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The・Create  作者: シュウト!!
第2章 爆誕!新たなる冒険者たち
16/98

【14話】 問題は、嵐と共に飛び去って

何故かPVが1000人を超えていた件について。(満面の笑み)



読者の皆様、ありがとうございます!!!



「さぁて、アタシ帰るわ」


 テンペストカイザーが咆哮を上げ、戦いの火蓋が切って落とされた瞬間にレクから投下されたとんでも発言。

確かに、あんたらと戦う気は無いと言ってはいたが。


帰るって何だ帰るって!!


『『はぁ?』』

「なっ」

「なんじゃと!?」

「そんなことある?」

「では、サヨウナラ~」


スッと姿を消したレクに対し、全員が全員レクの想定通りのリアクションを取ってしまった。


「チッ、とんでもねぇ逃げ足の速さだこと」


ディミオスは黄金の羽を広げ、拳を鳴らした。


「そうだね。まぁでも、せめて帰るのならテンペストカイザーも連れ帰ってほしかったのにねぇ」


クロムはそう言うと、何処からともなく二本の剣を取り出し、テンペストカイザーの方を向いた。


「さーて。きみには悪いけど、ここにいられたらこの森の住民達が危ないから、早急に片付けさせてもらーー」

「ちょ、ちょっと待って!」


 クロムが動きだそうとした瞬間、それを静止させる声が。

ホノカだ。


「あの、クロムさん。あいつの、テンペストカイザーの討伐を、私にやらせてください!」


真っ先に反応したのはディミオスだ。

腕を組み、ほぅ、と呟いた。


「な、お前何をっ!?」

「どうしてだい?」


クロムは慌てるホムラを止め、理由を尋ねた。


「あいつを倒して、私だって冒険者としてやれるって所をパパに見せつける為です」


ホノカのこの一言を聞いたクロムは目を見開いた。

それはディミオスとルミナス、それにホムラとアカネも同じだった。


「(参ったな。即答かぁ)・・・・・それはつまり、きみにテンペストカイザーの討伐を一任してもいいってことでいいよね?」

「っっ、はい!!」

「Ok。なら良し!」


親指を立てるクロムとそれを見て駆け出したホノカに対し、ホムラとアカネは顔を青ざめた。


「おいギルマス!!」

「そんな、ホノカ!!」

「~~っっ!ホノカ、うちも手伝ーーっ!?」


ルナはホノカと一緒に戦う覚悟を決めたのか走りだした。

だが、ヒビキがそれを止めた。


「っっ、ヒビキ!!」

「・・・待て」

「どうして止めるの!!」

「俺達は、見守るんだ・・・!!」


ヒビキは声を絞るようにそう言った。


「ホノカ……」


ユキナは小さい声でホノカを呼んだ。

きっとホノカの肩が小さく震えているのに気がついたからだろう。


「グルガオオ……(訳:茶番は終わったか?)」

「っっ・・・(どうしよ。急に、体が硬直して・・・震えが、、、震えが止まらない。え?嘘。私、そんな、、嫌、、、)」


いざテンペストカイザーの正面に立ったは良いが、余りのデカさにホノカは震えが止まらなくなった。

すると突然、エンがアカネの側から飛び出してホノカの元までやってきた。

(↑とっとこ走る。可愛い。これぞシリアスブレイク)


「お姉っ!!」

「(へ!!?)え!?エン!!?」

「エン、知ってる!お姉が頑張ってるの。だから、お姉なら勝てる!」

「エン・・・(何弱気になってるのよ。パパに)」


 ホノカは目を閉じて頭をブンブン振った。

そして、頬をパチンと叩くと、エンの脇の下に手を持っていき、たかいたかいをするように持ち上げた。


「ふぇ!?ちょ、なに?」

「よーし見ててよエン!あんなバケモノ、お姉が倒してやるんたから!!」

「グルル…(訳:バケモノ……)」


エンを持ち上げぐるんぐるん回るホノカ。

いつしか場の雰囲気はほのぼのと明るくなっていた。

そして、ホノカはエンを優しく降ろすとクロムの元まで歩き、こう言った。


「クロムさん。改めて、私に任せてください!」

「(・・・へぇ。いい笑顔じゃん)OK。何かあったらぼくに任せな。まぁ、それが無いことを願ってるけど」

「なぁにガラにも無いことを言いおって~」


ルミナスさん、貴女、何クロムさんのカッコいいシーンをブレイクしちゃってくれてるんです。


「おいルミナス!折角カッコいい事言えたのに締まらなくなったじゃないか!」

「ホホホホホ♪」←ご満悦

「ははは……」


ルミナスのご満悦そうな笑い声を聞いて、俺も釣られて笑ってしまった。


「よーし、リクト!この結界を解いて!」


 ふと、ホノカが俺を呼んだ。


「!!(やる気は満々、か)その前に。ホノカ、心の準備は?」


ライデンが一言、ホノカにかけた。


「OKよ!」

「即答か」

「へへっ、見てなさい!やってやるわ!!」

「よぅし、結界解除!」

「グルルァァ(訳:ほう、覚悟を決めたか)」


 テンペストカイザーは忌々しい結界が消えて心底嬉しそうな目をしている。

そして、散々放置してくれたことへの怒りを咆哮にした。

※何気にちゃんと待ってくれてる優しいテンペストカイザーさん。


「グルルルアアァァァァァァ!!!(訳:いざ、尋常に勝負!!!)」

「わっ(やっぱデカいわね・・・4mだっけ?いくらなんでもキョダイ過ぎる……!)でも、負けないわ!」


 斯くして、ホノカvsテンペストカイザーの戦いが始まった。




「飛べっ、ダブルアロー!!×3」

「グッ、グルア、、!ガアァ!!」


 ホノカが構える火の弓から放たれる強烈な六本の火矢。

だが、テンペストカイザーは強く降る雨にも負けないそれをものともせず尻尾や手で打ち落とした。


「ガアァ!!!」

「わっぷ、マジカルフレア!!」

「グルアアア!!」


 今度は爪や尻尾でなぎ払うテンペストカイザー。

それをギリギリまで引き付けた後にジャンプで回避するホノカ。


火属性の"火魔術師(サラマンダー)"と風属性の"大嵐星(テンペスター)"。

スキルの属性的にはトントンで、有利不利があまり関係ないものの、互いの技が次から次へと交差し合う。


しかし、互いに決定打が無いまま約20分が経過した。


 そんなある時、ホムラがボソリと呟いた。


「・・・むぅ、何か変だな」

「やっぱり、あなたも違和感を感じるのね」

「ほぅ、お主らも気づいたか」

「ルミナスちゃんも?」

「うむ。このまま勝負が長引けば危険な気もするが、あの仮面の道化師の放った刺客故、迂闊にわしが動くと何かが起こるやもしれんのが恐ろしい。むうぅ……」


ルミナスも"何か"に気がついているらしい。

だが、俺には何の事だかさっぱり検討がつかない。


「違和感って何のことだろ?」

「さぁ。うーん、何だろう」

「私もちょっとわからないわ。ごめんね、ダンジョンボスの生態って謎が多くて全部把握しきれてないんだ」


ライデンは首を傾げ、ユキナは頬をかいた。


「んー、強いて言えばだが。テンペストカイザーの動きが戦闘開始時よりも洗練され過ぎている(・・・・・・・)気がする」


腕を組むヒビキは唸り声をあげながら、そう呟いた。


「ヒビキ君、気づいたっすか?」

「うおっ!?ガロウズ、さん」

「(う"っ、ヒビキクンはボクにまだ嫌悪感を抱いてるようっすね。当然といえば当然ですが、悲しいっすね……)キミの言った通り、テンペストカイザーの動きがどんどん鋭く洗練されています」


ガロウズは続ける。


「というのも、スゴウデのスポーツ選手や冒険者達が、極限まで高まった集中力によって『ゾーンに入る』ってあるじゃないですか。

例えば、試合中にスーパープレーを何度も連発したり、反射的に敵の攻撃を食らう前にカウンターを入れてモンスターを倒したり等々。

今のテンペストカイザーはまさにその状態。その証拠に、ホノカチャンは先程からずっと攻撃に様々な変化を加えてダメージを与えようとしてますが、その全てを打ち落とされていますし」


ガロウズの話を聞いたルナは青ざめ、目を見開いて言った。


「え?てことは、今のアイツ、相当ヤバいんじゃない?ホノカを助けなくていいの!?」

「そうっすね。助けに行きたいのは山々ですが、先程ルミナス殿が仰った通り、仮面の道化師の刺客に果たしてホノカチャンはD+(ランク)のダンジョンボス相手に何処まで健闘できるか・・・

ですが、ボク達の感じた違和感はそれ(・・)じゃないんです」

「うむ。そうじゃな」


雨水を浴びて謎に神秘的に見えるルミナスが続けて話す。


「わしらが感じた違和感は『奴が覚醒(ゾーン)状態である』ことではなく『奴の覚醒(ゾーン)状態がまるで何者かの干渉を受けて発生したようである』ということなのじゃ」

「え!?何者かのって!?」

「・・・う、嫌な予感」


 突如、ライデンは身震いした。


「うんうん。テンペストカイザーちゃんったら、凄く洗練された動きで暴れてるよね~♪うふふっ、この天才的な操作力ならドローンパイロットにもなれちゃうかも♪」

『『!!!???』』


 いきなりレクの声が聞こえたと思いきや、ライデンの隣にいた。


「うわっ!!?」

「嘘だろっ!?なんでソコに!!」

「どうも~意外と気づかないでしょ❤️」

「(クソっ!この俺様が、気づかなかっただと!!?)」


面を食らったディミオスは慌ててガロウズに命を出した。


「クソっ!ガロウズ!皆を護れ!!」

「了解っす!」


ガロウズは俺達の前に出ると、背中の翼を目一杯広げて最大限の威嚇をする。


「あははっ♪今日は何もしないよ~」

「馬鹿言え!お主は既にテンペストカイザーに何かやっとるではないか!」

「あはっ♪見抜かれちゃった?」

「ここまで囲まれてるのにきみに笑う余裕があるなんて、ねっ!!」


俺達だけでなく、ディミオスにクロム、ルミナス、バル、ホムラ、アカネがじわりじわりとレクを追い詰める。


「これはちょっと、ヤバいかな?」


何処か余裕を見せるレク。


「(諸悪の根源っ!!)絶対逃がさないかんな!!」


絶対取り逃がさない為、俺はワイドプロテクションを使い、レクを閉じ込める。


「あらぁー、捕まっちゃった☆」

「な、あっさり捕まった!?」


割りとあっさりワイドプロテクション内に入れる事が出来た。

わざとらしいレクのリアクションに、俺は拍子抜けを通り越して恐怖を覚えた。


「ふむふむ成程、いい結界だね。でも、長居する気は無いよ?」

「逃がす訳が、ねぇだろ!大人しくしやがれっ!!」


ディミオスの右ストレートが決まった!

だが、それと同時にワイドプロテクション内にいたレクの姿が消えた。


「!! ~~っっ、痛ったぁ!!?」

「「!?」」

「(ダメージにタイムラグ!?)ちょっと!痛かったじゃない!何するのよ~!」

「テメェ、勇魔六英雄(ゆうまろくえいゆう)相手に舐めた真似しやがって」


言葉とは裏腹に冷静なディミオス。

先程からレクは拳が当たった(らしい)頭のてっぺんを押さえたままである。


「はぁ、拳骨食らっちゃった。萎えちゃったし、今度こそ帰ろ」


何故か機嫌悪そうな声色のレク。

クロムは再び二本の剣を抜いて戦闘態勢に。


「逃がさないよ!」

「ダメダメ!キミ達はアタシなんかに構うよりもあの子に構ってあげなきゃ。

ホノカちゃんだっけ?の勝負を見ときなさいよ!と・く・に・金髪赤青チェック服のキミと娘似のクリーム色ヘアの桃色ワンピースのキミは特にね!」


レクは決めポーズを取るかのようにホムラとアカネを指差した。


「!!クソが。言われなくても判っとるさね」

「っっ!(あの人(レク)は何故そんな事を言うの?とても事件の真犯人とは思えない。まるで、親子を想うような言動・・・)」

「(あら、母親の方には無事伝わったらしいわね。ふふ♪でも、データ(・・・)が足りないわ・・・数分後にまた来よ)ばいば~い」


 レクが姿を消した瞬間、テンペストカイザーは今までで一番巨大音量の咆哮を上げた。


「ガアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!」

「ちょ、こっちだって限界近いのに、五月蝿いわよ…!」

↑殆ど此方には聞こえてない。


それは、リミッターを無理やり引き上げられて苦しんでいるかのような、自分が知らないうちに操られていたと知っての怒りからなのか。

テンペストカイザーは力の限り叫び続ける。


「ガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!」


テンペストカイザーの左肩にある水色のクリスタルが光った。

そして、身体表面の緑色の鱗がどんどん剥がれ落ちる。


「な、何よ……!」


ホノカは警戒して距離を置いて弓を引き絞る。

だが、テンペストカイザーはそんなことお構い無しに鱗をボトボト落としていく。


「(そんなにウロコ剥がしたら、こっちの攻撃がより通るじゃない。気味悪いわね……)でも、そっちがその気ならこれで消し飛ばしてやる!ファイアインパクト!!」


 灼熱の炎を纏った一本の矢が一直線にテンペストカイザーへ放たれた。

しかし。


「グッッ、ガアッ!ガガガアアアァァァァ!!!(訳:頼む、逃ゲロ!スケイル・タイフーンから、逃ゲロ!!!)」


なんということでしょう。


ボトボトと自身の身体から削ぎ落とした鱗がテンペストカイザーの生成した竜巻と一体化して緑色の竜巻へと変化したではないか!


「嘘……飲み込まれた!?」


 スケイルタイフーンとでもいわんばかりの竜巻はファイアインパクトを飲み込み、ホノカへと襲いかかる。


「(ファイアインパクトでも駄目!?フレイムランスもマジカルフレアも効かなかった・・・あっ、そうだ!アレ(・・)があるわ!!)」

「ねぇ、不味くない?これ」←冷や汗止まらんルナ

「うん。明らかにヤバい…!」←ライデンも同じく

「流石にアレを食らわせる訳には」


流石に状況が状況だと判断した俺はライトウォールを張ろうと右手を上げた。

その刹那、ホノカは叫んだ。


「駄目っリクト!張っちゃダメっ!!」

「馬鹿もの!アレを食らったら怪我では済まんぞ!!」


俺の代わりにホムラが叫んだ。


「問題、ないね!見てて!!私が、打ち勝ってやるんだから!」

「そんな、無茶よホノカ!!止まりなさい!」


ホノカはアカネの叫び声も無視して力を集めだした。

左手で炎のネックレス(←4話参照)を握り、右手を前に出し、魔方陣を生成。


 ホノカの意図が解った俺は自然と口角を上げた。


「まさか、アレで決着着ける気かよ」

「ちょ、ホノカ!この村諸とも消し飛ばすつもり!!?」

「あっ、ごめんリクト!結界を!村を守って!!」


ユキナの叫び声に気づいたホノカはとんでもない事を言い出した。

んな馬鹿な、と思いながらも俺はホノカにエールを送り、ワイドプロテクションを展開しこの丘を完全に囲った。


「絶対勝ってよ!」

「勿、論、、、!!炎よ、集いて弾け、我が敵を焼き焦がせ!!」


魔力を補うネックレスの効果はやはり凄い。

ホノカのスキルには魔法の詠唱をカットする『詠唱破棄(クイックスペル)』の効果は無い。

ハズなのだが、一瞬で巨大な獄炎を生成した。


「クッギギ、ガッガアアァァァァァァァァァ!!!」

「ふっ飛べ!グランドフレイム!!!」


放たれた爆炎が鱗の竜巻と激突する。


「最大火力でっ、消し飛べぇぇ!!!」

「ガアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


 しばらくして、大きな爆発と共に煙が立ち上ってきた。

ワイドプロテクションで囲っていたので俺達や村等に被害は無いが、黒煙のせいで前が見えない。

(一応補足。爆発で雨は止んだ。雨雲が消し飛んだ☆)


「(あ、そういえば"創造の手(クリエイター)"って、こういう煙とかも消せるのかな?)」


思い立ったら即行動。

俺は指をパチンと鳴らす。すると、黒煙は綺麗さっぱり消えた。


「(マジか、全部消えた)」


 煙が晴れた結界の中では、膝を崩して息絶え絶えのホノカと、膝をつくテンペストカイザーの姿があった。


「はぁはぁ、、う、嘘でしょ、、、!?全部出しきったのに・・・」

「ガァガァガァ、、ググッ(訳:ソンナ、、糸が、取れ、ナイ………)」


諦めが悪いと言えばいいのかなんなのか。

テンペストカイザーの目には闘争心が残っているらしい。


「(うん。よく頑張ったけど、これはぼくの出番かな?いや待てよ?)ま、まさか!」

「気付いたか?クロム。にわかにはあり得ないよな・・・」


ディミオスがそう呟いた瞬間、テンペストカイザーは立ち上がり、ホノカを噛みつかんと迫ってきた!

ホノカは攻撃を回避する為に立とうとするも、力が入らないのかその場にへたり込んだ。


「ホノカ!!」

「ホノカっ!!」

「お姉……!」

「危険じゃ!行くぞお主ら!」

「ホノカ!」

「逃げろ!」

「駄目っ!」

「マズイっ!」

「うちの足、お願い間に合って!!!」

「グッ、グルアアアアアアアアア!!!!!」


狂ったように突進し、ロックオンした獲物を食らいつかんと迫るテンペストカイザー。


 後0.1秒で結界を張ってだなんて、流石に常軌を逸している。

ホノカに反対されてでも結界を張っておけばと後悔の気持ちが溢れ出る。


「・・・狙い通りが過ぎるわよ。お馬鹿さん」

「ガウガガウ!?(訳:なに……!?)」


え?消えた!?

皆がホノカの姿を見逃した。ただし、ディミオスとクロムを除いてだが。


「(何処じゃ!?何っっ!!空じゃと!?)まさかあやつ、全て計っていたというのか……!?」

「ははっ驚くのも無理はないよな。戦闘中だってのにあんな演技するなんてよ」

「だね。・・・まさか、似たような事をする人をぼくの人生で、2回も見ることになるとは思ってもいなかったな」


クロムの視線の先には信じられないと口をあんぐり開けるホムラと目を見開いてまじまじとホノカを見つめるアカネの姿があった。


 ホノカの姿が消えたように見えたのは、攻撃を食らう刹那で大ジャンプし、そのまま宙返りでテンペストカイザーの背後を取ったからである。


「来てくれて、ありがとね。フル☆フレイムアローっ!!」


テンペストカイザーの背を取ったホノカは、そのまま流れるように燃え盛る矢を左肩のコアにぶち当てたのだった。


「グッ、グガガガ、ガァ・・・(訳:操り糸から、解いてくれて、感、、謝する・・・)」


コアを射ぬかれ破壊されたテンペストカイザーは、力無く唸る。そしてドサッと大きな音を倒れ、消滅した。


「へっへーどんなもんだい・・・(やばっ、力が抜ける。流石にやりすぎた。でも、不思議と心地よいような、、、)」


ホノカが横に倒れる直前、間一髪ルミナスが抑えた。


「おっと危ない危ない。・・・!!ふふっ疲れて眠ってしもうたか。ホノカよ、よくやりおったな」

「はぁ・・・固唾を飲んで見守ってたからか、全く声が出せんかったよ」

「はははっ。そうは言っても、パニックを起こす村人達の対応を必死にやってたんじゃない。そう謙遜するなよ、バル君」

「・・・やっぱギルマスには敵わないな」


クロムに肘でつつかれて満更でもないバル。

その後、クロムは呆然と立ち尽くすホムラの元へ向かった。


「さぁて、ホムラ。どうかな、きみの考えは変わったかい?」


バルはホムラの隣までやってきて言った。


「・・・ああ。これは認めざるを得ないわな」


ホムラは向こうでガヤガヤやってる"クリエイト"の五人とルミナス達を見ながら続けた。


「バル、それにアカネも。お前達は冒険者って職種(ジョブ)がどんだけやばくてイカれた職種(ジョブ)か、知ってるだろ?」

「・・・まぁな」

「うん・・・」


先程ホノカが放ったグランドフレイムのお陰で晴れた空。

そこから見える夕焼けをぼんやり眺めながら、ホムラは続ける。


「命の危険が絡むからこそ、ホノカにはまともな職種(ジョブ)に就いて欲しかったんだがな・・・・・

もぅ、そんな心配は必要無いらしいぜ」

「あなた・・・」

「まさか、お前の口からそんな言葉が出てくるとはな」

「う、うるさい」


目を閉じて染々と頷くバルにホムラは顔を赤面させた。


「百聞は一見に如かずって奴か。こないだまでろくに魔法を扱えなかったくせに」


つぅーっとホムラの目尻から一筋の光が流れた。

俺達は皆、それを見逃さなかった。


「口だけじゃ、ねぇのかよ。全く、成長を、見せつけてくれやがって・・・」





次回、15話 ワルアガキと道化の戯れ

1/21追記

修正という名の魔改造後の世界でございます。

まさか修正が終わるまでに1ヶ月開けるとは、年も越すとは思ってもいませんでした。驚き過ぎて腰が抜けそうです。


冗談はさておき、今回の魔改造は軽いです。

抜け落ちやミスの修正等々と、前までのゴリッゴリの修正はしませんでした。

(※変えなくてはいけない要素が少なかった為)



では、次の話へどうぞ→

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