【4話】 悩める少女、その名はホノカ
お待たせしました!今回はヒロイン登場回となっております!
11/28追記
過去話を読み返してハズカシクなった僕は、大慌てで1話から修正しています。
ですので、漏れず修正を反映させた世界となっています。
めちゃめちゃ変わったとかではないのでご安心を。
ライデンから色々聞いた話を元に、ひとまず"この世界"の分かった点を纏めてみようか。
・"この世界"で生まれた生き物全てが何かしらの『スキル』を所有している。
・"この世界"にはなんと!魔法が存在する。火、水、電気、土、風、氷、光、闇、の八つの属性があり、八大属性と呼ばれている。
・"この世界"は、500年前に災厄から始まった『ゼロ対戦』という大戦争が起きた。で、それを引き起こしたのは災禍の化身と呼ばれる存在、『カース・ゼロ』という。
・災禍の化身を倒した勇者二人と魔王四人。その人達は"この世界"で凄く人気があり、影響力もある。彼らの総称が勇魔六英雄。
・"この世界"は人間と魔物が手を取り合うハートフルな世界であり、魔物(魔人)とモンスターは全くの別物だという。
※ちなみに、モンスターは基本的にはめちゃめちゃ危険らしい。
・モンスターには級という危険度の指標があり、E級からS+級までの危険度の階級がある。それを正式に決めたのはソウルフォレストとは別の場所にある冒険者ギルドなる場所。
(↑後日知ることになるが、E級のみが一つで、それ以外は+と-の強さがある。例えば、C-、C、C+的な感じ)
とまぁ色々挙げてみたが、一つだけ確実に解ることがある。
それは、俺がどうやって元の世界に帰ればいいか解らないということだ。
「ライデンのお陰でざっくりとだけど"この世界"がどんな所か理解できたよ。まぁ、元の世界じゃないから帰れないってことも一緒に理解ったけどもね」
「あははは(←悲しくて笑うしかない図)」
ライデンは椅子から立ち上がると、体をぐいいーと伸ばした。
「さて、そろそろ僕の村に向かおうか」
「だね~。とりあえずテーブルと椅子は片付けちゃうよ」
「了解」
「"創造の手"、消去っ!(なんちって)」
「おぉ凄い。テーブルと椅子が一瞬で消えた……!」
お昼を済ませた俺とライデンは、引き続きライデンの住む村へ向かって歩くのだった。
◇
・・・えいっ! やっ! こんのおぉぉ!
歩き始めて大体30分程経っただろうか。森のどこからか、うっすらと女の声のようなものが聞こえてきた。
・・・・・はあぁぁぁ!!!
ぷしゅ~~~
はぁ、はぁ、だぁぁぁ!!
女の声(?)と一緒に、爆発音とも呼べない、何かが不発した時のような、何とも気の抜ける音も聞こえ始めてきた。
「・・・ん?」
「どうした?」
ライデンには聞こえていなかったらしい。
まさか幻聴?え、怖っ。
「いや、何でもない。気のせいか?」
「?」
そして、5分後。
・・・はあぁっ!!
「!!?」
あのぉ~、また聞こえてきたんですけど!?
幻聴じゃ無いんかーい!
「(さっきのは幻聴じゃなかった!?)あのさライデン。なんか、声聞こえなかった?」
「あぁ。僕も聞こえたよ・・・」
ライデンは悟ったような表情を浮かべ、ため息を吐いた。
「ライデン?」
「いや、気のせいかもしれないけど、今聞こえた声に聞き覚えがあるというか・・・」
ライデンは何故嫌そうな顔をしているのだろう。
「行こ、なんか気になるし」
「う、うん(あーあ、まだまだ掴めていないみたいだ。困ったなぁ)」
声のする方向へ更に歩くこと数分、俺達は結構開けた所に出た。
「ん?誰かいる」
「(やはりか)」
そこの中央に声の主がいた。
その子は俺よりも小さく華奢で、クリーム色の髪の毛を可愛らしいツインテールに纏めており、セーラー服のような黒いワンピースを着ている。そして瞳は綺麗な紅色をしていた。
「(声の主はやっぱり女の子か。何してるんだ?アレ)」
「(そういえば今日も練習するって言ってたっけな。でも…)」
彼女は先程から力を溜めたり魔方陣を出現させたりしては何かを放とうとしているが、なかなか上手くいかない模様。
「はぁ、やっぱ相変わらずか・・・」
「知り合い?」
「あぁ。僕の幼馴染み、ホノカっていうんだ」
ライデンは何とも言えない表情を浮かべた。
「な、なんだ?」
「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた」
この僅か一瞬でか。
ライデンは頬をポリポリかいた。
「見て分かる通り、ホノカは魔法の練習をしているんだけどあの通り一向に上達しなくてさ・・・
僕も度々練習に手伝ってるんだけど、やっぱり魔法だけ上手く扱えなくて。困ってるんだ」
ライデンは頭をくしゃくしゃとかきながらそう言った。
魔法か。魔法なんて、ゲームとかアニメとかでなら結構見てきたけど、使ったことなんて一回も無い(当たり前や)。というか元の世界では使えないわ!!
さて、助けようにもどう助ければいいのやら・・・
「(なんとかしてあげたいけど、魔法なんて俺使ったこと無いし・・・)あ!そうだ!」
「リクト?」
良いアイディアを思いついた!!
"創造の手"で新しいスキル作ってみよう!
それを使って万事解決!みんなハッピー!・・・は流石に皮算用過ぎるが。まぁ、やるだけやってみよう。
「ライデン!今こそ"創造の手"の出番だよ!」
ライデンは俺とは対照的に頭に?を浮かべ、首を傾げている。
「どういうことだ?」
「"創造の手"にはスキルを新しく生み出せる能力もあるみたいじゃん。それを使って魔法について詳しいスキル(?)を作ればさ、あの子が魔法を上手く扱えない原因が探れるかも!」
「・・・確かに、試してみる価値はありそうだ。頼むよ」
「よっしゃ、任せて!」
「うん!スゥー、おーいホノカ!」
ライデンは大声で少女を呼ぶ。
「ひゃっ!?ら、ライデン?」
どうやらホノカは俺達に全く気づいていなかったようで、ライデンに呼ばれてびっくりしている。
え、結構デカイ声出して会話してた気がするのに、気づいてなかったの!?
「見てたなら言ってよ!」
「悪い悪い」
「それと、貴方は?」
「俺は木ノ下陸斗。陸斗でいいよ、宜しく」
「(キノシタ?リクト?初めて聞くわね)私はホノカよ!こちらこそ宜しくね」
「リクトとはさっき友達になったんだ。ホノカ、一応聞くけど何してたんだ?」
ライデンは一応、ホノカに何をしてたか聞いた。
「魔法の練習よ。あともうちょっとで完成しそうなのに上手くいかない」
「あぁ、いつも通りか」
ライデンが肩をすくめると、ホノカはカッとなって頬を膨らませた。
「なによ!私は本気なのよ!?」
「ごめんごめん、冗談だよ冗談」
ライデンが謝っても尚ホノカは頬を膨らませる。
「(流石幼馴染み、仲良いなぁ。それはさておき)魔法を上手く扱えない、か・・・」
「そうなの。魔法だけ上手くいかないの」
「魔法だけってことは魔法以外なら出来るってこと?」
「えぇ、炎の実体化とかならこんな風に」
ホノカは、はあぁと力を込めると、赤く燃え盛る炎の槍を生成してみせた。
細かい仕組みは分からないが、見た所、炎を槍の形に変化させた。それだけでも俺からしたら凄い事なのに、ホノカの持つはそれを全く形を崩す気配を感じさせない。
「(いや、迫力凄っ!)え、かっこよ…」
「っ///(親以外でこんなに素直に褒められたのはいつぶりかしら)あ、ありがと!フレイムランスはこんな感じに生成出来るわ。どう?」
「どうって、めちゃめちゃ凄いじゃん!」
「///(ひゃあぁぁ、嬉しいけど恥ずかしいわ……!)」
照れ隠しなのか、ホノカはそれをブンブン振り回したり、カッコいいポーズをとったりしている。
「じゃあさ、今のその要領で魔法だっていけるんじゃない?」
俺がこう提案すると、ホノカとライデンは顔を見合わせた。
「まぁ、やってみたら?」
「うん・・・よし!見てなさい!凄いの見せてあげるんだから!」
ホノカはそういうと、目を閉じた。
ゆっくりと呼吸を整え力を溜める。
そして、腕を前に伸ばす。出来ないと言ってた割にはホノカはあっという間に魔方陣を生成した。
「すっご……!」
「(頑張れっ)」
俺とライデンが固唾を飲んで見守る中、ホノカの生成した魔方陣はどんどん大きく、派手に、鮮やかになっていく。
「炎よ、集いて弾け、我が敵を焼き焦がせ・・・!思い切りいくわよ、グランドフレイムっ!!!」
刹那、灼熱の獄炎とも呼べる巨大な炎が!
ーーボフン!!
とてもとても軽いと音を立て、エネルギーの塊は虚空へと消え去ってしまった。
魔法発動の前後のギャップが激しすぎて、その場の全員が言葉を失ったのだった。
「( °д°)!!?な、何が起きたんだ?」
「うぅ、また失敗・・・」
「フレイムランスの流れでも無理か」
ガックリと肩を落とし絶望中のホノカとは対称的に、ライデンは冷静にそう呟くと、チラリと俺を見てこくりと頷いた。
「リクト」
「(出番だよ、か)まぁ、やってみるか」
「・・・?」
ホノカは不思議そうに首を傾げている。なので、スキルの説明してみた。
「俺はなんでか分からないけど、"創造の手"というスキルを持ってるだ。詳しい仕組みは分からないけど、食べ物からアイテム、スキルまで作れるんだ」
「スキルやアイテムを作る?へぇー。・・・!!?ええっ!?」←タイムラグ仰天
ははは思った通りだ。
ホノカはびっくり仰天!良いリアクションを見せる。
やっぱこういう反応するよね・・・
「"創造の手"で新たにスキルを作ってみる。そこで生まれた新しいスキルで解析でもなんでもしてみて、ホノカが魔法を上手く使えない原因を探ってみるよ」
するとホノカは、一瞬喜ぼうとしたが、戸惑った表情を見せる。
まだ半信半疑らしい。
「本当!?で、でも、本当にいいの?」
「困ってるんでしょ?いいよ、任せてよ」
正直な所、どうにか出来る根拠も自身も100%あるわけじゃない。
だが、俺に協力できる何かがあるのであれば、俺は最後まで協力させてもらう。
ライデンはホノカの肩を叩いた。
「協力して貰えるってさ。良かったな、ホノカ」
「う、うん。ありがとう……!」
と・い・う・訳で、新しいスキルを作ってみよう!
ちょ、ちょっと待てぃ。そもそも、スキルってどう作るんだ?
(※え?ノープランだったん!?)
「(やべぇ、どうやって作ればいいんだ?あっ、そうだ!最初にカレーが出てきた時みたいに望めばいいのか!よっしゃあ(?)、考えるぞ!)」
危ない危ない、ギリギリ問題解決だ。
危うくスタートラインにすら立てない所だった♨️(※アホ)
まず、必要なのは解析能力だよな。ホノカの原因を探らないといけない(し、それに何かと便利そうだ)から。
次に、魔法がどうのって話に着いていく為にら俺自身も魔法が使えなきゃダメだよな。とはいえ俺はどんな魔法があるのか、使う為に必要な詠唱だとか、そこいらも解らない。
そうだ分かった!なら、解析能力と一緒にそれらを全部勝手にやってくれるスキルにしちゃえばいいじゃん!
「(・・・よし、決まったぞ!)」
俺の脳内イメージを"創造の手"がカタチにしていき、新たなスキルが完成した。いや、完成してしまった……!
その名も"魔術師Ω"である。
ん?なにコレ、オメガ?なんでΩが付いてるんだ?
まぁ、名前は一旦置いといて、"魔術師Ω"の能力はこうだ!
・魔法を使う際の詠唱をカットできる『詠唱破棄』。
・魔法のが命中しやすくなる『命中精度補正』。
・魔法を使う為のエネルギー、魔力の効率を良くする(要は無駄に使いすぎなくする)『魔力節約』。
・対象の能力やスキル等を解析したり、共有もできる。かつ、視覚外から攻撃が飛んでくる(きた)際の警告も兼ね備えた『自動解析』。
ヤバイ、どうしよう。えげつないバカが出来たぞ。
ちょっと?欲張りちゃんが許されるのは小さい子までだぞ!
高校生が欲張ってどうするんだ!
そう突っ込みたい方、いるかもしれません。
すんません、"魔術師Ω"とセットでもう二つも作っちゃった☆
物理攻撃用の"攻撃者Ω"と完全防御用の守護者Ω"と、計3つ新たなスキルを作成してしまった。
しかし!今はホノカの件が最優先だ!
なので、"攻撃者Ω"と"守護者Ω"は後に回させてくださいまし。
「っし、完成っ!できたぁぁ!!」
はぁ、凄く疲れたぞ。
イメージ的には、一人で、かつ人力で工場の設備を動かしてる気分だった。
コレ、スキル生み出すのってこんなに疲れるんか。
こんなに疲れるってことは、さぞ強いスキルに仕上がってるんでしょうね?
強そうな能力にはなったが、使うまでは信用できないぞ?
「嘘ぉ!?」
「早っっ!1分しか経ってないぞ!?」
どうやら、体感10分は経過したと思っていたが、今の出来事は僅か1分の出来事だったらしい。
道理でライデンとホノカがめちゃめちゃ驚愕している訳だ。
「はぁ。変に疲れたけど、新しいスキルが出来たよ」
俺はライデンとホノカに親指を立ててみせた。
「どんなのを作ったんだ?」
「変幻自在に魔法を操り、対象の解析も可能!その名も、"魔術師Ω"!」
「「ウィザード・・・?」」
ライデンとホノカは声をハモらせて首を傾げた。
「色んな魔法を使えて、解析で相手の情報を読み解いて、か。確かに、魔法使いみたいな能力だね」
「そ、それで原因がわかるのね?お願いリクト!早速試してみて!!」
ホノカは興奮気味に目を光らせている。
成程。ホノカは余程魔法への未練、というか執着があるんだな・・・
「どれ、自動解析ON!」
<ピロン♪>
解析能力のスイッチを入れ、十数秒もかからない内に通知音が鳴った。
「なんか鳴った?」
あらまぁ!5分くらいかかるかと思っていたが、意外と早く解析結果が出てきた。
「(え!?早っ!?)解析終わったみたい」
「「早っ!!」」
というとで、三人で解析の結果を見ることに。
(リザルト画面的なやつ↓)
Name:ホノカ
種族:人間 属性:火
17歳、153cm、4/7生まれ
好物:りんご
【所有スキル】
"火魔術師"
・火生成 ・熱操作
・命中精度補正
【概要】
・魔力不足の為魔法の行使不可
・魔法への強い執着心
「あ、魔力不足って・・・」
ライデンが言葉を発した瞬間、顔を真っ赤にしたホノカが叫んだ。
「ちょっと待って!?年は兎も角、身長が出てくるなんて聞いてないんだけど!!!」
「体重とか出てないだけマシ・・・」
ライデンは軽く返そうとしたが、案の定火に油を注いでしまったようだ。真っ赤なホノカは更に燃え上がる。
「良くないわよ!!ライデン!あんた!いくら私が幼馴染みだからって、女の子に向かってよくそんな事言えるわね!!許さないわよ!」
「(わお。ホノカってば、凄いほっぺ膨らませるやん)」
ホノカはこれでもかと頬を膨らませる。
独特な怒り方を見て、俺はちょっと可愛いと思ってしまった。
「ごめんごめん、僕が軽率だったよ」
ライデンが謝った瞬間、ホノカの怒りの矛先は俺にも向いた。
あの、ホノカさん?ちょ、目が!目が怖いんですけど!!
「リクトもリクトよ!!全く、私の魔法が使えない原因を探るのは良いけど、そんな所まで公にしないで頂戴!!」
飛び火しました。(当然)
「はい。すみませんでした(解析だから当然っちゃ当然だけど、こんなにもプライバシーもクソも無くなるんだね。悪用厳禁だコレ)」
俺は自動解析はいざという時にしか使わないと心に決めた。
◇
数分後。ようやく怒りの収まったホノカと冷や汗の止まらない俺とライデンの三人で真面目にどうすればいいのかの討論会が勃発していた。
「さて。とりあえず、原因は分かったね」
「うーむ。魔力不足が原因じゃ、僕達がどうこう出来る問題じゃ無い。正直、ホノカが頑張り続ける以外、策は無さそうかも・・・」
「・・・・・」
ライデンがため息を吐くと、じわりじわりと現実を実感したのか、ホノカは目が虚ろのまま何も言わなくなった。
だが、このままじゃホノカが可哀想である。
だってさ、何度も何度も魔法を使えるように努力していたのに、魔法発動の為のエネルギーが足りません!なので今までの努力は無駄でーす!って、無理無理無理無理!いたたまれないよ・・・
「・・・」
「(困ったな。今一番辛いのはホノカだ。これまでの全てが否定されたようなものだからな………)むぅ、どうにかして魔力不足を解消できないものか」
「あ!そうだ、そうじゃん!」
閃いた。こんな時こそアイテム作成の出番だろ!
食べ物や俺の私服だけでなく、大きめなテーブルに椅子。それに、特注だって言ってたライデンの剣だって完全にコピー出来たんだ。
"創造の手"なら魔力不足を補うアイテムだって作成可能なハズだ!!
「ちょ、ちょっと?どうしたのよ・・・?」
「おい、リクト?」
突然声を上げた俺にライデンとホノカは驚いた。
だが、俺は二人をそっちのけに行動に移る。
「ちょっと待ってて二人とも。良いアイディアが思い浮かんだんだ!」
「良い?」
「アイディア?」
二人はほぼ同時に首を傾げたが、俺はお構い無しに作業を続ける。
「(これを、ああして、こうやって・・・お?おお?おおお!!来たぁ!)・・・よし!完成だ!!」
なんと!これまたあっさり出来てしまった。
足りない魔力を補いつつ、面倒と思われる詠唱をすっ飛ばして魔法を行使可能にして、かつオシャレにも一躍買ってくれるナイスなアイテム!
「綺麗・・・」
「なぁそれは?」
二人とも、早速興味を持ってくれたようだ。
「これは、んー、・・・炎のネックレスだよ」
考えた末、安直↑~!ネーミングセンス皆無↑~!
「アイディアの勝利ってやつ?自身の力だけじゃどうしようもない。そんな時はアイテムに頼ればいいじゃん。
だってアレでしょ?俺のいた世界では危なくて法律で使用を禁止されてるけど、"この世界"には危険なモンスターがいるからライデンは剣を持ってるんでしょ?素手では足りない攻撃力を補う為にさ」
「リクトのいた、世界?どういうこと?」
そうか、ホノカにはまだ言ってなかったんだ。
俺が異世界から迷い混んだって事を。
「リクトはこの世界とは違う別の世界から来たんだって」
「何それ!!」
ホノカ。俺も、何それって思うよ。
だって意味不明じゃん!寝て起きたら森の中ってさwww
ホント、あり得ないよね!?
「向こうの、もといた世界で普通に生活してて、今日起きたらこの森にいたんだ」
「じゃあ、ライデンと合ったのは?」
「いく宛のないリクトを僕達の村に招待しようと思ってね。村長なら事情を聞けば許可をくれると思ってね」
「成程………」
ホノカは目をパチクリさせた。
「話を戻すけども、確かに素手じゃモンスターと渡り合うなんて自殺行為だよ。それなのに勝つだなんて、夢のまた夢だね」
ライデンは乾いた笑いをした。
「ほら。これを付ければホノカの魔力不足を解消出来るハズだよ」
「待って!ねぇ、どうしてリクトは初対面の私にそこまでしてくれる訳?どうして、赤の他人の力になろうとするの?」
ホノカの声は震えている。
「俺も昔さ、困っていた時期があったんだ。もぅめちゃめちゃ困っててさ。生きる希望もないって、死にたい~~って思ってた時があったんだ。
でも、向こうの世界にいる、親友とも呼べる奴らがずっと、俺の居場所を作っててくれてたんだ。それが凄くすごーく嬉しくて。
だから、俺も困ってる人を見かけたら見捨てたくない。それだけだよ」
俺の話を聞いたライデンとホノカは黙ってしまった。
「ちょ、そんなに間に受けなくていいって!要はただの自己満だよ」
「ねぇ。そのネックレス、よーく見せて」
俺はホノカに炎のネックレスを渡した。
まじまじとネックレスを眺めるホノカの瞳はどこかうっとりしているように見えた。
「・・・綺麗ね。着けてみていいかしら?」
「っ、勿論!」
ホノカは少し恥ずかしそうに、それを着けてみせてくれた。
ライデンは腕を組んでうんうんと頷いている。
「ど、どう?」
「バッチリ!凄く良いよ!(うんうん。デザイン凝った甲斐があったなぁ)」
「おぉ、似合うじゃん」
頷く俺とライデンのグッドサインを見て、ホノカは嬉しそうにはにかんだ。
「ありがと!」
ホノカはまるで太陽みたいに眩しい笑顔を見せてくれた。
「よぅし、早速試してみるわ!」
先程までのしんみりムードはどこへやら、ホノカは早速炎のネックレスの効果を試すべく、空き地の中央へと駆け出した。
そして、此方に手を振った。
「二人とも~いっくよ~!!」
「あぁ、見てるぞ~」
「おー!・・・ん?」
先程ネックレス無しの時よりも明らかに魔方陣の大きさとエフェクトの迫力が違いすぎるんだけど!
「魔方陣、さっきよりデカくね?」
「うん。デカイね」
俺だけでなく、ライデンまで青ざめている。
マズイ!このまま思い切りぶっぱなされては、森に被害が出るかもしれない!!
「ど、どうしよう!!」
「任せてライデン!」
俺は慌てて指をパチンと鳴らした。
おいおいお前、指鳴らした所でなにも起きないだろ!
そうお思いの皆様へ、朗報です。
さっき簡単に紹介したまま放置してした"守護者Ω"を試す絶好の機会が訪れました!
尺の都合(ホノカが魔法使うまでの時間)でサクッとの紹介で許して頂戴。『常時回復』、『超回復』、『防御補正』、『結界生成』を兼ね備えたスキルが"守護者Ω"です。
一言で言い表せば、鉄壁!
その名の通り鉄壁のガーディアンさん、出番です!!
「今ならまだ間に合う!いけぇ、ワイドプロテクション!!」
俺とライデンが慌てていたなんて知る由もないホノカは、足りなかった分の膨大な魔力を、ネックレスを介して技に変換してみせた。
「見てて二人とも!いっけぇ!!グランドフレイム!!!」
そして、ホノカの叫びと共に繰り出されたその獄炎は、この空き地を灼熱の地獄に変え、爆風を巻き起こした。
訳ではなかった。
俺が咄嗟に使ったワイドプロテクションにより奇跡的に被害をゼロに抑えれたのだった。
「や、やった。やったー!!私、遂にグランドフレイムを使えるようになったわ!」
炎のネックレスの効果でホノカはえげつない魔法を使えるようになっちゃったけど、本人が嬉しそうならそれはそれでいっか。
嬉しそうに此方に向かって手を振るホノカを見て、そう思う俺であった。
次回、5話 クリエイターが戦闘するとこうなる。
11/28追記
過去話を読み返すついでの修正リレー。
すみません、ごりっごりの魔改造が施されてます。
"創造の手"でスキルを作成すると疲れるだとか、リクトの過去の一部にホノカとライデンとのやり取りの追加等々。
足りなかった所をちゃんと描けて、僕は満足です。
(始めからそうしとけってコメントは無しでお願いします。何分ワタクシお豆腐メンタルなもので・・・)
---次回へ続く!---