【10話】 逆転勝利
先に国や地域の中身考えたから昔よりも名称でどこか指せるようになったので、話作るのが非っ常に楽になった。
という、凄くどうでもいい話を載せておきます(白目)
ここは、ソウルフォレストから東に遠く離れた場所、竜王国ドラグデォミオス。
北は、ゼロ対戦後閉ざされてから早数百年にも及ぶ『海妖族のリゾート』と常夏の海『シェイクオーシャン』が存在し、南は『インペリアル・シャイン』(通称輝きの王国)に挟まれる大陸の端の国。
この地を治めるのは、勇魔六英雄の中でも竜王として有名な魔王ディミオスその人である。
沢山の種族で常に活気溢れる商店街フォーリンCや憩の湯ドラゴンオンセン等の施設に、レンガや石造りの建物が並ぶどこか中世風な街(因みに、郊外には特産品のりんごが沢山実る林もあったりする)。
ドラグディミオスの街に入ってからすぐ右手に見える、螺旋状の100万Cの夕焼け階段を登り、竜窟の穴を抜けた先に聳え立つ竜王城ロード・オブ・ドラゴン。
その城の自室から今日も夕焼け映える街並みを眺めて気分をリフレッシュしているディミオスは、1ヶ月前に見聞を広める武者修行の旅に出た配下のガロウズを想っていた。
「本当、時間の流れは早ぇよな……あいつは今、無事に旅を続けているだろうか。・・・・・ま、あいつなら大丈夫だろ」
「失礼します、ディミオス様。少し、お時間宜しいでしょうか?」
ふと、ノック音が聞こえた。
ふむ。この声は、俺様の配下の一人、竜族ガイアだな?
おっと、その前に。俺様は魔王、そして英雄。それだけでも沢山の配下がいるのだが、その配下の軍団の総称的なものをドラグナーというのだ。
まぁなんだ、俗に言う魔王軍というヤツだ。
ガイアとは、その魔王軍の幹部にして、No.2の実力を持つヤツで、"竜の左手"とも呼ばれているな。
※ちなみに幹部筆頭はガロウズで、"竜の右手"もガロウズです。
「(相変わらず、ガイアは丁寧だな。ウチの連中の中ではガロウズと同等か、それ以上に真面目なやつだ)おぅ、ガイアか。入っていいぞ」
俺様はガイアを自室へ通す。
「失礼します」
なんだ?ガイアは額に汗を浮かべているぞ。
何か、トラブルでもあったのか?
「ディミオス様。中央王都の魔王ジーク・カイザー様からの使者がお見えです」
「ジークからの、使者?」
ジークというのはそう、魔王ジーク・カイザーのことだ。天使族でありながら魔王でもある。
そんな彼は聖天覇王の二つ名を持ち、中央王都の城に住まう。
彼の特徴としては、赤と黒を基調にしたお気に入りの軍服を常に着用する所があるな。
それに、我々勇魔六英雄において彼は最古の一人にして、最強の存在。
自信家な性格だが、いつ如何なる時でも全く隙を見せる事はなく、10000年という超が付く程の年月を生きるのに、全く衰えを感じさせることがない。
戦闘訓練中等でドラグナー達がモンスターらと戦う光景を見ていると、俺様自身も大概化け物だなと感じる時がある。
だが、ジークはそれよりも遥か上を行く、正真正銘の化け物と呼べるだろう。
だが、彼はこれといって争いを好む性格でも無い。
その理由は色々考えされるが、常に古い考えを新しいものにアップデートし、様々なモノに関心を示したりする好奇心の旺盛さが一番大きいだろう。
故に、ゼロ対戦後の中央王都を"この世界"で一番文明の発展を遂げ、快適に暮らしやすい国に育て上げたと言っても過言ではない。(※ディミオスさんべた褒め)
ま、暮らしやすさはこの国も負けてないけどな。
とまぁ、そんなジークの使いの者が中央王都から遠く離れたこの国にやってきたというのだ。
「ジークからの使者か。さて、どいつが来たんだ?」
「九星天使が一人、マーズ殿です。なんでも、急ぎの用だとか」
「急ぎの用?(・・・どこか引っ掛かるな。ジークやその幹部連中は今日は忙しくて外出出来ない筈だが。
況してやその九星天使のマーズが急用で来たと?成程、余程の事に違い無さそうだな)解った、通せ」
俺様が許可を下ろした途端、扉が乱暴に開けられた。
開いた扉から、慌てた様子の女の子が入って来た。
「はぁはぁ・・・でぃ、ディミオス様ごめんね、突然押し寄せちゃって」
「(ほぅ、マーズか)」
軍服と同じ紅色の瞳。それに、背中には純白の翼を生やしており、金髪に付けられた黒のカチューシャが。
その上には天使族の象徴とも呼べる天使の輪っかがあった。
ふむ、間違いない。魔王ジーク・カイザー配下ウイングナイツ幹部の九星天使が一人のマーズ本人だ。
マーズはかなり呼吸が乱れている。
"この世界"には転移魔法なる便利な技術があるにも関わらず、ここまで息絶え絶えということは、中央王都からここまで、大慌てで飛んできたのだろう。(※大正解)
「おぅ。いつになく慌ててるな。とりあえず座りな」
とりあえず俺様は、マーズを客用のソファに座らせる。
「(困ったな、人数が足りない。・・・やむを得ない)セイン。悪いが茶を出してやってくれ」
「御意」
俺様はその場にいた別の配下にお茶出しを命じた。
「・・・・・」
彼は聖妖族のセイン。セインもガイア同様、ドラグナーの幹部なのだが、今の時間帯は殆どの配下が城内のあちこちで働いているあわただしい時間なので、人手が足りない。
セインよ。どうか許してくれ。
「どうぞ、紅茶です」
「あ、セイン君。どうも(はぁ、暖かい……)」
「ありがとな、セイン」
「いえ。ディミオス様・・・」
「分かった。時間なんだな?」
「すみません、失礼します」
セインは今朝、絶賛多忙なスケジュールに見舞われていると言っていた。
それなのに茶を出して貰って、悪いことをしたかな。
「はぁ、暖かい………」
紅茶を飲んで一呼吸ついたのか、マーズは背中の翼を収納した。
「で、何故そんなに慌ててるんだ?」
「(ハッ!いけない!!)」
あの慌てっぷり、紅茶に気を取られて危うく本来の目的を忘れてたな?
「大変な事が起きたのよ!」
「「大変な、事?」」
マーズの余りにもの慌てっぷりに俺様はガイアときょとんとした反応をとる。
「1ヶ月前にこの国から旅立ったガロウズ君なんだけどね、異形な姿でソウルフォレスト内で暴れて村を蹂躙しているの!
し、しかもコレ!今現在、リアルタイムで起きてる出来事なの!!」
理解が追い付かなかった。
慌てるマーズの様子を見るに、きっと俺様ははぁ?とでも言ったに違いない。
「!?? あ、あのガロウズが、村を蹂躙?ハハハ、マーズ殿、悪い冗談は止してもらおうか」
ガイアは目を押さえながら言葉を選ぶように言った。
だが、マーズは目を閉じ、首を横に振った。
「ごめんねガイア君。私だって冗談でもこんなこと言いたくないわよ!冗談だったらどれ程良かった事か……
で、でもね、そんな事言ってる場合じゃないの!ほら、水晶球を見て!」
マーズが取り出したのは、"この世界"においてのインフラこと水晶球だ。
【Q.水晶球とはなんぞや?】
A.遠くの映像をリアルタイムで(しかもカラー)映し出したり、映像を記録したり。
また、ラジオやテレビ等のメディアとして利用したり、ゲームで遊んだり音楽を聴いたり(娯楽)、戦闘中に目を閉じずにステータスの確認も可能と、まさに我々現代人の必需品たるスマホのスーパー版のようなシロモノである。
(それを踏まえて本編へ)
俺様はガイアと水晶球を覗き込む。
すると、水晶球は目を疑う様な光景を映し出した。
「はぁ!!?ちょ、おい待て待て待て待て、何だこれは!村が、壊滅してるじゃねえか!」
「何だ、コレは。現実か?あまりにも、酷すぎる……
ん?何だ、人影があるな。っ!!!?」
ふと、ガイアは声を詰まらせた。
壊滅的で、目も当てられない惨状の村。それだけでも十分情報過多で意識が飛び出そうだってのに。
あの、鮮やかな蒼色だった翼はドス黒く染まり、格子状の模様が浮かびあがり、同じく蒼色だった二本の角も、邪悪なる色に染まり額から新しく3本目の角を生やしている。
水晶球越しに見えるあの狂気染みた笑顔からは、かつての"竜の右手"の面影なんぞ最早残していない。
正真正銘の怪物。といった禍々しい姿をした存在が、そこには映っていたのだ。
『クハァ!ーーにーーーーからこーーるのーだ!!』
音質はガビガビだが、この声は間違いない。
ガロウズの、ガロウズ本人の声だ……
ガイアは酷く落胆した。
「こ、この声!!・・・、んな、そんな、嘘だろ…嘘だと、言ってくれよガロウズ…!」
ガイアが悲しみと困惑に嘆く横で俺様は頭を抱える。
「場所は・・・成程、精霊樹の下側、南の村か。チッ、どこもかしこもぐちゃぐちゃで、跡形も無いじゃねぇか・・・」
「ディミオス様お願い!ガロウズ君を止めて!私達はこれから・・・」
マーズはテーブルに頭をぶつけそうな勢いで頭を下げた。
「あぁ、解ってるさ。これからお前さん達は中央王都のお偉いさん達が集まる会議があるんだろう?」
俺様はマーズの返答を聞く前に立ち上がると、自室から飛び出した。
はっとしたガイアは慌てて声を上げた。
「ディミオス様!?ま、まさか!」
「あぁ。そのまさかだ!悪いガイア、帰りが遅れると皆に伝えておいてくれ。俺様がいない間、諸々は任せた!」
「り、了解しました……!」
背後からガイアの声が聞こえた。
はは、了解だとよ。ありがてぇ!
「どわっ!?」
部屋から飛び出し廊下を曲がった俺様は、これまた配下の一人である妖精族のプリンと鉢合わせた。
「あれ?でぃ、ディミオス様!ちょ!!?どこ行くの!?」
「わりぃなプリン、ソウルフォレストに急用だ!」
「(ソウルフォレスト?何でまた……)気をつけt・・・あ、もぅ行っちゃった…」
配下、しかも直属の部下の暴走という生まれて初めて発生したイレギュラー。
同様していたのは報告に来たマーズや、ガロウズの同僚もとい親友のガイアだけではない。
俺様自身も酷く同様していた。
「ったく、ありえねぇ。何をトチ狂ったんだ?馬鹿たれが・・・・・」
俺様は軽い身のこなしで城の窓から飛び出すと、背中の竜の翼を一気に広げ、空を舞った。
そしてだんだん高度を上げていき、竜形態へと変身する。
竜形態時特有の巨大な翼を羽ばたかせ、俺様はソウルフォレスト目指して飛びたった。
「しかし、暴走するガロウズとタイマン張ってたあの人間。ろくに装備も防具も無かったよな。
・・・気味悪ぃな。一体何者なんだ?」
超高速で空を飛びながら、俺様はポツリと呟いたのだった。
◇
一方で、此方は渦中のソウルフォレスト。
「これで、終わらせてやるぞ!死ねぇ!!!
究極破滅吸収!!!!」
「っっっ!!! っ! ・・・・・」
ロウズの必殺技を食らう瞬間、俺は走馬灯を見ていたのだが、ある時を境に、そのまま意識を闇へと閉ざした。
…
……
………
ん、ここは一体?
あれ?電車!?何で?どうして?
「あ、やっと起きた」
ん?勇気?健斗?
俺を見て笑ってる声の主は俺の親友幼馴染みなのだが、ちょっと待てぃ!二人ともなんか小さくね?
意味不明だ。意味不明過ぎる!
「どうした?そんなにキョロキョロして」
どうして?って、そりゃキョロキョロしたくなるわ!!
突然、目の前が電車の中になって幼馴染み二人がどこからか出てきたんだぞ!?
しかもその二人が小学2年生の頃まで幼くなっていたら誰だってビックリする・・・
「!?」
俺の両手が視界に入った瞬間、俺は目を疑った。
「え!?嘘…俺も小さくなっとるやんけーーー!!!」
「どうした陸斗?」
なんだ?この、凄くすごく久しぶりに聞く声は。
「ははーん、さてはまた夢と現実が混同してやがるな?この、寝ぼすけさんめw」
目の前でケラケラと笑う俺そっくりの少年。
少年は大きな手で俺の頭を優しく撫でた。
え?嘘、何で!?
何で幹太兄ちゃんが目の前にいるんだよ!?
俺は優しく笑う兄を認識した途端、目がじーんと熱くなってきた。
「・・・、あれ・・・?」
「うぉ!?おいおい、どうした急に泣き出して」
「あわわわわ」
「ふふっ、陸斗~ホレ、笑えば泣き止むぞ?」
慌てる幹太と勇気。脇腹を突っつく健斗。
なんだよ健斗!ち、ちょい!からかうのは止めろってw
そこは俺の弱点なの!!
◇
・・・やっぱ変!!
どう考えてもおかしいぞ、この展開。意味不明過ぎる。
落ち着いて考えよう。まず、何故俺は電車に乗っている?
で、何故兄ちゃんがいて、勇気と健斗、あと俺も。
何故姿が幼いんだ?
それから暫く、俺は上記の謎についてかんがえながら電車に乗っていた。
「お、後三駅過ぎたら着くぞ」
「やったー!」
「思ったよりも早く映画館に着きそうだな」
映画館?
凄く嫌な予感がする。
「映画館?」
「寝ぼけてるのか?仮○○イダー見に来たんだろ?」
「仮○○イダー?」
記憶が段々甦ってくる。
「(ま、まさか!コレって、この日って・・・!!)」
そう、俺の兄である木ノ下幹太が亡くなった日と同じ出来事を追体験している!!?
ということは、今の俺達は勇気が6歳で、俺と健斗が7歳。
そして、幹太兄ちゃんはまだ16歳。
「(あ、電光掲示板に書いてるハズ。っ!?やっぱりか、2013年の6/19・・・後三時間後に兄ちゃんは17歳になる……)」
そう、今日6/19は妹の3歳の誕生日だけでなく、幹太兄ちゃんの17歳の誕生日でもある日なのだ。
「陸斗、お前見たがってたもんなー」
わかる。思い出したよ。
全部知ってる!ぜんぶ、わかる、、、!
幹太兄ちゃんが発した言葉も、電車の揺れ具合も、勇気と健斗の表情も、全部、全部…………
そして遂に、その時が来てしまう。来てしまった。
乗車中のこの電車が踏み切りを通過するまさにこの瞬間・・・
トラックが、居眠りスピード違反トラックが、無情にも俺達の楽しみと、優しくて、頼れて、カッコいい、大切な兄を、、、
「でさー、どっちが勝つと思うよ」
「えぇ?それはやっぱ○○の方でしょ」
「はははっ、!!?陸斗!勇気!健斗!あぶねぇ!!!!!」
奪っていったんだ。
兄ちゃんは自分が犠牲になることを躊躇わずに俺達三人を引っ張って、安全な向こうに突き飛ばした。
その後トラックと壁とで圧迫されて亡くなった。
結局この日見る予定だった映画は中止に追いやられ、俺と勇気、健斗は三人揃って病院送りとなった。
全治は二ヶ月……これは想像の7倍は長かったね。
・・・まだ、終わらないのか?この走馬灯…
やめてくれよ。もぅ、もう十分だよ。終わってくれよ!!
もういいよ。もう、いいって・・・
怪我が治ってからというもの、両親や学級の友達や先生は挙って俺を慰めた。
「怖かったね」
「大変だったね」
「お兄さんは残念だったね」
「もう大丈夫だよ?」
「怪我、治って良かったね」
不幸にあった俺に対して、みんな口を揃えて似たようなことばかり、他人事のように言いやがる。
怪我が治って良かっただぁ?良くねぇよ!!!
ふざけんじゃねぇ馬鹿野郎!何が大丈夫だ!ぶち殺すぞ!?
こちとら、兄ちゃん喪ってんだぞ!?
小2当時の俺は、今とは全く違く極度のめんどくさがりでのらりくらりしていたのだが、それでも勇気と健斗は親友だった。
しかし、あの事故以来、俺の性格は負の方向に突き抜けて行き、無言真顔のネクラな、ヤな奴だと思われていたかもしれない。
これは後から聞いたのだが、そのせいで勇気と健斗の二人もかなり声をかけづらかったという。
しかし、二人は一生懸命俺の居場所を残してくれていた。
でも、その時の俺は・・・・・
「・・・・・」
「陸斗!」
「お前なぁ、いい加減前を向いたらどうだ?」
「~~~~!!!しつこい!!お前らに、俺の何が、分かるんだ!!」
理不尽な怒りを食らい、唖然とする勇気と黙ってしまった健斗。
あぁ、最低で最悪だ・・・
「そんな・・・」
「あぁ分かったよ。勇気、もぅ行こうぜ……」
なんて馬鹿な事を口走ってしまったのだろう。
その日を境に、俺は誰とも口を聞かなくなった。
こうして、兄への甘えを被ったまま一年が経過したある日。
4歳になったばかりの優梨にこう言われた。
「ねぇ。なんでりっくはいつもずっとないてるの?」
ただの、妹の素朴な疑問だ。
それなのに、俺は何を思ったのか、その瞬間怒鳴り散らした。
「お前に判るわけねぇだろ!!」
何を血迷ったか、優梨に拳を振るおうとしたのだ。
無慈悲で理不尽な拳が怯えて泣きそうな優梨に当たる刹那、俺にはあるものが見えた。
いや、見えてしまったんだ。
「おいおい。何やってるんだ?優梨の兄であるお前が妹に手を出すなんて、駄目じゃないか」
幹太兄ちゃんが俺の小さな拳を受け止めたのだ。
拳を受け止めた後、幹太兄ちゃんは俺と優梨の頭を撫でた。
「じゃあな、二人とも」
「かんた?なんで?」
「兄ちゃん!!」
「陸斗。今度は、お前が守る番だ」
そして、その一言を残して、優しい笑みを浮かべた幻影は消えた。
気がついたら、俺は優梨を抱き締めて二人揃って泣いていた。
俺達の鳴き声に気づいて両親が慌てて駆けつけたのだが、その慌てっぷりが可笑しくて優梨と声を揃えて笑った。
あぁ、こんなに笑ったのはいつぶりだろう、、、
………
……
…
「っ!?」
瞬間、俺は目を覚ました。
今、俺の目の前には得意気な顔で必殺技を放とうとするロウズの姿があった。
それに、ボロボロで息絶え絶えのライデン、ホノカ、ユキナ、ヒビキ、ルナの姿もあった。
「みん、な、、、!」
守、らなきゃ、、、!俺が、皆を守らないと!
でもどうやって?
そうだ!今の俺には"創造の手"があるじゃないか!
スキルを1から作れる、頼れるスキルがあるじゃない!
皆を助けるにはどんなスキルを作成すればいいんだ?
全くもって思い付かない。
<今度は、お前が守る番だ>
ふと、幹太の言葉を思い付いた。
もし、もしも走馬灯のように時間を巻き戻せたら?
みんなみんな、助けれる?
俺はいてもたってもいられなくなった。
・・・ははっ出来た。
新たなスキル、"時空間支配"の誕生だ!
ん?ちょっと待て。なんか今までのスキル達と雰囲気違くない?
いいや、この際そんな細かいことはどうでもいい!
この"時空間支配"の力で、みんなを、みんなを助けるんだ!
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!究極破滅吸収!!!」
「ライト、ウォール!」
勝ち誇ったようなドヤ顔で放たれたロウズの必殺の奥義を俺は紙一重で展開した結界防御した。
「な、何ィ!?貴様、今のを、防いだ、、、だと!?」
技を結界というイレギュラーな壁にぶつけられて、ロウズは体勢を崩した。
「(よし、今だ!!)」
その一瞬、ほんの一瞬でいい。
僅かでも隙が出来たなら、それを絶対、掴んでやる!!
そして、ここからは俺の想いから誕生した"時空間支配"で、この戦いを終わらせよう。
俺は右手を掲げ、指をパチンと鳴らし、宣言する。
「タイム・ストップ!」
すると、辺り一面灰色になり、俺以外全ての動きが止まった。そして、全ての動きの停止を確認すると、掲げた右手を肩の所まで下ろし、ガチャガチャのレバーを左に回すように動かす。
「タイム・リワインド!」
背景が凄まじい速度で動いている。
まるで、禁忌を犯しているかのような、目まぐるしい動きだ。
そして、村も、森も、村人達も、皆の傷すら元通りになったタイミングで、俺は右手をゆっくり止める。
そして、再び天高く掲げ、指をパチンと鳴らし、宣言する。
「タイム・Re:スタート」
瞬間、灰色だった世界はものの見事に元通り、綺麗で鮮やかな色を放ち始めた。
「ぐっ、ぐ、なん、だ?なんだ?ゃ、やめ、ろぉぉoOオぉおぉヲをぉオぁぁぁァァァaaaaaa!!!!!!」
目の前にいたロウズはというと、突如苦しみ始めたと思いきや、胸元のコアのような宝珠が砕けちり、姿が、変わった。
「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ・・・あ、あれ?ぼ、ボク……」
何か、ガラリと雰囲気変わった気がするけど、まぁ、、いっか、、、、、
「・・・ん?」
「あれ?私達」
「無事?なんで!?」
「す、すげぇ・・・村が、元通りじゃねぇか!」
「やった、やったぁ、やったぁ!!」
何が起こったか解らない村人達や喜び合うホノカやユキナ達。
そして、何が何だか解ってない様子のロウズだった存在。
「やっと、終わった、んだ、、、」
彼らを視認した瞬間、俺は意識を失い、バタリと倒れた。
次回、EX01 ガロウズ旅日記(前編)
海妖族。
"この世界"では、種族として読むと"海妖族"と読みますが、海妖族のリゾート(国の名前)の方は"海妖族"と読みます。
ややこしやややこしや。ルビはちゃんと振るのでご安心を♨️
何故こう無駄にややこしくなってる理由は後に明かされます。
12/3追記
11/28からの修正という名の魔改造を行おうとしたきっかけは実はココなのです(笑)
特に弄った箇所は、そうですね、リクトの走馬灯ですね。
今回の話は、1話にだけ出ていた勇気と健斗という存在がリクトにとってどれだけ大きな存在だったのかを描いたつもりだったのです。
でも、何故かその殆どが抜け落ちていたんですよね?
※意味不明過ぎる!!
それに気づいた瞬間、大慌てで修正しました。
で、ココだけなのか?修正する所はココだけでいいのか!?
的な考えになり、魔改造を決行しました。
はい。現場からは以上でーす。
と、To be continued……!!
 




