【18話】 お互いに何が出来るのか知ろう その1「まずは情報交換」
【2024 4/27追記】
一番修正したかった話はここです。実はここが一番やべぇミスがありました。
漸く!漸くですよ!すんげぇ違和感とすんげぇ設定ミスを消し炭に出来ましたよ!
ヒビキの提案でなんとな~く始まった丘までの競争。
俺は颯爽と順位を追い上げながらも泥やら焼け焦げた跡やら、わざわざ昨日の戦闘の跡が残っている場所へ行くのかよと思っていた。
のだが、何か丘の麓辺りからすんごい綺麗になっていた。何故?
そんな、激戦が繰り広げられていた丘に訪れていた静寂は、嬉々とした俺の嬉々とした声とヒビキ、ルナ、ライデンの悔しげな声によってすっかり消え去って、はしゃぐ子ども達の声が残った。
「よっしゃ1位っ!」
「ギリギリで、追い付けねぇ……!っっだぁぁ!!」
「はぁはぁ、、、、、ま、マジ、、!?」
「はぁはぁ、くそっ!最後の追い上げ、とんでもなかった・・・!」
どや?これが陸上部の"意地"って奴ですよ!!(満面のドヤ顔)
※一応。公平のため、リクトの自動回復さんは戦闘時以外offになってます。
肩で息をするライデン、ヒビキ、ルナに俺は得意気なピースサインを見せた。
「どやですか!!」
「り、リクトはさ、うちらへのハンデって事でオートヒーラー無しで走ったんだよね?それでいて最後のあの加速は何!?マジで人間なの!?」
ルナはオーバーリアクションである。
そんな化け物を見るような目で見ないで。
「マジでただの人間だよ。ただの人間の、高校2年生だよ」
「高校2年生?ってのが何なのかはよく分からんが。学生って事であってるんだよな?」
「うん」
ヒビキの問いかけに俺は頷いて返す。
するとヒビキは腕を組んでこう言った。
「へぇ。って事は、はこっちの世界でいう中央王都や魔法都市、輝きの帝国とかにある学校の生徒みたいなやつか?」
「そうね、学校の生徒・・・(あん?オイ待てぇ!)」
一瞬スルーしそうになったが学校の生徒って言ったよね?
ソレはもろ学生やん。・・・ん? ←違和感覚えたり
違う、そうじゃない! ←気づいた
「ちょい待ち!"この世界"にも学校ある↑ん↓か」
「?あるよ」
【"この世界"新情報メモ】
・こっちにも学校が存在するらしい。
「あるよー。義務教育って制度が"この世界"にはあってね、原則だと最低でも15歳までは通わなきゃいけないんだ」
「ん???」
そこまで聞いて俺は、目を疑った。
え、平然といるけど、ルナ、君確か14って言ってたよな?
もしかして:おサボりんですか!?
「じゃあルナはまだ学生?え、サボr」
「違いますー!成績優秀者で今年卒業したばかりですぅー!」
ルナは勢いよく否定した。
ごめん。普通に勘違いだったようですわ。
「ごめん。早とちり仕掛けた」
「むぅ。・・・まぁ、ソウルフォレスト生まれのうちらからしたら王都も魔法都市も輝きの帝国も全部遠すぎて通えなかったけどね」
ルナは肩をすくめながら言った。
それに対しライデンとヒビキは苦笑しながら頷いた。
「(あれま……)義務教育て。すげ。そういうの、此方にもあるんだ…」
「へぇ。リクトの所にもあったんだ」
ライデンは目を丸くして、興味津々に聞いてきた。
「あったよ。聞いた話と殆ど似たようなヤツがね」
「成程。ちなみに、王都の学校が遠すぎた僕たちは村長の家が学舎でね。あそこで沢山勉強して、沢山稽古したよ」
懐かしむように語るライデンの話を聞いて、俺はバルの家に行った時の事を思い出す。(※11話~12話)
「バルさんの家が?確かに、異様に部屋が多かったし、一部屋一部屋大きかったし。成程ねぇ~」
「うん。色々、色々あったなぁ…………」
ライデンは懐かしむように目を細めると、苦笑いをした。
すると、そんなライデンに腹を立てたホノカの声が聞こえた。
あら、それにユキナもいつの間に。
「ちょっとライデン?何よ、色々って!!」
「ハイハイ、あの件はもう忘れましたよーだ」
柄にもなく不敵な笑みを浮かべたライデンを見て、ホノカのぷんすこは激化した。
「・・・!!その顔は覚えてるでしょ!」
「まぁまぁ二人とも!落ち着いてよ」
ヒートアップした二人を止めるべくユキナが止めに入る。
が、しかし。
「「落ち着いてるよ!」」
「(いくら幼馴染みだからって、二人ともヒドイ・・・)」
「(あれま息ぴったり)」
俺があんぐり口を開いてる横で、ルナはユキナの肩をポンと叩いた。
「~~ルナぁ!二人が酷いよぉ~~」
「よしよし、いつものね」
「ハハハ」
いつものて。どんないつものよ。
心の中でそう突っ込みを入れてる横で、ヒビキは笑った。
「(一人だけ、置いてけぼりに、されている………リクト、悲しみの俳句。・・・なんつって)はぁ……」
「まぁ、その話は一旦置いといて。
リクト。つまる所お前はモンスターの存在しない、平和な世界で過ごしてた学生なんだろ?ソイツが足の速さで俺達に勝ったんだ。
それだけでも事象として相当ヤバいのに、『世話になった"この世界"に恩返ししたい。その一環で仮面の道化師を倒すんだ!(意訳)』なんて言うんだから。お前実は以外と欲張りか?」
腕を組んだヒビキはニヤニヤしながら言った。
欲張り、か。
割りと当たってるかも。欲張りでなきゃ"創造の手"でスキルまで作ったりしないもんね。
「・・・確かに、それはあるかも」
「いや、あるんかーい!」
俺はあははーと笑いながら返したら、即座にルナの突っ込みが飛んできた。
「ぷふっw」←笑いが込み上げてきたライデン
「っふw」←堪えきれなかったホノカ
まるでお笑いコントを生で見てるかのような雰囲気に、ライデンとホノカは吹いてしまった。
そして、その波はすぐさま全員に移っていき、気がつけば"クリエイト"全員が笑いの渦に捕らえられていた。
この晴れ渡る青空の下、俺は改めて仲間の大切さを実感したのだった。
◇
時刻はam08:35分、笑いの渦から解放された俺達は漸く本来の目的『お互いに何が出来るのか知ろう』を実行することにした。
「はぁ~笑った笑った」
「さぁて、そろそろやるか!」
ヒビキの一声で場の雰囲気が引き締まったのを感じた。
「リクト、ワイドプロテクションを昨日のより気持ち広めに頼むよ」
「了カイカ~イ(気持ち広めって、このくらいか?これだと丘の頂上全体になるけど。ま、いいや)」
少し迷いながらも丘の頂上をすっぽり囲った。
「コレくらいでどう?」
「OK!よぅし、これで思い切りやれるな?」
ヒビキは何の確認をしているのか。
そう思っていたら、ホノカ、ユキナ、ルナのOKサインを見て納得した。
「(あぁ。範囲を広くして遠距離組にも優位に戦えるようにってか。理解理解)」
「遠距離組も問題なさそうか?」
俺なりの勝手な解釈だったが、どうやら合ってたらしい。
ヒビキの問いかけにホノカとユキナ、ルナの三人はサムズアップした。
「全力全快でいけるわ!」
「うん、問題ないよ」
「村や森への被害問題はこれでクリアと。・・・あ」
ふと、ヒビキは何か思い付いたような声を出した。
「これは今思いついたんだが、戦う前に一応各々のスキルの効果を振り替えらないか?」
「と、いいますと?」
曰く、戦闘前に互いの所有スキルを再確認して、よりフェアなものにしよう、という考えらしい。
「確かに。突然ビックリドッキリ所見殺しされたら人たまりもないからね」
「それ、リクトが言う?」
ホノカはジト目で睨みながらそう言った。
それに対し、俺以外の全員が「確かに」と述べたそうな。(涙)
「ま、所見殺しで台無しになるのを防ぐってのもあるけど、互いのスキルの能力を知っておく事で新たな発見もあるかもだろ?
その能力でそんな事するのか!みたいなのを今のうちに知っておけば実際モンスターと対峙した時に役立つだろ?」
ヒビキは親指を立てながらそう言った。
「『互いに何が出来るかを知る』ってテーマに加えて、『仲間の工夫を知ることで自分も更に強くなれる』も会得できると」
「っ!正に一石二鳥ね」
「でも、どうやってスキルの情報を共有するの?一人一人が口で伝達するとなると結構な時間がかかるよ?」
『『あ』』
全員がヒビキの案に賛同したは良いものの、ユキナのその言葉で一瞬にして固まった。
そうか。確か"この世界"って自身のステータスとかスキルとかを確認するにはその都度目を閉じなきゃいけなかったんだよな?
それか水晶球を使うかの二択か。
※実は他にも方法はある。今回は割愛。
「急募ー。水晶球持ってるやつ、いるか?」
ヒビキは皆に一斉に質問した。
皆は揃えて首を振った。
「うーん。あ…!」←閃いた人
そうだ。自動解析使って結果を共有すればいいじゃん。
「かくかくしかじか」
『『それだぁー!!』』
と、言うわけで。
スキル鑑賞会、開始。
【"クリエイト"のスキルを纏めてみた!!】
☆俺
"創造の手"
・新規スキル作成 ・所有スキルの統廃合
・有機物、無機物の生成、管理、消去
"攻撃者Ω"
・身体強化 ・視認性向上
・属性攻撃の威力上昇
"守護者Ω"
・常時回復 ・超回復
・防御補正 ・結界生成
"魔術師Ω"
・詠唱破棄 ・命中精度補正
・魔力節約 ・自動解析
"時空間支配"
・時間支配
・空間支配
※アンフェア過ぎるので使用禁止。
☆ライデン
"轟雷雨"
・充電 ・放電
・身体強化 ・天候操作
☆ホノカ
"火魔術師"
・火生成 ・熱操作
・命中精度補正
☆ユキナ
"氷雪"
・氷生成 ・水分子冷却
・水分子操作 ・命中精度補正
☆ヒビキ
"水龍斬"
・身体強化
・水分子操作 ・視認性向上
☆ルナ
"狙撃破弾"
・視認性向上 ・動体視力補正
・属性弾
◇
情報交換終了っ!
結果は言うまでもないが、そりゃあ大盛況でしたよ。
だって皆が皆一斉に気になった箇所を挙げて質問してって纏まりのない動物園状態になったんだもん。
例えば、「それ使って○○できる?(期待の眼差し)」とか、「ああしたら○○になるのか!?(期待のry)」等々。
しかし、それでも非常に有益な時間になった事には間違いない。
そんなこんなで情報交換を終えた俺達は各々散らばって、臨戦態勢に入った。
ライデンは背中鞘から剣を抜き、ホノカは魔力を集めて火の弓を生成。
ユキナは先端に氷の結晶の入った杖を構え、ヒビキは左手に持つ鞘から抜刀、ルナは両手に銃を構えた。
「(わぁ、ガッチガチだぁ。どーすっかな。とりあえず、負けない立ち回りを考えるか)」
身内間とはいえ、明後日には冒険者として旅立つ者同士。
戦いの場で手を抜くなんてあり得ない。
皆の表情を見ると、そういった趣旨の圧がひしひしと伝わってくる。
「(ヴッ。すんげぇ圧力を感じるんだが。圧力通り越して怖ぇよ。何あの目力!あれ、もしかして俺、狩人軍団の中に紛れ込んだ一匹のウサギか?
い、いやいや!弱気になるな!?大丈夫、こないだあれだけ無茶苦茶やったんだ。なるようになるだろ!!)」
ロウズ戦を思い出したお陰でだいぶ緊張が解れたかも。
そのせいで調子に乗った俺はこんなことを口走ってしまった。
「よぅし、最後まで立ってた人には賞品として何か作ってあげよっかな~」
「「本当!?」」
ホノカとルナの食い付きが想像以上に早かった。
「最後までってまさか」
「そう、あの時(5話)のリベンジも兼ねてさ」
やっべ。ライデンの目に闘士の炎を灯しちゃった☆
だからって、負けてたまるものか。
「成程。負けないよ!」
「私だって!」
「勝つのは俺だぜ!」
「いいや、うちに決まってる!」
俺は"創造の手"で生成した長剣をしっかり握りしめる。
そして、あえて煽るような口調をとりながら剣を振るった。
「"創造の手"として、お手並み拝見といこうか!」
白熱のガチンコバトルが今始まる!
次回、19話 お互いに何が出来るのか知ろう その2「模擬戦という名の本気の戦闘」
後語り枠って事でね、とりあえず設定ミスを公開して、僕は見直しをしなかった後悔と反省をします。(?)
ミス①:"クリエイト"のリーダーはまだ明確に決まってない。
リクト以外の全員は薄々リーダーはリクトだろうなと思ってますが、ハッキリ決まってないんです。
なのに何故かリクトさんはリーダーがどうのとか考えてはりました。 アカン。
ミス②:学校だとか義務教育だとかの所の描写不足。
読み返した時、頭がバグりました。
例)Q.何故ルナは14歳なのに卒業できてるんだ?
A.すみませんでした。
これであのぉ、そのぉ、(多分)良い感じに修正できたと思います!
ミス③:戦闘前のヒビキの話。無茶苦茶長いしくどい。
すみませんでした。きちんとした形に纏まったと思います。
アカン。これ以上は頭が痛くなってくるので書きません。
読者の皆様もミスには気をつけてくださいまし。
ではまた次回




