(ダークセイバーを使用して以降、彼に特段変わった様子はありません。
ですが、うーん。彼の、一度の失敗を長く引きずる癖は直りませんか………)うーん。あ、木ノ下君!!」
「キシャアァァ!!(訳:人魔発見伝!)」
ユーカさんが叫んだ瞬間、またしても、デスパイダーが現れた。しかも3匹!!!
「シャアァァァ!(訳:うひょひょーい!)」
「キシャアァァ!キシュキシュシュシィ!!(訳:エッホエッホ!ご飯の準備をしなくちゃ!!)」
全力疾走してくるデスパイダー達。
俺はべそかきながらも、的確に斬撃を命中させた。
「っ、シャイニング、スラッシュ!!!」
「「「シャアァァァ!!(訳:ぎええぇぇぇぇ!!)」」」
「ピエエェェェ!?」
「「えぇぇぇぇ!!?」」
え?まじ?倒した!?
や、やったあぁぁ!!!
ありがとうダークセイバー!
ありがとう攻撃・魔攻・速度2.5倍!
「シュシュッキシュ!(訳:よくも仲間を!)」
「「シルシュシュルー(訳:絶対許さないぞー)」」
「嘘やん………」
もう3匹出てきた☆
「「「キシャアァァ!!(訳:覚悟せぇぇ!!)」」」
「ピェ、気をつけてリクト!」
「みんなリクト君狙いよ。構えてリクト君!……あれ?」
飛びかかってくるデスパイダー。さっきの三匹まではギリッギリ耐えれていた。が、もぅ三匹は聞いてねぇです限界だ。無理無理無理無理、無理無理無理無理!!!
「ッッッ!!」
ビビり過ぎた俺は、いつしか視界が真っ黒になっていた。
※失神
「ンピャエェ!?リクト?リクトーー!?」
「気絶した!?あ、え、えーっと、ゆ、ゆゆゆ、ユーカさん、リクト君をお願いします!!」
「お、お任せください!(えぇー!?遂に苦手を越えたと思ったのにぃ)虹無き防壁っ」
ユーカは指をパチンと鳴らし、球状のドス黒い結界を生成。
虹無き防壁にて自身とリクトを包み込み、完全防御の姿勢だ。
「キシュッ!(訳:ネバネバスレッド!)」
「キシュッ!(訳:ネバネバスレッド!)」
「シャッシュシュッ(訳:ポイズンスレッド!)」
背中の髑髏模様を怪しく光らせたデスパイダー達は、それぞれネバネバベトベトの糸とシンプルに汚い毒の糸を吐いた。
「行くよピノちゃん!ヒーリングエリアっ!」
「(ピ、大技の為の時間を稼げって事ね?OK!)ンピピ!!火炎魔球!!」
ピノは熱い火の玉を3つ生成し、きったねぇ糸を燃やした。
だが、デスパイダーA、B、Cは、それを軽々回避。
「キシャァ!(訳:アイツ火を使うぞ!)」
「キシュ、シュシャ!(訳:ならまずは、あのテルテル天使を狙うぞ!)」
「キシャッ!シュバアッ!(訳:了解!ターザン×プレデター!!)」
デスパイダーCは背中の髑髏模様を怪しく光らせると、天井に糸を張り付け、まるで振り子の様にピノに向かって勢いよく突進した。
すると、残るデスパイダーA&Bも同様に技を放った。
「(ウピッ、気持ち悪っ!これをリクトが見たら気絶するわね……)ピイィ、迎え撃つわ!!熱風!」
「「「シュシュシュル、キシュシュ……!(訳:ぐぬぬぬぬ、負けてたまるものか……!)」」」
ピノの羽ばたきによる熱波を全身で浴びて尚、突進を試みるデスパイダー達。
「"毒粘罠師"だったかの権能の一つのせいかしら、しつこいわね!火炎の護り!!」
ピノは炎のバリアを纏うと、デスパイダーどもの突進をバリアで受けた。
「「「キシャシャキシュシュ!!(訳:プレデター×プレデター!!)」」」
だけど、そのバリア諸ともピノを補食せんと欲張る虫達。
「ピャッ、ピャエェェェェェ!!!!?!?!?」
それを間近で見たピノは、あまりのキモさにバリアを解いちゃった♨️
「キシャ?(訳:バリア砕けたぞ?)」
「「キシャアァァ!!(訳:今だいけっ!!)」」
バリア解除による爆風で奴らとの距離が空いたので、その間にピノは全力で羽ばたき、熱波を奴らにプレゼント。
「ンピャアァァァァ!!!熱風熱風熱風!!!」
「グッシャ!?(訳:うっそ!?)」
「キッキキシュ(訳:畜生め)」
今の熱風は想定外だったのか、着地をミスしてジタバタする三匹。(※想像したくねぇ……)
「シュル、シュルキシュ!(訳:くっそ、もう一度やるぞ!)」
「「キシャッ!(訳:おうっ!)」」
体勢を立て直しデスパイダー達だったが、激昂したピノは、炎熱の槍を放った。
「ピイィィィ!!!さっきわたしを食べようとした罰よ!これでも食らえ!炎熱の槍!!!」
「「「キッキキッ!?(訳:動け、ない!?)」」」
「(本当は超縮爆炎波を食らわせたかったけど、場所が場所だものね……。本当、腹立つわね)ピエー!!」
「キシュッ!?(訳:あいつあっかんべーを!?)」
「「キシュシュイシイィィィィ(訳:許さねぇ許せねぇぇぇぇぇ)」」
「キモ……」
槍が胴体に刺さり、その場から動けなくなったデスパイダー達。そんな虫達を煽るピノ。
すると突然、ひんやり冷気がこの場の一同を包んだ。
「ピ!」
「お待たせピノちゃん。後は、任せて!!」
ピノは静かに頷いた。
「我が願い、聞き届けたまえ。人魔の秩序を乱す穢れた者共に永遠に続く氷獄の神罰を。神聖魔法:氷の十字架!!」
両手を重ね、祈るように、そう呟いたスーノ。
すると、デスパイダー達の四方八方に魔法陣が展開され、そこから無数の氷が出現した。
そして、あっという間に中に奴らは閉じ込められ、文字通り『氷の十字架』が完成した。
「ふぅ、お待たせしました。作業終了しました。
護衛か、感謝しま、す……。えぇ?」
なんとか無事に作業を終えれたキララだが、振り返ってみれば、この始末☆
惨状を見て、キララは悟ったように目を閉じた。
「成程、なるほど………。スーノさんとピノさん、それに私がそれぞれの戦いをしている最中、この方は呑気におねんねですか……!!」
にっこり笑顔のキララだが、全身怒りで震えまくっている。
ピノとスーノは、そんなキララを見てガクガクブルブル、怯えてしまった。
「呑気におねんね。・・・キララさん。ワターシ、流石に今のは聞き逃しませんザマス。
今の失言。絶対に、撤回してもらいます!!」
指をパチンと鳴らし、結界を解除したユーカは、高圧的な態度をとるキララに物申した。
「撤回ですって?何を言っているのですか貴女は。
事実、彼はそこの氷漬けのデスパイダーを見て気絶してるじゃないですか!」
「っ、確かに、彼はデスパイダーを見て失神しました。ですが、それでも彼は、作業中の貴女をモンスターから護り抜きました!!
極度のクモ嫌いでも、彼は正面から立ち向かっtーー」
「・・・っ、痛たたた……」
『『・・・・・(困惑)』』
なんだなんだ??
ぎゃーぎゃーきゃーきゃー煩いから、目を開けてみてみれば、え、ここどこ?
ピノとユーカさん、スーノさん。えぇと、???
「「(今起きるの!?タイミング最悪………)」」
「「・・・・・」」
「・・・・・。っ!!!」
え。あ。(※記憶戻った)
え、俺、気絶してた!?
「(やっべぇ、やっちまった………)」
「木ノ下君、気分は如何ですか?」
「(オートヒーラーは動いたまま……。うわぁ、マジかぁ……)え、ええと、今の所は何とも……」
!!!
ヤバい。目を細め、まるでゴミでも見てるかのような少女が俺の目の前に………
ヤバい!!目線を合わせてきた!!
はわわわわわわ(大混乱)
「おや、リクトさんおはようございます」
「ど、ドウモ………」
「何故目を合わせないんです?何か後ろめたい事でもあるんですか?」
マジでヤバい。目を合わせた瞬間に殺されるんじゃないかってぐらいキララさんの声のトーンが低い。
「貴方、一体全体何をしているのですか?貴方がおねんねしている間に私、作業を終わらせましたよ?」
「え、ええと、ご苦労様です」
やっべ。ミスった!!やっちった!!!
ハハハーハハーハハー!!!(※最早笑うしかない)
「あ な た はぁ 、何を呑気に気を失ってるんですか!!!」
「ヒイィィィィ!!!(耳が!!耳がキーンて!!耳がキーンて!!!)」
うっすらと目を開いてみると、おい。そこの二人。
ちょっと離れた場所からピノとスーノさんが青ざめながらこっち見てる。
いつの間にそこまで移動したの?
頼むから、お願いだから、逃げないでぇぇ!!!
「だいたい貴方は冒険者なのに不甲斐なさ過ぎます!!何ですか、虫ごときに失神・気絶て。お子ちゃまですか!!?
虫が苦手な私でも、そこまで極度に怯えたりはしませんよ?」
ひえぇぇ!!!><
キララさんはキンキン声で捲し立て続ける。
「本当、アイアンサウルスの超近距離攻撃を防いで反撃、道中のゴーレムファイアやフレイムタートルといったB級モンスターに屈する事なく倒していた人と同一人物なんですか!?
あの時の私の期待を返して欲Sーー」
「グゴゴゴゴ、グゴゴゴゴゴ!!!」
『『・・・へ?』』
え?
え?え?え?
「グェア、グアグア!(訳:ゴーレムファイア様の、おなーりーー!!)」
「グエェア!!(訳:刮目するがよーい!)」
「グゴゴゴゴ、セイジャク、ヤブルヤツハ、ダレダ!!」
え?まるで水○黄門と助○ん格さ○みたいな構図でフレイムタートル二匹とゴーレムファイア一体が現れたんですけど。
それも、キララさんの真後ろに。
「え、え?ゴーレムファイア?そうか、私が大声で騒いだから、静寂を好むこのモンスターが現れて………」
「オマエダナ?セイジャクヤブッタノハ!!」
「ひっっ!!!」
力を込めながら拳を振りかぶるゴーレムファイア。
余りにも突然の事態に、キララさんは腰を抜かして動けなくなっている。
「え、ちょ、お前っ」
「力をためる………チャージカンリョウ。ファイア・・・否ッ、ガイアブレイク!!!」
「ひゃあっ!?」
「(不味い不味い、私が出なくては)色無きーーえ!?」
「危ない!!」
ユーカさんが技を放とうとした瞬間、俺の身体は既に、ゴーレムファイアの目の前にあった。
「身体強化、ハイドロスラッシュ!!」
「ゴオオッ!!!」
「・・・へ?受け、止めた!?」
間一髪、ゴーレムファイアの激重ナックルを防げた。
だが、今の拳。滅ッ茶苦茶ァ重たいん、、ですけどぉ、、、!!!
昨日のゴーレムファイアは、、こんな技っ、、、一回もっ、、放って来なかった、、よねぇ!!?
重たい!!!
「ゴッ!!ウケ、トメタ、ダト!?」
「ぐっ、、、!(不味い。押されそう。足場が昨日みたいな砂利だったらどうなっていたか………)」
だがしかし、俺が劣勢なのをいいことに、取り巻きのフレイムタートルA&Bが口から激流を放出してきた。
「はあっ!?」
「「グェアゴェア!!(訳:ウォーターブラスト!!)」」
「(まずった、両手が塞がれてちゃ、結界出せない!)っっ……」
「な、アレ!リクトさん!何とか防げませんか!?」
え!?キララさん、このタイミングで無理な事を言わないでくれ!!!
「ごめん!両手がっ、塞がってるから、、、無理…!!!」
「そんな、このままでは貴方が……!!」
「…………終わりなき絶望を冠する「虹」!!」
瞬間、色の無い球状の結界が俺とキララさんを包み込んだ。
「「!?」」
「グゴゴッ、コブシガ、ハジカレタッ!?」
「「グェア!?(訳:手応えが無ぁい!?)」」
直撃不可避だと思ってた激流二発が、防がれた!?
「本来ならワターシ達冒険者ギルドの職員が手を出すのはOUTです。が、しかーし!今だけは特例!特別です!
っ、ザマス!!フレイムタートル二匹は此方が請け負いましょう。虹無き拘束!!」
ユーカさんは結界を解除すると、フレイムタートル達にドス黒い輪っかをぶん投げた。
「グッグエェ……(訳:は、外れない……)」
「グエェ、アグゥエェ!!(訳:おぉい、何してくれとんしゃあ!!)」
「スーノちゃん!ピノちゃん!今ですっ思い切りやってください!!」
「(超速詠唱……!!)我が願い、聞き届けたまえ。人魔の秩序を乱す穢れた者共に全てを穿ち焦がす天雷の裁きを!神聖魔法:天の神鳴り!!」
スーノさんが叫ぶと、小さな雷雲が数個発生した。
そして、そのサイズからは考えられない電圧の雷がフレイムタートルAとBに直撃!!
「グッカハァ!(訳:かっはぁ!)」
「ギュウ、グエェアアァァァ!!(訳:ぐうっ、あががががががががが!!)」
「高速移動っ!トドメのダブル、炎熱の槍!!」
雷に打たれ続けて痺れる橙亀さん達にピノの一撃が刺さり、フレイムタートル達は倒れた。
「っ!!皆さん…!」
「ナイスっ、です!(よぅし、追い身体強化だ!)ハイドロスラーーッシュ!!!」
俺は深く屈伸すると、身体強化にて攻撃、魔攻、速度を更に1.5倍上昇させた。
そこからダークセイバーによるハイドロスラッシュを繰り出したっ!!
「ソンナ、フレイムタートル=サンタチガ。ユルセン!ダンジテ、ユルセン!!ワタシガ、ダンザイヲ!!!
力をためる、カンリョウ!リミッター、カイジョ!!
クラエッ、ギガ・フレイムブレイカー!!!!」
仲間を失い目を赤く光らせ怒りの拳を放ったゴーレムファイア。
だが、此方も負けるわけにはいかない。
俺はもう一度ハイドロスラッシュでそれに応戦した。
けど、駄目だ。あくまでも正々堂々といこうとしたけど、この拳は、、、重すぎる!!!
「(卑怯な手だが、使える空間が限られてちゃこうするしか!)空間転移!!」
「えっ?」
『『消えた!!?』』
俺は空間転移を発動し、キララさんごとゴーレムファイアの真後ろに転移した。
Q.その時、元いた場所にはとあるものを仕掛けてきました。それはなんで
A.サンドバッグですね。
元いた場所に、綿がパンパンに詰まったサンドバッグを設置してきました♨️
「グゴゴォォォォォ!!!!!」
「あれ?なんでゴーレムファイアがそちらを向いて?」
キララさんは混乱しているみたいだが、ゴーレムファイアは俺の想定通りサンドバッグを力任せに殴りつけ、破壊した。
「ナンダ、コレハ!?ワタ?グコゴ、必殺技の、反動、ヲケンチ。グッゴゴ、出力ノ、、テイカヲ、、カクニン、、、」
今のパンチ、必殺技だったんか。道理で威力も絶大+あるわけだ。
背筋が冷えたわ。
(威力:絶大+ ワイドプロテクション、ライトウォール、カオスウォール、ロイヤルベールでは防ぐ事すら出来ない無茶苦茶な威力。防ぐなら、もっと強固な結界もってこい)
「っしょっと!削除っ、ワイドプロテクション。かーらーの?」
ゴーレムファイアが破裂させ、サンドバッグの布の破片と中身の綿がブワッと散らばった。
が、俺は即座に"創造の手"で削除。
その後、周囲にワイドプロテクションを展開した。
「あっ(ワイドプロテクション?)」
これで、大技を放つ準備は万端だ!!
「グゴゴゴゴゴ、、、ウゴ、ケナイ、、、」
おぉっと、必殺技が空振って不調みたいですね^^
対戦ありがとうございました。
「トドメだっ、グランドウォーター!!!」
「っ!!」
俺はゴーレムファイアの腹部の暖炉に向けて、最大出力のグランドウォーターを叩き込んだ。
「・・・消し飛んだ」
「(この人、本当に、本当に、さっきのヘタレと同一人物なの?信じられない……)」
「・・・立てますか?」
俺は、その場にへたり込むキララさんに手を差し出した。
「は、はい……ありがとう、ござ、い」
そう言いながら、キララさんが俺の手を取った瞬間だった。
「キシャア!(訳:隙アリ!)」
『『あっ』』
「?」
なんだ?急に頭上が重たいぞ?
それに、自動解析が警報出しまくってるぞ?
嫌な、予感がするなぁ。
俺はゆっくり、ゆっくり目線を上に上げた。
何かと目があった。
これは、・・・!!!!!!!
「キャアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!」
「キシュ、キシャアァァ!(訳:ロール×プレデター)」
その後、ユーカさんの手によってデスパイダーは即座に討伐されたみたいです。
ですが、ピノとスーノさん、キララさんがヤツの手によってぐるぐる巻きにされた俺の拘束を解くのにかなりの時間を費やしたそうです。
次回、82話 傷心に 塩刷り込みし ラムネード
エイプリルフール(4/1)にも、ニンテンドーダイレクト(4/2)にも、デュエプレ新弾(4/3)にも負けた男です。
こんばんは(02:23now)。皆さんいかがお過ごしでしょうか。さぞぐっすりお眠り中のことと存じます(適当)
まさか、ここまでデスパイダーを引っ張るとは思ってもいませんでした。
お陰様で、常にヤツとの遭遇(物理)に怯え、背筋が冷えながらの執筆でした。辛かったです。
76話とはまた別ベクトルの苦痛を味わいました(ガチ)
そして、本作品主人公の木ノ下陸斗さん。
本当にすみませんでした。
リクト「あんまりだ。本当にホントに、あんまりだ……」
作品に私情を挟む訳にはいかない。
だけど!!
もぅ二度と、デスパイダーを、出したくねぇ。
シュウト!!心からの俳句
デスパイダー「えぇ…(困惑)」
---To be continued ---




