【30話】 星と空のサプライズ-2nd-
前回と今回は難し過ぎて色々と迷走してるかもしれないでゲス(※語尾変化バグ)
2024 6/1追記
迷走してた割にはいい感じだったので、あまり魔改造修正しなくてよくて嬉しいでゲス。
はい。本編へどぞ↓↓↓
目の前の台から直径1m程のヘンテコな柄のボールに乗って現れたのは、赤い鼻に右目にある下のひし形のステッカーと赤いアフロでとんがり靴のTHE・ピエロな男、カリバーン。
彼は足踏みの要領で下の玉を回転させながら陽気な声でこう言った。
「アイとゲールからのバトンは受け取った!お次はこの僕、カリバーン様の時間という訳さ」
「やっば、マジかよ……!」
チラリと左を向くと、とても嬉しかったのかヒビキが手で口を覆っていた。
「(あー。見たいって言ってたもんなぁ)良かったじゃんヒビキ。見たいって言ってたよね」
「あぁ。これは、幸運だぜ……!」
満面の笑みを見せるヒビキを見たカリバーンは、へへっと笑った。
「おぉ!そうかそうか、楽しみにしてくれていたのか!
へへっ、それは嬉しい限りだなぁ」
すると、カリバーンはピタリと足を止める。
それと同時に乗っていた玉もピタリと回転を止めた。
俺達がおぉ~と歓声を出した次の瞬間、俺達全員は目を疑った。
『『うえぇぇぇ!?』』
なんという事でしょう!
回転の停止した玉の上でカリバーンさんは様々なポーズを取り出したのだ。
仁王立ちに片足立ち、逆立ち、変なポーズに面白ポーズ。
これ○○じゃねぇかwwみたいな、"この世界"の住人達には伝わらない、異世界の人にしか分からないものまで見せ、会場を盛り上がらせる。
ある程度時間が過ぎた頃、カリバーンは再び足踏みを始め、下の玉を回転し始める。
「さて、ここからは二人の時以上に瞬きは厳禁だ!きっと豪快するかもしれないぞ~?」
コクリと頷く俺達を見て、カリバーンは叫んだ。
「いくぞ!カリバーン、分身っ!!」
「(そのポーズ、仮○ライダーかよ…!!)」
まるで某仮○ライダーの変身時みたく腕を動かし、何がとは言わないが凄く似せて言う。
すると、分身と言った通りにカリバーンさんが5人に増えた。
「ふぃ~」
「分身完了っ!」
「おっと、どうしたんだい?」
「そんなに驚いちゃってさ」
「もしかして!この僕、カリバーン様の魅力に気付いちゃった?」
俺達は囲むように増えたカリバーンに驚きの声をあげる。
「ええええええ!??」
「ふ、増えた…!」
「うっそぉ!」
「すご………あ。見てみんな!足元のボールの柄が全て違うわ!」
ユキナがカリバーンさんの乗る玉をそれぞれ指差す。
あっ、本当だwww
よーく見てみるとビーチボール柄から星模様のものに、なんと! タイヤに乗っている者もいた。
「わぁ本当だ!!」
「プフッwた、タイヤwww」
目を輝かすルナと、堪えきれずに吹き出したヒビキ。
分かるよ。
あれは面白過ぎるもん。
カリバーンが動き出す直前にヴァルハイドが俺達に注意アナウンスをした。
「おっと、みんな、危ないから数歩下がってくれ」
「あ、どうも」
「おぅ!……………」
ん、なんだろう?ヴァルさんが此方に向かって歩いてきたぞ?
そして、徐に俺の肩に手を乗せてきたのだが。
「・・・本来|シルク・ドゥ・エトワール《このテント》に来るお客さんは今君達のいるステージには上げない。あそこに見える2階や3階の座席に着いてもらうんだ。
では何故君達がここにいるかだが、それはな・・・」
「それは……?」
突如として、ヴァルさんは引きつった笑みを浮かべた。
「ウチの団長が何がなんでも君達に特別な体験をさせたいんだ!!!って聞かなくてさ。
一応俺は反対したんだぞ?『星空マジック』では絶対にあり得ないとは思うが、万が一小道具とかが飛んでケガでもさせたらどうすんだ、となぁ」
マイク越しの溌剌とした声とは違い、どこか疲労と哀愁を感じさせるように小さく絞り出されたヴァルさんの声。
も、もしかしたら俺は星空マジックの闇を聞いてしまったかもしれない。
それを聞いて、俺はどうすればいいんだ………
「(こ、これ、は、どう返すのがいいんだ?)」
「(ん?・・・あ、やべ)ショータイム中に愚痴聞かせちまって悪かったな。
・・・詫びだ、受け取ってくれ」
ヴァルさん、離れ際に何か渡してきた。
これは、なんだ?どことなく水晶球のようだが余りにも小さくて、水色のようで実は赤っぽい。
・・・うん。なんだこれは。
「これは……なんだ?」
「お守りだと思ってくれ。万が一、命の危険に晒された時、それは君達を助けてくれるだろうさ」
「は、はぁ……(とりあえずポケットに入れとこ)」
「おいリクト!前見ろ前!やっべぇぞ!!」
突如俺は興奮気味のヒビキに顔を前に向けさせられた。
これ、地味~に痛かったです。
※シンプルに危険な行為故、現実では絶対にやらないで。
「(あっぶな!?)な、なんだ!?」
「ほーら、見て見て!」
「こいつは凄いぞ!」
ヒビキ同様目を輝かせるホノカとライデンの催促通り俺は正面を向いた。
で、目の前の光景を見た俺は思わず呟いてしまった。
なんじゃこりゃあ、と。
「「「「「はっはっは!どうだね?凄いだろう!」」」」」
いつぞやから流れていたおちゃらけコメディ風なbgmに合わせてカリバーン軍団が集団行動の如くステージ全体をくるくると回り、弧を描いていた。
加えて、ステージの照明は淡いものに変化し、スポットライトが彼ら全体を照らして映えているせいか一人タイヤに乗るカリバーンさん(分身?)が一際目立っている。
「あのタイヤに乗ってるやつが超気になる……ぶふっw」
「アレ、じわじわ来るよね」
「タイヤのインパクトも凄いけど、っ!あははっw、星模様のボールに乗ってるカリバーンさんを見てみて」
「どれ? あっはははwww」
「は、迫真の、変顔、じゃん!www」
「ちょっと待てw全部が全部違う変顔してるぞww」
カリバーンさんのネタ性が余りにも高すぎて、此方は吹いたり腹抱えたり過呼吸になったりもぅ大忙しである。
「(よぅし、今だな?)」
俺達が一頻りに笑い終えたのを見計らい、カリバーン軍団は一列に並び、声を揃えて叫んだ。
「「「「集合っ!」」」」
「シュウゴ~~ウいぇや!!!」
まぁ、約一名ほど声が裏返ってる者もいたけども。
ズルいよw、声裏返して迫真のいぇや!!は。
「「「「「さぁ、ここからが真骨頂だ!刮目せよっ!!
メタモーフ、発動!」」」」」
列の真ん中のカリバーンが指をパチンと鳴らす。
すると、みるみるうちにカリバーン軍団の姿形が変化していく。
変化後の姿はまさに多種多様。
「「「「「てってれーん!!」」」」」
『『!!?』』
ボンバーアフロなムキムキゴリラが一頭、ちっちゃいスライム?みたいなのが一匹、そしてもう一匹は宝石のように輝く毛並みの橙色の子ども獅子。
後ろの二人は此方からだと影に隠れてよく見えないのが非常に残念だ。
「すげぇ!じぇいむず君になったぞ!」
「じぇい、むず?……君?」
「か、可愛い!!ソーダちゃんにレオーナちゃんよ!」
「ソーダ、ちゃん?に、レオーナちゃん?」
「やば!クオリティ凄!」
「そうなの?解らんのが悔しい!!」
しかし、ヒビキとホノカ、ルナの三人は手前の三匹を見てキラキラと目を輝かせる。
一方俺は、カリバーンの変身した三匹を見て、何かが引っ掛かった。
「んー、それにしても。ソーダちゃんにレオーナちゃん?それにじぇいむず君も、何処かで聞いた事あるような?いや、単なる気のせいか?」
「リクト君リクト君」
ユキナは俺の左肩をぽんぽん叩いた。
「ユキナ?」
「ふふっ、カリバーンさんが突然モンスターに変身して困惑してるんでしょ?大丈夫、教えてあげるよ」
凄い。ユキナに心を見透かされた。※単にわかりやすいだけ
「カリバーンさんが変身したのはね、手前からじぇいむず君、レオーナちゃん、ソーダちゃんといってね、スワローナさんって人がテイムしているモンスターなんだ」
「へぇ、そうなんだ・・・・・ん?」
聞き間違えか?
確か、"この世界"って人と魔物が共存していてモンスターが脅威なんだよな?
「ん?今何て!?」
「あ、そっか」
そっかじゃないよユキナ!
お願いだ、説明求むよ。
「困惑する気持ちは分かるけど、安心して。
スワローナさんのテイムしたモンスターは五匹いるんだけど、五匹とも勇魔六英雄から特別に許可が出ているんだ。
無害かつ愛らしい表情と動作から全世界で親しまれているくらい有名な子なんだよ」
「成程???」
説明されて尚、きょとんとする俺を見てか、ユキナは笑った。
「あはは。まぁ後々出てくるはずだから、その時にね」
「わ、わかった。解説ありがとう」
視界に写っている三匹はカリバーンさんが変身したものだから実物がどうかはまだ判らない。
だが、ああやって楽しそうに玉の上で芸をしているのを見ると本物もそうなのかなと思えてくる。
ふと、残りの二人がチラリと見えた。
「ん、見間違えか?いや、違う!見間違えじゃない!」
「ん!!?オイ!待て待て待て!!!」
なんと俺とライデン瓜二つの見た目をしていたのだ。
「リクトとライデンじゃん!」
「()」←喋れねぇリクトさんは(‘0’)こんな顔。
「なんで僕たちが!?」←お目目パチクリなライデン。
「「ハッハッハ!!!」」←超ドヤ顔
いや、笑って誤魔化すな!?
しかもwよりによってタイヤに乗ってるの俺やないか!
「まぁまぁ二人とも!これを見て落ち着きな?」
俺に変身したカリバーンさんは煽るような声で言い放つ。
見てと言われたので目線をそちらに固定すると、タイヤの上に乗りながらボーリングのピンを4つでジャグリングをしていた。
「いやヤバすぎだろ!」
俺は技量の凄さと絵面の面白さに本音を溢す。
すると、ライデンに変身したカリバーンが注目を集めた。
「はっはっは!こっちも凄いぞよく見とけぃ!」
思わず俺は何てこったいと口にしてしまった。
いつの間にか玉から一輪車に乗り替えており、ライデンの剣と似たもの(または複製?)の剣を5本も使ってジャグリングをしていた。
いや、こりゃ誰だって目が飛び出るって!!
だってヤバイもん!(語彙力逆V)
「(ちょい待て!あの剣に自動解析!)ひょえぇ、本物の剣じゃんか」
「なっ!??」
「ひえっ!!?」
「あ、あり得ないわ……!」
ちょ、カリバーンさん!?マジモンの剣でジャグリングはどう考えたってイカれてますって!(←褒め言葉)
ヤバすぎてライデンとホノカとユキナの三人から引かれてますけど。
「(そろそろか?)はっはっは!どうだどうだ!」
「うち、もう見てられないんですけど!!」
「ホレホレホレっ、そいや!!」
「うっわ、今わざとタイミングずらした!」
まさかのタイミングずらしに一同驚愕&戦慄。
「どんなもんだ、、いっ!??」
その時、ライデン姿のカリバーンが一輪車から転落した。
転落と同時に、変身と分身は消え去りbgmもガシャーンと響いたシンバルの音で終わった。
現場は痛たーと腰を抑えるカリバーンと、倒れた一輪車とタイヤ。
それに先程まで分身が乗っていた星模様の玉が一つだけが虚しく弾んでいた。
ずっこけた玉乗りピエロにみんなは笑っていたが、俺はポカンとしてしまった。
「あっちゃ~地に足が着いた以上、僕からはこれでおしまい。少しは楽しんでくれたかな?」
カリバーンはすぐさま立ち上がると、称賛の拍手をする俺達に楽しかったかどうかを聞いた。
「最高でした」
「僕とリクトに変身したのには流石に驚きましたよ」
「そうかそうか!君たちから最高と驚き頂きましたァ!!!」
「よぅしキミ達、カリバーンにもう一度大きな拍手を!」
ヴァルハイドが叫ぶと同時にゴゴゴゴゴと重低音を鳴らして下降する中央のステージ。その数秒後、ガコンという音を鳴らして停止する。
それを確認したカリバーンは再度此方に礼をした。
「ちょっとバーン?見てるわたし達までヒヤッとしたんですけど!」
アイファさん、いつの間にかユキナにべったりくっついているんですが。
超がつく程の大物にあんなことされてユキナもさぞ困惑して………
「(な、何なのこの状況!アイファさんが、真後ろに!?)」
満更でも無さそうだね。
「ふっふっふ。アイファ同様、僕だって毎秒単位で進化しているのさ」
「そのようだね。変身は細部まで見事に再現できていたし、特にラストのハラハラ具合は過去最高だと思うよ」
「おぉ!ゲールさんにそう言って貰えるなんて嬉しい限りですよ♪」
「うんうん」
ゲールに褒められへへへーと照れ笑いをするカリバーン。
先程はあぁ言っていたが、うんうん頷くヴァルハイドを見てなんとなくほっこりした気持ちになった。
・・・ほっこりしたのは別に良いが、なーんか弾む音が聞こえるような気が?
ボールが跳ねるような、ぺったんぺったんボヨンボヨン。
気のせいや幻聴にしては音が大きい気が………
「あのさみんな。なんか音しなかった?」
「ちょ、やめてよリクト!」
「ゆ、幽霊想像しちゃったじゃない」
前にホノカとユキナは暗闇に怯えていたけど(※22話参照)、幽霊系やそれに準ずるもの等も駄目なのか。
「ごめんごめん」
「もぅ!!」
「いや、確かに何か聞こえるぞ」
「ヒビキまでぇ!!止めてよぉ!」
「んー、何だろ。ボヨンボヨンと弾むような・・・」
ライデンがうーんとうなり声を上げた瞬間、音の状態が俺達の目の前を横切った。
「「「「「「あ」」」」」」
正解はカリバーンさん(分身)が乗っていた玉でしたぁ!
いや待て待て!
何故まだ元気に弾んでいるんだよ!!
しかも、しれっとバウンド後の高度をあげているような気が・・・
「さぁ、メンバー紹介の時間だぜ!」
「メンバー紹介!?」
ここに来てヴァルハイドがマイクを握り、叫んだ。
メンバー紹介!?嘘だろ、ボールが!?
と、一瞬困惑しかけたが、跳ねる玉の正体はすぐに明らかになった。
「我ら星空マジックが誇る天才が一人にして、5匹のモンスターをテイムする者!
その実力は、勇魔六英雄にその存在を認めらさせただけに留まらず、"この世界"の隅々まで名声を轟かせた!!」
ヴァルハイドが力強く叫べば叫ぶ程、星模様の玉も力強く弾む。
まさかまさかまさまさか!!
「さぁ、時は満ちた!相棒達と共に今ここに、顕現せよ!!カモン、スワローナ!!!」
ヴァルハイドがコールした瞬間、玉は天高く跳ね上がる。
そして、天井スレスレの場所で弾けた!
まるで卵から羽化するかのように彼女は現れた。
「はーい!我、参上~」
まるで貴婦人の様な服装と帽子?に、腕と背中から翼を生やしたロリっ子少女が現れた。
(↑スワローナさん、実は21歳。リクトがそれを知るのはもう少し先である)
「キャー!!スワローナさんキタ━(>∀<)━!!!」
Wow!!ホノカは嬉しさの余り両腕をこれでもかとブンブン振る。
それを見たスワローナはニコリと微笑み手を振り返す。すると更にホノカはハイになっていく。
これはあれですな。
ハイテンションホノカ、ここに爆誕ですな♨️
「お待たせ~ここからは我らの出番なのだぞ!」
優雅に浮遊するスワローナは左手をパチンと鳴らす。
すると、これから何かが始まる事を暗示するかの様なワクワクさせるbgmと共にステージの四隅にスポットライトが刺さる。
各々の場所を見やると、先程カリバーンが変身したゴリラと、子ども獅子とキツツキ?とスライムらしき生物を頭に乗せた白くてちっさいドラゴン?が太鼓を叩いていた。
「リクト君!あの子達だよ」
「あー、あれがさっき言ってた」
「ユキナ任せて!リクト!これは私から紹介させてもらうわ!」
ユキナに変わり、とっても楽しそうなホノカが手前の右側から順に指を指した。
「今此方に親指を立てているのはゴリゴラのじぇいむず君で、その奥で跳び跳ねているのがトパレオンのレオーナちゃんよ。
それからそれから、向こうで太鼓を叩いているのがホワイトドラコのシロンちゃんで、その頭に乗っている子がスライムのソーダちゃん。
そして、羽ばたいてアピールしてる子がドルルのどーちゃん。どう?みんな可愛いでしょ!」
興奮のあまり鼻息を荒らげるホノカ。
その、スワローナ率いるモンスター達に対する熱量はとてもとても凄まじかった。
「お、おぅ」
「Oh、本来メンバー紹介はオレの出番なんだがな」
「あっ。やば……」
ポリポリと頬をかくヴァルハイドを見て冷静になったホノカ。
ホノカは慌てて頭を下げた。
「すみません!興奮して後先考えてなかったです……!」
「おっと、頭を上げてくれお嬢ちゃん。これくらいのハプニングはNo problem!それ程好いてくれていたのだろう?」
ヴァルハイドはそう言うと、大きく手を振りスワローナに合図を送る。
「スワローナ!じぇいむず君!レオーナ!シロン!ソーダ!どーちゃん!準備は良いか?」
「おーいぇー!」
「彼女の為にも最高にイカした時間、早速頼むぜ!!」
そこまで言い終えると、ヴァルハイドは右手をパチンと鳴らす。
段々照明が絞られていき、スワローナだけにスポットライトが当たるようになる。
「さーて、シロン!」
スワローナは左手をパチンと鳴らした。
「任されよ。はあっ!」
すると白い子竜は何個も火の輪っかを作り出した。
「喋った!?」
「可愛い声だよね~」
「ね~」
「(モンスターが喋るって、まるで○ャースみたいだなw
あぁ、そういやシャドウバイトも喋ってたわな)」
火の輪は次第に先程の空中ブランコの時に使われた二つの梯子の間を漂い、梯子同士を円で囲むように配置された。
火の輪の感覚についてだが、向かって手前側は5m程の感覚を開けての三つ。
配置だが、奥側は2、3m感覚で五つ配置されていて、俺視点からだとギッチリに、狭く見える。
これ、大丈夫なんだろうか?
「はーい、今から始まるは火の輪くぐり~!
いやいや、火の輪くぐりかよ!今、そう思ったかな?」
別にそんな『またかよ!』みたいな事は全然思ってませんけど。
「ご安心を!我の火の輪くぐりはスッゴイのだぞ!!
でも、単に火の輪くぐりと言っても、普通に飛びながら輪っかをくぐるだけ。それじゃあつまらないのだぞ。
人によっては何番煎じだよ!と思っちゃうかも~
・・・そこで我は考えた!!何番煎じにならない、画期的なアイディアをね!!」
なんか、雲行きが怪しくなってきたような……
「そのアイディアとはっ!!目隠して、飛行しちゃえば、良いじゃない、ってね!」
可愛らしくウインクをして見せたスワローナだが。
ちょっと待てぃ!!!
この人は急に何を言い出すんだ!!!
なんじゃそりゃ!
ただてさえ危なっかしいのに目隠しだと!?
どうしてソコに行き着いたんだ……
「ルールは至ってシンプル!……よいしょっと!
この、ゲールさんが立っていた場所から、時計回りに飛びながら輪っかの中をくぐるだけ!
ただし、その間我はなーんにも見えないどうしよう~万が一火の輪に当たっちゃったら丸焦げだぁ☆」
丸焦げだぁ☆はそんなテンションで言うセリフじゃねぇ!!!
俺の全身に鳥肌がゾワッと立ってきた。
「おいでシロン!ソーダ!」
「キュ、キュキュ~!」
「はいはい今行くぞ」
俺が不安な眼差しを向けているのを知ってか知らずか、いやあれは確信犯だな。
白い子竜は頭にスライムを乗せながらしっかりとスワローナに目隠しをする。
目隠しをし終えると、ソーダがキュ!と合図を出す。
そして、ソーダの合図を聞いたスワローナは両手を振って|ムキムキゴリラとコンドルに太鼓の準備を頼む。
「さぁ!みんなには我が丸焦げにならないように見守ってて欲しいのだぞ!
じぇいむず君!どーちゃん!太鼓をお願い!」
「ドード、ドルドルゥ!」
「ウッホホぅ!」
強面な顔からは考えたられないくらい可愛い笑顔を見せ、羽ばたくどーちゃん。
一方でじぇいむず君。
それはまぁ、とてもとても素晴らしい笑顔で白い歯を見せながら親指を立てた。
「うん、やっぱ良いな。面白い!」
「ヒビキがじぇいむず君の虜になってる。なぁリクト。!!?」
「ウッホホぅ・・・!ぷっw」
凄い(n回目)。俺、じぇいむず君のファンになってしまったかもしれない。
一瞬で、一撃で笑いのツボにドストライクされたのだが。
「あははははwwwじ、じぇいむず君、おもろいな!」
「だよな!リクトもそう思うか!」
「思う思う!こりゃやっべぇよ!!」
「「わははははー」」
「(この二人は手遅れだ)ホノカ、ユキ……」
馬鹿みたいに笑う俺とヒビキから目を背け、ホノカ達の方を向いたライデン。
「あー、ちっちゃいハネで羽ばたくシロンちゃん可愛い~~(超小声)」
「火の輪を見て前足をじたばたさせるレオーナちゃんも愛くるしい……!」
「みんな可愛くて、駄目だうち。駄目になっちゃう(?)」
「あぁ……えらいこっちゃ(どうやら"クリエイト"はみんなスワローナさん達に虜らしい)」
ライデンがやれやれと苦笑いしていた瞬間、子ライオンがアオーンと遠吠えをした。
どうやらこれがスタートの合図らしく、スワローナさんが巨大な梯子からテイクオフ!
「(始まったぞ!)うわっ、はっや!!」
「目隠ししてあの速度か!」
スワローナは飛び立った瞬間からどんどん加速していき、凄まじい速度で一つ目の火の輪に接近する。
「(ドキドキドキドキ……!!!)」
「っっ~~~~!!」←ユキナさん、声になってない
テイクオフと同時にbgmが止まっているせいでじぇいむず君とどーちゃんのドラムがハッキリと聞こえ、緊迫感を更に演出させる。
「(後30cmかな?15cm、10cm、5、2)おりゃ!」
一つ目の火の輪をくぐった瞬間、スワローナは体をひねり、ぐるりと一回転した。
「いっ!!?」←ヒビキさんの声になってない声
「し、信じられない……!」
「さぁてそろそろ二つ目かな?はいっ!」
すぐ様二つ目の火の輪に到達したスワローナは、ここでもぐりんと体をひねり、二回転!!
続けざまに三つ目に到達し、今度は三回転!!!
しかし問題はここからだ。くるりとカーブをしたら最後、その瞬間から近距離火の輪地獄が始まる。
もしあの速度のまま飛び続ける気なら・・・
スワローナさんは正気ではないと思う(誉め言葉)
「どう?ヒヤヒヤするでしょ?でもまだ足りないよね?速度、上げちゃうよぉ!!!」
「「「マジかよ!!!」」」
「「「嘘でしょ!??」」」
まさかの加速宣言に俺達は声を揃えての驚愕。
宣言通りスワローナは倍近くの速度になり、さくっとカーブを曲がり四つ目へ。
「ここは、一気に全て、駆け抜ける!!!」
スワローナは律儀に火の輪をくぐる時にくぐった回数分体をひねって回転する。
あそこまでグルングルン回れば絶対に目が回ってるハズなのに全く姿勢はブレずに最初の体勢のまま、最後の輪をくぐり抜け見事着陸!
「はい完璧!!」
目隠しを取り、はぁはぁと軽く息が上がっているスワローナはとても素晴らしい笑みを浮かべていた。
「はぁ、はぁ、ありがとうなのだぞ!」
興奮覚めやらぬ中、俺達は自然と拍手していた・・・のだが同時に俺はこう思った。
星空マジック、まじでやべぇ
と。
次回、31話 星と空のサプライズ-3rd-
まさかのパート3まで続くとは・・・
キャラの深掘りが楽しくて、つい。
(ついじゃねぇよ!!は禁止でおなしゃす( -д-)
そうですね、星空マジックは全員バケモンです。
そりゃ勇魔六英雄にモンスター達の協力を認められて、尚且つ"この世界"全土で人気になりますわな(遠い目)。
さて、変な話しはこれくらいにして。
下記からは今回出てきたスワローナのペット達五匹目の野生の姿がどんなかを紹介!
モンスターといえども、じぇいむず君にレオーナ、シロン、ソーダ、どーちゃんは味方側ですので、(多分)次回のキャラ紹介時に星空マジックメンバーと一緒にじぇいむず君達も纏めます。
(総勢11名。oh、、、うん、頼んだぞ!!未来の俺!)
【ざっくりモンスター図鑑だけはやっときます】
野生のゴリゴラ達のスキルを掲載。
じぇいむず君達五匹は各々の種族のスキルに芸達者という特別な権能を持ってます。
なので別枠、亜種として考えてくださいまし。
Name:ゴリゴラ
種族:獣族-ゴリラ- 属性:土/風
生息場所:シェイクオーシャンの絶島パイシーズ・パイン
危険度:C級
【所有スキル】
"豪快筋肉"
・超怪力 ・超思考
・火炎耐性
【概要】
・大きさ:約210cm、重さ:約90kg
・見た目はただのムキムキゴリラ。アフロの個体もいる(レア)。
・握力が強すぎることでも有名。あくまで参考だが、魔物の約30倍で人間の約100倍。ちなみに、ドラミングもしっかり五月蝿い模様。耳栓は必須。
Name:トパレオン
種族:獣族-ライオン- 属性:電気
生息場所:北西原野の雷鳴の山
危険度:D+級
【所有スキル】
"黄宝玉"
・誘惑身体 ・幸運ブースト
・充電 ・放電
【概要】
・大きさ約55cm、重さ:約14kg
・宝石シリーズのモンスターのトパーズ担当。ふさふさの毛並みは鮮やかな橙色。撫でてやると喜ぶ。
・ネコ科よろしくトパレオン時代は猫に近しい生態だが、十分に育つとサンダーレオーネに進化する。
・その場にいるだけで周囲のモンスターや人魔の幸運値を上げる常在バフを持つ。モンスターに囲まれた際、仮にトパレオンの姿を見かければ死にもの狂いで逃げ切れ。(幸運が上がるという事象=貫通発生率が上がる)
※ちなみに、"この世界"での貫通は相手の防御系バフを全て無視して2倍のダメージを与える。
※もっと簡単に言うとポケモン5世代までの急所の仕様に近しい。え、これでいいのか?これでいいのだ!(白目)
Name:ホワイトドラコ
種族:竜族 属性:光
生息場所:北西原野の神秘の泉
危険度:C+級
【所有スキル】
"聖小竜"
・発光 ・浮遊
・火生成 ・光の加護
【概要】
・大きさ:約50cm、重さ:約10kg
・白い子竜。プライドが高く種族共通で目付きは悪め。だが、撫でてやるととても可愛らしい笑みを浮かべる。
・光属性よろしく暗闇で発光できる。ただ、とっても眩しい為テイマーは連れていく際に明るさの調節してから洞窟探検するのが吉。
Name:スライム
種族:粘妖族 属性:水
生息場所:北西原野の神秘の泉
危険度:E級
【所有スキル】
"餅々弾力"
・弾力装甲 ・肥大化
・補食 ・分解
【概要】
・大きさ:約5cm、重さ:約100g
・お馴染みぷるぷるのアレ。モンスターだが基本的には無害で人魔への敵意も特に無い。
・何でも食べれるので掃除の手伝いをすることもしばしば。(当人達はご飯だー!!と思って手伝っている)
Name:ドルル
種族:鳥族 属性:風
生息場所:ウィンドサクレッドの大霊峰
D-級
【所有スキル】
"連撃嘴"
・頑丈嘴 ・脚力補正
・瘴気の翼
(※嘴なのに脚とか翼とかあるやんなんて言わない!絶対!)
【概要】
・大きさ:約40cm重さ:約3kg
・気性が荒く強面。何にでもつつく性質を持つ。例えそれがバケモンであろうと、鋼鉄であろうと、ただひたすら、己の限界を超えるまでつつき続ける。
(コンドルなのに何故かキツツキ要素があるの)
(ま、どーちゃんは何故か温厚だからむやみにつつかないんだがね)
はい、今回は終わりです。
次回。感動!?波乱!?のフィナーレへ!
---To be continued---
 




