【49話】 襲来!G・G・P(ジャイアント・ギガ・ポーク)
作中3体目のダンジョンボスさんですね。
(名前だけ出たヤツ込みだと5匹目だったりする)
テンペストカイザー(13話~)
シャドウバイト(23話~)
G・G・P(今回)
【Q.そういえば、名前だけ出てたのってどんなヤツ?】
A.こいつらです。
☆ヘルワーム(EX01とかでちらっと)
灼熱の砂漠の無限砂丘在住だった。A-級のダンジョンボス。
クロウ達"マジカウインガー"が空を飛べないヘルワームに対して種族の相性差を利用して討伐した。
Q.え?もしかして"マジカウインガー"ってクッソ強かったりする?
A.お察しの通りです。
☆トロウ(こいつもEX01でちらっと)
メイジビートの森のメイジタワー跡地-コールドタワー-在住だった。A-級、今は行方知れず。
Q.何処行ったんよトロウはよ?
A.ネタバレになるから、教えないッ!(某ケンコバ風)
教えないったら、教えないッ!!(某ケn(殴三三
カオスウィッチ&ミステリーゴルゴン&シャイニングリッチ(※初登場EX02。17話の次のやつ)
『え?忘れられてる?』
※大丈夫です。まだ活躍する時じゃないだけです。
マッドオーガ「オレは……?」
※大丈夫で(ry
ふふふ♪
異世界の冒険者ぽくなってきたわね(今更タウン過ぎる)
本編入る前に一つだけ。
前回、G・G・PさんをD+級のダンジョンボスだと作中で描写しましたが、正しくはC-級です。
前回の方も既に修正済となっておりますです。
細かいかもしれませんが、訂正してお詫び申し上げます。
す み ま せ ん で し た っ ! ! !
はい。本編開始zoy↓
「ブモ"ォ。ッッ、モ"オ"ォォォォォォ!!!!」
突如としてぶた丘の真下に出現したG・G・P。
奴は紅に染まった眼球で此方を一度睨みつけると、とんでもない声量の咆哮を上げた。
現在も俺達はササミの超聴覚を共有された状態にある。
なので、ただの大声でもひとたまりもない。
「ぐっ、耳が!!」
「分かった、まか、せろッッ!超聴覚共有、解除ッ!」
ササミは両手を叩き、俺達全員に共有されていた超聴覚を解除した。
お陰で幾分マシになった。
「モ"ゥ、ブゥモ"オ"ォォォ!!」
「なっ、嘘でしょう!?」
マイが驚きの声をあげた瞬間には既に、G・G・Pは俺達の目の前にいた。
あの巨体でいつ登って来たのか。
それを考える時間をヤツは与えてくれなかった。
「モ"ウ、ブモ"オォォ!!」
『『っ!!??』』
G・G・Pの3つに分かれた尻尾、その先に付いてあった真珠のような球体がぶた丘にいた全員をなぎ払い、俺達は皆吹き飛ばされた。
(※この時、さっき作ったミニマップの衛星も破壊されたのだが、慌て過ぎて気付きませんでした♨️
後々、色んな意味で泣きたくなるのだった。)
「(このままじゃ全員地面に打ち付けられてしまう!なんとか、しないと!)わ、ワイドプロテクションっ!!」
俺は地面に向けてワイドプロテクションを、なだらかなすり鉢状になるように展開した。
結界を展開したはいいけど、飛ぶ速度が速かった。
その為俺は、受け身を取れずそのまま背中で着地した。
「っだぁ!?(ちょっとばかし痛いけど、なにもクッションを挟まないよりはマシだろ)」
「っっ、助かった!」
「さ、サンキュー!」
おぉ、流石ライデンとヒビキ。綺麗に着地してるじゃない。
綺麗に着地したのは二人だけではない。ササミとアリス、ホノカも同様だった。
「(大人二人は当然として、やっぱみんな凄いなぁ)」
※あれ?大人二人?
俺は立ち上がると、丘の上で此方を睨むG・G・Pを対象に自動解析の解析を始めた。
「ほれ、手ぇ出せ。ったく、何でこのタイミングでダンジョンボスなんて化け物が現れるんだよ…」
ササミは不満を吐き捨てながらワイドプロテクションの上で寝転ぶマイの手を取って起こさせた。
「何でって、さっきアリスさん言ってたでしょ?ダンジョンボスの謎復活、奴も例外じゃなかったって事でしょうよ」
「ササミさん、マイさん。ここは俺達"クリエイト"に任せtーー」
「待てリクト!」
G・G・Pの相手は任せてほしいと言おうとしたら、ササミは俺を止めた。
「オレとマイはちぃとばかしヤツと因縁があってなぁ。おめぇらは全員、気ぃ遣ってオレの胸の傷は何なのか、って聞いて来なかったよな。
・・・コレを作ったのは忌まわしきあのクソ豚なんだ。だから、ここは何が何でも退きたかねぇんだよ……!!」
怒りに顔を歪まずササミに続き、マイも話し出した。
「アイツにリベンジする為にわたし達は強くなろうって決心したんだけどね、リベンジする間もなく当時の冒険者達にあっさり倒されちゃってね……」
「モ"ブゥ!?ブルモ"ォォォォォ!!!!」
丘の上からG・G・Pが飛び降りてきた。
ヤツはすり鉢状に展開したワイドプロテクションのど真ん中に着地すると、着地の震動にて俺達全員を転ばし、まるでついでのように俺の結界を破壊した。
「モ"ガァァァァ!!!」
「どわぁ!?う、嘘だろアイツ!!」
「リクト君の結界を破壊した!?」
「マジ!?ペニィやブブの攻撃も防ぎきってたのに!?」
"守護者Ω"自動回復さんによるズルのお陰とはいえ、これまでどんな無茶苦茶な攻撃をも耐えてきたワイドプロテクション。
それがあっさりと砕かれてしまった。
「<ピー、ピー、ピー、ピー>!?何だこんな時に!っっ!?ハァ!?解析不能!?」
更に緊急事態。
自動解析がアイツの解析諦めたんですけど!
俺の声に驚いたホノカが何があったのか聞いてきた。
「どうしたの!?」
「アイツ、解析できないんだけど」
「何!?」
「そりゃ本当か!?」
驚くヒビキとササミに俺は言いたい。
驚きたいのは俺の方じゃ。
「リクト君、みんな聞いて!」
アリスは声をあげて注目を集めた。
しかし、G・G・Pは一瞬の隙も与えんとばかりにジャンプをすると、力を込めて着地し、先程同様の揺れを発生させた。
「ぐわあぁぁぁ!!」
「ライデン!ライデンが特に痛がってるってことは、土属性の攻撃か?
何なんだアイツ!尻尾のなぎ払いと地ならし、全体攻撃多すぎないか!?」
思わず俺は愚痴を吐いた。
「そうねリクト君。アイツの恐怖はあの巨体から繰り出される全体攻撃よ!
でもね、それだけが取り柄なら『初心者殺しの大ブタ』なんて異名は付かないわ。アイツを真に初心者殺したらしめる理由はね、スキル:"対魔法肌"の『魔法影響無効』によって魔法が一切聴かないことよ!」
魔法が聴かない!?
は?魔法が、聴かない!!!????
「アリスさん嘘でしょ!?」
「魔法が聴かないって……」
「言葉の通りよ。加えて、『ぶあつい脂肪』の効果で無条件で火属性と氷属性、風属性のダメージを半減に抑えるの」
「「・・・は?」」
アリスの言葉を受け、ホノカとユキナは絶句している。
そりゃそうなるだろ。
あの二人は基本的に魔法がメインウエポンなんだもの、しかも無条件で属性まで半減て!
「嘘でしょ!?それじゃあ私達、やられっぱなしじゃない!!」
「そんな、魔法は効果無し。氷と火属性も効かないなんて、一体どうすれば……」
「そんなの!インチキでしょ!」
不条理に怒るホノカと頭を抱えるユキナ、それに同情したのか地団駄を踏むルナ。
アリスはそんな三人を見て続けた。
「でもね、強力な力には大いなる代償が付き物。その例に漏れず、ヤツはどんなに魔法を使いたいと願っても一切魔法を使うことが出来ないの」
「モ"ッ!!?」
おやおや?
核心を付かれたのか、G・G・Pは動揺したように後退りした。
「モ"ッ、グゴモゴォォォォ!!!」
ちょっと!アイツ、動揺したんじゃないのか!
めちゃめちゃキレ散らかしながら体当たりを仕掛けて来たぞ!!
「リクト君!ライトウォールを!」
「!?は、ハイ!!」
俺は言われるがままライトウォールを展開した。
正直、俺は先程の砕かれたのを引きずってるので、かなり結界に頼りたくないのだが……
※豆腐メンタル発動
「落ち着いて、大丈夫よ」
「?あれ・・・?」
「モ"ブウゥ!?」
あれ?おかしい。
全然受け止めれた。
「G・G・Pのさっきの技、大震撃はね、ヤツの体重に星の重力の利用しているからかなりの威力が出るの。
でもね、ただの体当たりなら話は別。
血管が浮き出て見えるから筋骨隆々のフィジカルモンスターに思えるけど、所詮はポウポークの亜種。弾力性が凄いから結界で防げるわよ」
アリスはなんて事ないと言った様子でそう言った。
さ、流石はギルド職員だ。
それも、新米冒険者を補佐する教職員だ。
こういうイレギュラーも慣れているのだろう。
「さて、私からのアドバイスはこれでおしまいよ。ここからは貴方達が考える番よ。
リクト君!"クリエイト"のリーダーの貴方ならササミさんとマイさんの助太刀をどう生かす?
そしてライデン君、ヒビキ君、ホノカちゃん、ユキナちゃん、ルナちゃん。貴方達はこの逆境の中リクト君のオーダーに100点満点の回答を出せるかしら?
魅せて頂戴、貴方達の連携を、ソウルフォレストの危機を救った力の一端を私に見せて頂戴!」
アリスはこの後、ファイトだよ!と応援してくれた。
「ってワケだ。頼むぞリクト、作戦は全部おめぇに任せる。だからオレ達は言われた通りに動いてやる!」
「沢山迷惑をかけちゃったから、せめてもの償いとして、お役立ちするよ…!よろしくね!」
二人は俺の肩に手を乗せながらそう言った。
二人の助力はとても嬉しい。
正直G・G・Pのバカみたいなスペックを聞いた後じゃ俺達6人だけでは不安だったので渡りに船だ。
なんだけど、俺、さっきからずっとG・G・P抑えたままなんだよね!?(※はぁ?)
だからそろそろ、いい加減、キツイんですけど……!
「ブモォ、ブモォ、ブモォ、ブモオォォォォォォォ!!」
「と、とりあえず、まず、コイツを何とかしてくれませんか!?もぅ、オシキラレ、ソウ………」
あかん。
そう、諦めかけた瞬間だった。
「任せろ!(ヤツに向けて超聴覚共有!、リクトには聴覚操作でダメージ受けさせないやうにして!か、ら、の)スーパーボイス!!」
「ササミ!あんたの技、借りるわ!模写眼、スーパーボイス!!」
「モ"ッ、モガモガァ!!!??」
ササミとマイは音波による攻撃でG・G・Pを怯ませ、大幅に後退させた。
「っしゃ、どうだぁ!」
「ゲホゲホ!あ、あんた、よく喉潰れないわね……!」
「ったりめぇだろ。オレのノド舐めんな!」
こんな時にも軽口叩き合うのか……
まぁ、二人らしいっちゃ二人らしい…!
「リクト!ごめん、遅れた」
「加勢するぞ!」
ライデン、ヒビキ、お帰りなさい。
待ってましたぜ。
「おぉ、二人とも!」
「ねぇリクト、どうするの?今のままだと私とユキナ、相当厳しいんだけど……」
そうだった。
んー、困ったなぁ……
俺はむむむと唸り声を出す。
すると、ユキナがこんな提案をした。
「魔法、ダメージが入らないにしても、妨害には使えないかな?例えば、ふぶきで向こうの視界を遮るとか、クリスタルエッジやホノカのマジカルフレアでG・G・Pから飛んでくる攻撃や反撃を防いだり邪魔したり」
確かに。
とはいえ、魔法無効がどこまで無効にしてくるかわからない以上、何とも言えない。
「有効打になりそうだけど、魔法無効が未知数だからな。そこら辺試しながらの戦闘になりそうだな……」
魔法無効に加えて、引っ掛かる点がモウ一つ。
先程アリスは所詮はポウポークの亜種と言った。
突然ですが、ポウポークとは、マーブルタイガー討伐ダービーだったのに、主題そっちのけで狩りまくったやつだ。
※北の村の牧場にもいました。
アイツには『だんりょくボディ』によって飛び道具を跳ね返し(※ダメージは食らう)に加え、剣などの斬撃が通りにくく、雑魚敵枠とはいえ以外と対処が面倒だった。
それの亜種版、ってことはそういう事なんだろうな。
飛び道具(矢とか銃弾とか)が跳ね返されて、斬撃でも致命打になりにくく……
こんなヤツ、序盤のボス扱いでいいの!?
冒険者レベル平均17のパーティで苦しい(※考察段階)のに、それこそ冒険者レベル10以下だと無理でしょ!!
あぁ、レベリングしてきてからで良かった……
「兎に角、魔法の妨害が効くか試さないとな。ライデン!ヒビキ!5ふ……、いや3分考える時間が欲しい」
「成程、時間を稼いでほしいと」
「任せろ!」
ライデンは親指を立て、ヒビキは胸を叩いた。
「そんでもって、ホノカ、ユキナ、ルナ。そしてササミさん、マイさん、前で動くライデンとヒビキのサポートを!お願いします!」
「っ、分かったわ!」
「了解…!!」
「まっかせてっ!」
ホノカ達後衛三人組は承諾してくれた。
だが、ササミは待ったをかけた。
「おっとリクト。オレとマイをサポートだけに使っていいのか?オレは鸚鵡返しで、マイは模写眼で、おめぇらの技を完全コピー出来るんだぜ?」
ササミは凄いどや顔で言い放った。
「つまりね、リクトくん。臨機応変に動けるよって。コイツは言いたいのよ。ね?」
「おぅとも」
この二人の意志疎通は凄いな。
なら喧嘩は程々にして貰いたい所だが。
「よぅし!ササミさん、マイさん、貴方達二人には前衛と後衛、両方のサポートを頼みます!
あわよくば、因縁のある二人がG・G・Pにトドメを刺せるよう何とかしますので!」
「ほ、本当か!?そりゃ願ったり叶ったりだ!張り切らせて貰うぜ!」
「っ!!わかりました。それなら、最高の形で願いが叶う事を期待してますよ!」
う、期待の眼差しが凄い……
調子に乗って偉いこと言ってしまったか……?
まぁいい、俺は"創造の手"の所有者なんだ。
全部、理想通りの盤面を作ってやるっ!!
「モ"ブゥルルルル!ブモッブモッブモッブモッ、モ"オォォォォォォォォォォォ!!!」
再びG・G・Pが突っ込んで来た!
「作戦開始だ!ライデン!ヒビキ!頼むぞっ!」
「「おぅ!!」」
ライデンとヒビキは迫り来るG・G・Pに恐れることなく剣を向け、駆け出した。
「よしライデン、同時に技をぶつけるぞ!少しでもあの威力を分散させるんだ!」
「OK!」
ライデンは思い切り跳び上がり、ヒビキは軽く飛ぶと縦にぐるんと回転した。
「我牙流水斬-白滝-ッ!!」
「我牙流電斬-霹靂-っ!!」
「モブルッ!?」
「すげぇ、息ぴったりじゃねぇか!」
ササミは二人に感心したらしく、ウッキウキだ。
「(確かに、すげぇや!)さて、『魔法影響無効』だっけ?それがどれくらいやべぇか試させてくれ……!」
ライデンとヒビキの斬撃でG・G・Pは止まった。
「モブル……」
「なっ、ぶにゅん!?」
「マジかよ。切れ込みすら入らないなんて…!」
だが、やはりポウポークの亜種というだけらしく、あまり刃が刺さらないらしい。
「ブモォォ!」
ヤツは格好の反撃のチャンスだといわんばかりにぐるりとその場で回転し、ライデンとヒビキに尻尾を食らわせようとした。
「危ないっ!スノウレーザー!!」
ユキナはヤツの足元目掛けてスノウレーザーを放った。
「モグゥ、ブッブモォ!?」
すると、ヤツの足元は凍りつき、ぐるっと回転したGGPだが、足(蹄)グリップが効かなくなって横転した。
「よしっ!」
「ナイスだユキナ!」
「サンキューな!!」
「(お、転んだ!?地面の性質の変化には対応してないのか?)」
うーん、確証得るにはまだ情報が足りないな。
「おらっ、もっかい超聴覚共有!食らえっ、スーパーボイス!!」
「モガッ!?モグモガァァァァ!!!」
「会心弾!!!」
「ファイアショットが効かないなら、手数で攻める!4連ダブルショット!!」
ササミの音波攻撃によって更に体制を崩したG・G・Pに追撃を食らわすルナとホノカ。
「ま、マジで!?ポウポークの時より最悪なんですけど!!」
「嘘、跳ね返った!?」
しかし、追撃にはならず、会心弾と4連ダブルショットが此方に返ってきた。
「っ、ライトウォール!!」
「おわっ、な、ナイスリクトっ!」
「あ、ありがと…」
「大丈夫、あまり気にするな」
とは言ったもののなぁ……
べらぼうに威力の高い会心弾も、計8本の矢も跳ね返すのか……
だぁ、頭痛くなるなぁ……
「ライデンくん、ヒビキくん!次が来ます!尻尾のなぎ払いです!!」
ふと、マイが警告を入れた。
「み、未来視だな?3秒後を見たのか。ヒビキ!ライデン!上手く防げよ!?」
「ブモオォォ!!」
マイの警告通り、G・G・Pは尻尾でなぎ払ってきた。
「極・一閃っ!」
「我牙流水斬-竜牙-ッ!!」
ライデンとヒビキは技でそれを受け止めると、ササミはこんなことを言ってきた。
「おいリクト。おめぇは"創造の手"で何でも出せるんだろ?剣を出せ、オレも前に出る!」
との事。
俺は直ぐ様オーダー通りに"創造の手"剣を出し、ササミに渡した。
「なぁに、おめぇの策の範囲内で暴れるだけよ!既に3分経ってるしよォ、もう少し、時間を稼いでやるよッ!」
「っ!?」
どうやら、ササミは俺の考えが纏まってない事を察したらしい。
「ライデン、ヒビキ、加勢するぜ!」
「さっ、ササミさん!?」
「なぁに心配すんな。おめぇらの足手纏いになる気は更々ねぇよ。それよりおめぇら、結構力み過ぎてるぞ。それじゃあ斬れるもんも斬れなくなるぜ?」
「ギグ!!?薄々そんな気してたんだ。恥ずかしいな……」
「ッ!!(少し、いや、だいぶ冷静になれた……)感謝します…!」
「よぅし!いくぞおめぇら!!」
ササミはライデンとヒビキを従えてG・G・Pへと向かった。
するとその直後、マイは叫んだ。
「っ!?と、止まって三人とも!!G・G・Pが跳ぼうとしてるわ!!」
「なぁに、一回ぐらいなら大丈夫」
「連続よ!連続攻撃が来るの!!」
「はぁ!?」
ササミが驚いた頃には既に遅かった。
「ブッ、ンム"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!」
「はい!?」
「ちょ!?」
G・G・Pは地面を揺らした時みたくジャンプした。
その後、着地しては高度を上げて跳び、また着地しては先程より高く跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び、跳び・・・
某赤帽子の配管工がめんたま飛び出すくらい、何度も跳びはね大地を揺らした。
「ブモ"オ"ォ"ォ"オ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
「お、おめぇ、ナイスだリクト!」
「紙一重、だね」
「へへっ流石だぜ…!」
幸いにも、ギリギリのギリギリでライトウォールが間に合った試、ササミ達にG・G・P本体が被弾する事はなかった。
ん?ちょっと待ってください奥さん。
どうしてG・G・P『本体』を強調したんですか?
それはね、ヤツは何度も何度も、何度も何度もはぁ~何度も!地面を揺らした為、本体が被弾せずとも相当なダメージを食らってしまったからだ。
そう、結界で上や横からの攻撃を防ぐ事はできても、下からの攻撃には対応出来ないのだ。
なので・・・・・
「うおわっ、どわわわっ!!?」
「ガッ、ぐわぁぁぁぁ!!」
「ひっ、キャァァァ!!?」
「わわわっ、うわわわ!???」
「どわっ、グッッ!!!?」
「無理無理無理無理無理無理無理!!!」
「うっ、そ、だろ、、!?」
「だっ、から、、言った、、じゃない!!」
「(こっ、れは、、中々なものね、、、!属性の相性的に私とササミさん、マイさんは揺れを半減できるけど、、"クリエイト"は半減不可、特にっ、ライデン君は、バツグン、、、!
ヤツのバウンドは回数を重ねる度威力を上げる、どう、どう止める!?)」
さぁどうしよう!ピンチだ!!!!!
なぁみんな!これ、どうやって止めるよ!!?
ギリッギリで本体の被弾は防げてるけど、なんか、さっきからライトウォールがミシミシいってるのよ!
このままじゃどんどん揺れが酷くなっていって、ライトウォールも砕けて、全滅コースだぞ!?
どうする!?マジでどうする!?
何か、何か打開策はあるのか!?ないのか!?
「あ!」
いや、あーる!!
"時空間支配"の空間転移があーる!!
それで一旦G・G・Pの揺れの範囲外に行けばいいんだ!
そこで一回フル・ヒールで回復して、ゼンカイの状態でもっかい挑もう!
思い立ったら即行動。
と、とりあえず転移先は、コノヲキ=ナンノの大木……そうだ!待って!そうだった!!
空間転移は一度行った事ある所しか無理だった♨️
な、ならば、空虚の沼地だ!足元は最悪だったけど、あそこで一度建て直そう!
空間転移にG・G・P以外のみんなをセットして、、、
よしっ!行けぇ!
「空間、転移、、、!」
「モガアァァァァ!!!!ブ、ブモ?」
離脱、成功、、、!
「あ、危ねぇ、、、間に合った、、!」
急な転移だった為、全員大層驚いている。
「な、こ、ここは!?」
「な、空虚の沼地じゃねぇか」
とりあえず、フル・ヒールで、いや、ヒーリングエリアで体に負担をかけない回復にしよう。
「すみません。結局5分も時間貰ったのに作戦思い浮かばず離脱しちゃって……」
「やっぱり、リクト君の能力なのね」
ユキナはホッとしたように、そう言った。
「うん。"時空間支配"の空間転移を使ったんだ。あのままじゃ、どうやっても全滅待ったナシだったからね。
悔しいけど、あれは一旦建て直さないと無理だ!」
俺は乾いた声で、ハハハと笑った。
「うーん、リクト君。ダンジョンボスをあのまま放置するのは危険極まりないわよ?
もし、G・G・Pがあの辺一帯から別の場所へ移動したらどうするの?」
「あ。すみませんでした……」
やば。生き残ること優先し過ぎて先の事考えてなかった……
アリスはしかめっ面でめっ!と言った後、途端に微笑み、俺の頭を撫でた。
「でも、あそこでよく離脱の決断出来たわね」
「へ?」←※理解追い付いてねぇ人
「だって、死んだら元も子もないでしょ?」
い、言われてみれば。
てか、全滅回避するために転移したんだよな。
あれ、おかしいな。頭が回らなくなってきたな、、、
「そうだな。ありがとよ、オレらを助けてくれてよ」
ササミは大きな手で俺の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
俺はそれが嬉しくて、でも情けをかけられてるみたいで悔しくて。
ササミさんが感謝の意で撫でたって事くらい流石に解る。
けど、今の俺は俯く事しか出来なかった。
「でも変よね。わたし達が幼少期に遭遇したG・G・Pはここまで無茶苦茶じゃなかったわよね?」
「あぁ。平均レベル17、だから丁度おめぇらと似た実力の奴らがちゃっちゃと倒してたな」
「ちゃっちゃと……」
「あん?」
「ササミ……」
「あ。き、気にするなよあんまりよ」
「俺達、いや、俺は無理だったのに。……凄いな。みんなは頑張ってくれたのに、俺が、俺が作戦を思い付かけないばっかりに………(っ!『ギャッハッハ!!喜べ!貴様はもぅ、魔法に頼ることも出来ない!!』。
『はいはい。ワタシは倒し損ねたんだし、トドメはあんたらに譲りますよ』。
『諦めな。ウィンドストライク!』)ッッ!!!?」
悔しさと同時に"ダークストリーム"にボッコボコにされた事まで思いだした。
ハハハハハ。
そうさ、俺の情緒はとっくにグッチャグチャになっていたんだ。
「っっ・・・」
「ちょ、おめぇ……」
「あ。あんた泣かせた」
「ち、違う!断じてちが……」
俺はこの日初めて、みんなの前で大声を出して泣いた。
次回、50話 リベンジ!G・G・P!
過去一レベルで僕のおふざけが入っているのに、28話辺りの、描写されてない地獄の稽古を除けばリクトさん初めての敗北回となりました。
序盤中盤と最後の温度差で風邪引きそうですね。
万が一、風邪を引かれましても僕は対応しかねます。予めご了承くださいまし♨️
【一応補足】
ササミとマイの会話にあったように、G・G・Pさん、もといC-級のダンジョンボスは普段ここまで強くないです。
Q.じゃあ何故リクト達は蹂躙されたん?
A.---To be continued---
 




