【6話】 イレギュラーエンカウント
この話も11/28から始まった修正という名の魔改造の適応済です。
結構抜けてた場所を補完できました。
ホノカの魔法を試すという名目で突然始まった模擬戦。
だが、俺の放ったグランドフレイムとライデン放ったのグランドサンダーとが激突して会場は大爆発!
地面に立っていた人が勝ちというルールだったが、全員が地面に座っていた為俺もライデンもホノカもみんな負け!
俺達は唖然としながらも、とりあえず立ち上がった。
「(さて、二人に怪我は無いよな?もし万が一怪我でもさせたとなったら・・・)二人とも、怪我は無い?」
「僕は大丈夫だよ」
「わ、私も一応は・・・」
あんな爆発があったのにも関わらず、幸いにも二人ともかすり傷程の怪我で収まったらしい。
「何かあったら大変だからね、一応回復魔法かけておくよ?フル・ヒールっ!("守護者Ω"様々だね。本当に・・・)」
万が一の事があっては色々困る。異世界で知り合った子達に怪我させたまま帰るなんて最低最悪だ。
俺は惜しみ無くフル・ヒールという全快回復魔法を使った。
「わあぁ!傷が一瞬で・・・!」
「あぁ!それに、消耗した魔力も全部回復したぞ!」
二人とも一瞬で体力魔力共に回復したことに感嘆としている。
「二人とも、本当ごめん!」
「もぅ、いいわよ。模擬戦だったんだだし、ほら!顔を上げて?」
「そうだぞ?ちなみに僕は、リクトの戦い方を見れたし、ホノカの完成した魔法も火の弓も全部見れたし満足だ!」
ライデンはそこまで言うと、身体をぐいっと伸ばした。
「さて、そろそろ村へ戻ろう」
森に被害が出ないように展開していたワイドプロテクションを解除し、俺達は空き地を去った。
俺は再びライデン、そしてホノカに村へ案内してもらうことにした。
◇
村までの道中は、二人に色んな魔法を教わりながら歩いた。
「さっきホノカやリクトが使ったグランドフレイムや、僕の使ったグランドサンダーはグランド魔法といってね、全体攻撃魔法なんだ」
「全体攻撃魔法?」
「そう。その名前の通り広範囲に影響を及ぼす魔法よ。それにねリクト、全体攻撃魔法の中ではグランド魔法が一番火力が出るのよ」
「へぇ~だからあんな化け物染みた技だったのね。成程成程」
どうやら、グランド魔法は使いどころを考えなくてはいけないらしい。
全体攻撃ってことは、狭い場所とかで使った日には最悪の場合味方も巻き込まれるかもしれないからね。
「グランド魔法の他には何があるんだ?教えて教えて!」
「(目が輝いてる。なんか、子どもみたいで可愛いわね)例えば、同じ全体攻撃魔法ではストーム魔法っていう巨大な竜巻を起こすものがあるわ。他には、単体攻撃魔法だとバースト魔法とかレーザー魔法とか」
「(ストーム!?バースト!!?レーザー!!??)ナニソレ!カッコいい!見てみたい!」
ホノカの話を聞いて、俺のテンションは遂に最高潮へ到達した。
「良いわよ。リクト、結界お願い!」
「ワイドプロテクション!」
「寄り道が始まったな」
ライデンは呆れて此方を見ているが、仕方ないだろ?
めちゃめちゃ気になるんだもん!
「しょうがない。僕も手伝おう」
「そうこなくっちゃ!リクト、先ずはレーザー魔法から行くわよ!」
ホノカはそう言うと、魔法の詠唱を始めた。
一方ライデンはというと、かなり離れた所まで行って此方に向けて手を振った。
まさか、実演の為に食らうつもりか!?
「さぁ来いホノカ!」
「集え炎よ、一直線に地平の先まで突き進み、我が敵を貫け!ファイアレーザー!!」
ホノカは魔方陣から炎のレーザービームを放った。
それは長剣を体の前に構えて防御体制のライデンに当たった。
すると、そのレーザーはそのライデンを貫通してワイドプロテクションまで到達した。
「えええええ!??ちょ、ホノカ!?ライデン貫かれてない!?」
「た、多分大丈夫よ。一軒かなりヤバそうに見えるけど、レーザー魔法は物理的に風穴を開ける訳じゃないか。そう習ったから、だ、ダイジョウブよ!」
え、何それ怖。
てか。習ったて、どこでよ。
「あ、あぁ。レーザー魔法は、威力が低めなんだ。その代わり、単体攻撃魔法で唯一っっ、対象を貫く、んだ、、、!」
ライデン、絶対大丈夫じゃないだろ!
おいコラ?親指を立てるな親指を!
「もういいもういい!我慢しなくていい!ホノカ、ストップストップ!!」
ホノカは広げた手をぐっと閉じ、ファイアレーザーを消した。
「はぁ、はぁ、ほらね?無事だろ?」
息が上がったライデンは結構我慢しながらそう言った。
でも、確かに風穴は空いてない。へぇ~魔法って凄いね。
「どこをどう見れば無事なんだ・・・」
俺はフル・ヒールでライデンを癒した。
「ありがとう。助かったよ」
「まさか、こうやって回復できるから体張ったのか?」
「さぁね」
おっと、目線を剃らされたぞ?
確信犯じゃねぇか!!
俺は呆れてため息を吐いた。
「まぁまぁ。レーザー魔法はこんな感じよ。ライデン、次はバースト魔法よ!」
「Ok!リクト、バースト魔法は威力が高い。だから君が身を持って受けるんだ」
ライデンはなんて事を言い出すんだ。
俺はフリーズしてしまった。
「あ、ごめんごめん。言葉が足りなかったね。ライトウォールを使って受けて欲しいって意味だよ」
「(結構言葉抜けてたな…!)わ、わかったよ」
俺は言われた通りライトウォールを張った。
「集え雷よ、強大な弾丸となりて我が敵を滅せよ!」
め っ せ よ ! ?
おい待て待て!めちゃめちゃ物騒すぎないか?
「サンダーバースト!!!」
「わっ!相変わらず、迫力凄いわね」
物騒な詠唱とは裏腹に、サンダーバーストとやらは、俺がまじまじと見とれる程にカッコよい魔法であった。
安全な場所から見てればだけどね?
「これ、防御補正があっても死んでるよな?ライトウォールすげぇ……」
レーザー魔法とバースト魔法の一端を目撃した俺だか、改めて結界の防御性能を実感したのであった。
◇
数分後。俺は再び、ライデンとホノカの住む村へ向かう為にソウルフォレストを歩いていた。
その間の会話はほぼ魔法オンリーだったのはいうまでもない。
「とりあえず、サンダーバーストはあんな感じだよ。他の属性だと、火は『フレイムバースト』で、水は『アクアバースト』。電気を飛ばして土は『ロックバースト』、風は『エアロバースト』。氷は『アイスバースト』で、光は『シャインバースト』、そして闇は『ダークバースト』」
凄いなライデン。よく噛まないで言いきったな。
「バースト魔法は属性の弾丸を対象に食らわせる感じ、と言えばイメージしやすいかな?」
「ちなみに、レーザー魔法はばーっとビームを出すイメージよ!」
「な、成程ね。今度"魔術師Ω"で試してみよ」
その瞬間、俺は何か忘れていたものを思い出した。
確か、グランド魔法以外にはストーム魔法やレーザー魔法、そしてバースト魔法だと言っていたハズ。
ストーム魔法は何処へ?
「バースト魔法とレーザー魔法、そしてグランド魔法の一端は二人のお陰で見れたよ。ありがとう」
「へへっ、どういたしまして」
「それほどでも無いぞ」
素直に感謝の気持ちを伝えたら、頬を赤らめたホノカとちょっと得意気になったライデン。
コレ、もしかして完全にストーム魔法をなった事にしようとしてるな?(疑心暗鬼)
「でもさ、ストーム魔法はどこいったんだ?」
「ごめんリクト!」
Wow。ホノカは真っ先に手を合わせて頭を下げた。
「実はね、私は兎も角。ライデンはストーム魔法を使えないんだよね」
どういうことだ?
俺は首を傾げた。
「?」
「おいホノカ。私は兎も角って、僕が悪いみたいにいうな!」
「ごめんごめん」
ライデンは適当に謝るホノカの額に軽くチョップを入れた。
「あ痛っ」
「全く」
「悪かったわよ!」
ホノカは頭を抑えながらライデンに謝った。
ライデンはそれを適当にあしらった。
「はいはい。リクト、この話は僕から説明するよ」
「お、おぅ」
「知っての通りホノカはさっき魔法不足が解消されて魔法を使いこなせるようになっただろ?」
「う、うん」
「僕は小さい頃から魔法を使えたけど、ある日こう思ったんだ」
言い方にトゲがあるな。
ホノカ?ライデンはまだ怒ってるようだぞ?
「グランド魔法とストーム魔法が同じ全体攻撃魔法なら、威力の高くてド派手なグランド魔法を覚えた方が得じゃないか?と」
なんとなくだが、いわんとしてる事は分かる。
○○が△△の上位互換なら○○使えば良くね?みたいな事でしょ?(意訳)
「まさか、それでストーム魔法を使えないと?」
「そういうこと。ごめんな、力になれなくて」
ライデンも先程のホノカ同様頭を下げた。
「謝らないでよライデン。元はといえばこの話は俺の我儘から始まったんだから。寧ろ俺が無茶振りさせてごめんって謝る方だって」
俺は慌てて手をブンブン振りながらライデンの頭を上げさせる。
「そこまで必死に言うのなら、わかったよ」
「(はぁ、ビックリした。ごめんな、俺が変なこと言ってさ)」
「そうだリクト!私達の村にはストーム魔法を使える子がいるんだ。後で頼んで見せて貰お!」
ふと、ホノカはこんな事を言った。
「(マジかい!!なんかごめん)ありがとう」
俺はホノカにお礼を言った。
その瞬間、ライデンは足を止め、俺とホノカを制止させた。
ライデンの表情からは先程までの笑顔は消え去り、緊張のせいか額に汗を浮かべていた。
心なしか、ライデンの頭のてっぺんのアホ毛もピンと伸びてる気がする。
「ストップ二人とも!!」
「どうした?」
「何よライデン」
「しっ!・・・・・何か、気配を感じる・・・!」
「「何かの、気配?」」
俺とホノカの声がハモる。
突如として戦闘態勢に入ったライデンに困惑した。
すると、何処からともなく異様にデカイ蝙蝠と赤、緑、青、とカラフルで毒々しい大蛇に、電気を迸らせている巨体なライオンが現れた。
「うわっ!?」
「やっぱりか……!」
「きゃっ!!」
「ガルガウ!!グルルルル………!」
「シュル、シャルシュルル!」
「キュイ!キュイキィィ!」
奴らは、唸り声をあげながら颯爽に俺達を取り囲む。
「うわっ、デカ!キモっ!うわでっか!!なんだコレ!!?」←大興奮
興奮の余り、俺の声のトーンが上がったような気がする。
ライデンの声からは焦りが感じられる。
「まさかリクト、興奮してる!?奴らはモンスターだ!」
「モンスター?」
確か、"この世界"では人間と魔物の敵だとかいう?
え、ファンタジーの概念が今!俺の目の前に!現実にいるんですけど!!!
「モンスターって、人間と魔物の敵っていう?」
「そうよ!興奮してる場合じゃないわ!!」
ホノカもライデン同様に酷く焦っている。
「奴らはC-級のモンスター、ジャイアントバットとシータコブラだ!しかも、真ん中のアイツはC+級のサンダーレオーネだよ」
「な、なんで!?この森はモンスターが現れないのに・・・!」
「どういうこと?」
「ソウルフォレストはね、この森全体を管理する精霊の加護によって"この世界"で唯一モンスターが発生しない場所なの!」
成程。道理で猛獣やアリンコ一匹見ない訳だ。(2話参照)
「グルル、グルガルル・・・!」
「シュルルル!」
「キュイイ!(←辛うじて聞こえた超音波)………………!!」
サンダーレオーネ達は威嚇をしつつじわりじわりと俺達を追い詰める。
だが、そんな状況に興奮してる人が一人。そう、俺である。
「成程ね、本来はモンスターが出ない場所なのに目の前にいるから焦ってると」
「だ・か・ら!興奮してる場合じゃないってばぁ!!」
「くそっバケモノめ……!」
焦るライデンは額に汗を浮かべ、俺に突っ込みを入れるホノカはかなり肩が震えている。
そうか、ピンチか!
元いた世界では考えられない『スキル』があって魔法が使えて、更にモンスターもいるまるで非現実みたいな世界。
確かに、あんな化け物と対面したら怖さの余りちびっちゃうかもしれない。
だが、"この世界"には化け物にも対抗できる力があるんだ!それに、ライデンとホノカはこの世界で初めてできた友達なんだ!
ここは俺が二人を鼓舞しなくては・・・!
「大丈夫だよ!みんなであいつらを倒そう!」
「リクト、本気か!?あいつら、特にサンダーレオーネは腕利きの冒険者でも負ける事があるくらいヤバイんだぞ?」
「そうよリクト!C級って、めちゃめちゃ強いのよ?それこそ、冒険者ぐらい強くないと勝てないのわよ!!」
二人は焦っていきり立った。
この反応を見るに、"この世界"のモンスターは本当に人と魔物の脅威なのだろう。
でも、このまま倒すのを諦める訳にも、死ぬ訳にもいかない!
「(困ったな。んー、・・・・・そうだ!)二人に質問!"この世界"って生き物ならみんなスキルを持ってるんでしょ?」
「あぁ」
「え?え、えぇそうよ。でも、それが何よ……」
「じゃあさ、何故スキルが存在して、何のためにあるの?」
突然俺から投げられた質問にライデンとホノカは困惑した。
「えぇ、何のって・・・」
「どういうことよ?」
首を傾げる二人に、俺は俺なりの回答を提示した。
「俺は思ったんだ。こんなピンチを打開するためにあるんじゃないの?」
ライデンはハッとした。
その後、ライデンは何かが吹っ切れたのか、笑顔を見せた。
「ははっ、はははっ!ピンチを打開ねぇ。確かにそうだ!
僕としたことが、がらにもなく取り乱すなんて。恥ずかしいね」
ライデンはそう言うと、剣を抜いて正面のジャイアントバットに向き合った。
「ピンチを打開ね、面白い!」
「・・・・・よし!」
ホノカは頬っぺたを叩いた。
「そうね、立ち止まってちゃ駄目よね。任せてリクト!今の私ならこんな所で負けないわ!!」
ホノカは炎のネックレスを握りなからそう言うと、火の弓を生成した。
そして、ホノカは自身の正面にいたシータコブラと対峙した。
「ガアア、グルガアァ!!!」
すると突如、何故か待ってくれていた、サンダーレオーネがいきなり此方に突っ込んだ。
飛びかかって、あの鋭い爪をお見舞いさせるつもりだろう。
「ガガァ!!」
「おぉ、随分いきなりだな。ねぇ二人とも!戦闘中なら解析能力を自粛しなくてもいいよね?」
「戦闘中ならね」
「うん。リクトの判断に任せるわ!」
「Ok!」
ライデンとホノカとやり取りしながらも、俺はライトウォールで鋭い爪の攻撃を防ぐ。
「よーし!自動解析、ONっ!!」
その瞬間より、俺達とモンスター戦いの火蓋が切って落とされた!
「キイィ!」
「やっぱり僕に来るか」
ジャイアントバットは高速で飛び回り、ライデンを翻弄させる。
「思ったより、速いね…!」
「キキィ!(訳:ひっかき!)」
ジャイアントバットは何度も接近し、小さな爪で引っ掻く。
だが、ライデンはそれを剣で打ち返し続ける。
「(モンスター相手でも、思ったより戦えてるな。はは、稽古が実を結んで良かった)どうだ、僕も結構やれるだろ?」
「キイィ、キキィ!!(訳:クソ、こうなったら!)」
攻撃が当たらずムキになったジャイアントバットはライデンから一度離れると、魔力を集め始めた。
「キキ、キイィ!!(訳:このダークボールでお前を、殺す!)」
「(っ!大技が来る……!)させないよ!」
刹那、ライデンはジャイアントバットとの間合いを一気に詰め、姿を消した。
「キイ!?(訳:何処へ!?)」
気がつくとライデンはジャイアントバットの真後ろにいた。
「キイィ!?(訳:は、え!?)」
「轟雷斬・零式……!」
ライデンが剣を鞘に納めた瞬間、ジャイアントバットは見事に真っ二つに割れ、消滅した。
「ふぅ、良かった。C-級相手でも通用した……!」
一方、此方はホノカとシータコブラの戦い。
ホノカは先程から火矢を的確に放つが、シータコブラはそれを的確にかわし続ける。
「くっ・・・」
「シュルル!(訳:ふへへ余裕!)」
ホノカに接近したシータコブラは攻撃しようとバッと飛びかかる!
「シュルルルルルル!(訳:ポイズンスタンプを食らえ!)」
「ひゃああキモいー!!炎よ、鮮やかなる魔力を持って我が敵を翻弄せよ!(※超早口)マジカルフレイム!!」
ホノカは悲鳴をあげながらも詠唱をし、魔方陣を三つ展開した。大慌てで放ったマジカルフレアでシータコブラを打ち落とす!
「シュルシャルル!(訳:どうだ!全然効かないねぇ!)」
「くぅ~これぐらいじゃやられないか・・・」
「シャルルルル!シュルシャルル!(訳:あたりめぇだ!お返しのアシッドフレア!)」
だが、お返しとばかりにシータコブラは紫色の火の玉を放つ。
「うわっ、ちょ!!きったないなぁもぅ!(あんな毒々しいものを飛ばしてくるなんて!最低よ最低!!)」
かなりの数放たれた火の玉を見て、避けきれないと判断したホノカは火の弓を消した。
すぐ様フレイムランスに持ち替えて火の玉を叩き落とした。
「フレイムランスっ!やっぱ、当たり前だけどこれが一番使いなれてるわね♪どうよ、全部弾いてやったわ!」
だが、火の玉を相殺した瞬間、小さな爆発が起こり、ホノカはシータコブラを見逃してしまった。
「げっ!やば、見逃した!?」
「シュルルルルル!(訳:貰ったぁ!ベノムファング!)」
勝ちを確信したシータコブラによる噛みつきが決まった!ハズだった。
シータコブラが飛び込んだ先には何もなかった。
「シュルル!?(訳:いない!?)」
「ふふっ、残念!」
シータコブラはハッとして上を見上げると、華麗に宙返りをするホノカの姿があった。
「待っていたわ、その攻撃をね!フル☆フレイムアロー!!!」
フレイムランスからいつの間にか持ち替えられていたのか。
ホノカの持つ火の弓から放たれた三本の火矢がシータコブラを捕らえた刹那、その身体は見事に大炎上!
そして、宙をまったホノカは華麗に着地を決めた。
「う、嘘・・・!! ・・・・・やった!やったぁ!!フル☆フレイムアローも大成功よ!!!必殺技を、マスターしたわ!!」
無事にシータコブラを倒したホノカははちゃめちゃに大はしゃぎ。
ライデンも嬉しそうに微笑んでいる。
「本当、綺麗に決まったな」
「えぇ!後はリクトだけね」
さて。二人は無事にモンスターを倒せたみたいだ。
ここで漸く俺視点の話になるのだが、このサンダーレオーネは以外と厄介だった。
だった?何故、だったなんだ?
それは、身体から迸る電気のせいで、いくら弱点であっても魔法が聞かない点だ。
戦闘中俺は、早速サンダーレオーネを解析にかけた。
<ピロン♪>
「(お、結果来るの早いな!)」
Name:サンダーレオーネ
種族:獣族-ライオン- 属性:電気
生息場所:北西原野の雷鳴の山
危険度:C+級
【所有スキル】
"電光"
・充電 ・放電 ・発電
・身体強化 ・魔力遮断(強)
【概要】
・大きさ:約250CM、重さ:約101.0㎏
・気性が荒く、とても好戦的。それ故、腕利きの冒険者でもやられる場合がある。
・体から迸る電機は魔法の威力を弱める効力がある。故に電気の溜まったサンダーレオーネの毛皮は高値で取引される。
「凄い、めちゃめちゃ細かいな(いや、戦闘においてはめちゃ助かる!)サンダーレオーネ。属性は電気。土属性が、弱点だ!ロックバースト!」
自動解析の結果を見ながら、俺は小手調べに土属性のバースト魔法で攻撃してみた。
だが、あのバチバチな電気に破壊された。
「ガルル!!(訳:甘いっ!!)」
「なっ!?オートアナライズの解析結果ではあいつは電気属性!ライデンの話通りなら電気に土はバツグン!大ダメージを与えれるハズなのに……!(待てよ?まさか魔力遮断(強)って、まさか!)」
その後も俺は、攻撃を結界を巧みに使いながら回避しつつ、バースト魔法をいくつか打ってみた。
ロックバーストから始まって、闇、水、氷、火、電気・・・
そのどれもがサンダーレオーネの体の周囲のバチバチに触れただけで見事にかき消されてしまう。
「闇、水、氷、電気に火、くそっ、全部ダメ!」
「グルルル(訳:どや、凄いやろ?)」
流石にイラッと来た。
とはいえ、現状は放電波も引っ掻きもライトウォールで防げている。なので厄介だったのだ。
そのせいで、今度はサンダーレオーネが苛々してる側になってしまった。
「立場逆転か?(とは言え、こっちの魔法攻撃も通ってないんだけどね・・・)」
「グルル!ガルル!(訳:クソ!何で傷付かねぇんだ!)」
「凄いな」
「完全に遊ばれてるわね」
戦闘を終えて戦いを見ていたライデンとホノカも、この絵面に苦笑いを浮かべている。
「グルル………!(訳:こうなったら、バリアごと貫通させてやる…!)」
「なんだ?」
このままでは攻撃が通らないと判断したサンダーレオーネは俺から間合いを開けると、何やら力を溜め始めた。
「グルルルルルル…!(訳:絶対に潰したる…!)」
「真っ向勝負か。よぅし!」
そっちがその気なら、俺もそれに乗ろう。
「(魔法が効かない?なら、物理攻撃は効くハズ!いや、効かなきゃ困るわ!物理まで通らない無敵モンスターならおしまいよ。そんなの絶対C+どころじゃない!)よし、剣作成しよ。"攻撃者Ω"、出番だ!!」
"創造の手"で剣を生成すると同時にライトウォールを砕いた。
「(凄い、剣なんてライデンの以外だと初めて持つのにめちゃめちゃ手に馴染む。よぅし、これなら!)ふんっ!!」
向こうで俺の戦いを見ているライデンとホノカは俺の奇行に大変驚いている。
「な、何故結界を解いた!」
「攻撃来るよ!!?」
だが、俺は二人の心配をお構い無しに、サンダーレオーネが突っ込んで来るのを待つ。
待ちながら、俺は剣を構え、限界まで振りかぶる。
「グオオオオ!!!(訳:行くゾ!!!)」
そして、力を溜め終えたサンダーレオーネは一際大きな声で咆哮を上げた。
「グルル!ガルガルル!(訳:死ねぇ!ワイルドブレイク!!)」
「(ちょ、マジかよ!)リクト!結界張れ!!」
「リクト!!(見てられないわ!)」
二人が心配する中、無情にもサンダーレオーネは走り出す。
だが、それと同時に、俺は剣に力を込めた。
すると、剣はみるみるうちに炎に包まれる。溶けないのは謎だが。
「ガルルッ!!(訳:消し飛べ!!)」
「(これは俺をワクワクさせてくれたお礼だ!)インフェルノスラッシュ!」
サンダーレオーネが俺に激突する刹那、燃える剣を力いっぱい振る。すると、サンダーレオーネは真っ二つに切り裂かれて、ボワッと瞬時に燃え上がる。
それは、痛みを感じる直前で肉体を塵と化した。
炎が消えた後、内心ヒヤヒヤだった俺は大きなため息を出した。
「はあぁ(めっちゃヒヤヒヤした。二度とやらん・・・!)」
「「ええええええええ!!?」」
すると、まるで創作物のようなリアクションをとったライデンとホノカ。
「な、なんて威力なんだ……!(ん?待て!インフェルノスラッシュって、属性斬だろ!?どう見ても属性斬の火力じゃない・・・)」
「弱点でもないのにワンパン!?」
"攻撃者Ω"の属性の威力を上げる効果のお陰です。
いや、ヤバすぎるだろ!
俺は内心ヒヤヒヤしながらも、へへっと笑い、二人に向かって得意気にピースをした。
そして、二人の元へ歩みを進めた瞬間、爆発音とともに地面が揺れた。
「うわっ、爆発!?」
「なんだ!??」
「きゃあっ!?何!?何なの!??」
地面が盛り上がるかのように揺れた後、何事もなかったかのように揺れが止まった。
「何だったんだ?」
「怖かった・・・」
涙目のホノカの隣で、ライデンは顔をしかめている。
「ライデン?」
「揺れる前に聞こえた爆発の音。聞こえたのは村の方角からだった」
「は?」
なんですと!!?
「いやいやいや、そんな事ある!?」
「嘘でしょ!?」
俺とホノカはライデンの言った事を必死に否定するも、ライデンは静かに目を瞑って首を振った。
「いや、本当だ」
「そんな・・・」
何だろう、この身の毛もよだつ様な胸騒ぎは・・・
生まれて初めての感覚だ。これでもかと嫌な予感が的中すると感じたのは・・・!
「と、兎に角急ごう!ライデン、ホノカ、案内お願い!」
「あぁ、任せて!」
「行こう!」
次回、7話 災厄のプレリュード
モンスター達の解析して、その結果を載せるコーナー。
題して、ざっくりモンスター図鑑(#不定期開催)
【さっそく始めるぞ!】
Name:サンダーレオーネ
種族:獣族-ライオン- 属性:電気
生息場所:北西原野の雷鳴の山
危険度:C+級
【所有スキル】
"電光"
・充電 ・放電 ・発電
・身体強化 ・魔力遮断(弱)←個体差アリ。基本は(弱)だが、今回出たのは(強)の個体。
【概要】
・大きさ:約250CM、重さ:約101.0㎏
・気性が荒く、とても好戦的。それ故、腕利きの冒険者でもやられる場合がある。
・体から迸る電機は魔法の威力を弱める効力がある。故に電気の溜まったサンダーレオーネの毛皮は高値で取引される。
Name:ジャイアントバット
種族:獣族-コウモリ- 属性:闇
生息場所:北西原野の霧立った山脈
危険度:C-級
【所有スキル】
"超音波"
・超音波 ・超振動 ・吸血回復
【概要】
・大きさ:約130CM、重さ:約30.5㎏←重さほぼライチュウ。
・目が発達したお陰で超音波に全てを委ねた生活をしなくてもよくなった。それからというもの、首元のふさふさの毛を毎日手入れするようになった。
・羽の三日月模様から月の光(闇属性のエネルギー)を吸収する。空腹時は他の生き物から血を吸う。
・小さな足で走ることも可能だが、基本はばたいて移動する。
Name:シータコブラ
種族:獣族-コブラ- 属性:土
生息場所:北西原野の毒沼の林
危険度:C-級
【所有スキル】
"毒酸波"
・毒生成 ・溶解液散布 ・熱探査
【概要】
・大きさ:約115CM、全長:約300CM、重さ:約25.0㎏
・全身の赤、緑、青の三色に加え、腹部の黄色い体色は見たものに恐怖を与える。更に、毒を操ることもできるので、厳しい野で生きながらえることができた。
・全長はとても長いが、敵と遭遇した時にとる威圧のポーズの身長だと少し小さめ。実はコンプレックスだったりする。※気にしない個体のほうが珍しい。